時事用語

時事用語解説 

H3ロケット
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発した使い捨てのロケット。成功率98%を誇ったH2Aの後継機で、2023年に打ち上げを始めた。エンジンの構成が異なる複数のタイプをそろえ、衛星の重さや軌道に合わせて選べる「柔軟性」、高い成功率でスケジュールも順守する「高信頼性」を備えた使いやすいロケットとして、世界の打ち上げ需要に応えることを目指す。市販の部品や3Dプリンターによる製造を取り入れ、低コスト化も図った。

補正予算
当初予算成立後の年度途中に組む予算。災害発生や景気悪化などを理由に財政措置が新たに必要な場合に編成する。財政法は「特に緊要となった経費の支出」に限り追加支出を認めている。家計や企業の支援経費を盛り込むことが多く、複数回策定することもある。ここ数年は新型コロナウイルス禍や物価高により予算規模が膨らむ傾向にあった。

エディオン
中四国、九州地方が地盤のデオデオ(広島市中区)と中部地方のエイデン(名古屋市)が2002年に持ち株会社として設立。 12年に店名をエディオンに統一。 26年3期の売上高は7937億4600万円、純利益は154億5300万円。店舗数はフランチャイズを含め1180店(3末時点)。グループ従業員数は1万5966人(25年3末時点)。

ヤマダホールディングス(HD)
1973年に前橋市でヤマダ電化サービスとして創業。 2020年にヤマダ電機からヤマダHDに名称変更し、持ち株会社化した。店舗数はフランチャイズも含め8774店(3末時点)。26年3期の売上高は1兆6918億800万円、純利益は147億7800万円。グループ従業員数は25676人(25年3末時点)。

セブンカフェ
セブン・イレブン・ジャパンが2013年から展開するコーヒーの看板商品。ホットやアイス、種類、サイズを選ぶことができ、専用マシンを使って1杯ずつドリップする。25年4月までの累計販売数は90億杯を突破した。26年5月18日に死去した元セブン&アイーホールディングス会長兼最高経営責任者(CEO)の鈴木敏文の肝いりで市場に投入したことでも知られる。

大阪都構想
政令市の大阪市を特別区に再編し、広域行政を担う自治体を一元化する改革。日本維新の会が、前身の発足当初から看板政策として掲げている。2015年と20年の2度、大阪市民を対象として制度導入の是非を問う住民投票が実施されたが、いずれも僅差で否決された。連立政権を組む自民党と維新が今国会での成立を目指す「副首都」構想の関連法案では、都構想の是非と同時に「大阪都」への名称変更を問う場合、住民投票の対象を大阪府民に拡大できるとしている。

合計特殊出生率
1人の女性が生涯に産む子どもの数を推定した値。15~49歳の女性の年齢別出生率を合計する。戦後の第1次ベビーブームが起きた1947年は4.54だったが、75年に2を割り込み、2016年から減少が続いている。人口の維持には、おおむね2.07を保つ必要があるとされる。安倍政権では、若い世代が希望通りの数の子どもを持てる「希望出生率1.8」を目標に掲げた。

アンソロピック
生成人工知能(AI)を開発する米国の新興企業。オープンAIの幹部だったダリオ・アモデイらが2021年に設立した。23年に対話型の生成AI「クロード」の初版を発表。安全性を重視したAI開発を目指し、守るべき原則を「憲法」として定め学習させている。軍事利用拡大を巡る対立から、米国防総省が安全保障上の脅威となる「サプライチェーン(供給網)リスク」に指定した。

半導体
電気を通しやすい〔導体〕と、ほとんど通さない「絶縁体」の中間的な性質を持つ電子回路部品。演算や画像処理を担う「ロジック」、データを記憶する「メモリー」、電力を制御する「パワー」に分かれる。回路線幅が小さくなるほど高性能で、複数のチップを効率的に配置して高速、低消費電力を実現する「積層化」の技術でも競争が激しい。

はしか
麻疹(ましん)ウイルスが原因の感染症。感染力が非常に強く、同じ部屋にいるだけで空気感染する。10日ほどの潜伏期間を経て発熱やせき、鼻水の症状が現れ、その後に発疹も出る。肺炎や脳炎で重症化することもある。感染後は全身の免疫機能が下がるとされる。定期接種として1歳と小学校入学前の1年間の計2回、風疹と混合したMRワクチンが接種できる。

赤字国債
歳入不足を補う目的で発行する国債。資産として長く残る公共事業などに使い道を限定する建設国債とは異なる。財政法では本来認められておらず、税収だけで財源が足りないため公債発行特例法により発行。特例国債とも呼ばれる。税収が膨らんだバブル期には発行が見送られたことがあったが、近年は大量発行が続く。2026年度の当初予算には22兆8680億円を計上した。

ソフトバンクグループ
孫正義会長兼社長をトップに携帯電話事業を手がけるソフトバンクなどを傘下に持つほか、ファンドを通じて世界中のテクノロジー企業に投資している。最近は人工知能(AI)分野に経営資源を集中させる方針を掲げ、生成AI「チャットGPT」を手がける米オープンAIに巨額出資を続けている。米国を中心に大型データセンターの建設プロジェクトも進めている。

竹島
島根県・隠岐諸島の北西約158km、韓国・鬱陵島(ウルルンド)の南東約88kmに位置し、東西二つの島と石礁からなる。総面積は約0.2平方キロ。飲料水が乏しく定住に適さない。日本政府は、遅くとも17世紀半ばには日本が領有権を確立したとし、1905年に閣議決定で島根県に編入した。一方、韓国は54年から警備隊を常駐させて実効支配する。北朝鮮も近年の憲法改正まで自国領土と見なし、主に日本を批判の対象にしてきた。

大学生の就職活動
政府は会社説明会を3月、面接などの選考活動を6月、正式な内定を10月に、それぞれ解禁するルールを定めている。就活と授業や研究の時期が重なる支障がなるべく出ないようにする狙い。ルールに法的拘束力や罰則はなく、先行して採用活動をする企業は多い。学生が複数の内定を得た上で、より志望度の高い企業を目指して就活を続ける動きもある。企業が内定を出した学生に、就活終了を迫る「オワハラ」も問題になっている。

LGBT理解増進法
同性愛者や、出生時の性別と自認する性別が異なるトランスジェンダーを含む、LGBTなど性的少数者に対する理解を広めるための議員立法。基本理念で「性的指向やジェンダーアイデンティティーにかかわらず個人として尊重され、不当な差別はあってはならない」とする一方、「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」と多数派に配慮する条項も設けた。政府に基本計画の策定や施策の実施状況の公表を義務付け、学校や事業者にも啓発や相談体制の整備に努めるよう求めた。

フラット35
住宅金融支援機構が民間金融機関と連携して提供する金利固定型住宅ローンで、最長35年間、金利が変わらないのが特徴。借り手にとっては、金利上昇のリスクを気にせず返済計画を立てられる。子育て世帯の金利を引き下げる仕組みもあり、原資として、国が機構にお金を出している。

安全保障関連3文書
国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の三つ。上位文書に当たる国家安保戦略は、米国に倣って2013年に初めて策定され、非核三原則を守る華本方針を理念に掲げる。防衛力強化に向けた22年の改定で、当時の岸田文雄首相は「安全保障政策の大転換」と認めたが、「非核三原則を堅持するとの基太方針は今後も変わらない」と明記した。高市早苗首相は、26年中を目指す改定にあたり、堅持を明言していない。

入管難民法
日本への出入国の管理、外国人の在留資格や退去強制制度、難民認定手続きを定める。在留資格変更や期間更新の許可、永住許可の手続きに関する手数料の上限額も規定。直近の法改正は2024年6月で、技能実習に代わる新たな外国人受け入れ制度「育成就労」を創設。故意に納税を怠った場合などに永住許可を取り消し、別の在留資格に切り替える規定も盛り込まれた。27年4月に施行される。

トヨタの中東事業
トヨタ自動車は中東で車両の現地生産はせず、日本などから輸出している。スポーツタイプ多目的車(SUV)「ランドクルーザー」が人気だ。2025年度の中東での販売台数は58万台余りで、日本から中東向けの輸出は30万台超だった。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、サウジアラビアの24年の販売台数シェアでトヨタは皋大の約3割を占めた。

貯蓄から投資
政府が実現を目指す「資産運用立国」の中で浸透を図っている言葉。2001年の小泉政権で初めて掲げられたとされる。物価が上昇する局面では、貯蓄を投資に振り向けて家計所得を増やすことが重要とされる。政府はこれまで少額投資非課税制度(NISA)の拡充や個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」制度の改革などで投資環境を整えてきた。

メルコスル(南部共同市場)
南米のアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビアが加盟する関税同盟。1995年に発足。域内で関税を原則撤廃し、域外に共通関税を適用している。加盟国単独での域外との通商協定交渉は禁止。ベネズエラも加盟していたが、独裁化を進めたマドゥロ政権下の2017年に加盟資格が無期限停止。24年に中米パナマが準加盟国となり、南米の枠を超え影響力を広げている。

核のごみの最終処分
原発で使った核燃料の再処理後に出た廃液を、ガラスで固めた高レベル放射性廃棄物が「核のごみ」と呼ばれる。極めて強い放射線を出し続けるため、国は最終処分場を定めて地下300mより深い岩盤に埋める地層処分で数万年以上、人の生活環境から隔離する方針。立地選定は地質図や論文で活断層の状況などを調べる文献調査、ボーリングで地質を確認する概要調査、地下施設を造る精密調査の3段階がある。地元首長や知事が反対すれば、次の段階の調査や処分地選定に進まない。

要配慮個人情報
不当な差別や偏見、その他の不利益が生じないように取り扱いを特に厳しく制限する情報。個人情報保護法に規定されており、社会的身分、犯罪の被害の事実なども含まれる。管理する企業などは、漏えいやその恐れが生じた場合には、速やかに個人情報保護委員会に報告し、本人に通知しなければならない。個人情報保護法は技術の進展や社会情勢の変化に応じて、3年ごとに見直す規定がある。

消費税
商品の購入やサービスの利用に課される税金。1989年に税率3%で始まり、97年に5%、2014年に8%へと段階的に引き上がった。19年に10%となった際、外食・酒類を除く飲食料品や新聞を8%に据え置く軽減税率を導入した。25年度の税収は31兆4千億円を見込み、うち4割近くは地方に配分される。医療や介護、子育て支援の財源となる。

補正予算
当初予算成立後に年度途中で組む予算。物価上昇や災害などで財政支出が新たに必要な場合に編成する。財政法は「特に緊要となった経費の支出」に限って追加の支出を認めている。家計や企業を支援する経費を盛り込むことが多く、年度内に複数回編成することもある。
教育基本法
教育の目的や理念を定めた法律で、教育分野の他の法律や施策の基本となるため「教育の憲法」と呼ばれる。1947年に制定され、第1次安倍内閣の2006年に改正された。14条2項で「学校は特定の政党を支持し、または反対するための政治教育、その他の政治活動をしてはならない」と定める。06年の改正では公共の精神や伝統文化の尊重、「わが国と郷土を愛する」熊度を教育目標に盛り込んだ。
米国のイラン人
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、イランから米国に渡ったイラン人は、1979年のイラン革命と80年代のイラン・イラク戦争で増加した。市民権を持つイラン系米国人は約75万人(2024年)で人口の約0. 2%。うち約半数に当たる37万5000人が西部カリフォルニア州に居住。州別人口では南部テキサス州、東部ニューヨーク州と続く。
公判前整理手続き
刑事裁判の審理を計画的かつ迅速に行うため、初公判一回に裁判官や検察官、弁護人が集まり、事件の争点や証拠をあらかじめ整理する手続き。2005年施行の改正刑事訴訟法に創設された。裁判員裁判対象事件では必ず行わなければならず、他の事件でも裁判所が必要と判断すれば実施される。司法統計によると、24年に地裁で結論が出された一審事件で、手続きの対象となったのは990人だった。
中ロ善隣友好協力条約
中国の江沢民国家主席(当時)が2001年7月に訪ロした際にプーチン大統領と署名した両国の戦略的協調関係の発展をうたった基本条約。いずれかが有事に直面した場合、脅威排除のための協議を規定するなど、安全保障面での連携を図る。台湾問題についても記され、ロシアは中国が唯一の合法政府で、台湾は中国の不可分の領土であると認め、いかなる形式の台湾独立にも反対するとしている。当初の期限は20年間で、いずれかの事前の終了通告がない限り、5年間ずつ自動延長される。
党首討論
首相と野党党首が一対一の対面形式で臨む論戦。英国議会の「クエスチョンタイム」を参考に2000年に本格導入された。野党側は衆参両院のいずれかに10人以上の議員が所属し、国家基本政策委員会の委員となっている会派の党首らが参加可能。首相からの質問も認められる。1回の開催時間は45分が通例。審議時間が長い予算委員会の方が多く質問できるため、近年は開催頻度が低下。17、20、22、23年は一度も開かれなかった。
特殊詐欺の統計上の分類変更
警察庁が4月1日から、特殊詐欺の統計上の分類を囂更。従来型に、交流サイト(SNS)を介した「SNS型投資詐欺」と恋愛感情に乗じた「SNS型ロマンス詐欺」の2種類を追加し。被害額を集計している。深刻化する被害の全体像を的確に把握する狙いで、各都道府県警も同様に改めた。従来型の手口は10種類だったが、被害の急増で独立させた「ニセ警察詐欺」を含めて13種類となった。
安東
韓国南東部慶尚北道の内陸に位置する人口約15万人の市。現在の紙幣にも肖像が採用された朝鮮時代の儒学者李滉(イ・ファン)の出身地で、儒教文化を色濃く残した「韓国精神文化の首都」とも呼ばれる。南部釜山近海に注ぐ洛東江の上流部で、湾曲した川に囲まれ伝統家屋を残す世界文化遺産「河回村(ハフェマウル)」でも知られる。名物は鶏肉の煮込み料理「安東チムタク」や「安東焼酎」。出形県寒河江市が姉妹都市。神奈川県鎌倉市とも交流してきた。
地域未来戦略
高市政権が掲げる地域経済の活性化策。大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講じ、地域に産業クラスター(集積)の形成を目指す。国の支援により半導体企業が進出した北海道や熊本県が念頭にある。産業集積のタイプとして、広域ブロックごとに国が主導する「戦略産業」、都道府県知事主導の「地域産業」、都道府県や市区町村単位で取り組む「地場産業」の3種類を設けている。

精神科病院
厚牛男働省の調査によると、精神科の入院ベッドを持つ病院は2023年時点で全国に約1600ヵ所ある。ベッド数は約32万床で、約27万人が入院している。統合失調症の患者が約13万人と半分近くを占めるが、認知症の人も約8万人いる。65歳以上が7割近くに上り、高齢化が進んでいる。日本は国際的に見て精神科のベッドが多く、平均入院期間も長い。国連の障害者権利委員会は人権侵害に懸念を示し、強制的な入院や治療を廃止するよう日本政府に勧告している。

血管炎
全身を巡る血管に炎症が起こる病気の総称。キッセイ薬品工業のタブネオスは、いずれも指定難病の「顕微鏡的多発血管炎」と「多発血管炎性肉芽腫症」の治療薬として承認されている。共に原因不明だが、免疫の異常が関係するとされる。顕微鏡的多発血管炎は、腎臓や肺などの細い血管に炎症が起き、出血したり血栓ができたりして、血流障害や壊死(えし)が起こる。多発血管炎性肉芽腫症も関連する病気で、鼻や肺、腎臓などの細い血管に炎症や腫瘤(しゅりゅう)が生じる。

選択的夫婦別姓
夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれの結婚前の姓を使うことを認める制度。民法は婚姻時に夫か妻の姓を称するよう定めている。法相の諮問機関・法制審議会は1996年、民法改正による導入を答申したが、保守系議員の抵抗で法案提出に至らなかった。改姓することが圧倒的に多い女性の活躍を阻む一因とされ、経団連や連合は別姓実現を求めている。高市政権は夫婦同姓となる「同一戸籍同一氏」の原則を維持し、旧姓使用に法的効力を与える制度を目指している。

電気・ガス補助金
電気や都市ガス料金を抑えるために政府が支給する補助金。値下げの原資として小売り事業者に支払う。ロシアのウクライナ侵攻や円安を背景にエネルギー価格が高騰し、2023年1月に始めた。24年5月にいったん終えたが、冷暖房の使用が増える夏と冬に再開を繰り返してきた。これまでに5兆円規模の予算を投じた。

プリンスーグループ
中国福建省出身でカンボジアに移民したチェン・ジー(陳志)会長が設立した複合企業。高額報酬の偽求人で勧誘した各国の人々を監禁し、オンライン詐欺などに関与させたとして、米英や韓国が経済制裁を科すなど各国政府が追及。カンボジアで詐欺専用の巨大施設を設け、自ら関与ずるほか、犯罪集団にインフラを提供していたとされる。犯罪収益を合法的な不動産開発や銀行業に投資し、大規模な資金洗浄を行っていた。

航空機の航行情報
航行の安全のため航空機の多くは位置情報や速度などを地上の管制施設に向けて常時発信している。従来は充実した設備を持つ国防や空港、航空関係者のみが閲覧可能だった。「フライトレーダー24」や「ADS-Bエクスチェンジ」といったサービスでは世界中の有志が数万基のアンテナを設置し、これらの信号やデータを受信。データを統合処理し、インターネット上で個人でも航空機の航行状況を把握できるようになった。

国の大学支援
大学の運営費は学生の授業料や、外部から委託された研究の収入だけで賄えず、一部は国が税金で負担している。2026年度当初予算は国立大に支給する「国立大学法人運営費交付金」が1兆971億円、私立大に助成する「私立大学等経常費補助」が2987億円となった。文部科学省によると、私大の事業活動収入に対し補助金は1割程度を占めている。

クロード・ミュトス
米新興企業「アンソロピック」が開発した最新の人工知能(AI)。英語で「Claude Mythos」と表記する。ウェブプラウザーの脆弱(ぜいじゃく)性を見つけ出す能力が飛躍的に高いとされ、サイバー攻撃に悪用されることへの懸念が指摘されているo安全を優先して一般公開はせず、米I T大手のグーグルやマイクロソフトなどに限定して提供している。

特定技能
日本の人手不足対策として2019年度に新設された在留資格。生産性向上や国内人材の確保に取り組んでも人手が不足する場合、専門性や技能を持ち、即戦力となる外国人労働者を受け入れる制度。最長5年働ける「1号」と、条件を満たせば配偶者や子どもを帯同でき、事実上の永住も可能な「2号」がある。1号の対象となる産業分野は19あり、24~28年度の5年間で各分野ごとに上限が設定されている。全分野での受け入れ上限は80万5700人。

国立成育医療研究センター
1965年に開設された。日本で初めての小児専門病院「国立小児病院」が前身。年間の手術件数は5千件を超え、小児医療の最後のとりでといわれる。病院や研究所、臨床研究センター、女性の健康総合センターが連携し、周産期や女性医療も担う。 2010年、国立病院の独立行政法人化に伴い、独立採算に移行。23年度に赤字に転落した。

衆院の選挙制度
1選挙区で3~5人程度を選ぶ中選挙区制が同一政党内の派閥間競争をあおり、金権政治の元凶になっているとして、1選挙区から1人を選ぶ小選挙区制に改められた。比例代表との並立制で、重複立候補を認めている。 1994年1月に細川政権で導入が実現した。リクルート事件による政治不信の高まりが背景にあり、導入後初の選挙は96年10月に実施された。定数は当時500だったが、現在は465 (小選挙区289、比例176)となっている。

政治とカネの問題
1976年に田中角栄元首相が逮捕されたロッキード事件や88年に発覚したリクルート事件、92年の佐川急便事件など度重なるスキャンダルで政治不信が高まった派閥政治が背景にあるとして、小選挙区制や政党交付金制度を導入したが、その後も事件は後を絶たない。 2024年1月には自民党派閥裏金事件で東京地検特捜部が安倍派議員を逮捕。安倍派の会計責任者と二階派の元会計責任者を在宅起訴、岸田派の元会計責任者を略式起訴するなどした。

人口推計
5年に1度の国勢調査を基に、その後の出生や死亡、出入国の増減から毎月1日時点の総人口を算出する。国勢調査がない期間の人口を把握するのが目的。毎月1日時点は全国の人口、毎年10月1日時点は都道府県別を含む詳細なデータをまとめる。このほか元日は新成人、こどもの日は15歳未満、敬老の日は65歳以上の人数を特別に集計している。

eスポーツ
エレクトロニック・スポーツの略。パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機などを使ったゲームの他、自転車など体の動きが仮想空間に反映される「バーチャルスポーツ」と呼ばれるジャンルもある。アジア大会では2023年の杭卅大会で正式採用となり、今秋の愛知・名古屋大会でも11種目が実施される。スポーツか否かの議論が絶えず、依存症対策などの課題も指摘されている。

OPECプラス
需給調整を通じて原油価格の安定を目指す産油国の連合体の通称。石油輸出国機構(OPEC)に加盟するサウジアラビアなどに、非加盟のロシアやブラジルを加えて構成される。米国のシェールオイル生産増加に伴い、存在感が低下することへの危機感が背景にあり、2016年に結成された。米国は不参加。2026年5月1日、アラブ首長国連邦(UAE)がOPEC、OPECプラスから脱退した。

為替介入
通貨当局が外国為替相場を安定させるため、自国通貨や外貨を市場で売買すること。日本では財務相の指示に基づき、日銀が実務を担う。1国で実施する「単独介入」や複数の国が連携する「協調介入」がある。円安ドル高を食い止めるための介入は、国が外国為替資金特別会計で管理するドルを売って円を買う。

関西みらい銀行
大阪市を本拠地とした地方銀行。旧関西アーバン銀行と旧近畿大阪銀行が2019年に合併し、発足した。近畿2府4県などに約160の拠点を持つ。従業員数は約3500人。りそなホールディングス(HD)の完全子会社。25年3月期単体決算の純利益は196億円。りそなHDはほかに、りそな銀行、埼玉りそな銀行、みなと銀行を傘下に持つ。

ナフサ
原油を精製して作る石油製品。エチレンをはじめとした基礎化学品に分解する工程を経て、プラスチックなどの原料となる。経済産業省によると、ナフサの調達はこれまで国産が4割、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートなど中東が4割、中東以外の海外が2割だった。イラン攻撃による影響で中東からの輸入が難しくなり、化字工業に減産の影響が出ている。

自衛隊の海外派遣
憲法9条は海外の紛争地への派兵を禁じていると解釈される。密接な関係にある他国が攻撃を受け、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」に認定すれば集団的自衛権の行使が可能で、停戦前でも、自衛隊がホルムズ海峡に敷かれた機雷除去はできる。ただ、イラン側が武力行使とみなし、交戦状態に陥る恐れがある。防衛省設置法の「調査・研究」を根拠とした中東派遣は2020年以降続いているが、ホルムズ海峡では戦闘に巻き込まれるリスクを回避するため停戦が条件となる。

日本版DBS
子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の確認を義務付ける制度。DBSは、日本政府が制度設計の参考にした英国の「DIsclosure and Barring SerYlce」(前歴開示・前歴者就業制限機構)の頭文字。子どもの性被害が相次ぎ、保護者らが創設を求めた。学校や認可保育所などは一律で制度の対象となるが、医療機関は対象外。学習塾など民間事業者の参加は任意で、国の認定を受ければ同様の義務を負う。確認する犯罪歴には、不同意わいせつ罪などの刑法犯、痴漢や盗撮といった条例違反などが含まれる。

フィンランドの核政策とNATO加盟
フィンランドは1987年に原子力法を制定し、核爆発物の持ち込みや保有などを禁じてきた。第2次大戦でのソ連との戦争経験を踏まえ、戦後は中立政策や軍事非同盟を志向。一方で、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻を受け、同年5月にNATO加盟を申請し、23年4月に正式加盟した。

核拡散防止条約(NPT)
米口英仏中の5カ国に核兵器保有を認める代わりに核軍縮交渉を義務付け、他国の核保有を禁じた国際条約。1970年に発効し、191カ国・地域が加盟する。原則5年ごとに再検討会議を開き、核軍縮の進展などを点検する。核兵器を持つインド、パキスタン、事実上の核保有国イスラエルは非加盟、北朝鮮は2003年に脱退を表明した。核軍縮の停滞に対する非保有国の不満が強まり、21年に核兵器禁止条約が発効した。

聞き取り困難症
騒音下や早口、複数人での会話などで聞き取りが難しい状態のこと。英語のリスニングーディフィカルティーズ(聞き取り困難)の頭文字からLID(リッド)と呼ばれ、聴覚情報処理障害(APD)という名称もある。症状は個人や周囲の環境によって異なり、条件によっては聞き取りができる。詳しいメカニズムや原因は不明で、治療法もない。大阪公立大などのチームによると、国内の当事者は約120万人に上る可能性もある。診断可能な医療機関は少ない。

デュアルユース技術
民間と軍事双方で利用できる技術。英語で「Dual Use Technology」と表記する。弾道ミサイル技術を宇宙ロケットに応用したり、米国防総省が中心となって構築した通信網がインターネットとして広がったりと、民間への転用が多かった。近年は市販の無人機が戦闘に使われるなど、民生技術を軍事に活用する事例が増えた。民生と軍事の明確な区別が難しく、適切な管理が求められている。

燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)
航空会社が運賃に上乗せする料金で、燃料油価格の変動を反映させるための仕組み。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)はコスト急騰に対応するため、当初は2026年6月発券分から予定していた引き上げを急ぎよ、5月発券分からに前倒しした。

スターリンク
起業家イーロン・マスク氏が率いる米宇宙企業スペースXが開発した衛星通信網で、インターネット接続サービスを提供。高度550kmの低軌道上に打ち上げた通信衛星を利用し、高度3万5千km以上にある従来の衛星と比べ通信速度が速い利点がある。基地局やケーブルなど地上の大規模な通信設備を必要としない。同社は運用する衛星数の増加を図っている。

医師の数
厚生労働省が発表した「医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、2024年末時点の医師の総数は34万7772人。22年末から1.3%増え過去最多を更新した。従事する診療科は内科が6万2161人で最も多く、整形外科、小皃科が続いた。女性医師は4.7%増の8万4971人で、全体の24.4%だった。統計は2年ごとに公表している。

チャットGPT
米新興企業オープンAIが開発した対話型人工知能(AI)。2022年11月に無料版が公開され、自然なやりとりが話題となり急速に普及した。入力した質問に回答するほか、文章の要約や詩の作成などもできる。生成AIは業務効率化に役立つ一方、偽情報の拡散や著作権侵害などへの懸念が指摘されている。オープンAIは15年にサムーアルトマン最高経営貴任者(CEO)や起業家イーロン・マスク氏らが設立、米マイクロソフトと提携関係にある。

小規模免税事業者
売り上げ規模が小さく、消費税の納付義務を免除されている事業者。年間売上高が原則1千万円以下の場合に対象となる。納税に必要な事業者の事務負担を抑えたり、徴収にかかる行政側の手間を減らしたりする狙いがある。設立から間もない企業に配慮するため、資本金が1千万円未満の法人も当初の2年間に限って免税となる。

アップル
スマートフォンのiPhone (アイフォーン)を主力製品とする米IT大手。本社は米西部カリフォルニア州。 1976年に故スティーブ・ジョブズ氏らが創業した。 84年にパソコン「マッキントッシュ」を発売し、携帯音楽プレーヤーのiPod(アイポッド)やアイフォーンなどの革新的な商品を次々と生み出した。高い収益力を背景に株式の時価総額は巨額で、株価動向が世界の株式市場にも影響する。

ノジマ
1959年創業の家電量販店中堅。本社は東京都港区。首都圏を中心に店舗を展開する。メーカーからの派遣スタッフではなく、自社従業員が顧客のニーズに合った商品を提案するのが特徴。海外での家電販売や、インターネット事業も手がける。2025年3月期の連結売上高は8534億円、純利益は322億円だった。

ナフサ
原油を精製して造る石油製品の一つで、ガソリンに似た性質の透明な液体。さらに分解してエチレンやプロピレン、トルエンなどの基礎化学品を取り出し、衣料品や塗料、自動車部品など生活のさまざまな分野で使われる製品となる。

防衛装備移転三原則
安倍政権が2014年に閣議決定した防衛装備品の輸出に関するルール。従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃し、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。運用指針では完成品の装備輸出を「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の非戦闘目的5類型に限定した。岸田政権は24年、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出を解禁する方針を決定。運用指針も改定し、国際共同開発した完成品の第三国輸出を認める項目を新設した。

バリカタン
タガログ語で「肩を並べて」の意味。1951年に相互防衛条約を結んだ米比間で最大の合同軍事演習。例年4~5月に実施される。フィリピンには米本土以外で最大級のクラーク米空軍基地のほか、スービック米海軍基地もあったが、92年までに完全撤退し、これを機に始まった。陸海空に加‘凡、サイバー空間も対象に実施する。

北海道・三陸沖後発地
震注意情報日杢荷溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域でマグニチュード(M)7以上の地震が発生した場合などに、より大きな地震の可能性が平常時より高まったとして気象庁が発表する。7道県182市町村が対象で「特別な備え」が1週間呼びかけられる。2011年3月の東日本大震災で、M9.0の地震の2日前にM7.3の前震が起きていたことが、導入のきっかけとなった。25年12月に発生した青森県沖を震源とする地震で初めて発表された。

核拡散防止条約(NPT)再検討会議
NPTは核兵器保有を米英仏中ロ5力国のみに認めて核軍縮交渉を義務付け、それ以外の国の核保有を禁じた条約で、1970年に発効し、191カ国・地域が加盟。原則5年ごとに開く再検討会議で、その運用状況を検証する。2015年の再検討会議は中東の非核化を巡り意見が対立、前回(新型コロナウイルス禍のため20年から22年に延期開催)はウクライナに侵攻したロシアが反対して昜終文書を採択できず、2回連続で決裂した。

FFM
海上自衛隊の最新鋭の護衛艦。「もがみ型」とも呼ばれる。三菱重工業を中心に製造し、2022年から就役。12隻を建浩した。従来型の護衛艦の半数となる約90人で運用可能で、掃海艇が担う機雷除去能力も保持する。能力向上型は、オーストラリア海軍の新型艦共同開発のベースに採用され、ステルス性の高さや高性能レーダー、ソナーを備える点が評価された。

議員定数削減
地方議会や国会の議員数を減らすこと。議員報酬の削減や迅速な政策決定につながる一方、幅広い民意をくみ取りにくくなる恐れがある。国政では「1票の格差」の是正も目的に議論が進められてきた。日本の国会議員数は、人口比で見ると国際的に多いとは言えない。衆院の定数は、現行の小選挙区比例代表並立制が導入された1996年衆院選時は500だったが、2016年に現在の465 (小選挙区289、比例代表176)となった。自民党と日本維新の会の連立政権は25年12月、1割を目標に45以上削減する法案を衆院へ共同提出。衆院解散に伴い廃案となった。

ノータム
民間航空機の航行に危険が及ぶ可能性があると関係機関が警告する情報。滑走路閉鎖といった飛行場での特異な状況や天変地異のほか、軍事演習やロケット打ち上げによる空域制限も対象となる。要人訪問の際にも出され、国土交通省は2019年にトランプ米大統領が来日するのに合わせ、訪問先の施設や移動で使う高速道路の周辺上空を飛行しないよう求める情報を出した。米連邦航空局(FAA)は昨年11月、ベネズエラ上空にノータムを発出し、今年1月に米軍がベネズエラを攻撃した。

G20
日米欧の先進7力国(G7)に中国、インド、ロシア、ブラジルなどの新興国を加えた計19カ国と欧州連合(EU)、アフリカ連合(AU)でつくる枠組み。アジア通貨危機後の1999年に財務相・中央銀行総裁会議が始まった。世界的な金融危機「リーマンーショツク」を契機に2008年からは首脳会議も開いている。26年現在の議長国は米国で、12月に首脳会議を開く。

整備新幹線の貸付料
整備新幹線は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が線路などを造り、借り受けたJRがリース料(貸付料)を支払っている。金額は、運賃収入など見込まれる収益を基に算出された。区間ごとに異なるが、いずれも徴収期間30年の定額契約で、現在の年間の総額は約800億円。北陸新幹線の高崎-長野が2027年9月末に期限を迎える。30年代以降、東北新幹線の盛岡-八戸や、九州新幹線の新八代-鹿児島中央なども30年が経過する。

消費税
商品の購入やサービスの利用に応じて負担する税金。日本では1989年に税率3%で始まり、97年に5%、2014年に8%へと段階的に上がった。19年に10%となった際、外食・酒類を除く飲食料品や新聞を8%に据え置く軽減税率を導入した。社会保障の重要な財源で、国と地方を合わせた25年度の税収は31兆4千億円を見込む。

国産AI
開発や仕様の変更といった重要な判断のほか、学習データの保管や運用を日本国内で行う人工知能(AI)。海外産のAIと違い、開発国の政治動向に運用が左右されにくい点が強み。AIは米中で開発が先行しているため、国内でも多くの企業や組織が海外産を使用している。防衛や防災、インフラなどの分野は安全保障や事業継続性の観点から国産を使うべきだとの声がある。

排出削減目標
国際枠組み「パリ協定」に参加する国が掲げる温室効果ガス排出量の削減目標。先進国か途上国かを問わず全ての参加国が対象で、5年ごとに国連に報告・更新する義務がある。目標は各国が自らの裁量で決めるため、英語では「国が決定する貢献」を意味する「Nationally Determined Contribution(NDC)」と表現する。世界全体で産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えることを目指すが、達成は困難な状況。

普天間飛行場の辺野古移設
日米両政府は1996年、沖縄県宜野湾市の住宅密集地にあり「世界一危険」ともいわれ芯米軍普天間飛行場の返遷で合意した。政府は99年、普天間の移設先を沖縄県名護市辺野古とすることを閣議決定した。米軍キヤンプーシュワブがある辺野古沿岸部南側と、東側の大浦湾を埋め立てV字形滑走路を建設する。政府は「普天間の危険性除去には辺野古への移設が唯一の解決策}との立一場。計画に反対する県と法廷闘争となり、判決に至った訴訟はいずれも県が敗訴した。

再審
確定した刑事裁判をやり直すこと。刑事訴訟法によると①証拠の偽造が判明②虚偽の証言の発覚③無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見Iなどが開始要件。有罪となった人が裁判所に請求し、請求審で開始決定が出て確定すると再審公判が始まる。検察が抗告して認められれば開始決定は覆る。滋賀県の「日野町事件」は、検察が2度抗告したため、確定までに7年以上かかった。

金融危機
株価暴落や資産運用の失敗から金融機関の経営が悪化したり、金融市場が混乱したりして、融資を受ける企業の資金調達が困難になり、実体経済が落ち込むこと。国内では、バブル崩壊後の不良債権問題で北海道拓殖銀行や山一証券が経営破綻した例が典型とされる。米国でサブプライムローンと呼ばれる低所得者向け住宅ローンが相次いで焦げ付いたことが発端となって、2008年に米証券大手リーマンーブラザーズが破綻し、世界的な連鎖不況につながった。

米イラン関係
1979年のイラン革命で親米王制が倒れ、翌年に断交して以来の敵対関係。米国は84年にイランをテロ支援国家に指定。2002年にイランの核兵器開発疑惑が発覚した。オバマ米政権下の15年に核合意が成立したが、第1次トランプ米政権が18年に合意を離脱し制裁を再開。米軍は20年1月、イラクでイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」司令官を殺害。米軍は25年6月22日、イスラエルとイランの交戦のさなかにイラン核施設を窄爆。イランはその後、カタールの米軍拠点を標的に報復した。

小児がん
15歳未満に発症するがんの総称。白血病、悪性リンパ腫など血液のがんが約4割を占め、脳腫瘍も多い。国内で小児がんと診断される子どもは年間2千~2500人で、国立がん研究センター(東京)によると、2023年の死因で5~9歳の1位、10~14歳の2位。治療には1年近くの長期入院が必要なケースもある。抗がん剤や放射線治療をした場合、吐き気や頭痛、だるさなど強い副作用があり、安定しない体調や治療への不安、学校への復学の悩みを抱える子どももいる。治療終了後、時間経過とともに成長や発達の異常などがみられる事例もあり、長期の経過観察も重要視されている。

アルテミス計画
米国が主導する国際月探査計画。月に向かう有人宇宙船や着陸船、ロケットや宇宙服を開発し、アポロ計画以来の有人月面着陸と、持続的な科学・資源探査を目指す。経験を蓄積し、将来の火星探査につなげる目的もある。今後は2027年に地球上空で宇宙船と月着陸船のドッキング試験を実施、28年に2回の月面着陸を試みる。その後もほぼ毎年、月に向かう。日本は宇宙服を脱いで乗れるキャンピングカー型の探査車を提供する予定で、見返りに飛行士の着陸機会が2回、与えられた。

米自動車関税
 トランプ米政権は2025年4月3日、輸入車に25%の追加関税を発動。関税率は従来の2.5%から27.5%になった。5月3日には主な目動車部品に25%の追加関税を課した。日本と欧州連合(EU)、韓国は自動車関税を15%に引き下げてもらう代わりに、米産品の購入拡大に加え、巨額の対米投融資の実行を約束した。
戦艦大和
呉で建造された世界最大級の戦艦。全長263m。沖縄の海岸で砲台の代わりになる「海上特攻」の命令を受け出撃したが、1945年4月7日、鹿児島県枕崎市から南西約200kmの東シナ海で米軍の攻撃を受け、午後2時23分沈没。乗組員3332人のうち、3056人が犠牲になったとされる。

自民党の旧派閥
かつて新人教育を担い、政府や党、国会の人事で影響力を示してきた。党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて2024年、当時総裁だった岸田文雄氏の下、自民党則などを改正し、資金と人事に関与する「旧来の派閥」の存続を禁止。一方で代替的に位置付けられる「政策集団」を明記した。岸田派(宏池会)、森山派、茂木派、二階派。安倍派は解散し、麻生派は存続している。

有事発生時の避難計画
政府が2022年に決定した国家安全保障戦略に住民の迅速な避難や施設確保を明記した。沖縄県と翌年、沖縄の離島からの避難を想定した初の図上訓練を実施。24年には山口県と九州7県に対し避難民の受け入れに関する初期の計画作成を要請し、25年に各県がまとめた。中国の侵攻による台湾有事などが念頭にあるとみられる。

安全保障関連3文書
国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の三つ。上位文書に当たる国家安保戦略は、米国に倣って2013年に初めて策定され、核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を守る基本方針を理念に掲げる。防衛力強化に向けた22年の改定で、当時の岸田文雄首相は「安全保障政策の大転換」と認めたが、三原則の堅持は不変としたO高市早苗首相は、26年中を目指す改定にあたり、堅持を明言していない。

らい予防法違憲国家賠償請求訴訟
らい予防法に基づく強制隔離政策で基本的人権を侵害されたとして、ハンセン病の元患者たちが国に損害賠償を求めて1998年、熊本地裁に提訴。翌99年、恵示、岡山地裁でも別の元患者たちが訴訟を起こした。2001年の熊本地裁判決は、らい予防法の強制隔離規定について「1960年には違憲性が明白だった」と国に総額18億2380万円の支払いを命じ、国は控訴を断念した。

敵基地攻撃能力
自国の防衛のため、ミサイルを発射しようとしているなど敵の拠点となっている基地をたたく軍事作戦。歴代政府は憲法上、禁じられてはいないとする一方、自衛隊の装備がこうした攻撃を想定しておらず、日米安全保障条約に基づき、自衛隊と米軍は「盾と矛」の関係で、米軍に打撃力を依存するとして採用してこなかった。2022年、岸田文雄政権で策定した安全保障関連3文書で、「反撃能力」の名称で保有が決まった。政府は、国際法違反の先制攻撃とは異なるとする。どの時点で攻撃に着手したと判断するかは難しく、専守防衛の範囲を超えるとの批判がある。

ハンセン病
「らい菌」による感染症で手足などの末梢(まっしょう)神経がまひし、感覚がなくなったり、体の一部が変形したりして障害が残ることもある。一方で、感染力や発病力は極めて弱い。日本では1931年に癩(らい)予防法が制定され、強制的な隔離政策が本格化。瀬戸内市の長島愛生園は全国初の国立療養所として30年に開園、38年に邑久光明園ができた。特効薬の開発後にできた53年の「らい予防法」でも隔離政策は変わらず、96年の廃止まで続いた。

暫定予算
4月から1年間の政策経費を計上した新年度予算案が国会審議の遅れなどで3月末までに成立しない場合に、予算の空白を防ぐ目的で編成するつなぎの予算。4月1日から新年度予算成立までの期間を見積もり、年金や公務員の人件費といった必要最小限の経費を計上する。国会の審議と承認を要するものの、緊急性が高い政策に限られるため、提出から成立まで数日しかかからない。期間内に新年度予算が成立すれば効力を失い、吸収される。

安保関連3文書
政府が2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画のa文書。対象期間はいずれも10年。安保戦略は外交・安保政策の基本指針で、防衛費を27年度に国内総生産(GDP)比2%とする目標や反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を明記。防衛戦略は目標と達成に向けた手段を包括的に示し、長射程ミサイルや無人機の活用、輸送力強化を掲げた。整備計画は主要装備品や経費を記載。23~27年度に必要な防衛費を計43兆円程度とした。

南シナ海問題
中国は南シナ海のほぼ全域に主権や権益が及ぶと主張し、ベトナムやフィリピンなどと争っている。国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所は2016年、中国の主権主張を退ける判断を示したが、中国は受け入れを拒否。岩礁を埋めたてて人工島を造成し、港や滑走路、レーダー施設を建設して軍事拠点化を進めた。中国海警局の船はフィリピン船に体当たりしたり、放水したりして行動をエスカレート。漁民らで組織する海上民兵の活動も活発化している。

子ども・子育支援金
岸田政権が掲げた「次元の異なる少子化対策」の実現に向けた財源確保策として、2024年6月に成立した少子化対策関連法に盛り込まれた。「社会全体で子育て世帯を支える」との考え方に基づき、幅広い世代や企業に負担を求めるため、公的医療保険の枠組みを活用する。使い道は、児童手当や育児休業給付の拡充、妊産婦への給付金、親の就労に関係なく預けられる「こども誰でも通園制度」の全国展開などに限定する。

生成A I
 文章や音声、動画などを作り出す人工知能(AI)。事前に学習した大量のデータを基に自然な表現で利用者の質問に答えたり、指示に沿ったイラストを作成したりする。質問への回答を生成する際、インターネット上の情報などを参照して最新の知見を反映させる仕組みを持つものもある。業務の効率化に役立つ一方、生成結果が著作権を侵害する恐れが指摘されている。米オープンAIの「チャットGPT」や、米グーグルの「ジェミニ」が代表的なサービス。
ソニー・ホンダモビリティ
ソニーグループとホンダが2022年9月に設立した電気自動車 (EV)メーカー。資本金は1千億円で、両社が折半出資した。本社は東京都港区。設立時の会長と社長にはソニーグループとホンダの幹部が就いた。官報に掲載された決算公告によると、25年3月期は売上高の記載がなく、税引き前純損益は518億円の赤字だった。

ネットの中傷問題
インターネットの交流サイト(SNS)などで特定の人の名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害したりする問題。匿名の投稿による被害が後を絶たず、著名人を対象にした事例は世間の関心を集めることも多い。プロレスラー木村花さんの自死などを機に権利侵害への対策強化を求める声が高まった結果、刑法の侮辱罪が厳罰化されたり、発信者を特定する手続きが簡素化されたりした。

外国人の不動産取得 日本国内で土地や建物を購入する場合、原則として国籍による制限はない。2022年に重要土地等調査法が施行され、国が防衛関係施設や国境離島など重要な土地の周辺1km圏内の状況調査や勧告をすることが可能になった。
芸予地震 2001年3月24日午後3時27分ごろ、広島県蒲刈町(現呉市)沖の安芸灘を震源に発生。震源の深さ46キロ、マグニチュード(M)は3.7で、河内町(現東広島市)や熊野町などで震度6弱、広島市や呉市、三原市などで5強を観測した。内閣府によると、中四国地方で2人が死亡し、288人が負傷した。住宅70棟が全壊し、半壊や一部損壊は計約5万棟。停電や断水はそれぞれ4万世帯を超えた。

ナカエツルノゲイトウ
ヒユ科の多年草で茎は長さ50~100cm、太さは0.4cmになる。4~10月、小さな白い花が球状に集まって咲く。水路や河川、湿地などに生息するが、乾燥にも強い。主に根や、茎の断片から繁殖する。国内では1989年に兵庫県で見つかって以降、山口、岡山、島根、鳥取の中国地方4県を含む31都府県で確認されている。国は外来生物法に基づく「特定外来生物」に指定。許可なく持ち帰ったり、栽培にたりしすると、拘禁刑や罰金が科せられる場合がある。

ティルムン
中東の島国バーレーンを中心に、紀元前2千年ごろに栄えたとされる古代文明。東京文化財研究所によると、中東で発展した古代メソポタミア文明の記録に登場する。アフガニスタンやインド、パキスタンといった地域から、砂金や象牙、宝石などの貴重品をメソポタミアヘ運ぶ海上交易を担い、繁栄したとみられる。サウジアラビア地域の遊牧民が移り住み、王国を築いたとみられるが、詳しい起源は不明。バーレーンには7万基超の古墳があり、発掘調査が進む。

南スーダンPKO
アフリカのスーダン内戦を経て、2011年に分離独立した南スーダンの安定と開発支援が目的の国連平和維持活動(PKO)。統括する国連南スーダン派遣団(UNMISS)は、25年時点で軍事約1万4千人、警察約1500人の要員らで構成する。日本が2026年現在参加する唯一のPKOで、4人の司令部蔘員を派遣している。12年1月~17年5月には陸上自衛隊の施設部隊を派遣。部隊が作成した日報の隠蔽(いんぺい)問頴が起き、当時の稲田朋美防衛相の辞任に発展した。

機雷掃海
海上交通を妨害する水中兵器である機雷を処分する作業。海上自衛隊は専門の「掃海隊群」を持つ。超音波で機雷の位置を探知しい爆発物を投下して破壊したり、カッターで機雷と重りを切断し浮上させて処分したりする。音や磁力で機雷を誤反応させて爆発させる方法もある。掃海艦は磁気反応による機雷爆発を防ぐため、木造やプラスチック製が多い。1991年の湾岸戦争の停戦後、ペルシャ湾でイラクが敷設した機雷を除去した実績がある。

ニホンアワサンゴ
東アジアの固有種で日本、韓国、中国に生息する温帯性のサンゴ。国内では千葉県沖までの太平洋側と長崎県から島根県にかけての日本海側に生息する。周防大島町沖には国内最大級の約3千平方メートルの群生地が広がり、2013年2月に瀬戸内海で初めて海域公園地区に指定された。17年には周辺の陸域部分が第2種特別地域に指定された。

春闘の集中回答日
大企業の経営側が、賃金や労働条件に関する労働組合の春闘要求に対して一斉に回答する日。例年3月中旬に設定され、この日を前に回答する企業もある。大企業の賃上げ水準は、3月下旬以降に妥結することが多い中小企業の労使交渉に影響を及ぼすため、回答状況が注目されている。

南スーダン
2011年7月にスーダンから分離独立した世界で最も若い国。内陸国で人口約1200万人。陸上自衛隊施設部隊が12年1月以降、国連平和維持活動(PKO)で首都ジュバに派遣されインフラ整備をした。13年12月に内戦に陥り、陸自部隊は17年5月に完全撤収。18年9月の和平協定締結後も不安定な状況が続いた。政府財政は石油収入に依存。日本はPKOの国連南スーダン派遣団(UNMISS)司令部への自衛官派遣を続けている。

米国産原油
英エネルギー研究所の統計によると、世界最大の産出原油。在来型の石油とは異なる手法を用いるシェールオイルの開発と、生産コストの低下に伴い2010年代から増加し、24年の生産量は過去最高を記録した。生産量は2位のサウジアラビア、3位のロシアを合わせた規模で、他国を圧倒する。多くは米国内で消費されている。

IEA
国際エネルギー機関の英語表記「International Energy Agency」の略称。日本や米国、欧州を中心に30カ国以上が加盟するo第1次石油危機をきっかけとして、キッシンジャー米国務長官(当時)の提唱で1974年に設立。石油供給が途絶する緊急時に協調して対応する。地球温暖化を含むエネルギー問題全般に取り組む。

強襲揚陸艦
大量の陸上兵力を輸送し、搭載したヘリコプターや揚陸艇を使って岸壁などの港湾設備に頼らず自力で上陸させる能力を持つ軍艦。米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備される強襲揚陸艦トリポリは、全長約257mで飛行甲板を備え、ステルス戦闘機F35Bや輸送機オスプレイが離着艦できる。満載排水量は約4万5千トンで、平時の乗組員は1100人程度。

核のごみの最終処分
原発で使った核燃料の再処理後に出た廃液を、ガラスで固めた高レベル放射性廃棄物が「核のごみ」と呼ばれる。極めて強い放射線を出し続けるため、国は最終処分場を定めて地下300mより深い岩盤に埋める地層処分で数万年以上、人の生活環境から隔離する方針。立地選定は、地質図や論文で活断層や土地の浸食状況などを調べる文献調査、ボーリングで地質を確認する概要調査、地下施設を造る精密調査の3段階がある。地元首長や知事が反対すれば、次の段階の調査や処分地選定には進まない。

液化天然ガス(LNG)
メタンを主成分とする気体の天然ガスを冷やして液化したもの。国内電源構成の約7割を占める火力発電の主燃料として使われる。燃焼時の二酸化炭素(CO2)などの排出量が石炭や石油よりも少なく、脱炭素化に向けた過渡期のエネルギー源として有望視されている。オーストラリアやマレーシアなどから輸入し、液化した状態にしてタンカーで運ぶ。

重要鉱物
ある国や地域の経済、産業に不可欠ではあるものの、調達リスクが高い鉱物資源。リチウムやコバルト、ニッケルが含まれる。電子機器や電気自動車(EV)、再生可能エネルギーの設備に欠かせない。中でもレアアース(希土類)は2010年に沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件の後、中国が対日輸出を一時停滞させた。

令和の米騒動
2024年夏に小売店からコメが消えたり、価格高騰が続いたりした騒動。猛暑の影響で23年産米の流通量が減ったことに、地震災害を警戒した買いだめが重なったのがきっかけだった。政府は25年、農林水産省が生産と需要の異変を見逃して供給量を不足させたことが原因と結論付けた。石破茂前政権は再び供給不足に陥らないよう増産の方針を打ち出したが、高市早苗現政権はコメ余りによる価格暴落を懸念し、需要に応じた生産を重視する従来の方針に回帰した。

米通商法301条
貿易相手国の不公正な取引慣行に対して関税引き上げなどの制裁を科す権限を米大統領に与える通商法の条項。1974年に制定された。日米貿易摩擦が激化した際には、制裁をかざして日本に輸出制限や市場開放を迫った。第1次トランプ政権時の対中関税の根拠ともなった。制裁措置の発動に当たっては、相手国との事前協議や調査が必要となる。
小型モジュール炉
出力が従来の原子炉の3分の1程度と低い小型の次世代原子炉。略称は「Small Modular Reactor」の頭文字を取ったSMR。安全性や設置場所の柔軟性、建設コスト削減の観点から注目を集めており、各国で開発や導入に向けた検討が進められている。米グーグルは2024年、SMR開発を手がける米企業カイロスーパワーと電力の購入契約を結んだと発表した。

華為技術(ファーウェーイ)
中国のハイテク業界を代表する世界的な大手企業。スマートフォンやパソコンといった情報通信機器の開発や生産を幅広く手がける。1987年に広東省深坦で設立。170を超える国・地域で事業を展開し、日本ではスマートウオッチやオーディオ製品を販売している。2019年、安全保障を理由とした米国の規制により米企業から先端半導体などを調達できなくなった。

SMA
脊髄性筋萎縮症の英語表記「Spinal Muscular Atropny」の略称。脊髄にある筋肉を動かす運動神経細胞に障害が起こり、体幹や手足の筋力低下や筋肉の萎縮が起こる。特定の遺伝子の機能が欠けるのが原因。発症年齢などにより複数のタイプに分けられ、出産直後から生後6ヵ月までに発症する1型は、座る姿勢を維持するのが困難で、人工呼吸器が必要になることが多い。他に20歳を過ぎてから発症する4型などがある。

事前復興まちづくり計画
大規模災害を見越し、被災後のまちづくりの方向性を共有しておく取り組み。地震や津波などの想定被害分布や規模を基に、主に市街地での復興の目標を定める。必要な事業規模や将来の人口なども盛り込むほか、現地再建や高台移転といった複数のパターンの中から地域に適した手法を整理しておく。国土交通省は自治体向け指針を示したほか、希望する自治体に復興事業の経験者を紹介する支援事業を展開。計画策定に対する財政支援も用意している。

国際女性デー
女性の権利向上を目指し、国連が国際女性年の1975年に提唱した。 20世紀初頭に欧米などで女性が労働環境の向上や参政権を求めてデモを起こしたことに由来するとされ、例年3月8日を中心に世界各地で暴力の撲滅や差別解消を求めるデモやイベントが開かれる。「女性の日」として祝うイタリアの習慣から、黄色のミモザの花がシンボルの一つとなっている。

全人代
日本の国会に相当する中国の全国人民代表大会の略称。北京で年1回、3月に開くのが通例。議員に当たる代表は全国の省・自治区・直轄市や香港などから選出される。任期は1期5年で、2026年は第14期の4回目の会議。汚職などで資格を失う例が相次ぎ今年の代表は昨年より約50人少ない2878人。国防費を含む予算案を承認し、法律の制定や改正を担う。首相が施政方針演説に当たる政府活動報告を初日に行い、その年の経済成長率の目標や政策を説明する。恒例だった最終日の首相記者会見は2024年に取りやめとなった。

スフィア基準
「人道憲章と人道支援における最低基準」が正式名称で、国際赤十字などが1998年にまとめた。「Sphere(スフィア)」は英語で「球体」を意味し、地球を表現しているともいわれる。給水・衛生、食料、避難所、保健医療の4分野にわたり、最低限の基準や目的、効果を記載。紛争地帯の難民救済が目的だったが、災害避難者へと適用が広がった。 2024年12月に改定された自治体向けの国指針では「避難所の質の向上を考えるとき指標となる国際基準」として、避難所のトイレ数(災害発生初期段階で50人につき1基、男女比は1対3)や、1人当たりの居住スペース(最低3.5平方あ)などの基準を示している。

重要鉱物
ある国や地域の経済、産業に不可欠ではあるものの、調達リスクが高い鉱物資源。レアアース(希土類)やリチウム、コバルト、ニッケルなどが含まれる。電子機器や電気自動車(EV)、再生可能エネルギーの設備に欠かせない。脱炭素化の進展により需要拡大が見込まれる一方、供給側は中国など一部の国に限られており、各国は調達先の多角化に取り組んでいる。

南鳥島
東京都心から南東約1900kmに位置する墓示都小笠原村の離島。日本の最東端に当たる。面積は約1.5平方kmで、皇居とほぼ同じ大きさ。正三角形のような形をしており、周囲をサンゴ礁に囲まれている。海上自衛隊や気象庁、国土交通首こき設があり、職員が駐在するが、一般人は原則として上陸できない胃辺の海底には、工業製品の製造に使われるレアアース(希土類)を高濃度に含んだ泥があり、資源として活用する検討が進んでいる。

当番弁護士制度
逮捕直後の容疑者から依頼を受けた弁護士が留置場などで接見し、1度だけ無料で相談に応じる制度。各弁護士会が費用を負担し、登録している弁護士の中から毎日の割り当てを決める。依頼は容疑者本人のほか、家族や友人からも可能。容疑者が希望すれば、引き続き私選や国選の弁護人を務めることができる。大分や奈良、福岡の弁護士会が1990年に制度を導入し、後に全国に広がった。

高校挧價化
2009年に誕生した民主党政権が導入した政策で、公立高は授業料を徴収せず、私立高生には公立授業料相当分の就学支援金を支給し、低所得世帯は加算した。その後、政権復帰した自民党が所得制限を設けた。25年2月、自民、日本維新の会、公明の3党が所得制限の撤廃と私立高生への支給額引き上げで合意し、制度設計を進めた。文部科学省の資料によると、26年度予算案には高校就学支援金などとして5824億円を計上している。

宇宙ごみ
宇宙空間を漂っている、役目を終えた人工衛星やロケットの部品で「スペースデブリ」とも呼ばれる。地球周辺の軌道を高速で回っていて、運用中の衛星や宇宙ステーションに衝突すれば大きな被害が生じ、破片は新たな宇宙ごみとなる。発生を防ぐため国際機関や各国政府が対応策をまとめた指針を作っている。除去する手段として、ロボットアームで回収したり、衛星からレーザー光を放って軌道を変え、大気圏に落として燃やしたりする技術開発が進められている。

人口動態統計
戸籍法などに基づき、自治体に届けがあった出生、死亡、婚姻、離婚、死産の数を厚生労働省がまとめる統計。国の基幹統計の一つで、社会保障分野をはじめ、政府が政策や長期計画を立案する際の基礎資料となる。国内の外国人を含む速報値と、外国人を除いた概数がある。例年2月に前年1年間分の速報値を、6月ごろに前年1年間分の概数を発表する。

マスメディア集中排除原則
地域性に富んだ多様な放送番組を実現するため、1社が多数のテレビ局やラジオ局を傘下に収めることを制限した四則。放送法や電波法を拠とする。具体的には同じ放送地域内で。複数のテレビ局の株式を議決権の10%を超えて1社が保有するといった行為を禁止している。ただ異なる地域にある複数のテレビ局が持ち株会社の下で統合することが特例で認められるなど例外も多い。

防衛装備移転三原則
安倍政権が2014年に閣議決定した防衛装備品の輸出に関するルール。国際共回隣発や輸出拡大に向け、従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃し、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。運用指針で、移転を認める具体的な要件や審査の手続きを定めた。岸田政権は24年、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出を解禁する方針を決定。運用指針も改定し、国際共同開発した完成品の第三国輸出を認める項目を新設した。

所有者不明農地
農水省が市町村の農業委員会を通じて、農地台帳と住民基本台帳、固定資産課税台帳を照合し、持ち主が亡くなっている農地を「相続未登記農地」として算出した。農水省は前回2021年度末時点の調査では、持ち主が農地のある市町村に住んでおらず、所在地の住民基本台帳で生死が確認できない場合も「相続未登記のおそれのある農地」として面積を合算して公表していた。今回は、実際には隣接市町村から通いで耕作しており、所有者不明とは言えないケースもある、などとして公表を見送った。

基地局
スマートフォンなどの端末に電波を送ってデータの送受信を行い、通話やインターネット接続を可能にする通信インフラ。大規模な鉄塔型やビルの屋上に置くアンテナ、屋内に設置する比較的小規模なものまでさまざまな種類がある。電波の届く範囲は限られ、多数の設備を組み合わせることで通信環境を構築する。総務省によると、2025年3月末時点で携帯大手4社が設置する基地局は計約113万局。

プラスチックごみ
主に石油から作られるプラスチックは、あらゆる製品に使われ、生産量や使用量だけでなく、廃棄量も増え続けている。ペットボトルやレジ袋などが適切に処分されず、捨てられたり、意図せず環境中に放出されたりしてごみになる。雨が降った際などに川や水路に流出し、海へも広がる。自然では分解されず、魚や鳥が餌と間違えて食べ、死ぬことも問題化している。紫外線や波の作用で微細になったプラスチックは人体内でも見つかり、健康影響も指摘されている。

国際緊急経済権限法(IEEPA)
米国に対する「異例かつ重大な脅威」がある場合に、大統領が「国家非常事態」を宣言し、幅広い経済取引を制限できると定めた法律。1977年に制定され、経済制裁などに活用されてきた。自動車など分野別関税の根拠とした通商拡大法232条と異なり、輸入状況などの調査期間を経ずに柔軟に発動できるとして、トランプ大統領が多用してきた。米通商法122条米国が巨額かつ深刻な国際収支の赤字を抱えている場合に、大統領がいつでも、輸入品に対する最高15%の関税や、輸入割り当てといった規制措置を発動できる米通商法の条項。外国為替市場で急激なドル安が差し迫った際にも適用できる。1970年代に制定された。発動期間は最長150日となっている。

パトリオット
航空機やミサイルを地上から誘導弾で撃墜する米国開発の防空システム。低高度から高高度まで複数の目標に同時に対処可能で、発射機を車両に搭載して移動できる。日本政府はウクライナを支援する米国のミサイル不足を補う目的で、米国企業のライセンスに基づき日本で生産するパトリオットの対米輸出を認めており、2025年11月にパトリオット・ミサイルの輸出を完了したと発表。米国以外にさらに移転させることは想定していないとしている。

人工多能性幹細胞(IPS細胞)
ほぼ無限に増える高い増殖能力と、体を構成するさまざまな種類の細胞に成長する能力を持つ細胞。血液や皮膚の細胞に人工的に遺伝子を入れるなどして作製する。京都大の山中伸弥教授らが2006年にマウス、07年に人の細胞で作製を報告し、山中氏は12年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。病気やけがで失われた機能を回復させる再生医療に役立つと期待されるほか、症状を再現した組織をつくつて病気の仕組みを研究したり、創薬に生かしたりする取り組みも進んでいる。

金融機能強化法
経営統合や合併などをする金融機関に交付金を出す制度を盛り込んだ法律。金融機関が「実施計画」を金融庁に提出、認定を受けると預金保険機構から統合・合併に必要な費用の一部が交付される。合併によって生じるシステムの開発費や営業所の移転経費などが対象になる。交付金制度とは別に、地域金融機関の財務強化を目的に、返済が必要な公的資金を注入する制度も定めている。

日米関税合意
トランプ米政権の関税措置を巡る日米間の合意。米国が日本に対する「相互関税」と日本車への関税をそれぞれ15%に引き下げるのと引き換えに、日本は対米投融資を約束した。投資先は半導体や医薬品といった安全保障上の重要分野で、全体の規模は5500億ドル(約85兆円)。日米双方でつくる協議委員会などの議論を踏まえてトランプ大統領が最終的に決める。

シリア民主軍(SDF)
シリア内戦中の2015年に創設。クルト人の民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」を主体とし、アラブ人などが加わる。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討で米軍と連携し、勢力を拡大。実効支配地域は北東部ハサカ県を中心に一時はシリア領の4分の1に達した。シリア暫定政府を支援するトルコは、SDFを自国の非合法武装組織クルド労働者党(PKK)と同一視し、敵視している。

首都直下地震
首都圏の直下を震源とする大地震で、30年以内に70%程度の確率で起こるとされる。政府の作業部会が2025年12月に公表した被害想定は、主に首都中枢への影響が大きい都心南部を震源とするケースを検討。最悪の場合、死者数は1万8千人に達する。避難者数は、発生から2週間後に埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県で471万人に上ると想定される。

エレビジス
国の指定難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の新薬。人工的な遺伝子を体内に入れ、筋肉の維持に必要なタンパク質をつくらせる。スイスの製薬大手ロシュなどが開発し、国内では中外製薬が2025年5月、厚生労働省から3年間の期限、条件付きで製造販売の承認を得た。その後、海外で歩行できない患者が、投与後に急性肝不全で死亡する事例が2件判明。中外製薬は「継続的に安全情報を収集し、必要に応じ追加対策を取る」としている。

成年後見制度
認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が十分ではない人を保護するため、財産管理や身上監護をする援助者を家裁の審判で選ぶ制度。判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の3類型に分かれ、2024年12月末時点の利用者は約25万人。警備業法や国家公務員法には、成年被後見人や被保佐人は就業できないとする規定があったが、19年に一括して削除された。政府は3類型を再編して「補助」に二元化するなどの制度改正を検討している。

特定重大事故等対処施設
東京電力福島第1原発事故を踏まえ、2013年7月に施行された原発の新規制基準で設置が義務付けられた施設。「特重」とも呼ばれる。航空機の衝突など原子炉がテロ攻撃を受けても遠隔操作で冷却を維持するため、原子炉建屋から100m程度離れた場所に緊急時制御室や注水ポンプ、発電機などの設置が求められている。現行制度では、原発の工事計画認可から5年以内に設置する必要があり、間に合わなければ運転を継続できなくなる。

普天間飛行場の辺野古移設
住宅街に隣接し「世界一危険」ともいわれる米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の危険性除去に向け、日米両政府は1996年に地元返還で合意。日本政府は99年に名護市辺野古への移設を閣議決定した。2006年にV字形で長さ約1800mの滑走路を建設する現行の計画が決まった。米軍キャンプーシュワブがある辺野古の沿岸部南側と、軟弱地盤がある大浦湾側を埋め立てる。難工事が予想され、普天間返還は30年代半ば以降になる見通し。

租税特別措置
企業や個人に特定の行動を促して政策目標を実現するために期間を限って税負担を軽減する制度。個人向けでは、住宅購入を促進するための住宅ローン減税が代表的。税制が複雑になることや赤字企業には恩恵がないといった問題があり、導入には税収減に見合う効果があるかどうかを慎重に見極める必要がある。高市政権は無駄の点検に乗り出し、政府は2025年11月に「租税特別措置・補助金見直し担当室」を内閣官房に新設した。

アプリ
スマートフォンやパソコンにインストールすることで使用できるソフトウエアで「応用」や「適用」を意味する英単語「Application(アプリケーション)」に由来。スマホでは、画面上のアイコンを押して起動する。X(旧ツイッター)やLI NE(ライン)といった交流サイト(SNS)のほか、検索エンジンやニュース閲覧サービス、ゲームなど多岐にわたる。インストールや一部機能の利用が有料となっているものがある。

浜岡原発
静岡県御前崎市にある中部電力で唯一の原発。1~4号機は沸騰水型軽水炉、5号機は改良型沸騰水型軽水炉。南海トラフ巨大地震の想定震源域直上に立地する。1、2号機は2009年に運転を終え。廃炉作業中。東日本}(震災後の11年5月、菅直人首相(当時)の要請を受け、全面停止した。26年1月に中部電が耐震データ不正を公表。原子力規制委員会に対する25年2月の外部通報がきっかけになった。

東証プライム市場
東京証券取引所の最上位に位置する市場。「Prime」は英語で「最上の」を意味する。海外勢など多様な投資家にとって魅力的な取引対象となるグローバル企業聚中心に構成される。時価総額や経営成績、財政状態などの基準が東証で最も厳しい。2022年の再編までは東証1部が主要市場としての役割を果たしていた。

米国のビザ規制
第2次米トランプ政権は不法移民の強制送還や各種ピザの発給審査の厳格化を進め、移民規制を強めている。昨年1月の政権発足以降、2026年1月12日までに取り消した米国滞在に必要なピザは10万件以上になり、バイデン前政権下でピザを取り消された件数の約2.5倍となった。ロシアやイラン、アフガニスタン、タイなど75カ国からの同21日からの移民ピザ発給手続き停止を発表した。移民制度の乱用による米国の「富の搾取」を防ぐためだと説明している。

最近の日中関係
高市早苗首相は2025年11月の衆院予算委員会で、台湾有事は存立危機事態になり得ると答弁した。台湾問題を「核心的利益の核心」と位置づける中国は強く反発し、高市氏の発言撤回を要求。日本への渡航自粛を呼びかけたり、軍民両用品目の対日輸出規制を強化したりしている。防衛力強化を図る高市政権によって「日本の軍国主義が復活する」と主張する宣伝戦を世界的に展開。日本側も中国の主張に反論するなど両国関係は急激に悪化している。

エネルギー基本計画
国が定めるエネルギー政策の指針・電源構成の目標や原発運営の方向性を示す。レアアース(希土類)を中心に鉱物資源の確保についても考え方を明記する。電力会社など民間企業の事業や投資計画への影響が大きい。エネルギー政策基本法に基づき策定する。おおむね3年ごとに見直し、最新の計画は2025年2月にまとめた。

成年後見制度
認知症や知的障害などで判断能力が十分ではない人を福祉関係者、司法書士、親族らが後見人となって支える制度。2000年に禁治産、準禁治産制度を廃止して導入された。「法定後見」は判断能力に応じた3類型があり、本人に代わって預貯金の管理や福祉サービスの利用手続きをしたり、契約を取り消したりする権利が与えられる。本人や家族が申し立てて、家裁が後見人を選定する。判断能力があるうちにあらかじめ後見人を選任する「任意後見」もある。

レアアース
ハイテク機器や環境技術を支える17種類の元素の総称で、日本語で希土類と呼ばれる。電気自動車やスマートフォンなどに幅広く利用される。米地質調査所や国際エネルギー機関によると、2024年は世界の鉱石生産の7割、製錬の9割を中国が占めた。他の生産国はミャンマーや米国など少数で、消費国にとっては安定した供給の確保が課題。レアアースを使わない製品の開発や、調達先の多角化が進められている。

政府の少子化対策
政府は若年人口が急減する2030年代に入るまでを「少子化反転のラストチャンス」として対策を進めている。特に24~26年度を集中取り組み期間と位置付け、児童手当の支給を高校生年代まで延長し所得制限を撤廃した。育児休業給付も充実したほか、親の就労に関係なく預けられる「こども誰でも通園制度」を創設する。一方、結婚したくてもできない若年層への支援が足りないとの指摘もある。少子化に歯止めはかかっておらず24年の出生数は68万6061人で過去最少を更新した。

頭の血白
 北朝鮮の初代最高指導者、金日成主席が中国との国境にそびえる白頭山を抗日パルチザン活動の拠点としたとされる逸話から、北朝鮮は白頭山を「革命の聖地」と称し、金日成氏の血を引くことが指導体制を世襲する正統性の根拠としている。故金正日総書記や金正恩総書記ら直系の一家を指し、北朝鮮の一般社会では不可侵の存在。社会主義は本来、世襲制を否定する考え方のため、北朝鮮は体制を礼賛する思想統制を徹底してきた。
ガザ地区
1948年5月、パレスチナの地にイスラエルが建国され、約70万人のアラブ人が自宅を追われてパレスチナ難民と呼ばれるようになった。エジプト統治下のガザ地区にはその直後から難民キャンプが設立された。 67年の第3次中東戦争でイスラエルが占領。 93年のオスロ合意でガザはパレスチナ自治区とされたがイスラエルは事実上の占領を続け、2005年9月に完全撤退した後も外部境界の管理を続けた。イスラム組織ハマスが07年6月に武力制圧し実効支配。その後、イスラエルはたびたびガザを攻撃。ハマスは23年10月、イスラエルを奇襲攻撃し、大規模戦闘が勃発。 25年10月に停戦が発効したが、イスラエル軍は攻撃を続け、ガザ側死者は7万2千人を超える。

プルサーマル発電
原発から出る使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを加工した混合酸化物(MOX)燃料を原発で再利用し、発電すること。国が「核燃料サイクル」の一環として推進するが、中核となる国内の再処理工場は未完成。コストの課題や安全性を懸念する声もあり、今ある原発で導入済みは4基、うち現在、実施しているのは2基にとどまる。

法制審議会
法相の諮問を受け、民事法や刑事法といった基本的な法律の立法や改正について調査・審議する機関。委員には裁判官、検察官、弁護士の法曹三者のほか、大学教授、財界や報道機関の関係者らが任命される。任期は2年で再任可能O諮問内容に応じて設けられる部会が要綱案をまとめ、総会での採決を経て法相に答申する。その後は法務省が答申に沿って法案を作成し、与党の審査を受けた後に国会に提出する、

控訴審判決文
民事訴訟規則は、控訴審判決文が事実・理由の記載について一審の判決文を引用できると定める。最高裁は1962年の判決で、引用する際に一部文言を加えたり、修正したりすることも許されると判断した。一方、最高裁の泉徳治判事(当時)は2006年の判決の補足意見で「継ぎはぎ的引用は読んでも趣旨を理解できず、国民に分かりやすい裁判の実現という観点から決して望ましくない」と指摘。近年も一審判決の修正が180ヵ所にも上る控訴審判決文もあり、見直しの必要性を公言する現役裁判官もいる。

リユース
一度使った製品を捨てず、そのままの形で繰り返し使うこと。ごみの発生量を減らす「リデュース」、原材料やエネルギー源として再利用する「リサイクル」とともに、ごみ削減に重要な「3R」活動の一つとなっている。リユース品は新品に比べて安価で購入できるため、フリーマーケットアプリや中古品販売店で衣類・服飾品や家電、書籍などの数多くの品目が取り扱われている。

リゾートバイト
観光地の宿泊施設などに住み込みで働く就業形態。インターネットなどを通じた人材派遣会社の募集や派遣が一般的で、期間は職種や時期によって異なる。宿泊費が無料で食事も支給されるケースが多く、滞在中の出費を抑えることができる。かつては担い手の大半は若者だったが、10年ほど前からシニアも年々増加。短期間の旅行よりも深く地域を知ることができ、移住先の検討を兼ねて活用する人もいる。

蘋果(ひんか)日報(リンゴ日報)
1995年に黎智英氏が創刊した新聞。「蘋果」はリンゴを意味する中国語で、英語紙名は「アップルデーリー」。民主派寄りで中国政府に批判的な報道で知られた。発行部数はかつて50万部を超えた。中国や香港の当局は同紙の報道が2019年の反政府デモ拡大につながったと問題視した。インターネットでの報道にも力を入れ20年6月から英文記事の配信も始めた。当局による資産凍結で21年6月24日付の発行を最後に廃刊となった。

包括的核実験禁止条約(CTBT)
核爆発を伴うあらゆる核実験を禁じる条約。1996年に国連で採択され、現在178カ国が批准。発効には条約交渉の時点で原子炉を持っていた44カ国の批准が必要だが、米国や中国、イランなど8カ国が未批准で発効していない。日本は97年に批准。CTBT機構準備委員会の本部はウィーン。

中国の核戦力
中国は1964年に初の核実験に成功し、世界で5番目の核保有国になった。67年には水爆実験も実施した。核の先制不使用を公約している。核弾頭数は公表していない。大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などで核戦力を構成する。習近平指導部は2015年に核ミサイル部隊を管轄するロケット軍を陸海空軍と同格の組織として新設した。

新START
核軍縮のため米国とロシアが調印した新戦略兵器削減条約。英語での名称は「NEW(新しい)STRATEGIC(戦略)ARMS(兵器)REDUCTION(削減)TREATY(条約)」。STARTには「始まり」の意味があり、新スタートと読む。第1次戦略兵器削減条約(STARTI)の後継条約で、2010年4月に調印し、11年2月に発効した。配備戦略核弾頭数を1550、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの運搬手段総数を800と、米ロの核軍縮史上最低水準まで制限した。

プルデンシャル生命保険
米金融サービス大手プルデンシャル・ファイナンシャルのグループ会社として1987年に創業した生命保険会社。「ライフプランナー」と呼ばれる営業社員は2025年4月時点で4千人を超える。ジブラルタ生命、PGF生命を含めたプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンの24年度の保険料等収入は3兆7662億円だった。

トラス・ショツク
2022年9月、当時のトラス英首相が打ち出した大型減税政策に端を発した金融市場の混乱を指す造語。トラス氏の各剛「Truss」と、英語で衝撃を意味する「Shock」を組み合わせた。トラス政権は発足直後、所得税の基本税率引き下げや法人税引き上げ撤回などを盛り込んだ経済政策を発表。財源の裏付けが乏しく財政悪化の懸念を招き、通貨ポンドと株式は急落、英国債も売り込まれた。支持率は1絎台に落ち込み、トラス氏は就任からわずか44日で辞任を表明した。

米ロの核軍縮
米タは冷戦時代から互いの核戦力の制限・削減を図り2国間条約を結んできた。1972年調印の第1次戦略兵器制限条約(SALT1)に始まり、91年に戦略核兵器の配備数を初めて削減した第1次戦略兵器削減条約(START1)に調印。その後継条約として2010年に新STARTに調印した。中距離核戦力(INF)廃棄条約が19年に失効すると、新STARTが米ロ間に残る唯一の核軍縮条約となった。両国間の相互不信や中国の台頭を背景に核軍縮交渉の機運はしぼんでいる。

ETF(上場投資信託)
投資家から募ったお金を専門家が運用し、成果を分配する金融商品の一種。「Exchange Traded Funds」の略称で、東京証券取引所などに上場している。価格が日経平均株価(225種)や東証株価指数(TOPIX)といった指数の動きに連動するように、多くの上場企業の株式を集めてつくる商品などがある。

再審
刑事裁判の確定判決に重大な誤りがあった際に裁判をやり直すこと。刑事訴訟法は、無罪を言い渡すべき明らかな新証拠を発見した時などを開始要件とする。有罪が確定した入らが裁判所に請求し、請求審で開始決定が出て確定すると再審公判が始まる。進め方が具体的に定められておらず、法制審議会部会が2025年4月から見直し議論を始めた。これとは別に、超党派の国会議員連盟が改正法案を作成し、野党6党が昨年の通常国会に提出。衆院解散で廃案となった。

外国人の不動産取得
日本国内で土地や建物を購入する場合、原則として国籍による制限はない。ただし安全保障などの観点から、防衛関係施設周辺の「重要土地」や大規模な土地、農地を取得する場合、取得者の国籍を届け出る必要がある。政府は1月下旬、国土の適切な利用に向け、他国の例も参考に新たな土地取得ルールの骨格などを今夏までにまとめると発表した。マンションに関しては、移転登記の申請時に取得者の国籍を記入する仕組みを検討している。

米国家防衛戦略(NDS)
米政権が政治、外交、経済、軍事など各分野の安全保障政策を包括的に示す「国家安全保障戦略(NSS)」の下位文書。策定者は国防長官で、国防総省が取るべき方向性を示す。大部分は機密扱いで一部が公表される。ハイテン前政権が2022年に公表した国家防衛戦略では中国への対処がウクライナに侵攻したロシアより優先課題だと指摘した。

重層的支援体制整備事業
政府が「断らない相談支援」「我が事・丸ごと」といった理念を掲げ、社会福祉法の改正で2021年度に施行された。相談支援と地域づくりに加え、新たな機能として①分野横断的に支援を調整する「多機関協働」②サポート対象者の元へ積極的に出向く「継統的支援」③社会とつながる「参加支援」-を一体的に行う。実施するかどうかは市区町村の任意。26年度の政府予算案の事業費は844億円。前段階である「移行準備事業」もある。

宇宙を活用した防衛能力の強化
航空自衛隊に2020年、自衛隊初の宇宙作戦隊が発足し、22年からは宇宙作戦群に拡大。26年度には航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」に改編する。25年版防衛白書で「人工衛星を活用すれば、地球上のあらゆる地域の観測、通信、測位が可能」と記述。防衛省は25年7月策定の宇宙領域防衛指針で、衛星通信を同省、自衛隊の作戦全ての基盤と位置付けた。

TCL
1981年に設立された中国の家電大手。テレビの他、冷蔵庫やスマートフォンなど生活家電を幅広く手がけ、160以上の国・地域で事業を展開している。2024年12月期の売上高は993億香港ドル(約2兆円)で、85インチ以上のテレビ出荷台数で世界首位。19年に日本のテレビ市場に本格参入した。21年にはパナソニックがテレビの量産機種の生産委託で合意した。

グリーンランド
カナダの北東に位置する世界最大の島。面積は日本の約6倍で、人口は約5万5千人。土地の約3分の2が米国やロシア、中国などが覇権を争う北極圏にある。石油や天然ガス、レアアース(希土類)などの資源が豊富。1721年から実質的にデンマークの植民地で、1979年に自治政府が発足した。米国は46年にトルーマン政権が購入を打診したことがある。トランプ大統領は1期目の2019年にも領有を目指した。

FMS
米国が安全保障政策の一環として、同盟国などに防衛装備品を有償で提供する制度。英語の「ForeignM111tary Sales」の略称で、対外有償軍事援助とも呼ばれる。米国の見積価格を基に日本が原則前払いした上で、納品後に実際にかかった費用を精算する。会計検査院によると、2019~23米会計年度(18年10月~23年9月)の調達額の合計で、日本はオーストラリア、台湾、サウジアラビアに次いで4位だった。

プルサーマル発電
原発から出る使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを加工した混合酸化物(MOX)燃料を原発で再利用し、発電すること。国が「核燃料サイクル」の一環として推進するが、中核となる国内の再処理工場は未完成。コストの課題や安全性を懸念する声もあり、2025年現在今ある原発で導入済みは4基、うち現在、実施しているのは2基にとどまる。

労災保険法
労働者の業務や通勤による災害に対し、公正な保護を行うための保険給付制度を定め、1947年に制定された。社会復帰の促進も図り、労働者の福祉の増進が目的だ。費用は原則、事業者負担の保険料で賄われ、療養、休業、障害、遺族への給付がある。原則的には、1人でも労働者を雇用していれば、同制度が強制適用される。農林水産業の一部は「暫定任意適用事業」として、強制適用の例外となっている。

新党
既存政党と別に新たに結成される政党。公選法は「国会議員5人以上」を政党要件の一つに定める。政党や議員が合流する場合にこの条件を満たした政治団体は「新党」として衆院選の比例代表名簿を届け出ることができ、小選挙区との重複立候補が可能になる。一方公選法には、比例代表選出議員が同じ選挙で戦った別の政党に移ると失職するとの定めがある。新たな政党や政治団体に移ればこの規定による失職を避けられるため、受け皿を設立して移籍した例が過去にもあった。

包括的性教育
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が提唱する性教育で、生殖から人権まで幅広く学ぶことにより、性交渉に対する慎重さや、ジェンダーへの公正な能面などの効果が期待できる。発達段階に応じて「5~8歳」「9~12歳」「12~15歳」「15~18歳以上」の四つの年齢グループに分け、「人間関係」「ジェンダーの理解」「暴力と安全確保」「人間のからだと発達」など八つのキーコンセプトに基づいた内容を繰り返し学ぶ。

最高裁の個別意見
裁判所の組織や権限などを定めた裁判所法は、最高裁の大法廷と小法廷が出す判決・決定に「各裁判官の意見を表示しなければならない」と定めている。多数意見(法廷意見)に賛同した場合は、個別意見を書く必要はない。多数意見に加わった裁判官が自身の考えを補って説明するのが「補足意見」。結論は多数意見と同じでも理由が異なるときは「意見」を付ける。多数意見に結論も理由も賛同しない裁判官は「反対意見」を書く。

災害廃棄物
地震や大雨などに伴い生じる廃棄物で、壊れた住宅の建材や家具、コンクリート片など、`さまざまな種類がある。地震では倒壊家屋のがれきが大量に発生し、水害は浸水で使えなくなった家電や畳などが比較的多い。東日本大震災では、津波堆積物を除いて約2千万トン発生した。空き地などに設けた仮置き場で一時保管後、分別して再利用したり、焼却処分したりする。

水道管の耐震化
 国土交通省によると、2023年度末時点で耐震基準を満たしている水道管の割合は、避難所や災害拠点病院など災害時の重要施設につながる配管で37%。東日本大震災や熊本地裘といった過去の大規模災害では、水道管損壊による断水が広範囲で発生。被害を受け、政府は水道事業を運営する自治体に、耐震化の範囲や目標などを盛り込んだ計画の策定を促している。
登記
 土地や建物の広さや所有者情報を国の帳簿に記録し、公示する制度。登記事項証明書には持ち主の名前や住所だけでなく、面積や構造が細かく記載され、売買歴や住宅ローンを組んだ際などの担保権者も記される。手続きを踏めば当事者以外でも閲覧でき、円滑で安全な取引を支える役割がある。不動産取得時の申請や記載内容の変更は、全国の法務局で行う。不動産だけでなく、会社や一般社団法人などの所在地や代表者を記した商業・法人登記もある。
RSウイルス感染症
 せきや発熱などの風邪症状や、肺炎の原因となる呼吸器感染症。年齢を問わず感染を繰り返し、1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ全員が少なくとも一度はかかるとされる。生後6ヵ月以内に感染すると重症化することがある。せきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)のほか、ウイルスが付着した手指や物などを介して広がる。
新戦略兵器削減条約(新START)
 戦略核兵器の配備数を初めて制限した第1次戦略兵器削減条約(STARTI)の後継条約として米国とロシアが2010年4月に調印。11年2月発効。配備戦略核弾頭数を1550、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの運搬手段総数も800に制限した。21年1月の合意で5年間延長されたが、ロシアは23年2月に条約履行停止を表明した。中距離核戦力(INF)廃棄条約が19年8月に失効し、米露間に残る最後の核軍縮条約となった。
マネーロンダリング
 犯罪で得た資金の出所や所有者が分からないようにして、捜査機関による摘発を逃れようとする行為。英語で「洗濯する」を意味する「launder」を用いた言葉で、資金洗浄とも呼ばれる。他人名義や架空の口座を使って転々と送金を繰り返したり、暗号資産(仮想通貨)に交換したりする手口がある。テロリストヘの資金供給にも使われるため、国際的な対策が不可欠となっている。
レアアース(希土類)
 レアメタル(希少金属)の一部で、17種類ある元素の総称。電気自動車(EV)のモーターやハイテク製品など、幅広い工業製品の製造に使われている。生産国が中国やオーストラリアなど一部に限られ、供給が不安定になりやすい。資源が豊富な中国は生産量が世界最大で、各国は調達を依存している。中国は外交圧力に利用するケースがあり、2010年に沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件後、対日輸出を停滞させた。
インテリジェンス
 英語で「lntelligence」。情報や諜報(ちょうほう)を意味する。日本政府は、安全保障上の問題に関して判断するために政策決定者に提供される情報や分析、その活動のプロセスと位置付ける。日本では内閣官房の内閣情報調査室が国内外の情報の収集、分析を行い、首相に報告する役割を担う。インテリジェンス機能の強化が急務となっているとして、政府は2022年に策定した国家安保戦略に「多様な情報源に関する情報収集能力を大幅に強化する」と明記した。
基準地震動
 原子力施設の敷地で想定される最も大きい地震の揺れ。大きさは加速度の単位である「ガル」で示す。過去に見つかった周辺の活断層などを震源として評価するほか、特定が難しい震源が敷地直下にあることも想定して策定する。原子力規制委員会の再稼働審査では、施設の耐震設計が妥当かどうかを判断するベースとなるため、重要項目の一つに位置付けられる。
取り調べ立ち会い
 警察官の心構えなどを定めた犯罪捜査規範には立ち会いを想定した記述があるが、現状では弁護士らが要請しても、捜査当局が拒否することがほとんど。刑事訴訟法に明確な規定はない。冤罪(えんざい)の一因とされる高圧的な取り調べや誘導による虚偽自白を防ぐ必要があるとして、日弁連は制度化を求めている。主な欧米諸国や韓国などでは、法律などに基づき、立ち会いを受ける権利が認められている。
浜岡原発
 静岡県御前崎市に立地する中部電力の原発。1~5号機があり全て沸騰水型。1、2号機は2009年に運転を終了し、廃炉作業中O南海トラフ巨大地震の想定震源域直上に立地し、11年3月の東日本大震災後、菅直人首相(当時)の要請で全面停止した。中部電は3、4号機の再稼働を目指し、14~15年に原子力規制委員会に審査を申請。高さ25.2なの津波を想定し、海抜22mの防潮堤を今後28mにかさ上げする方針。25年11月、工事の一部で精算手続きなどを行わなかった不祥事が判明したと発表した。

災害派遣福祉チーム
避難生活を送る高齢者や障害者、子どもらに関する相談対応をはじめ、食事や排せつの介助といった生活上の支援、避難所の環境改善を担う専門チームで、各都道府県が地域の社会福祉協議会などと協力して組織。Disaster(災害)、Welfare(福祉)、Assistance(支援)、Team(チーム)の略称から「DWAT」と呼ばれる。

Vチューバー
キャラクターになり切って、ユーチューブなどで配信や動画投稿をする。実際の演者は顔を出さない。歌やダンス、ゲーム実況など活動の幅は広い。日本発祥の文化として、国内外で人気を集めている。

ベネズエラ
南米大陸の北部に位置し、原油の確認埋蔵量は世界一(2023年推定)で経済面は石油収入に依存する。人口は約2850万人(25年推定)。「21世紀の社会主義」を掲げた反米左派のチャベス大統領が13年3月に死去し、後楮珀名された副大統領のマドゥロ氏が暫定大統領に就任。4月の大統領選で当選した。18年に再選。24年の大統領選で選挙管理当局はマドゥロ氏の勝利を発表したが、不正疑惑が浮上し欧米各国は認めていない。

技能・日本語試験
特定技能の在留資格で即戦力人材として入国する外国人は原則として、仕事の信恵を測る技能試験と日本語試験に合格する必要がある。技能試験は介護、建設、農業など分野ごとに出題範囲を定めて実施している。日本語能力試験はN1~N5の5段階がある中、基本的な言葉を理解できるN4レベルが要件となる場合が多い。技能実習に代わって2027年度に始まる育成就労制度で働く外国人は、最も易しいN5レベルの日本語能力が求められる見通し。

能登半島地震
2024年1月1日午後4時10分、石川県能登地方を震源とするマグニチュード(M)7.6の地震が起き、石川県輪島市と志賀町で震度7を観測した。気象庁が大津波警報を発表し、沿岸部に津波が到達。石川県を中心に建物倒壊や火災、宅地液状化などの甚大な被害が出て、大規模火災に見舞われた輪島市では朝市通りがある一帯の約240棟が焼けた。25年12月末時点の地震による死者数は、避難生活などで体調を崩して亡くなった「災害関連死」を含めると石川、新潟、富山3県で計698人に上る。

相続土地国庫帰属制度
相続や遺言による贈与で土地を取得した人が、不要な土地を国に引き取ってもらう制度。帰属された土地は国が管理する。土地の境界が曖昧だったり、木や竹が生えていたりする場合、制度を利用できないことがある。2011年の東日本大震災の際、所有者不明の土地が多く、復興事業に支障が出たのを一つのきっかけに、国が放置される土地の増加を防ぐ目的で制度化した。

日朝首脳会談
国交のない日本と北朝鮮は2002年9月17日、当時の小泉純一郎首相が平壌を訪れ金正日総書記と初めて首脳会談を行った。金氏は日本人の拉致を認めて謝罪し、国交正常化に向けた日朝平壌宣言に署名。同年10月に拉致被害者5人が帰国した。両首脳は04年5月22日に再会談し、小泉氏は拉致被害者の家族5人と共に帰国。首脳会談はこれが最後で、金正恩体制への移行後は実現していない。拉致問題を巡っては北朝鮮が14年に再調査を約束したが、16年の北朝鮮の核実験を受け日本が独自制裁を強化し、北朝鮮は調査を全面中止した。

コード決済
QRコードやバーコードを利用して支払うキャッシュレス決済の一種。「PayPay(ペイペイ)」や「楽天ペイ」などのアプリがあり、利用には登録が必要。店舗では店が設置したコードを読み取るなどして支払うことができる。利用者間で相手のコードを読み取り、事前にチャージした残高から送金する機能もある。金額を指定して請求することも可能。

慰安婦問題の日韓合意
2015年12月、従軍慰安婦問題の解決を図り、日韓両政府が発表した合意。日本政府が韓国の財団に10億円を拠出した。合意時点で存命していた韓国人元慰安婦47人のうち35人、故人199人のうち65人の遺族らが現金を受け取った。18年に文在寅政権が財団の解散を発表するなど合意を事実上白紙化した。合意には、韓国政府がソウルの日本大使館前にある慰安婦被害を象徴する少女像の問題解決に努めるとの内容も含まれたが、像は移転されていない。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域を中心とする経済連携協定。農産品や工業製品の関税削減、撤廃のほか、電子商取引(EC)などのルールも定める。日本やオーストラリア、英国など12力国が加盟した。コスタリカとは加盟交渉が進んでいるほか、ウルグアイとの交渉開始も決定。拡大の機運が高まっている。中国と台湾も既に加盟を申請した。

宇宙を活用した防衛能力の強化
2025年版防衛白書で「人工衛星を活用すれば、地球上のあらゆる地域の観測、通信、測位が可能」と記述。防衛省は7月策定の宇宙領域防衛指針で、衛星通信を同省、自衛隊の作戦全ての基盤と位置付けた。現在の防衛通信衛星「きらめき」の後継機の整備に着手しており、通信容量を拡大し、通信妨害に耐える力を強化。地上施設の分散設置を進める。26年度に航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」に改編する。

労務費
選挙運動は無報酬が原則だが、ポスター張りなどの機械的労務に対する報酬の支払い(1日1万円以内)を例外的に認めている。総務省は「単純かつ機械的な労務に服する者」と解釈しているが、その基準は法律で明確に示していない。支払える人数の制限もない。

米海兵隊のグアム移転
米軍基地が集中する沖縄の負担軽減と、冷戦終結など安全保障環境の変化を受けた在日米軍再編計画の一部。2006年に日米両政府が決定した再編のロードマップ(行程表)に、米軍普天間飛行場の移設と共に盛り込まれた。当初は14年までに海兵隊約8千人をグアムに移すと計画。12年に見直され、約9千人を国外に移転させ、そのうち4千人以上の移転先をグアムとした。24年12月、第1陣約100人のグアム移転が始まった。

OTC類似薬
ドラッグストアなどで売られる市販薬と成分や効能が似ているが、購入時に原則として医師の処方箋が必要な医療用医薬品。公的医療保険が適用されて市販薬より安く買えることが多いため、医療費の上昇要因と指摘される。OTCは「Over The Counter」の略で、店のカウンター越しに販売することに由来する。

高額療養費制度
病気やけがの治療費が高くなった際、負担が重くなり過ぎないよう1ヵ月当たりの支払額を一定にとどめる制度。家計を支えるセーフティーネットの役割がある。年収や年齢に応じて自己負担の上限額を定めており、上限額を超えた部分は公的医療保険から給付される。高齢化や高額な薬の普及で保険給付額や現役世代などの保険料が押し上げられており、見直しが課題になっている。

国の基金
年度ごとに予算を編成する「単年度主義」の例外として、複数年度にわたって事業を行うために積み立てる資金。各年度の所要額をあらかじめ見通すことが難しい課題や、中長期的な支援が必要な分野に用いられる。会計検査院によると、2023年度末の残高は、所管省庁別で経済産業省が最多の約13兆4千億円。うち脱炭素化に向けた「グリーンイノベーション基金」が約2兆5千億円だった。

長期金利
お金を貸し借りする期間が1年以上の場合に適用される金利の総称。景気の先行きや物価の上昇により変動し「経済の体温計」とも呼ばれる。新たに発行され、満期までの期間が10年の国債の市場利回りが代表的な指標。住宅ローンや企業が発行する社債などの金利の基準になる。市場では銀行などの機関投資家が国債を売買し、国偉膽格が上がると利回りは下がり、価格が下がると利回りは上昇する。

日本版DBS
子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する制度。 DBSは、日本政府が制度設計の参考にした英国の「Disclosure and Barring Service」(前歴開示・前歴者就業制限機構)の頭文字。子どもの性被害が相次ぎ、子育て支援団体や保護者らが創設を求めた。対象には有罪が確定した不同意わいせつ罪などの刑法犯、痴漢や盗撮といった条例違反などが含まれる。

訪問看護
自宅などで過ごす患者を看護師らが訪問してケアする。年齢や疾患によって医療保険適用型と介護保険適用型の二つに分かれる。末期がんや難病、精神科の場合は医療型で、訪問回数は原則週3回まで。ただ末期がんや難病では1日3回まで診療報酬を受け取れる。訪問看護ステーションはその拠点で、全国に約1万7千ヵ所ある。運営主体の約6割は株式会社などの営利法人。地域で患者宅を回る形式のほか、近年は老人ホーム併設で入居者だけを対象にする例も増えている。

司法面接
子どもが虐待や性被害などに遭った時に心理的負担を軽減するため、警察と検察、児童相談所が協議を行った上で代表者が聴取する仕組み。代表者が誘導を避けながら子どもに自発的な発言を促し、被害状況を聞き取る。他の職員は別室でモニターから確認し、必要に応じて代表者に指示を出す。2015年10月、厚生労働省などが全国の関連機関に通知を出し、本格導入が始まった。代表者聴取や協同面接とも呼ばれる。

上下水道
河川や井戸から取った水を浄水場でろ過したり。家庭から出た汚水を処理場で浄化したりするシステム全体を指す。自治体が事業として営むケースが多く、住民から徴収した料金で維持管理費を賄う「独立採算制」が原則だが、人口減で料金収入が将来減少すると懸念されている。一方、配管やポンプなどが古くなり、修繕や交換の費用増大も課題。今年1月には埼玉県八潮市で下水管破損に伴う道路陥没事故が発生。老朽化した上下水道管が壊れる例が各地で出ている。

国産AI
国内で開発を手がける人工知能(AI)。設計や変更、停止といった重要な判断、学習データの保管、運用を国内で完結させる。このため、海外の政治動向や企業の戦略に左右されずに利用を続けることができ、機密情報の漏えいを防げる利点がある。主に防災や防衛、行政など重要インフラ事業は安全保障や事業継続性の観点から導入の必要性が指摘されている。 NTTなどが一部実用化しているが、性能向上が課題。「チャットGPT」を手がける米オープンAIなどが先行している。

ケアマネジャー
正式名称は介護支援専門員。要介護者の状況に応じ、訪問介護や通所介護といったサービスが受けられるようケアプランを作成し、市町村や事業所との連絡調整を担う。少なくとも月1回は要介護者の状態を確認し、必要があれば計画を見直す。報酬は介護保険から支払われる。資格取得には、看護師や社会福祉士などの実務経験を通算5年以上積んだ後、都道府県が実施する試験に合格し、研修を修了する必要がある。資格は5年ごとの更新制で、更新せず期限が切れた場合、法定研修を受講すれば回復する。

国際卓越研究大学
国の財政ご支援により、世界最高水準の研究大学を生み出そうとする制度。日本発の論文の数や質が海外と比べ低迷しており、構想された。国が設置した10兆円規模の大学ファンド(基金)の運用益から財務状況などを踏まえ助成する。財源となる2024年度の当期純利益は2560億円の黒字だった。世界からトップ研究者を集め、①次世代を育成すること②多様な背景の人を受け入れる環境づくり③国内外の企業や研究機関と協調し技術革新を担うことが目標。

自動車の「逆輸入」
日本の自動車メーカーが、海外の工場で生産した車を日本に輸入することに使われる呼び名。各社は日米貿易摩擦の回避策として米国生産車で検討している。ただ輸送費の負担や米国の労務費が高いこともあり、経済合理性の確保が課題となる。インド生産車ではホンダやスズキが小型スポーツタイプ多目的車(SUV)を発売した例がある。

診療報酬
患者が公的医療保険を使って治療や薬の処方を受けた際、病院や診療所、薬局に支払われる公定価格。患者が全体の1~3割を負担し、残りを保険料や税金で賄う。改定は原則2年に1度。改定率は政府が前年末の予算編成で決める。診療報酬の1%分は約5千億円に相当する。手術や検査など個別の単価は、厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会の議論を経て設定する。

サハリン2
ロシア極東サハリンでの石油・天然ガス開発事業。 2008年に原油の通年生産を始め、09年に液化天然ガス(LNG)輸出を開始した。ロシア政府系ガス大手ガスプロムが事業を主導し、日本からは三井物産と三菱商事が参画している。 LNGの年間生産能力は1千万トン程度とされ、日本はうち約600万トンを輸入する。日本は同様の開発事業「サハリン1」にも権益を保有している。

蘋果(ひんか)日報=リンゴ日報
1995年に黎智英氏が創刊した新聞。「蘋果」はリンゴを意味する中国語で、英語紙名は「アップルデーリー」。民主派寄りで中国政府に批判的な報道で知られた。発行部数はかつて50万部を超えた。中国や香港の当局は同紙の報道が2019年の反政府デモ拡大につながったと問題視した。インターネットでの報道にも力を入れ、20年6月から英文記事の配信も始めた。当局による資産凍結で21年6月24日付の発行を最後に廃刊となった。

フリーランス
発注元から個人で仕事を請け負う働き手で個人事業主とも呼ばれる。IT技術者やデザイナー、ミュージシャンなど幅広い分野にわたる。フリーランス法では従業員を雇わない個人事業主と定義され、代表・1人だけの企業も含まれる。発注元に対して立場が弱く、不利な契約を強いられる場合があると問題視されている。

非核三原則
核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とした日本政府の基本的な政策。1967年に当時の佐藤栄作首相が国会で表明した。71年には衆院本会議が三原則順守を盛り込んだ決議を採択し、国是とされた。米国の「核の傘」に頼る日本の防衛政策は三原則に矛盾するとの指摘もある。日米が米軍の核搭載艦船の寄港、有事に沖縄への核再持ち込みを認める密約を結んでいたことも判明。高市早苗首相は、核を「持ち込ませず」について見直しを検討している。

単一統合作計画(SIOP)
米国が策定した全面核戦争のシナリオ。最初にまとめられたのは1960年代で、ニクソン政権下の71年には先制攻撃で最大4200発、報復攻撃では最大4千発の核でそれぞれG500と6400のソ連、中国の軍事拠点や主要都市を標的に想定。米国は現在、通常兵器と核を組み合わせた作戦計画を採っている。

パリ協定
2015年12月12日にフランスで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択され、16年11月4日に発効した地球温暖化対策の枠組み。産業革命前からの気温上昇を2度、できれば1.5度に抑えるため、21世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指す。約200の全参加国に、自らの裁量で自国の削減目標(NDC)を策定する義務がある。先進国にのみ削減義務を課した京都議定書と異なり、目標達成に法的な義務はない。

防衛費
装備品の購入費や自衛隊の人件費など防衛に関する国の経費。岸田内閣は2022年12月、安全保障関連3文書を策定し、27年度に関連経費と合わせて国内総生産(GDP)比2%(約11兆円)に増やす目標を明記した。今年10月、高市早苗首相は所信表明演説で目標を25年度中に前倒しで達成すると表明。25年度補正予算が成立すれば、当初予算と合わせて目標に届く。一方、トランプ米政権は水面下で日本にGDP比3.5%への増額を要求したことが判明している。

無形文化遺産
2006年発効の無形文化遺産保護条約に基づいて国連教育科学文化機関(ユネスコ)が登録する無形の文化。伝統芸能や祭礼行事、社会的慣習など多岐にわたる。185の締約国から選ばれた24カ国の政府間委員会が毎年1回、各国が申請した候補60程度を上限に審査。専門家らで構成する評価機関の勧告を踏まえ、登録の可否を決める。今回の登録審査前の時点で、世界全体では代表リストに667が登録済み。

年収の壁
所得税が生じる所得の水準。このラインを上回ると税負担が発生するため、働き控えを誘発しているとして、壁に例えられた。幅広い国民に適用される「基礎控除」と、会社員やアルバイトらの経費代わりとなる「給与所得控除」の2種類の非課税枠を足し合わせて算出される。生活に最低限必要な所得には課税すべきではないという観点などから設けられている。

原子力潜水艦を巡る動き
防衛省の有識者会議が9月、原子力潜水艦を念頭に「次世代の動力」を活用した潜水艦の導入を提言。自民党と日本維新の会は2025年10月の連立政権合意書に次世代の潜水艦の保有を明記し、小泉進次郎防衛相は1月の参院予算委員会で「タブー視せずに議論する必要がある」と述べた。高市早苗首相の指示を受けて自民党が進める安全保障関連3文書改定では、保有の是非が論点になる。

北海道・三陸沖後発地震注意情報
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域でマグニチュード(M)7以上の地震が発生した場合などに、より大きな地震の可能性が平常時より高まったとして気象庁が発表する。事前避難は求めず、避難経路の確認や家具固定などを呼びかける。北海道から千葉県の7府県182市町村が対象で、特に注意すべき期問は1週間。M9.0の東日本大震災の2日前にM7.3の前震が起きていたことなどを踏まえ、2022年12月から運用が始まった。似た制度に、24年8月に初めて発表された南海トラフ地震臨時情報がある。

ケアプラン
高齢者らが介護保険サービスを利用する際、介護の必要度に応じて作成される介護サービス計画。英語で介護を意味する「care」と計画を意味する「plan」を組み合わせた。主にケアマネジャーが本人や家族の意向を踏まえ、訪問や通所などのサービスの種類や利用頻度を決める。基本的に費用に自己負担はない。3年に1度の介護保険制度見直しでは、これまでも有料化が検討されてきたが、介護団体や与党議員の反対で見送られてきた。

選挙運動費用収支報告書
選挙運動は無報酬が原則だが、公選法は例外的にポスターを張るなどの機械的労務に対する報酬の支払い(1日1万円以内)を認めている。その代わり、候補者の出納責任者が報酬の支払先や金額を記載した選挙運動費用収支報告書を選管に提出しなければならない。領収書も添付する。虚偽の記入をすると、3年以下の禁錮または50万円以下の罰金が科せられる。

日本郵便の不適切点呼問題
日本郵便は2005年4月、集配業務を担う全国の郵便局の75%に当たる2391局で、酒気帯びを確認する法定点呼を適切に実施していなかったと発表した。その後、記録簿の改ざんも判明した。国土父通省は6月、各地の郵便局などで保有する全てのトラックやバン計約2500台による貨物運送事業の許可を取り消した。軽バンの運送事業は届け出制になっており、国交省は法令違反のあった郵便局に順次、車両使用停止の処分を科す方針を示していた。

訪問介護
要介護認定を受けた利用者の住宅をホームヘルパーが訪問し、生活を支援する介護保険サービス。入浴や食事などを介助する「身体介護」、掃除や洗濯を担う「生活援助」、車を運転して通院を手助けする「通院等乗降介助」がある。厚生労働省によると、ホームヘルパーの2024年度の有効求人倍率は14.74倍で、人手不足が深刻な課題になっている。

台湾有事を巡る高市首相の答弁
高市早苗首相は2025年11日7日の衆院予算委員会で、中国が台湾を併合するため武力で侵攻する事態「台湾有事」を巡り、安全保障関連法の規定で集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」になり得ると答弁した。歴代首相は存立危機事能を巡り「情報を総合して判断する」と答弁するなど明確なケースを示すことは避けてきた。中国は「台湾問題への軍事介入を示唆した」と反発。日本への対抗措置や中国の立場をアピールする宣伝戦を展開している。

ネットブリックス
米カリフォルニア州ロスガトスに本社を置く動画配信大手。1997年に設立し、2007年に動画配信を始めた。15年に日本市場に進出。映画やテレビ番組を定額で見放題とした事業戦略が好評で、190以上の国・地域で展開し、会員は3億人超。独自制作の作品にも力を入れている。

ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)
映画製作のワーナー・ブラザースや有料テレビのHBO、ドキュメンタリーのディスカバリーなどを抱える米老舗メディア。通信大手AT&Tの傘下にあった2022年4月にワーナー・ブラザースを手がけるワーナーメディアとディスカバリーが経営統合した。

ガバナ
都市ガスを一般家庭などの消費者に供給する際、安全に使えるよう圧力を下げるための整圧器。金属製で、ガス導管内の圧力変化を利用して開閉する弁を備えている。都市ガスは、製造所から高圧で送り出された後、地下に埋設された導管を通って、ガバナで中圧や低圧に調整をして消費者に届いている。

閣僚資産公開
首相と閣僚、官房副長官、副大臣、政務官が就任時と退任時の資産を報告する制度。ロッキード事件での田中角栄元首相の有罪判決を受けて導入され、リクルート事件を機に配偶者と扶養する子も対象とした。地位を利用した不正蓄財を監視する目的で、現行制度は2001年閣議決定の「大臣規範」に基づく。普通預金は公開対象外。株式は銘柄と株数のみを報告し、ゴルフ会員権や自動車、美術品とともに金額を示さないため、実態反映には程遠いとの指摘もある。

ゲノム編集
遺伝子などのDNA配列を狙い通りに改変する技術。「クリスパー・キャス9」という簡単で効率的な手法が登場し、爆発的に利用が広かった。ゲノムは、その生物の全遺伝情報のことで、特に酵素などタンパク質の情報を担う部分を「遺伝子」と呼ぶ。受精卵や精子、卵子のゲノム編集は、遺伝性の難病を予防できる可能性はあるが、世代を超えて想定外の影響が出る恐れがある。高身長や筋肉質、高知能といった望んだ特徴を持たせる「デザイナーベビー」の誕生にもつながり得るなど、倫理的な課題も指摘されている。

保護司
刑務所や少年院を出て保護観察中の人の立ち直りを支える非常勤の国家公晋貝で、法相が委嘱する。交通費などの実費を除き、無報酬のボランティアとして活動。対象者と継続的に面会して生活の助言をするほか、円滑な社会復帰のために地域との調整役も担う。2年ごとの更新制で、再任できるのは原則75歳まで。明治期に実業家の金原明善らが静岡県で始めた取り組みが源流とされる。海外からも注目されており、法務省はアジアやアフリカで制度の導入を支援している。

技術職員
大学や研究機関で、主に技術面で教育や研究を支援する専門譽貝。研究機器の操作や維持管理、得られたデータの分析などを担う。物質の性質の分析、材料の微細加工、計算機の設計、動物実験、農場の管理など扱う分野は幅広い。新たな研究機器を自分で設計・開発することもある。教育や研究を支援する人材の他に、大学の建物や電気設備といったインフラの点検や維持管理に関わる人、病院での検査や医療機器の管理を担当する人もいる。

米関税訴訟
トランプ米政権が輸入品に課した「相互関税」などを違法だとして、関税で打撃を受けた米中小企業などが起こした訴訟。一審、二審はいずれも大統領権限を逸脱しており違法だと判断した。現在、連邦最高裁で係争中。自動車や鉄鋼・アルミニウムを対象とした品目別関税は通商拡大法232条に基づく措置で、この訴訟の対象外。

セーフスポーツ専門機関
スポーツ界の暴力やハラスメント、性的虐待に対処し、調査から処分まで一元的に行う専門機関。体操女子の性的虐待事件を受けて2017年に設置された米国が先駆的なモデルとなり、カナダやオーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなど諸外国で設置が広がっている。原則的に競技団体共通の行動規範(コード)を策定し、統一基準で判断するのが特徴となっている。

マイナンバーカード
国内に住む全ての人に割り当てた12桁のマイナンバーや名前、顔写真などを記載したカード。「マイナンバー」は「私の番号」を意味する。内蔵するICチップを使って、身分証明やオンラインの行政手続きができる。2025年3月にはマイナンバーカードに運転免許証の機能を持たせた「マイナ免許証」も始まった。有効期限はカード本体が10年、カード内の電子証明書が5年で、総務省は早めの更新手続きを呼びかけている。

マイナ保険証
健康保険証の機能を登録したマイナンバーカード。カード取得者向けサイト「マイナポータル」や、病院や薬局に設置されているカードリーダーなどで利用登録ができる。厚生労働省によると、初めて受診する医療機関でも患者の病歴や投薬歴、特定健診の結果を把握でき、救急搬送時も応急処置や病院の選定に活用できるとしている。政府は「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)」の基盤と位置付ける。

パープレキシティ
生成人工知能(AI)を用いた検索サービスを展開する新興企業。社名の「Perplexity」は困惑や複雑さなどを意味する英単語が由来となっている。キーワードで調べる従来型の検索とは異なり、入力した質問に対しAIを使ってインターネットなどの情報に依拠しながら回答を示す。対話型生成AI「チャットGPT」を開発した米オープンAIで、研究者として働いた経験があるインド出身のスリニバスらが2022年に創業した。本社は米サンフランシスコ。

国際詐欺組織への制裁
米英政府は2025年11月14日、国境を越える人身売買やオンライン詐欺などに関わったとしてカンボジアのプリンスーポールティンダークループと首領のチェンージー会長などに対し、資産凍結や自国企業との取引を禁じる制裁を発表した。韓国政府も11月27日、カンボジアで多数の国民が関与・監禁された大規模施設を運営したとしてチェン会長ら15個人とプリンスなど132団体に対する独自制裁を発動した。韓国政府の超国家犯罪に対する制裁は初めて。

農林業センサス
基幹統計の一つ。センサスは、英語で国勢調査や人口調査を意味する「census」からきている。生産や就業の構造、農山村地域の現状など、農林業を取り巻く環境の変化を明らかにして、行政の判断材料となる基礎資料を整備する狙いで、1950年から5年ごとに実施されている。今回取りまとめたセンサスのデータは、2025年2月1日現在の速報値との位置づけ。

日本語教育実態調査
日本国内の外国人らに対する日本語教育の状況を把握するために文部科学省が実施する調査。外国人らへの日本語教育や日本語教師の養成を実施する機関や団体が対象で、地方自治体、大学、国際交流協会、NPO法人、任意団体、法務省告示の日本語学校などが含まれる。文科省が調査票を送付し、回答があったものを集計している。

ローミング
契約する携帯電話会社と異なる事業者の通信網を利用し、データ通信や電話をできるようにする仕組み。英語で「roaming」と表記する。海外渡航の際に、現地事業者のネットワークを利用するのは「国際―ミング」と呼ばれる。災害時に活用することで通信手段の確保につながるとして注目されており、米国や韓国では導入実績がある。

後期高齢者医療制度
75歳以上を対象とする公的医療保険制度。2008年度に始まり、市区町村でつくる都道府県ごとの広域連合が運営する。医療機関での窓口負担は原則1割、一定の所得で2割、現役並み所得があれば3割。窓口負担を除く医療費の内訳は、約5割が公費、約4割が現役世代の保険料、残る約1割が75歳以上の保険料で賄われ、現役世代の負担が重くなっている。

普天間飛行場の辺野古移設
日米両政府は1996年、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の返還で合意した。99年に名護市辺野古への移殷を閣議決定した日本政府は「普天間の危険性除去には辺野古への移設が唯一の解決策」との立場。米軍キャンプ・シュワブがある辺野古の沿岸部南側と、軟弱地盤のある大浦湾側を埋め立て、V字形で長さ約1800肩の滑走路を建設する。県と国の法廷闘争が繰り広げられ、判決に至った訴訟はいずれも県が敗れた。

百日ぜき
「百日ぜき菌」が原因の感染症。感染力が非常に強く、飛沫(ひまつ)や接触により広がる。 7~10日の潜伏期間を経て風邪の症状が現れ、次第にせきが激しくなる。回復まで3~3ヵ月かかるとされる。乳児はけいれんや呼吸停止といった症状が出て重症化し、死亡することがある。生後2ヵ月から、定期接種で5種混合ワクチンを接種できる。効果は次第に弱まるため、日本小児科学会は、就学前と11~12歳に百日ぜきを含むワクチンの追加接種を推奨している。

コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)
元となるサーバーの負荷を分散させ、多くの利用者に効率良くデータ配信サービスを提供する仕組み。運営者が公開するデータを複製し、世界各地に置かれたサーバーから配信。アクセスの集中を防ぎ、通信速度の低下防止やデータ送信費用の節約にもなる。大容量のデータを扱う動画サイトや、オンライングーム配信などでも活用されている。

クラウドフレア
ウェブサイトを高速かつ安全に運用できるようサービスを提供する企業。米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く。世界330以上の都市にデータセンターを持ち、ユーザーから地理的に近い場所からデータを送信することで、サイトやアプリ表示などの処理を速めている。サイバー攻撃対策のセキュリティーサービスも提供している。

ガザ和平計画
パレスチナ自治区ガザの戦闘終結や戦後統治を巡り米政権がまとめた20項目の包括的和平計画。トランプ米大統領は10月8日、イスラエルとイスラム組織ハマス双方が「第1段階」で合意したと発表した。停戦は同10日に発効。ハマスは同13日、生存する人質20人全員を解放し、遺体の引き渡しも進めた。戦後統治ではトランプ氏がトップを務める国際監督機関を設置しハマスの統治関与を否定する。イスラエルはガザを占領、併合せず。米主導の国際安定化部隊が創設される。

弁護士ゼロワン地域
男女を問わず、管内に登録する弁護士が1人以下(0か1)の地域。地方裁判所の本庁は北海道に四つと46都府県に各一つの計50、支部は203あり、日弁連は管内の弁護士が0人の「ゼロ地域」と、1人の「ワン地域」を合わせてゼロワン地域と呼んで解消に取り組んできた。1993年にはゼロ地域が50支部、ワン地域が24支部あったが、日弁連が基金を活用して支援する「ひまわり基金法律事務所」を過疎地域に設置し、2011年にいったん解消。その後、支部地域に定着した弁護士が高齢で引退するなどし、ゼロワン地域が再発生。2025年8月時点でワン地域は2支部ある。

スポットワーク
働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就く働き方。「スキマバイト」とも呼ばれる。仲介業者のアプリを通じて働き手と企業が雇用契約を結ぶ形が増えている。働き手がアプリなどで希望する仕事を選択して申し込み、働いた後に日給が支払われる仕組み。利用者の急増を受け、厚生労働省は2025年7月、労働条件や雇用主の確認といった注意事項をまとめたリーフレットを公表した。

能動的サイバー防御
サイバー攻撃に先手を打って相手側のサーバーに入り込み、無害化を図る対応。「アクティブ・サイバー・ディフェンス」とも呼ばれる。2022年策定の国家安全保障戦略に、サイバー防御力を欧米主要国と同水準以上に高めるため導入方針を明記した。2025年5月に関連法が成立。政府がインターネット情報を常時監視し、警察や自衛隊が攻撃元のサーバーを無害化する措置を担うとした。7月には司令塔となる事務局組織「国家サイバー統括室」が発足した。

ガバメントハンター
狩猟免許を持ち、クマやシカ、イノシシといった鳥獣の駆除を担う公務員。英語表記は「Government Hunter」。環境省によると、生活環境や農林水産業への被害防止のために鳥獣を捕獲するほか、個体数管理を目的としたモニタリングや猟友会など関係者との連絡調整、住民の啓発など、地方公務員として幅広い業務を行うことを想定している。雇用形態は正規や非正規を問わない。

非核三原則
核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とした日本政府の基本的な政策。1967年に当時の佐藤栄作首相が国会で表明した。71年には衆院本会議が沖縄返還に向け、三原則順守を盛り込んだ決議を採択し、国是とされた。日本の防衛政策は、米国が提供する「核の傘」に頼っており、非核三原則に矛盾するとの指摘もある。日米両政府が「持ち込み」に当たる米軍核搭載艦船の寄港や、有事に沖縄への核再持ち込みを認める密約を交わしていたことが判明している。

デフリンピック
話し声と同程度の55デシベルが聞こえない選手が出場。陸上、競泳では号砲を光で知らせる「スタートランプ」が用いられ、目で見て分かるようにしながら五輪と同様のルールで競う。1924年に開かれた大会が第1回とされ、身体、視覚、知的障害の選手が参加するパラリンピックより歴史は古い。今回が25回目。東京を中心に11月15~26日の日程で21競技を実施予定。サッカーは福島、自転車は静岡で実施する。観戦は無料。

信用金庫・信用組合
特定の地域で事業を展開する金融機関。会員や組合貝に対して比較的低金利で貸し出す。「協同組織金融機関」と呼ばれ、全国に約400機関ある。メガバンクが手がけるような大規模な融資はせず、中小企業や個人事業主との取引が多い。営利を目的とせず株式を上場しないため、外部のチェックが入りにくいとされる。

アサヒのシステム障害影響
アサヒグループホールディングスは2025年9月29日にサイバー攻撃を受けた。生産システムは被害がなかったが、受注や出荷のシステムが止まり、多くの工場が一時停止した。10月中に予定していた飲料や食品の発売を延期し、コンビニがアサヒに製造を委託している独自商品が品薄になった。急激に受注が増えた他の大手3社も含め、歳暮用ビールセットの販売を一部取りやめた。

子宮頸(けい)がん
子宮の入り口にできるがんで、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因。国内では年に約1万人が発症。20~30代に目立ち、年約3千人が死亡している。感染予防のワクチンは初めての性交渉前に接種することが望ましいとされる。種類や年齢により、一定の間隔を空けながら2回か3回接種する。

米政府機関の閉鎖
米連邦政府の支出を賄う予算が切れ、一部の政府機関の業務が止まること。職員は閉鎖中、無給勤務や一時帰休を迫られる。予算が成立すれば、さかのぼって給与が支払われる。閉鎖中も、人命や財産を守る国境警備、航空管制、犯罪捜査などの活動は継続する。第1次トランプ政権の2018年12月~19年1月には、メキシコ国境の壁建設を巡る与野党対立で、当時の最長の35日間閉鎖した。

緊急事態条項
大規模災害や武力攻撃、感染症まん延などの緊急事態発生時に、政府の権限を一時的に強化して特別な措置を講じる規定。選挙実施が長期間困難な場合に備え、憲法で衆院4年、参院6年と定める議員任期の延長を可能にする内容も含まれる。自民党は憲法改正案4項目の一つに掲げており、案では、国会で法律を制定できないと認めた場合、内閣は緊急の政令を制定できるとしている。政府が権力を乱用し、人権制限が強まるとの懸念が指摘されている。

住宅ローン減税
金融機関からお金を借りて住宅を購入した人の税金を軽減する制度。1972年に住宅取得控除が導入されて以降、形を変えながら続いている。現行制度は、ローンの年末残高に対して0.7%を所得税などから差し引く。適用期間は最長13年間。環境性能の高い住宅の取得や、子育て世帯の購入を優遇する仕組みとなっている。

知床・観光船沈没事故 北海道の知床半島沖で2022年4月23日、知床遊覧船が運航する観光船KAZU I(カズワン)が沈没し、乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった。運輸安全委員会は調査報告書で、ハッチに不具合があったほか、船に関する知識や経験のない社長の桂田精一被告が21年に安全統括管理者、運航管理者を兼務して以降、安全管理体制が存在しない状態になったと指摘。桂田被告は24年9月に逮捕され、翌10月、業務上過失致死罪で起訴された。
グルーミング
わいせつ目的で児童や生徒たちに近づき、手なずける行為。相談に乗って信頼を得たり恋愛関係と思い込ませたりして親密になった上で、命令や脅しなどを用いて支配し、性的な行為に及ぶ。本人や周囲が被害に気付きにくく、長期化するケースも多い。

経済対策
政府が物価高騰や災害などに対応し、経済を下支えするために実施する政策。家計支援策を盛り込んだ財政支出のほか、減税や財政投融資、企業活動を後押しする規制緩和などの手法が活用されている。対策に必要な財源を確保するため、年度途中で補正予算を国会で成立させて実施するのが一般的で、財源の多くを借金である国債に頼るケースが多い。

持続可能燃料
従来の化石燃料と比べて二酸化炭素(CO2)の削減効果が期待される次世代の燃料。バイオ燃料やアンモニア、水素、合成燃料、合成メタンなどが含まれる。航空分野ではバイオジェット燃料、自動車分野では、バイオエタノールやバイオディーゼルの利用拡大を目指す動きがある。ブラジルは農業大国で、バイオ燃料の活用に力を入れている。

暫定税率廃止
ガソリン税に上乗せされる暫定税率をなくすこと。ガソリン税は1リットル当たり28円70銭だが「当分の間」の措置として暫定税率分の25円10銭が追加されている。物価高対策として廃止を求める声が強まり、25年7月に与野党6党が「今年中のできるだけ早い時期に実施する」ことで一致した。その後議論を重ね、12月末に廃止することで10月31日に正式合意した。

経済安全保障推進法
政府が重要政策に据える経済安全保障の中核として2022年5月に成立した法律。米国と覇権を争う中国への対抗を念頭に置く。①半導体のような重要物資のサプライチエーン(供給網)強化②基幹インフラの安全確保③官民での先端技術分野の開発、活用④軍事転用される恐れがある先端技術の特許情報の非公開化--の4本柱で構成する。

存立危機事態
自衛隊による集団的自衛権の行使が可能だと日本政府が判断する事態の呼称。安全保障関連法は「密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と定義している。「国民を守るため他に適当な手段がない」「必要最小限度の実力行使にとどまる」と併せて「武力行使の新3要件」を満たす場合に、集団的自衛権の行使が認められる。

生活保護
最低生活費より収入が少ない人に不足分を支給する制度。最低生活費は、食費や光熱費といった日常生活の費用である「生活扶助」、家賃が中心の「住宅扶助」、医療サービス費用「医療扶助」などの合計額としている。金額は厚生労働相が定める生活保護基準を使って計算し、家族構成や地域で異なる。ここから年金などの収入を差し引いた額が生活保護費として支給される。25年8月時点で約165万世帯、約199万人が受給している。

就労継続支援A型事業
所障害者総合支援法に基づく事業の一つ。障害者に働く場を提供し、就労を支援する。雇用契約を結び、原則として最低賃金以上を収益から支払う。職種は事務や清掃、製造、クリーニングなど。事業所は国から障害福祉サービスの給付金(報酬)や雇用保険の助成金を受け取れる。25年6月現在、全国に約4400ヵ所あり、約8万7千人が利用する。箱一神・発達・知的障害の人で9割近くを占め、軽度の人が多い。雇用契約を結ばない「B型」もある。

政治資金収支報告書のデータベース(DB)化
オンライン提出された政治資金収支報告書を集約し、データベースにまとめること。昨年末の政治資金規正法改正に盛り込まれた。2028年4月までの運用開始を目指すとしている。収支報告書は現在もインターネットで公開されているがPDF形式が多く、文字検索には向いていない。DB化により情報収集や分析が容易になるが、対象は政党本部や国会議員関係政治団体などに限られるため、完全な透明化には程遠いとされている。

日本人拉致問題
北朝鮮工曾貝らが1970~80年代、日本や欧州から日本人を北朝鮮へ連れ去った国際犯罪。2002年9月、当時の小泉純一郎首相との日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪し、被害者5人が帰国した。横田めぐみさんを含む被害者8人を「死亡」と説明。日本政府は受け入れていない。14年の日朝合意で北朝鮮は再調査を約束したが、16年に中止し「拉致問題は解決済み」と主張している。拉致の可能性を否定できない「特定失踪者」も多数いる。

レアアース(希土類)
レアメタル(希少金属)の一部で、17種類ある元素の総称。電気自動車(EV)のモーターやハイテク製品など、幅広い工業製品の製造に使われている。生産国が中国やオーストラリアなど一部に限られ、供給が不安定になりやすい。中国は生産の6割超、精錬の9割超を握るとされ、独占的な地位を政治的な圧力として利用するケースがある。

親権
未成年の子に対し、身の回りの世話・教育といった身上監護や、財産管理をする権利で、義務の性質もあるとされる。現行民法では、婚姻中の父母は共同で親権を持ち、離婚後は父母の}方を親権者にすると規定し、片方しか親権者になれない。政府によると、1960年に父母が離婚した未成年の子は約7万人だったが、2024年は約16万人。

医療事故調査制度
医療法に規定され、全ての病院、診療所、助産所を対象に2015年10月に始まった。医療機関の自主性に基軸を置いており、患者が予期せぬ死亡だったかどうかの判断は医療機関に委ねられている。医療機関は対象と判断した場合、第三者機関の医療事故調査・支援センター(東京)に報告。自ら原因を調査し、結果を遺族やセンターに伝える。遺族か医療機関が結果の検証を希望すればセンターが再調査する。センターは各医療機関の調査結果を分析し、再発防止策の普及に生かす。

フェンタニル
がん患者の苦痛緩和などのために使われる合成のオピオイド(医療用麻薬)で、強い魑俑効果がある。米国で過剰摂取による死亡事故が相次ぎ社会問題化。米当局によると、2024年のフェンタニルを含む合成オピオイドの過剰摂取による死者は推計4万人超。中国製原料をメキシコの犯罪組織が合成し、米国に密輸しているとされる。トランプ米政権は中国に追加関税を課し、対策強化を求めてきた。

高校授業料無償化
自民、日本維新の会、公明の3党が2025年2月に合意した教育支援策。高校の就学支援金に関し、国公私立にこれまで所得制限付きで支給していた年11万8800円を、25年度から年収を問わず全世帯に支給。私立に通う世帯には26年度から所得制限を撤廃し、上限額を現行の年39万6千円から年45万7千円に引き上げる。諸外国における日本人生徒への支援内容などの観点から、支給対象に外国人や外国人学校に通う生徒を含めるかどうか、3党の実務者間で協議していた。

ガソリン税の暫定税率
ガソリン税は本来1リットル当たり28円70銭だが「当分の間」の措置として25円10銭が上乗せされている。1974年に道路整備の財源に充てるために始まり、その後も財政事情の厳しさなどを背景に維持されている。ガソリン税の暫定税率を廃止した場合、税収が年1兆円規模で減るとされる。昨年の衆院選で少数与党となった自民党は、廃止を求める野党と協議を重ねてきた。

ロシア連邦保安局(FSB)
ロシア政府の治安・情報機関で、防諜(ぼうちょう)や対テロ活動を行う。旧ソ迪の国家保安委員会(KGB)の流れをくみ、1990年代に設立された。モスクワの旧KGB本部に本拠を置く。KGB出身のプーチン大統領は長官を務めたこともある。プーチン氏は大統領就任後、外国組織に対抗する防諜活動や組織犯罪対策の機能を強化した。近年は欧米諸国へのサイバー攻撃に関与しているとして、警戒感が高まっている。

所信表明演説
首相が臨時国会や特別国会に臨むに当たり、当面の政治課題に関する基本姿勢を衆参両院での本会議で説明する演説。毎年1月に召集される通常国会冒頭で内政、外交全般にわたる政府見解を首相が表明する「施政方針演説」とは区別される。高市早苗首相にとって、24日の所信表明演説が就任後初の国会演説。演説を受け、各党による代表質問を衆参両院で行うのが通例。各党の党首や幹事長ら幹部クラスの登壇が多い。

対話型AI
インターネット上のチャットや音声で人間とやりとりできる人工知能(AI)のこと。このうち米オープンAIの「チャットGPT」は、文章を作り出せる生成AIの技術を活用している。性能の進化に伴って応答の内容や表現が自然になり、さまざまな企業が積極的にサービスを展開している。半面、海外では利用者がAIへの依存を強め、自殺や殺人事件に発展するケースが報じられている。

閲覧ソフト
ウェブサイトなどをパソコンやスマートフォンで閲覧するためのソフトウエア。1990年代に米国の研究所が閲覧ソフト「モザイク」を開発し、それまで文字情報が中心だったインターネットが爆発的に普及するきっかけとなった。現在の主流はグーグルの「クローム」やアップルの「サファリ」、マイクロソフトの「エッジ」など。クロームは世界で約7割のシェアを持つとされる。米IT企業は閲覧ソフトを入り口に検索や広告の事業で高収益を上げている。

アスクル
オフィス向けの事務用品や家具、個人向けの日用品などを扱う通信販売業者。物流事業を手がける子会社がある。1993年に事務機器メーカーのプラス(東京)が事業を開始し、現在の会社が97年に引き継いだ。東京証券取引所プライム市場に上場している。2012年にヤフー(現LINEヤフーと業務資本提携を結び、傘下に入った。

川崎ストーカー殺人事件
川崎市の女性=当時(20)=が2024年6月、神奈川県警川崎臨港署に交際相手の男のドメスティックバイオレンス(DV)事案で相談し、その後も通報や連絡をしていた。女性は昨年12月9~20日に署に9回連絡した後、行方不明となり、今年4月にこの男の自宅で遺体で見つかった。県警は一連の対応を検証し、9月に公表した報告書では署や県警本部が危険性・切迫性を過小評価し、安全確保措置や必要な捜査態勢を取れなかったと認定。生活安全部門と刑事部門を総合した編成が不十分で、俯瞰(ふかん)する立場の者による指揮が存在しなかったなどとし「人身安全関連事案の対処体制が形骸化して機艢个全だった」と結論付けた。

LLM
「大規模百語モデル」の英語表記である「Large Language Model」の頭文字を取った略称。自然な文章の理解や出力に特化した生成人工知能(AI)の一種で、大量のテキストデータを学習し、ある単語の次に続く単語を予測する。AIを用いたさまざまなサービスの基盤となっている。米オープンAIの「チャットGPT」に使われる「GPT」シリーズなどが代表的。

サハリン2
ロシア極東サハリンでの石油・天然ガス開発事業。2008年に原油の通年生産を始め、09年に液化天然ガス(LNG)輸出を開始した。ロシア政府系ガス大手ガスプロムが事業を主導し、日本からは三井物産と三菱商事が参画している。LNGの年間生産能力は1千万トン程度とされ、日本はうち約600万トンを輸入する。日本は同様の開発事業「サハリン1」にも権益を保有している。

安保関連3文書
政府が2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書。対象期間はいずれも10年。安保戦略は外交・安保政策の基本指針で、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を初めて明記した。防衛戦略は目標と達成に向けた手段を包括的に示し、長射程ミサイルや無人機の活用、輸送力や戦闘継続能力の強化を掲げた。

高校授業料無償化
自民、公明、日本維新の会の3党が2025年2月に合意した教育支援策。高校の就学支援金に関し、国公私立でこれまで所得制限付きで支給していた年11万8800円を、25年度から年収を問わず全世帯に支給。私立に通う世帯には26年度から所得制限を撤廃し、上限額を現行の年39万6千円から45万7千円に引き上げる。支給対象に外国人や外国人学校に通う生徒を含めるかどうかや財源確保策などの論点が残り、3党の実務者間で協議を続けている。

AZEC
アジア・ゼロエミッション共同体の略称で、温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す国際枠組み。「Asia Zero Emission Community」の頭文字を取って「エーゼック」と読む。岸田文雄前首相が2022年1月に提唱し、現在はミャンマーを除く東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟9力国と日本、オーストラリアの計11力国で構成する。日本の技術や資金を活用し、各国の事情に応じた脱炭素と経済成長の両立を掲げている。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域を中心とする経済連携協定(EPA)。貿易自由化に向け、農産品や工業製品の関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業などのルールを定める。当初12カ国で署名したが米国が第1次トランプ政権時の2017年に離脱。24年に英国が加盟し、12力国体制になった。中国や台湾、インドネシアなどの他、ロシアの侵攻を受けているウクライナも加盟申請している。

ガザ和平計画
パレスチナ自治区ガザの戦闘終結や戦後統治を巡り米政権がまとめた20項目の包括的和平計画。イスラエルとイスラム組織ハマスは2025年10月6日。エジプト東部シャルムエルシェイクで間接交渉を再開し、トランプ米大統領は8日、双方が「第1段階」で合意したと発表した。停戦は10日に発効。ハマスは13日、生存する人質20人全員を解放し、15日までに9人の遺体を引き渡した。戦後統治ではトランプ氏がトップを務める国際監督機関を設置しハマスの統治関与を否定。イスラエルはガザを占領、併合せず、米国はアラブ諸国と連携し治安維持部隊を創設する。

ダークパターン
インターネット通販などで消費者を巧みに誘導し、事業者にとって望ましい行動を選ばせる仕掛けのこと。英語表記は「DARK PATTERN」。スマートフォンアプリの通知許可をしつこく求めたり、虚偽の高値を付けた上で割引率の大きさを強調したりするといったさまざまな手法がある。国は特定商取引法などに基づいて不誠実な行為の一部を制限しているが、問題となる手法を全般的に規制する法律はない。

訪日客の消費額
日本を訪れた外国人が交通費や宿泊費、買い物代などで支出した金額。観光庁が一部の外国人を対象に空港や港で支出状況を聞き取って全体額を推計している。これまでの年間最高額は2024年の8兆1257億円で、1人当たりの支出額は22万7千円だった。国・地域別では中国が1兆7265億円で最も高く、韓国、台湾、香港も含めた東アジア圈の合計は4兆4370億円に上り、全体の54.6%を占める。

カスタマーハラスメント
カスタマー(顧客)とハラスメント(嫌がらせ)を組み合わせた造語で、「カスハラ」と略される。顧客や取引先が立場を利用して店員や公務員に暴力を振るったり、理不尽な要求を迫ったりする行為を指す。交流サイト(SNS)での個人情報拡散の被害もある。自治体では名札の表記を名字のみにする、通話内容を録音できる電話機を設置するなどの対策を講じるケースもある。

体力・運動能力調査
国民の基本的な体力や運動能力の状況を把握し、政策に反映させるために、東京五輪が開かれた1964年度から実施。98年度から現在の調査項目となり、60代と70代が加わって対象年齢が6~79歳と幅広くなった。全年齢のテスト項目に握力、上体起こし、長座体前屈があり、64歳以下は反復横跳びや立ち幅跳び、シャトルランを実施。65歳以上は開眼片足立ちや6分間歩行がある。2024年度調査は昨年5~10月に実施し、計約5万9千人のデータを集めた。

米中貿易摩擦
世界の二大経済大国である米国と中国の通商分野の対立。両国の関係が悪化すれば、世界経済にも打撃となる。トランプ米大統領は第1次政権時に中国からの輸入品に追加関税を発動し、中国も対抗。第2次政権でも、合成麻薬の流入を理由に米国が追加関税を課したのを皮切りに、中国も報復し、関税引き上げ合戦に発展した。両国は電話首脳会談や閣僚級協議を経て歩み寄り、トランプ氏は中国の習近平国家主席と韓国で対面会談を実施すると表明していた。

気象庁の季節区分
気象庁は過去の気象状況の検証などを目的に便宜上、春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~121月、冬は12~2月と3ヵ月ごとに区切っている。他に、防災上の観点から梅雨入りと梅雨明けの時期を毎年、地域ごとに発表している。気温は季節区分にかかわらず、最高気温が25度以上は夏日、30度以上は真夏日、35度以上は猛暑日と分類。さらに、今夏の記録的な高温を受け、最高気温が40度以上の日に名称を付ける方針で「酷暑日」などが候補に挙かっている。

外国人労働者の受け入れ
発展途上国に技術を伝える国際貢献を目的として、1993年に「技能実習」制度が開始。国内の深刻な人手不足を受け、即戦力を受け入れる目的で2019年に「特定技能」制度が始まった。技能実習では、低賃金や長時間労働などの問題が発覚。失踪者も相次ぎ、実態は安価な労働力の確保手段だとの批判を浴びた。27年4月に施行される改正入管難民法は、技能実習を廃止し、外国人材の育成・確保を目的とする新制度「育成就労」を創設する。

フリーマーケットアプリ
スマートフォンを通じ、個人間で物品の売買ができるアプリ。店舗や仲介業者を通さずに出品や購入、配送が完結する手軽さを売りにする。2013年に創業した最大手のメルカリが手がけるサービスや、LINE(ライン)ヤフーの「ヤフーフリマ」などがある。経済産業省の推計で24年の個人間電子商取引の市場規模は約2兆5千億円。利用者の増加に伴って希少品や人気商品の悪質な転売が目立ち、社会問題化している。

金属有機構造体
ナトリウムや鉄といった金属のイオンと、有機分子を混ぜてできる材料。一定の条件下で自然に組み上がってできる。内部に超微細な穴が多数ある「多孔性」という立体構造が特徴となる。不純物や化学物髑を吸着するものとして活性炭があるが、狙った物質だけを吸着するのは難しかった。金属有機構造体は規則的に並ぶ多数の穴の大きさや性質を変化させることができ、特定の物質だけを取り込むことができる。表面積も大きいため、吸着量は活性炭を大きくしのぐ。

日本学術会議
日本の文系・理系の科学者を代表する組織。 1949年設立で、「学者の国会」とも呼ばれる。政府から独立した立場で科学を行政や産業、国民生活に反映させることを目的に活動し、政策を提言する。 2020年の会員半数入れ替えで、会議推薦候補105人のうち、6人の任命を菅義偉首相(当時)が拒否した。2025年6月、「国の特別機関」から特殊法人へ26年10月に移行する新法が成立。現行法にある「独立して職務を行う」との文言はなくなり、新会員選定には外部有識者の助言委員会が意見する形となる。

総力戦研究所
1940年に設置され、国家総力戦に関する調査や研究、政府職員らの教育を担った首相直属の研究所。41年4月、30代の官僚や軍人、民間などの精鋭三十数人が集められた。模擬内閣をつくり、米国との戦争を想定した机上演習を実施。日米の国力には圧倒的な差があり、資源の供給も不足し「日本必敗」との結論を導いた。同年8月、シミュレーション結果を近衛内閣に報告したが、東条英機陸相が一蹴。12月に東条内閣の下、真珠湾攻撃で日米戦争に突入した。

制御性T細胞
体を病気から守る免疫細胞の一種。体内で免疫反応が過剰に働くのを抑える役割を持つ。胸腺で作られるため、英語「THYMUS」の頭文字をとってT細胞と呼ばれる。T細胞には、体内に侵入した病原体を攻撃する際の指揮官役となる「ヘルパーT細胞」、ウイルスに感染した細胞を殺して排除する「キラーT細胞」といった種類があり、制御性T細胞はブレーキ役を担う。きちんと機能しないと免疫が自分自身を攻撃する「自己免疫疾患」などが生じるが、働きを調整できれば、がんなどの治療に役立つと考えられている。

ローンオフェンダー
英語で単独を意味する「lone」と、攻撃者を意味する「offender!」を組み合わせた言葉。特定の組織に所属せず、過激化した個人が犯行に及ぶため、治安機関が事前に察知するのが難しい。日本では2022年の安倍晋三元首相銃撃事件を機に脅威が表面化し、23年の岸田文雄前首相襲撃事件や昨年の自民党本部・首相官邸襲撃事件でも課題となった。

論文の撤回
一度公刊された学術論文が取り消されること。学術誌に投稿された論文は専門家の審査を経て掲載に至るが、それでも根幹部分の間違いが指摘されることがある。取り消しになるのは著者が誤りを認めて申し出る場合のほか、不正を理由に編集部が決定する場合もある。研究資金が無駄になり、誤った知識を基に後続の研究が行われるなど害は大きいが、誠実な研究の結果生じた誤りは寛大に受け止められることも多い。一方、不正は研究者の評価を著しく損なう。

森友学園問題
学校法人「森友学園」が取得した大阪府豊中市の国有地が約8億2千万円値引きされ売却されたことが、2017年2月に発覚。学園がこの土地で建設を計画していた小学校の名誉校長に、安倍晋三元首相の妻昭恵氏が一時就任していた。財務省理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官は森友側との価格交渉を否定したが、交渉をうかがわせる内部文書が明らかになり、財務省が決裁文書を改ざんしたことも判明。元近畿財務局職員赤木俊夫さんは改ざんを苦に18年に自殺した。

アサヒグループホールディングスの主要事業
1987年発売の辛口生ビール「スーパードライ」が主力のビール大手、アサヒビールを中核とし、「三ツ矢サ子ダー」「カルピス」を製造するアサヒ飲料、菓子や離乳食などを手がけるアサヒグループ食品を傘下に持つ。2024年12月期連結決算は、売上高に当たる売上収益が2兆9394億円、純利益は1920億円だった。

トロトラスト
放射性物質の二酸化トリウムを主成分とし、肝臓、脾臓(ひぞう)などに沈着し、内部被曝によってがんなどを引き起こし、多くが死亡した。旧厚生省は、日本では主に旧陸海軍病院で使用されたとし、1977年度以降、傷痍(しょうい)軍人246人を対象に恩給増額などの支援を実施した。だが、信濃毎日新聞の取材で、旧科学技術庁の研究所が原発開発に向けた研究の一環で、75年度までに少なくとも民間人105人を含む543人の症例を把握していたことなどが判明。原発政策推進の陰で、民間人の救済が置き去りにされた可能性がある。

ランサムウェア
企業や病院など標的のパソコンやサーバーに侵入し、機密文書や顧客情報のデータを暗号化して使えない状態にするコンピューターウイルス。復元と引き換えに金銭を要求する例が多く、英語で身代金を意味する「ランサム」と「ソフトウエア」から名付けられた。被害が深刻化し、手口も悪質になっており、感染防止対策が世界的な課題となっている。

不当な取引制限
独禁法3条で禁止されている。複数の事業者が連絡を取り合って商品の価格や生産数を取り決める「カルテル」や、公共工事や物品の公共調達に関する入札で事前に受注業者や価格を決める「入札談合」が対象。公正取引委員会が違反を認定した場合、再発防止を求める排除措置命令や課徴金納付命令の行政処分を出し、悪質で重大な違反行為と判断すれば検事総長に告発する。刑事罰は個人が5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、法人は5億円以下の罰金と定められている。

有料老人ホーム
食事や介護、洗濯などのサービスを提供する高齢者向けの住まい。主に民間事業者が運営する。特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)は社会福祉法人、医療法人、自治体などが運営している。厚生労働省によると、2024年6月時点で届け出済みの有料老人ホームは全国に約1万7千施設、入居定員数は約67万人に上り、いずれも、年々増えている。

旧優生保護法
「不良な子孫の出生を防止する」との目的で1948年に議員立法で制定。障害や精神疾患を理由に本人の同意がなくても不妊や中絶手術を認めた。96年、盖別に当たる条文を削除して母体保護法に改称。2019年には赴任や中絶被害者に320万円を支払う一時金支給法が施行された。最高裁は24年7月、旧法を違憲と判断し、国に賠償を命じた。25年1月施行の補償法は、国の責任と謝罪を明記した。補償金は不妊手術被害者に1500万円、配偶者に500万円。中絶被害者にも一時金200万円を支払う。

国土利用計画法
投機的取引防止などを目的に、土地利用基本計画の作成や土地取引の規制について定めている。1974年に成立、公布された。一定面積以上の土地を購入した際は、所有者が住所や利用目的を自治体に事後報告するよう義務付けている。地価が高騰している場合などは、事前の届け出や知事らの許可が必要な「注視区域」 「監視区域」「規制区域」に指定できる。バブル期には指定が相次いだが、現在は恵只都小笠原村だけが「監視区域」に指定されている。

日本郵便の不適切点呼
日本郵便は4月、集配業務を担う全国の郵便局の75%に当たる2391局で、酒気帯びを確認する法定点呼を適切に実施していなかったと発表。その後、点呼総数の18%に当たる10万2千件で記録簿を改ざんしていたと明らかにした。国土交通省は25年6月、各地の郵便局などで保有する全てのトラックやバン約2500台による貨物運送事業の許可を取り消した。

日航飲酒問題
2018年10月、日航のロンドン発便の副操縦士が大量飲酒し、現地警察に逮捕された。同12月に国土交通省の事業改善命令を受けたが、翌19年にも国内外でパイロットのアルコール検出が続発し、再び改善命令を受けた。24年4月には米国で機長が飲酒トラブルを起こし、同12月、メルボルン発便の機長と副機長が飲酒して隠蔽(いんぺい)を図り、国交省から業務改善勧告を出された。日航ジャンボ機墜落事故から40年の節目となった25年8月にもハワイ便の機長が飲酒する不祥事が起きた。

核戦争防止国際医師会議(IPPNW)
東西冷戦期の1980年、核兵器保有国の米国と旧ソ連の医師が中心となって創設した。医療の専門家として放射線被曝(ひばく)の影響について知識を広め、核戦争防止を目指す。85年にはノーベル平和賞を受賞した。世界大会は新型コロナウイルス禍を除き、1~3年に1度開いてきた。

再構築協議会
ローカル線の存廃について、国が関与しながら鉄道事業者と沿線自治体が話し合う仕組みで、国が2023年10月に制度化した。1km当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が千人を下回るなど、尚早急な改善が必要な路線・区間が対象となる。24年3月に始まった芸備線の協議会が全国初となった。

千葉銀行
1943年設立の千葉県最大手の地方銀行。本店は千葉市。千葉県内を中心に約200の拠点を展開し、ニューヨークやロンドンにも支店を置く。全国地方銀行協会の加盟行で、東京証券取引所プライム市場に上場している。2016年に武蔵野銀行(さいたま市)と金融商品開発などで包括提携した。25年3月期の連結純利益は前期比18.9%増の742億円。29日に公表した資料によると、従業員は4280人。

千葉興業銀行
1952年設立の地方銀行で本店は千葉市。全国地方銀行協会に加盟し、東京証券取引所プライム市場に上場している。千葉県内を中心に約80の拠点を持つ。千葉銀行とみずほ銀行が大株主で、2025年3月末時点ではそれぞれ19.00%、15.25%を保有する。25年3月期の連結純利益は前期比0.4%増の74億円だった。29日に公表した資料によると、従業員は1313人。

横浜F・マリノス
前身は1972年創部の日産自動車サッカー部。 93年のJリーグ開幕時から「横浜マリノス」として参加。吸収合併した横浜フリューゲルスから「F」を取り、99年に現チーム名になった。95年にJ1初制覇。 2003、04年に2連覇し、19、22年にも優勝した。リーグ制覇5度は鹿島アントラーズの8度に次ぐ2位。鹿島とともに一度もJ2に降格したことがない。マリノスはスペイン語で「船乗り」。本拠地は横浜市の日産スタジアムとニッパツ三ツ沢球技場。

障害年金
病気やけがで障害があり、条件を満たせば現役世代でも受け取れる公的年金。自治体が交付する障害者手帳とは別の制度で、日本年金機構の委託を受けた医師が支給の可否や等級を判定する。障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があり、障害の重い順に1~3級に分かれる。支給額は基礎年金の1級で月約8万6千円、2級で約6万9千円。 「基礎」の場合は、3級では支給されない。受給者は2023年度現在、約242万人で、年間の支給総額は約2兆3千億円。

オフサイトセンター
原子力災害時に行政や電力会社など専門家や関係者が集まり、情報共有や緊急対応の調整・指揮をするための施設。緊急事態応急対策拠点施設という。内閣府によると、原子刀発電所や試験研究用の原子炉、核燃料加工施設などがある16道府県に23施設が設置されている。施設には放射線対策の設備や非常用電源も備える。

国語に関する世論調査
社会情勢に伴って変化する日本人の国語に関する意識や理解について問う調査で、1995年度から毎年実施している。以前は面接方式での調査だったが、新型コロナウイルスの影響で2020年度から郵送方式に変更した。今回はSNSの影響と新たな表現の浸透度合いに加え、外来語表記や敬語に関する意識も尋ねた。

緩和ケア
体や心のつらさを和らげ、患者やその家族が自分らしく生活できるよう支援するための医療やケアのこと。世界保健機関(WHO)の定義では生命を脅かす病気に関連する患者や家族が緩和ケアの対象になっている。日本では主にがんを対象に導入され、緩和ケア病棟を含めた医療機関や介護施設、自宅などで受けられるよう整備された。痛みに対する医療用麻薬を含む鎮痛剤の使用、吐き気などの症状への対応、精神的なサポートも重要になる。

給付付き税額控除
所得税の控除と現金給付を組み合わせた制度。国民1人に10万円の給付付き税額控除をする場合、所得税を10万円払っている人には10万円を減税し、10万円未満の人には10万円との差額を給付するイメージ。納税額が少額で、減税だけでは恩恵を受けづらい中低所得者を支援できるメリットがある。収入や資産を正確に把握する方法の構築など制度設計が課題に挙がる。参院選公約では立憲民主党に加え、日本維新の会、国民民主党も言及した。

公害調停
公害紛争の迅速・適正な解決を図るため、公害紛争処理法に基づいて設けられている公害紛争処理制度の手続きの一つ。裁判所による司法的解決とは異なる。紛争を処理する機関として、各都道府県に公害審査会などが、国に公害等調整委員会が置かれている。処理機関が被害者と加害者の話し合いを積極的にリードし、双方の互譲に基づく合意によって紛争の解決を図る。民事訴訟で争った場合、解決までに多くの時間と費用がかかるなど、被害者救済が十分ではなかったことから1970年に始まった。

デジタル教科書
タブレット端末やパソコンに表示して使う教科書。学校教育法改正により、2019年度から小中高校の授業で「代替教材」として扱えるようになった。現在、内容は紙の教科書と同一にすることが義務付けられている。文字の拡大や読み上げ、タッチペンで書き込みができるといった機能を備えていることが多く、音声や動画を再生できるのも特徴とされる。

マイナ保険証
健康保険証の機能を登録したマイナンバーカード。カード取得者向けサイド「マイナポータル」などを通じて利用登ソ録する。厚生労働省によると、2025年7月末時点でマイナカード保有者の約87%に当たる約8533万人が登録。24年12月に従来保険証の新規発行が停止され、マイナ保険証での受診を基本とする仕組みへ移行している。未登録者らには、保険証代わりとなる資格確認書が配られる。

米政権とフェンタニル
フェンタニルの原料は中国で製造され、メキシコ、カナダから米国に流入しているとされ、トランプ政権は高関税措置を利用して、3カ力国に取り締まりを強化するよう圧力をかけている。中国などは反発している。トランプ大統領は2025年7月、流入防止対策に非協力的なことなどを理由に、カナダへの追加関税を25%から35%に引き上げる大統領令に署名した。トランプ氏は同月、所持などへの厳罰化を盛り込んだ超党派の法案に署名し成立させた。

宿泊税
自治体が特定の目的で条例を定め、独自に課税する法定外目的税。広島県では2024年12月に関連条例が成立し、26年4月から導入する。県内のホテルと旅館、簡易宿所、民泊の利用者から1人―泊200円を徴収。消費税抜きの素泊まり料金6千円未満や、小中高などの修学旅行や野外活動の参加者は課税を免除する。

自民党総裁選
自民党の最高責任者である総裁を決める選挙。総裁の多くは国会で首相に選出されており、少数与党になる前は事実上の首相指名選挙とも位置付けられた。立候補は党所属国会議員に限られ、国会議員20人の推薦大が必要。今回は国会議員票295票と党員・党友による地方票295票の計590票を争い、過半数に達した候補が当選する。過半数に届かなければ、上位2人が決選投票に進む。決選投票は国会議員と47都道府県連が1票ずつ持つ。新総裁の任期は、石破茂首相の総裁任期の2027年9月末。

奥能登豪雨
石川県の能登半島北部で2024年9月21日午前、線状降水帯が発生し、記録的な豪雨となった。24年元日の能登半島地震で大きな被害が出た輪島市、珠洲市、能登町などでは、住宅の浸水といった「二重被災」に見舞われ、復旧・復興に大きな影響が出ている。豪雨によって県管理の28河川が氾濫し、崖崩れや土石流などの土砂災害は県内で273件発生。土砂崩れなどによる道路寸断で、最大115ヵ所の集落が孤立状態となった。

ステルスマーケティング
「こっそりした行為」という意味の「stealth」と「marketing」から成る。広告なのに広告であることを隠すこと。「ステマ」と略される。企業が交流サイト(SNS)上で強い影響力を持つ投稿者に依頼し、個人的な感想を装って商品に好意的な投稿をしてもらう方法などがある。

優越的地位の乱用
取引上の立場が強い企業が、その地位を利用して取引先の企業や個人事業主らに不当な不利益を強いる行為。公正で自由な競争を企業に促すルールを定めた独禁法で「不公正な取引方法」の一つとして禁止されており、公正取引奇貝会が違反を認定した場合、排除措置命令や課徴金命令といった行政処分を出す。

特別史跡
貝塚や古墳、城跡、旧宅といった史跡のうち「学術上の価値が特に高く、わが国文化の象徴たるもの」として、文化財保護法に基づき指定される。建造物や工芸品といった有形文化財の国宝に相当する。全国では三内丸山遺跡(青森市)や高松塚古墳(奈良県明日香村)、吉野ケ里遺跡(佐賀県吉野ヶ里町、神埼市)などがある。

作況指数
コメの単位面積当たりの収穫量が多いか少ないかを示す指標。その年の水田10アール当たり収量を過去30年の傾向に基づいた平年収量で割り、100を掛けて算出してきた。 1956年から現在の集計方法で公表を始めた。平年を100とし、99~101では「平年並み」とする。指数が大きいほど豊作で「良」「やや良」と示す。小さいほど不作を意味し「やや不良」「不良」など計5段階に分ける。

情報流通プラットフォーム対処法
交流サイト(SNS)やインターネット掲示板での誹謗中傷、プライバシーや人権の侵害といった他者の権利を侵す情報に対し、事業者に削除などの適切な対応を義務付ける法律。被害者が投稿者を特定するための開示請求手続きなどを定めた「プロバイダー責任制限法」から名称も改め、4月1日に施行された。大規模な事業者を総務省が指定し、申告窓口の設置や投稿の削除基準の明示、実態を調査する専門人材の配置といった義務を課す。違反した場合の罰則規定もある。

陸上空母離着陸訓練(FCLP)
陸上の滑走路を空母の甲板に見立て、離着陸を繰り返す訓練。米空母艦載機のパイロットが着艦資格を得るために不可欠とされる。硫黄島(東京都)が暫定的な訓樒場所になっている。防衛省は移転を見据え、鹿児島県西之表市の馬毛島に自衛隊基地の建設を進めている。

美容医療
病気の治療でなく、脱毛や脂肪吸引、二重まぶた手術など身体の美化を主な目的とした医療サービス。皮膚のごく浅い層に色素を定着させる「アートメーク」、顔全体に薬剤を塗り、肌荒れや肌トラブルを改善する「ケミカルヒーリング」、超音波によってしわ・たるみの緩和や肌の引き締め促進を図る「HIFU(パイプ)」などがある。多くが自由診療で費用が高額になりやすく、リスクや副作用の説明が不十分なケースや、無資格者による施術などのトラブルも相次ぐ。

再生可能エネルギー
太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどを利用するエネルギー。石油や石炭、天然ガスといった化石燃料と違って繰り返し利用できる。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を発電時にほとんど排出しない。政府はエネルギー基本計画で、2040年度に電源構成比率を太陽光23~29%、風力4~8%、水力8~10%、地熱1~2%、バイオマス5~6%に高める目標を掲げている。

原子力災害対策指針
原子力施設で事故が起きた際、周辺住民の被曝(ひばく)を減らすための考え方を示した国の基本方針。関係自治体は指針を基に住民の避難ルートや輸送手段などをまとめた避難計画を作る。東京電力福島第1原発事故で住民避難が混乱した反省から、原子刀規制委員会が2012年に、旧原子力安全委員会の指針を抜本的に見直して策定した。

屋内退避
原発事故で放射性物質が放出される恐れがある場合、原発から5~30km圈を対象に国が指示する被曝防護措置。無理な避難や交通渋滞による被曝、体調悪化を防ぐことが目的。5km圈は即時避難が原則だが、自力避難が難しい高齢者らは準備が整うまで放射生物質の流入を防ぐ施設に退避する。内閣府の試算によると、100平方m程度の一般的な家屋内では被曝線量が屋外の半分程度になる。原発の状況に応じて避難に切り替えたり、退避を解除したりする。

4K
高精細度映像の規格。テレビ画面を構成する粒のような「画素」の数が、地上デジタル放送などの2Kは約200万個なのに対し、4Kは4倍の約800万個、8Kは16倍の約3300万個できめ細かい。色や明暗の表現も向上。視聴者を取り囲むような音声も実現する。「K」は千を意味し、4Kでは画素が横に3840個(約4千個)並ぶ。

自民党総裁選
自民党の最高責任者である総裁を決める選挙。総裁任期は3年。立候補は党所属国会議員に限られ、所属国会議員20人の推薦が必要になる。投開票日の12日前までに告示する。通常、国会議員票と党員・党友による地方票で争われるため、地方の声が反映されやすいとされる。

大麻
幻覚作用がある・有害成分テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む大麻草の花や葉から作られる違法薬物。思考力の低下や記憶障害を招くとされ、日本国内では大麻草の栽培や所持、譲渡が禁止されている。使用は規制されていなかったが、大麻を「麻薬」に位置付け、使用罪も盛り込まれた改正麻薬取締法が2024年12月12日に施行された。大麻の不正所持や使用は、同法で7年以下の拘禁刑となる。

突風
突然吹き始め短時間で収まる強い風。積乱雲に伴う強い上昇気流で発生する激しい渦巻きを「竜巻」といい、被害域は幅数十肩~数百肩、長さは数♂に集中する。台風や寒冷前線で大気が不安定な場合に発生し、気象現象としては規模が小さく、まれにしか発生しないため観測や予測が難しい。7~11月に多く発生する傾向がある。他にも積乱雲から吹き下ろす下降気流が地表に衝突し、水平に激しい空気の流れを起こす「ダウンバースト」などがある。

米海軍特殊部隊SEALS(シールズ)
米海軍特殊戦司令部の指揮下にある部隊。1962年にケネディ大統領の指示で、対ゲリラなどの非正規戦や秘密裏に作戦を実行するエリート部隊として設立された。敵地の偵察や重要なインフラ施設の警備のほか、要人の捕獲と殺害の任務にも従事。ベトナム戦争や湾岸戦争、イラクとアフガニスタンでの戦争に参加した。

米戦争省
米国で1789年から第2次大戦後の1947年まで存在した機関。英語では「Department Of War」。後継組織の国防総省は米国の陸海空の各軍や海兵隊、宇宙軍などを統括。ホームページによると、国防総省の職員数は軍人と文民を合わせて約340万人で、米国最大の連邦政府機関。第2次トランプ政権は職員削減を進めている。ワシントン郊外にある本部庁舎の形から「ペンタゴン(五角形)」とも呼ばれる。

コメの高温耐性品種
稲穂が実をつける時期に高温が重なっても品質が劣化しづらく、収規督屋も下がらない品種。近年は国の研究機関、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が研究開発を進めている。中でも「にじのきらめき」は、コシヒカリより収穫量が多く引き合いが強い。都道府県でも独自に開発と普及に取り組み、店頭に並ぶ品種は増えている。

自民党総裁選
自民豈の最高責任者の総裁を決める選挙。立候補には所属国会議員20人の推薦が必要となる。原則、国会櫛貝票と党員・党友による地方票で争われ、過半数を得た候補が当選する。「任期中に欠け、特に緊急を要するとき」は、両院議員総会で後任を選出できる。2002年の党則改正で、任期満了前でも国会議員と都道府県連代表者の総数の過半数が要求すれば、臨時総裁選を行うとの規定も設けられた。総裁任期は3年で、石破茂首相の任期は27年9月末まで。

デジタル教科書
パソコンやタブレット端末に表示して使う教科書。学校教育法改正により、2019年4月から小中高校の授業で 「代替教科書」として扱えるようになった。文字の拡大や読み上げ、タッチペンでの書き込みといった機能を備えていることが多く、音声や動画の再生が可能。2次元コード(QRコード)から外部のさまざまな教材に接続することもできる。

最低賃金
雇用主がパートやアルバイトを含む全ての労働者に支払う賃金(時給)の下限額。毎年度、改定する。下回ると罰金が科される。厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会が改定額の目安を示す。都道府県労働局が設けた地方最低賃金審議会が目安のほか、労働者の生計費、賃金、企業の支払い能力の3要素を考慮して金額を決め、各労働局長に答申する。海外の主要国に比べ低い水準や、都道府県間の格差が課題となっている。

ウクライナの安全の保証
ソ連崩壊以降、安全保障に関するロシアとの国際合意を2度にわたって破られたウクライナは、戦闘終結後の再侵攻を防ぐために支援国による「安全の保証」を要求している。北大西洋条約機構(NATO)加盟を目標としているが、米国は否定的。トランプ米大統領は2025年8月、ウクライナのセレンスキー大統領との会談で安全の保証に米国が関与すると明言したが、具体策は明確にされていない。

青切符制度
比較的軽微な道交法違反をした人に警察が行政手続きとして反則金の納付を通告し、違反者が納付すれば起訴されず、期間内に納付しなければ刑事手続きが進む交通反則切符制度。これまでは自転車は対象外だったため、違反が摘発されると刑事手続きに移行する「交通切符(赤切符)」となり、違反者にとっても負担が大きかった。悪質性や危険性が高くない大半のヶ-スは青切符ではなく、現場での「指導警告」で済む。飲酒運転などは今後も赤切符の対象。

沖縄少女暴行事件
1995年9月4日、沖縄県で米兵3人が女子小学生を車で拉致し、暴行した事件。県警は3人の逮捕状を取り、米軍に身柄の引き渡しを求めたが、米側は日米地位協定を理由に拒否。3人は起訴後、身柄を日本側に引き渡され、実刑判決が確定した。事件をきっかけに県民の反基地感情が高まり、日米両政府は、地位協定の運用見直しに合意。米兵による凶悪犯罪に対し、日本側が起訴する前の身柄引き渡しに米側か「好意的考慮を払う」としたが、今も引き渡しの決定権は米側にある。96年には米軍普天間飛行場返還に合意した。

人工光合成
植物の光合成の仕組みを参考に、太陽光、水、二酸化炭素(CO2)から、燃料や化学製品の原料になる水素、一酸化炭素(CO)などを生成する技術。太陽光をエネルギーに利用して電気分解したり、光に反応する触媒で化学反応を促したりする。水素やCOは化石燃料の代わりに使ったり、プラスチックの原料に活用したりする。

サントリーホールディングス(HD)
1899年に鳥井信治郎氏が創業した非上場企業。当初はワインを取り扱っていたが、国産ウイスキーやビールに加え、清涼飲料なども手がける総合食品メーカーとなった。4代目社長の佐治信忠までは創業家出身者が経営を担った。2014年にローソンの社長、会長を務めた新浪剛史を初めて外部からトップに招いた。24年12月期連結決算は売上咼に当たる売上収益は3兆4179億円、純利益は1761億円。

学校医
学校保健安全法に基づき、全ての学校に配置が義務づけられている医師。定期健診だけでなく、感染症予防のための助言、子どもや教職員のメンタルヘルスに関する相談対応などを担う。公立学校の場合、各地の教育委員会が地元の医師会を通して引き受け手を探す。多くは非常勤職員として委嘱しており、報酬は1校につき年額25万~22万円。

機械かん流保存臓器
提供者(ドナー)から摘出した臓器の血管にチューブをつなぎ、ポンプで特殊な溶液「かん流液」などを循環させる。体内と同じように酸素や栄養を臓器に供給し、老廃物をフィルターで除去する。保存液に浸して氷入りのク土フーボックスで運ぶ既存の方法と比べ、臓器を良い状態で長時間保存できる。移植後に臓器が正常に機能している割合を示す生着率や、患者の生存率が向上するとの報告がある。海外では心臓用の装置も実用化されている。

上海協力機構(SCO)
中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンが2001年に創設した地域協力組織。17年以降にインドとパキスタン、イラン、ベラルーシが正式加盟した。当初はテロ対策や武器の密輸防止など治安問題が主な議題だったが、近年は貿易、経済、防衛分野での協力も推進。中口にとっては新興国でつくる「BRICS」と並び、米国への対抗を念頭に置いた枠組みとなっている。

エングル係数
家計の消費支出に占める食費の割合のこと。英語表記は「Engels coefficient」。日本では総務省の「家計調査」を基に算出する。暮らしの豊かさを表す指標の一つとして用いられる一方、食文化などの違いから地域ごとに差もある。名前はドイツの統計学者エングルに由来する。エングルは19世紀に発表した論文で、所得水準が高くなるほど食費の割合が低下するという法則を示した。日本では1960年代前半に40%程度の時期があったが、経済成長に合わせて低下していった。

被疑者ノート
珎り調べ時の捜査官の態度や印象、黙秘権の告知や暴行などの有無、質問内容や供述した中身などについて逮捕・勾留された容疑者が記録する冊子。弁護人が接見の際に差し入れることが多く、弁護活動に活用されることも。記録内容は、容疑者・被告と弁護人が立会人のない状態でやりとりできる秘蜜父通権で保障される。刑事手続きの流れや取り調べに向けたアドバイス、不当な言動を受けた際の対処法なども書かれている。日弁連が発行しており、ホームページで閲覧、取得できる。外国語版もある。

経済安全保障
国民の生命や財産を守る安全保障を、政府の経済政策や企業活動などの経済分野と結びつける考え方。米中対立の激化に伴い、外交・軍事の従来の枠組みだけでは対応できなくなったとして近年広まったが、経済のブロック化への懸念も出ている。半導体をはじめとした戦略物資の安定した調達やサイバー攻撃への対処、先端技術の開発など対象は幅広い。日本では2022年、重要物資の確保や重要技術の開発支援を盛り込んだ経済安全保障推進法が成立した。

自民党総裁選
自民党の最高責任者の総裁を決める選挙。立候補には所属国会議員20人の推薦が必要。原則として、国会議員票と党員・党友による地方票で争われ、過半数を獲得した候補が当選する。党則上、総裁任期は3年だが「任期中に欠け、特に緊急を要するとき」は、両院議員総会で後任を選出できる。2002年には、総裁任期途中に国会議員と都道府県連代表者の過半数が要求すれば、臨時総裁選を可能とする規定も加わった。石破茂首相の総裁任期は27年9月末。

介護保険制度
原則65歳以上で要介護認定を受けた人が、食事や入浴の介助。リハビリなどのサービスを利用できる仕組み。高齢者を社会全体で支えようと2000年度に始まった。利用者の自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある人は2割、現役並み所得の人は3割。介護サービスにかかる費用は利用者負担のほか、公費や保険料で賄っている。利用者負担を除く23年度の介護給付費は10兆8263億円。

タクシン派
タイのタクシン元首相の一族を主軸とする政界の一大勢力。タクシンの首相在職時に経済政策や低額医療制度で恩恵を受けた地方の低所得者の支持が厚い。都市部の保守層中心の反タクシン派と対立して政界が混乱し、2006年と14年にはクーデターが発生。タクシンと妹のインラックが首相の座を追われた。タクシンは23年に国外逃亡先から帰国し、影響力を維持する。

スナップバック
すばやく戻るといった意味の英語。2015年7月のイラン核合意を承認した国連安全保障理事会決議には、イランが「重大な違反」を犯した場合、核合意で解除された過去の安保理制裁全てを再発動することができる「スナップバック規定」がある。核合意参加国が違反を安保理に通知し、安保理が30日以内に制裁解除措置の継続を決議できなければ、制裁は全面復活する。

複合防衛拠点の整備案
防衛省は2024年3月、日鉄瀬戸内製鉄所呉地区跡地を早期に一括購入し、複合防衛拠点として整備する意向を表明した。民間企業の誘致▽無人機の製造・整備施設▽弾薬庫▽大型の艦船が接岸できる岸壁-など計12のエリアに分けて活用する案を示している。2025年7月末には日鉄と土地の売買契約の締結に向けた基本合意を結んだ。

タイフォン
米陸軍の地上配備型のミサイル発射装置。車両搭載型で機動的に展開することができる。発射弾数は16発。米軍が2025年4月、フィリピンに配備し、中国が「深刻な脅威」として非難した経緯がある。

北方領土
北海道東沖の択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の総称。面積は計約5千平方km。1945年8~9月に旧ソ連軍が侵攻し、占領した。現在もロシアによる実効支配が続く。侵攻時に住んでいた約1万7千人の日本人は脱出、引き揚げを余儀なくされた。56年の日ソ共同宣言では平和条約締結後に色丹島、歯舞群島を引き渡すと明記したが、条約の締結には至っていない。日本政府は全島を「固有の領土」として、返還を求めている。生存する元島民は2025年3月時点で4953人。平均年齢は89歳を超えている。

外国にルーツがある子ども
外国籍だったり、日本国籍で両親または片方の親が外国人だったり、外国とのつながりがある子どもを指すO文部科学省によると2023年度、外国籍の小中学生は約15万人。日本語の日常会話を十分にできない子も多いとされる。文科省が公立小中高校を対象に実施した調査では23年度、外国籍約5万7000人、日本国籍約1万1000人の児童生徒が日本語指導が必要だと判断された。「共生社会の実現に資する」として、日本語教育の推進が必要だとする。

住民税の利子割
預金の利子などに課している都道府県税で、税率は利子の5%。1988年に創設された。金融機関が利子を預金者に支払う際、税額を自動的に差し引いており、納税義務がある個人が申告する必要はない。税収は91年に1兆6313億円に達したが、金利低下に伴い、近年は減少傾向にある。利子には、住民税のほか所得税もかかる。

戦後を巡る首相談話
村山富市首相が1995年8月15日、政府の公式見解として初めて閣議決定し、戦後50年談話を発出した。「植民地支配と侵略への反省とおわび」を明記した。2005年の小泉純一郎首相による60年談話は、村山談話を基本的に踏襲。15年の安倍晋三首相による70年談話は、歴代内閣の立場を紹介する形で「反省とおわび」に言及、後の世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」とした。石破茂首相は談話を出さず、個人的な見解表明に意欲を示す。

FeliCa(フェリカ)
ソニーが開発した非接触IC技術。2001年にJR東日本が交通系ICカード「Suica」に採用したのをきっかけに、「ICOCA」や「manaca(マナカ)」「はやかけん」など全国に普及した。「楽天Edy」などの電子マネーや、入退館の記録が可能な身分証にも利用され、ICチップの累計出荷数は18億個を超える。

公設秘書
国会法は各国会議員に公設秘書の雇用を認めている。2002年に辻元清美による秘書給与の不正受給が発覚したことなどを受け、04年に国会議員秘書給与法が改正され、議員経由などで支給されていた公設秘書の給与が秘書本人に支払う形に変わった。2024年8月、勤務実態のない公設秘書の給与など計約350万円を国からだまし取ったとして、広瀬めぐみ元参院議員が詐欺罪で在宅起訴され、25年4月に有罪が確定した。

緊急避妊薬
避妊をしなかったり失敗したりした際などに、望まない妊娠を防ぐため、性交後に緊急的に使う飲み薬。「アフターピル」とも呼ばれる。排卵を抑える作用があり、性交後72時間以内に服用すれば約80%の確率で妊娠を防げる。主な副作用として不正出血や吐き気、下腹部痛などが報告されている。日本では2011年に承認された。世界保健機関(WHO)の必須医薬品のリストに入っており、海外では処方箋なしで購入できる国が多い。

雇用調整助成金
事業の縮小を余儀なくされた雇い主が従業員を解雇せず、一時的に休業させるなどの手段で雇用を維持する場合、国が休業手当を部分的に助成する制度。自然災害や景気悪化などを想定している。雇用保険制度の支援策の一つで、原則として企業が納める保険料を財源とする。

川内原発
鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉。1号機は1984年7月、2号機は85年11月に運転を始めた。出力は共に89万kw。2011年の東京電力福島第上原発事故を受け運転を停止した後、14年に国の新規制基準の適合性審査に全国の原発で初めて合格し、15年8月に1号機、同10月に2号機が再稼働した。原子力規制委員会は23年に1、2号機の運転期間を20年延長し、60年の運転を認可した。九電は2025年5月、次世代型原発の建設検討を表明したが、場所は明らかにしていない。

ウクライナの安全の保証
ソ連崩壊以降、安全保障に関するロシアとの国際合意を2度にわたって破られたウクライナは、戦闘終結後の再侵攻を防ぐために支援国による「安全の保証」を要求している。集団防衛義務を規定した北大西洋条約機構(NATO)加盟を悲願としているが、米国などは否定的。一方、英国やフランスなど欧州の有志国は、戦闘終結後に平和維持部隊をウクライナに派遣すると約束。米国も関与を表明した。

ネットブリックス
米カリフォルニア州に本社を置く動画配信大手。英語表記は「Netflix」。1997年に設立され、2007年に動画配信を始めて15年に日本進出。映画やテレビ番組を定額で見放題とした事業戦略が好評で、190以上の国・地域で展開している。

シラスウナギ
ウナギの稚魚の総称。形は小さなウナギだが色が透明に近い。ニホンウナギの場合、日本から約2千km離れたマリアナ諸島付近の海域で産卵、稚魚は黒潮などの海流に流されて日本や中国、韓国の沿岸にたどり着く。国際自然保護連合(IUCN)は急減したとして、ヨーロッパウナギやニホンウナギなどを絶滅危惧種と評価している。近年、回遊量が急減して価格が高騰し、国内外の密輸や密漁、無報告漁業が横行し、摘発も続いている。

中国の抗日戦争勝利記念行事
中国が抗日戦争勝利記念日とする9月3日に合わせ、北京の天安門広場で実施する一連の行事。今年は80周年に当たる。軍事パレードでは戦闘機や無人機を含む多数の新型兵器を披露し、軍事力を誇示する。習近平国家主席が出席し「重要講話」を発表する予定。中国は2015年9月の70周年にも同様の行事を開催しており、ロシアのプーチン大統領のほか、当時の韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領らが参加した。

留置場
刑事収容施設法で定められ、主に逮捕から起訴までの間、証拠隠滅や逃走を防ぐために刑事事件の容疑者を一時的に留め置く施設。警察庁舎に設置され、警察白書によると、2024年4月1日時点で全国に1006ある。拘置所も同法で定められており、起訴され、罪が確定していない被告や執行前の死刑囚を収容する法務省の施設。起訴されると留置場から拘置所に移り、裁判で実刑が確定すれば刑務所に入ることが原則となっている。

民泊
個人宅やマンションといった一般住宅を旅行者に有料で提供する制度。国家戦略特区制度で認められた「特区民泊」のほか、2018年施行の住宅宿泊事業法に基づく民泊や、旅館業法に基づく簡易宿所がある。種類によって年間営業日数の上限や宿泊日数が異なる。特区民泊は2泊3日以上が要件。大阪府のほか千葉市、東京都大田区、新潟市、北九州市にあり、2025年6月末時点で6899施設が営業する。自治体の許可を得ていない違法民泊の存在も指摘され、大阪市は専従チームで監視している。

日本郵便の不適切点呼問題
日本郵便は2025年4月、集配業務を担う全国の郵便局の75%で配達員に酒気帯びを確認する法定点呼業務を適切に実施していなかったと発表した。国土交通省は6月、各地の郵便局などで保有する全てのトラックやバン約2500台による貨物運送事業の許可を取り消した。日本郵便は荷物の輸送を子会社や同業他社に委託している。

不登校の子どもへの支援
「校内教育支援センター」は子どものペースに合わせた学習や生活支援がメイン。「学びの多様化学校(不登校特例校)」は通常の学校より授業時間数を少なくするなど柔軟なカリキュラム編成が可能で、興味や関心に応じて学べる。教育委員会が設けるイ教育支援センター(適応指導教室)」では、在籍校から配信される授業をオンラインで受けられる。インターネット上の仮想空間「メタバース」に学校をつくったり、フリースクールの利用料を一部助成したりする自治体もある。

法定協議会
地域交通法に基づき、地域公共交通計画を策定するために地方公共団体が組織する協議会。計画には交通サービスを持続的に提供するための活性化や再生の方針を盛り込む。ローカル線を再生したり別の交通体系に転換したりする場合は、計画に交通体系の在り方、区域、利用者の目標数値などを盛り込む。一方、2023年10月に施行した改正地域交通法で制度化されたのが、再構築協議会。ローカル線の存廃協議に沿線自治体が応じないケースが多いことから、国が行司役として加わり、原則3年以内に存廃を決める。実証事業などを通じて鉄道存続の実効性を検証し、再構築方針を決定する。地域公共交通計画や再構築方針を基に国の認可を受けると、国から整備費の一部が交付される。

概算要求と予算編成
国の予算編成に先立ち、各省庁が必要とする事業の経費を見積もって財務省に要求する手続き。要求額が過度に膨らまないよう一定の歯止めをかける基準を決めた上で、各省庁が要求内容を8月末までに固める。財務省は各省庁と折衝し、優先度の低い経費を削るなどして通常は12月下旬に予算案を閣議決定。政府は翌年の通常国会に予算案を提出し、3月末までの成立を目指す。2025年度予算案は成立に向けて野党の要求を受け入れ、衆参両院で修正される異例の事態となった。

横浜裁判
太平洋戦争後に国内外で約5700人が起訴され、900人以上が死刑となったBC級戦犯裁判のうち、国内で唯一開かれた軍事裁判。主体は米軍。横浜地裁で1945年12月~49年10月、1039人を起訴、123人が死刑判決を受けた。半数以上が減刑、51人が処刑された。米兵捕虜が九州帝大(現九州大)で「実験手術」を受け殺害された「九大生体解剖事件」は、遠藤周作の小説「海と毒薬」の題材となった。横浜裁判を扱ったドラマに「私は貝になりたい」がある。

除染土
東京電力福島第1原発事故で広範囲に降り注いだ放射性物質を取り除く除染作業では、宅地や農地の表土を剥ぎ取った。福島県内の除染で出た土や廃棄物は、第1原発周辺の中間貯蔵施設(同県大熊町、双葉町)で一時保管している。搬入量は約1410万立方封(今年7月末時点)で、衷示ドーム約11杯分。国は福島県外に搬出して最終処分する量を減らすため、全体の4分の3を占める放射性セシウム濃度が1kg当たり8千ベクレル以下の除染土を公共工事などで再利用する方針。

PFAS
人工的に作られた有機フッ素化合物で、ペルフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物の総称。1万種類以上あるとされる。耐熱や水、油をはじく特性から布製品や食品包装のほか、航空機用の泡消火剤などに使われてきた。分解しにくく、かつ環境に蓄積しやすい性質がある。国は有害な化学物質を規制する「ストックホルム条約」に基づき、代表物質のPFOSやPFOAの輸入や製造を原則禁止とした。2026年4月からPFOSとPFOAを水道法上の「水質基準」の対象にする。

備蓄米
著しい不作などに備えて国が保有するコメ。1993年の大凶作を契機に95年から制度化した。適正な備蓄量は約100万トンとされる。昨年来のコメ不足により、政府は2025年1月、流通に支障がある場合にも放出できるよう制度を改定。競争入札で集荷業者を通じて市場に31万2千トンを放出した。5月に放出方法を随意契約に変え、小売業者などに向けて計50万トンを売り渡すことを決定した。

アフリカ開発会議(TICAD)
白本政府が国連、世界銀行、アフリカ連合委員会などと共催し、アフリカの開発や支援を議論する首脳級の国際会議。近年は民間投資やビジネス促進について重点的に話し合う。「TICAD」は「アフリカ開発に関する東京国際会議」の英語表記に由来し。「ティカッド」と読む。1993年に始まり、今回の横浜で9回目。2013年以降は3年間隔でアフリカと交互に開催している。

ウクライナの安全の保証
ウクライナはロシアとの戦闘終結後の再侵攻を防ぐため、支援国による「安全の保証」を求めている。集団防衛義務を規定した北大西洋条約機構(NATO)加盟を悲願としているが、米国などは否定的。一方、英国やフランスなど欧州の有志国は、戦闘終結後に平和維持部隊をウクライナに派遣すると約束。米国にも参加を求めている。

子宮頸(けい)がん
子宮の入り口に当たる子宮頸部にできるがんで、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因。子宮頸がんの発生と関連が深い一部の型のHPV感染を予防するワクチンがある。初めての性交渉前に接種することが望ましいとされ、国内では定期接種も実施。厚生労働省は20歳以上の女性に対して、定期的に子宮頸がん検診を受けることを推奨している。

ATM
現金自動預払機の略称。Automatic Teller Machineの頭文字を取った。銀行や商業施設などに置かれ、現金の出入金や振り込みができる。最近ではキャッシュカードを使わずに顔認評で利用したり、電子マネーをチャージしたりできる機能もある。キャッシュレス化か進む中、複数の銀行でATMを共同で運営しようとする動きもある。

上場企業の決算
証券取引所のルールなどに基づき、一定期間の売上高や利益などをまとめた上場企業の経営成績。原則3ヵ月ごとに「決算短信」という書類で公表する。企業の経営状況や財務状況が明らかになるため投資家の判断に活用され、株価にも影響を与える。多くの企業は事業環境や外国為替相場の動向などを反映した業績予想も示す。

自転車の交通反則切符(青切符)制度
危険で悪質な自転車の運転を取り締まる目的で道交法を改正し、2026年4月1日に施行する。青切符は違反行為があった際、行政手続きとして反則金納付を通告し、納付すれば起訴されず、期間内に納付しなければ刑事手続きが進む制度。スマートフォンの使用の「ながら運転」は反則金1万2千円、歩道通行など「通行区分違反」や「信号無視」は6千円など。警察庁によると、パブリックコメント(意見公募)には5926件の意見が寄せられ、うち約4千件が自転車の歩道通行に関するものだった。

犯罪被害者給付金
殺人など故意の犯罪行為で死亡した被害者の遺族や、重傷や障害を負った被害者の経済的・精神的負担を緩和するため、国が支給する一時金。都道府県公安委員会が支給の可否を裁定する。被害者の年齢や勤労収入の額などに基づいて支給額を算定する。1974年の三菱重エビル爆破事件を契機に制度創設の声が高まり、81年に給付が始まった。休職中や収入のない子ども、主婦が死亡した場合の給付額が低すぎるとの遺族らの声を受け、2024年6月に増額された。

アルツハイマー病
脳内に「アミロイドベーダ」や「タウ」といったタンパク質がたまり神経細胞が壊れ、認知機能が低下していく進行性の病気。次第に記憶力や判断力が低下し、着替えや食事など日常生活にも支障を来すようになる。日本の高齢認知症患者は2040年に約584万人になるとの推計があり、6~7割をアルツハイマー病が占めるとみられる。問診や脳画像検査などで診断する。近年、アミロイドベーダに結合して除去する抗体薬が実用化されている。

災害関連死
災害による負傷の悪化や、避難生活での身体的負担による病気で亡くなり、自治体が災害が原因と認めたケース。車中泊で生じる「エコノミークラス症候群」なども含む。概念が生まれたのは阪神大震災とされ、以後30年間での認定数は5千人を超える。熊本地震や能登半島地震では、建物倒壊などで亡くなった「直接死」を大幅に上回った。政府が2025年3月に発表した南海トラフ巨大地震の被害想定は、関連死を2万6千~5万2千人と試算する。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域を中心とする経済連携協定(EPA)。貿易自由化に向けた農産品や工業製品などの関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業などのルールを定める。当初12力国で署名したが、米国が第1次トランプ政権発足後の2017年に離脱。18年に11力国(日本、メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ベトナム、ペリー、マレーシア、チリ、ブルネイ)で改めて署名した。 24年に英国が新規加盟し、12力国体制に戻った。加盟交渉中のコスタリカ、加盟申請(中国、台湾、エクアドル、ウルグアイ、ウクライナ、インドネシア)

在留資格
外国人が日本で行うことのできる活動を類型化したもので約30種類ある。それぞれで取得要件は異なり、審査を経て付与される。2024年末の在留外国人約376万8千人を在留資格別に見ると、最多は「永住者」で24%、「技能実習」12%、「技術・人文知識・国際業務」(技入国)11%、「留学」10%と続いた。資格ごとに滞在期限や条件を設定。技能実習は最長5年で家族帯同は認められていないが、技入国は期限の更新上限がなく、家族の呼び寄せもできる。

日本のがん対策
がんは生涯で2人に1人がかかるとされ、国立がん研究センターによると2024年の死者は推計39万3千人。1981年以降、国内の死因の1位が続く。国は、2007年施行のがん対策基本法のもと基本計画を策定。現行の第4期計画では「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」と掲げ、予防、医療、共生という三つの柱で対策を進めている。都道府県は国の基本計画を基に、地域の医療提供体制の状況を踏まえたそれぞれの計画を策定する。また全国に、がん診療の拠点などとなる病院が指定されている。

アフリカ開発会議(TICAD)
日本政府が国連、世界銀行、アフリカ連合委員会などと共催し、開発や支援について議論する首脳級の国際会議。 1993年に始まり、前回2022年はチュニジアで開催した。中国も同:様の会合を開いており、アフリカとの関係強化を巡る競争は激しくなっている。英語表記の「Tokyo International Conference on African Development」の頭文字を取って:「テイカッド」と読む。

防衛装備移転三原則
安倍政権下の2014年に閣議決定した防衛装備品の輸出に関するルール。国際共同開発や輸出拡大に向け、従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃し、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。岸田政権下の24年には英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出を解禁した。運用指針も改定し、共同開発した完成品の第三国輸出を認める項目を新設。輸出先は、国連憲章の目的に適合する使用を義務付けた協定を日本と結んだ国に限った。

無人機
搭乗員を必要とせず、遠隔で操作できる機体。航空機のほか、・地上を移動する車両型、水上、水中活動型などがある。有人機より低コストで製造できる。軍事分野では主に危険な状況下の戦闘や情報収集に使われ、人間を介さずに動きを制御する人工知能(AI)搭載型の開発も進む。ロシアとウクライナの戦闘では、自爆型無人機も投入された。

中距離核戦力(INF)廃棄条約
米国と旧ソ連が地上発射型の中・短距離ミサイル(射程500~550kmの全廃を定めた条約で、1987年12月に調印、88年6月に発効した。米国は2018年10月、ロシアの違反を理由に条約破棄の方針を表明。19年8月に失効した。米国が破棄を決断した背景には、条約に縛られずに中・短距離ミサイルの開発、配備を進める中国への懸念があったとされる。

外国勢力の選挙介入
自国に有利な候補者を後押しする目的で、インターネットなどを利用して他国の選挙に介入、社会の分断を助長して世論工作を図っているとされる問題。2016年の米大統領選で共和党のトランプ候補を当選させるため、ロシアのプーチン大統領が民主党候補の信用を失墜させる工作を指示したと米情報機関が断定。ロシアは否定した。24年のルーマニア大統領選では動画投稿アプリでの選挙運動の不正やロシアによる介入の疑いがあり、今年、選挙をやり直した。

ストライクの機械判定
2019年に米独立リーグでプロとして初めて導入され、大リーグのマイナーヘと波及。打者の身長などを基に機械でストライク、ボールを判定する。全投球を機械判定する方式と、球審の判定に異議を申し立てられる「チャレンジ制度」の二つがあったが、昨年「チャレンジ制度」に一本化された。今季からメジャーのオープン戦で「自動ボール、ストライク判定システム」の頭文字を取った「ABSチャレンジ」として部分的に導入され、「ロボット審判」とも呼ばれる。

福井中3殺害事件
1986年3月19日、福井市の市営団地で卒業式を終えたばかりの中学3年高橋智子さん=当時(15)が包丁で刺されるなどして殺害された。県警は約1年後、殺人容疑で前川彰司さんを逮捕。90年の福井地裁で無罪判決が出たが、95年の二審名古屋咼裁金沢支部で懲役7年の逆転有罪が言い渡され、最高裁で確定した。前川さんは満期出所後に再審請求。2011年に再審開始決定が出たが、検察の異議申し立てで13年に取り消された。2度目の請求で2024年10月、再審開始が確定した。

トランプ関税
トランプ米政権が貿易赤字の削減や製造業の国内回帰を目的に輸入品にかける関税。中国やカナダ、メキシコといった国別のほか、鉄鋼、アルミニウム、自動車など品目別の追加関税を相次いで打ち出した。2025年4月には「相互関税」を発動。まず大半の国・地域に一律10%を課し、貿易赤字の大きい相手には上乗せ分を適用した。上乗せ分は直後に一時停止して停止期間に交渉し、日本や韓国などと新たな関税率で合意した。

最近の米朝関係
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は2018年6月、1期目のトランプ米大統領と史上初の米朝首脳会談を行い、朝鮮半島の完全非核化や新たな米朝関係の樹立を掲げたシンガポール共同声明に署名した。ただ具体的措置を巡る交渉は難航し、翌19年2月のハノイでの首脳再会談は決裂。金氏は寧辺の核施設廃棄と引き換えに大幅な国連制裁の緩和を求めたが、トランプ氏が応じなかったとされる。21年1月にバイデン政権に移行した後、米朝間の対話は途絶えた。

中国の宇宙開発
中国は軍が中心となり1960年代から宇宙開発を本格化。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の技術を活用し、ロケット「長征」シリーズを開発した。2003年に世界で3番目の有太宇宙船打ち上げ国になった。22年に独自の宇宙ステーション「天宮」を完成。24年に無人探査機「嫦娥6号」が世界で初めて月の裏側で採取した試料を地球に持ち帰った。30年までに中国人初の月面着陸を実現させ、35年までに月面に研究ステーションを整備する計画。

日米関税合意
トランプ米政権が日本に対する相互関税、日本車への関税をそれぞれ15%に引き下げるのが柱。米ホワイトハウスによると、日本は引き換えに5500億ドル(約80兆円)の対米投資を実施する。米国産のコメ輸入を即時に75%増やし、トウモロコシや大豆など80億ドル分の農産品を購入。年数十億ドルの防衛装備品も追加で調達する。

朝鮮半島出身の被爆者
1945年8月の米軍による広島、長崎への原爆投下で、出稼ぎや徴用で来日していた朝鮮半島出身者が多数被爆した。厚生労働省によると、韓国在住で被爆者健康手帳を持つ人は2025年33月末時点で1551人いる。北朝鮮在住は人数が少なく、個人の特定につながるとして正確な人数は公表していない。北朝鮮の団体「朝鮮被爆者協会」は07年末時点で2千人近い被爆者のうち、約380人が健在だとしていた。

確約手続き
独禁法違反の疑いで調査を受けた事業者が、自主的な改善計画を公正取引委員会に提出し認定を受ける制度。行政処分の一つで、競争上の問題を早期に是正できる利点があり、2018年に導入された。違反が認定されないことから課徴金納付命令や排除措置命令は受けない。新規参入を排除する「私的独占」や、競争相手の取引を不当に妨げる「取引妨害」が対象で、談合やカルテルなどの重大違反には適用されない。改善が不十分な場合、公取委が調査を再開できる。

ドルーズ派
イスラム教シーア派から分かれ、11世紀ごろに成立した中東の少数派。迫害されて山岳地帯に暮らした。現在の人口は100万人ほどとされ、シリアとレバノンを中心に、イスラエルやヨルダンにも居住する。多数派のスンニ派と異なり、輪廻(りんね)転生を信じるなどして異端視されてきた。外部の人間の改宗を認めておらず、異教徒との結婚はまれ。イスラエル市民権の保持者にはイスラエル軍への兵役義務がある。

JR美祢線
1924年に全線開業。80年代の国鉄改革当時、輸送密度(1km当たりの1日平均乗客数)は廃止対象ラインの4千人を下回っていたが、一定以上の貨物輸送があったため対象から除外された。ただ、車の普及や人口減が進む中、JR西日本が発足した87年度に1741人たった輸送密度は減り続け、2014年には貨物輸送が廃止。23年夏の大雨被災前の22年度の輸送密度は377人で、JR西が「単独では運行困難」の基準とする2千人を大きく下回っていた。

遺言
死後に財産を誰にどういった割り振りで相続させるかや、相続人以外への遺贈の意思を示す書面。法定相続よりも優先される。自筆証書遺言は2018年成立の改正民法で、財産目録に限りパソコンでの作成が可能になった。実際の相続手続きの前には、家裁で内容などを確認する「検認」が必要。司法統計によると、24年の検認件数は2万3436件。公証人が関わる公正証書遺言の作成件数は昨年12万8378件。公正証書は今年10月にデジタル化され、オンラインでの作成も可能となる。

オーストラリアの気候変動ビザ
地球温暖化による海面上昇に見舞われているツバル国民に対し、オーストラリア政府が毎年最大280人に発給する永住ビザ。オーストラリア人と同等の就学、就労、社会保障の機会が与えられる。両国首脳が2023年、気候変動対策や移住拡大、安全保障協力を盛り込んだ条約「フアレピリ連合」に署名。24年8月に発効した。

SDGs
2015年の国連サミットで採択された国際目標で「Sustainable Development Goals」の略称。「エスーディー・シース」と読み、日本語訳は「持続可能な開発目標」。地球上の「誰一人取り残さない」との理念の下、国連の全加盟国が30年までに達成を目指す17分野、計169項目の目標を掲げる。

IRT
テスト理論の一つで、項目反応理論と訳される「ltem Response Theory」の略称。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)や、英語検定試験のTOEICなどで採用されている。異なる問題を解いてもスコアを比較でき、コンピューターで出題・解答する方式(CBT)との相性が良いとされる。各設問の難易度などから統計理論に基づいて受験者のスコアを算出している。

日銀の資産買い入れ
日銀は目的に応じて資産を買い入れてきた。銀行が持つ株式を買ったのは、金融システムを安定させる狙いがあった。過去の金融緩和策では、世の中に出回るお金の量を増やして金利を低く抑え、景気を刺激するため、国債や上場投資信託(ETF)、社債、コマーシャルペーパー(CP)といった資産を買い入れた。日銀は24年に大規模な金融緩和策から金融正常化にかじを切ったが、国債購入は続けている。

有価証券報告書
株式や社債などの有価証券を発行する企業が、金融商品取引法に基づき、事業や財務、従業員といった情報をまとめた書類。企業は事業年度終了後、国に提出する。過去5年間で株主数が千人以上となった企業なども提出する必要がある。投資家の重要な判断材料となり、重大な虚偽記載には懲役刑や罰金刑が科される。近年の報告内容の見直しに伴い、女性管理職の比率や男女の賃金格差の開示などが義務付けられた。

高齢者の住まい
政府が構築を進めてきた「地域包括ケアシステム」では、高齢者は訪問介護や訪問看護を利用しながら在宅で暮らし、要介護度が高い場合は特別養護老人ホーム(特養)などに入ることを想定している。ホームヘルパーや施設職員の深刻な人手不足から、サービス提供体制の維持が難しくなっていると指摘される。単身で暮らし親族ら身寄りのない高齢者のサポート体制も全国的な課題となっている6

中国の食品輸入停止
中国政府は2011年の東京電力福島第1原発事故を受けた10都県の食品の輸入を停止した(新潟県産米は後に再開)。23年8月の原発処理水の海洋放出により水産物も全面的に禁輸したが、2025年6月に10都県を除き再開すると発表した。牛肉のほか、日本で高病原性鳥インフルエンザが発生したことに伴い鶏肉や鶏卵も止めている。

日本人抑留
旧ソ連は日ソ中立条約を破棄して1945年8月9日、旧満州(中国東北部)に侵攻した。終戦時、旧満州や朝鮮半島で日本兵や民間人が拘束され、シベリアやモンゴル、中央アジアの強制労働収容所に送られた。極寒の地で鉄道や道路の建設、森林伐採などに従事した。厚生労働省によると、抑留者約57万5千人のうち、モンゴルに約1万44人が移送された。全体の死者は約5万5千人とされる。56年の日ソ国交回復まで帰国事業が続き、抑留期間が10年以上の人もいた。

海底ケーブル
主に光ファイバーを使い、海底に敷設した通信用ケーブル。国際的なデータ伝送に欠かせないインフラで、データ量や速度で衛星通信より優位にあるとされる。パソコンやスマートフォンで海外の動画を視聴したり、ホテルの予約をしたりする際、海底ケーブルが活用される。近年、グラウトサービスを提供する企業などの伝送容量が激増しており、ケーブルの大容量化に向けて技術開発が進んでいる。

追浜工場
神奈川県横須賀市にある日産の国内主力工場。1961年に操業を開始した。研究所や試験場を含む面積は約170万平方キロで年間生産能力は24万台。2007年には生産累計1500万台に到達した。10年に量産型電気自動車(EV)「リーフ」の生産を開始し、16年には独自のハイブリッド車(HV)技術「e-POWER(イーパワー)」を搭載した国内向け小型車フート」の生産を始めた。

実質賃金
働く人が受け取る基本給や残業代、手当、ボーナスなどを合計した現金給与総額(名目賃金)を基に、物価変動の影響を考慮して算出する。名目賃金は税金や社会保険料などを差し引いていない。名目賃金が上がっても、物価が上昇すれば買えるものが減るため、実質賃金は下がる。前年同月と比べた増減率は毎月上旬に速報値、下旬に確報値が公表される。

鴻海精密工業
 電子機器などの製造を請け負う芒湾企業。米アップルの・IPhone(アイフォーン)などの生産を引き受けていることで知られ、世界中に生産拠点を構える。2016年には業績が悪化したシャープを傘下に収めた。近年は電気自動車(EV)事業に参入し、自社グループで開発したEVを他の自動車メーカーに供給するビジネスに注力している。
ゼロゼロ融資
 新型コロナウイルス禍で売り上げが減った中小企業や個人事業主の資金繰りを支援するため、2020年3月に始まった実質無利子・無担保の融資制度。返済が滞ると公的機関の信用保証協会が肩代わりする。民間金融機関は21年3月末、政府系金融機関は22年9月末に受け付けを終了した。中小企業庁によると25年2月末時点で、計約264万件、約45兆円の融資が行われた。
ダガー賞
 英国推理作家協会が1955年に創設した文学賞。ミステリーの分野で世界的に最も権威があるとされる。受賞者には短剣(ダガー)の記念品が贈られる。過去の受賞者にはスパイ小説の巨匠、故ジョンール・カレらが名を連ねる。2006年に翻訳部門が設けられ、近年では韓国の作品も受賞。日本からはこれまでに横山秀夫の「64(ロクヨン)」、東野圭吾の「新参者」、伊坂幸太郎の「マリアビートル」が最終候補に残ったが、受賞はしなかった。
輪廻(りんね)転生制度
 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマの後継者を選ぶ仕組み。チベット仏教では、ダライーラマは観音菩薩(ばさつ)の化身とされる。死後も人間に生まれ変わると信じられ、後継者は遺言や遺品を認識できるかどうかなどを基に高僧らが選ぶ。現在の14世は、1933年に13世が死去した後の35年に生まれ、40年に即位した。2011年に出した声明では制度廃止の可能性を示唆した。
米国際開発局(USAID)
 発展途上国の援助を目的に1961年に創設された米政府機関。人道支援や民主主義強化、少数派の権利擁護など幅広い分野で対外援助を提供してきた。2023会計年度は434億ドル(約6兆2千億円)を拠出し、約130の国や地域で事業を実施した。トランプ大統領は「腐敗している」と根拠を示さず主張。ルビオ国務長官も「世界的な慈善団体」のように振る舞っていると批判していた。
ダライーラマ14世
 ダライ・ラマはチベット仏教で観音菩薩(ばさつ)の化身とされる最高指導者。14世は1935年に生まれ、40年に即位した。中国人民解放軍の進駐に反発する僧侶らの激しい抵抗運動が起きた59年のチベット動乱を機にインドに亡命。非暴力を貫く活動が評価され、89年にノーベル平和賞受賞。2011年、政治的実権を亡命政府に委ねた。チベットの「高度な自治」を求めているが、中国は「分裂主義者」と呼び敵視している。
路線価
 毎年1月1日時点の、主要道路に面した土地―平方m当たりの評価額。国税庁が毎年7月に発表し、相続税や贈与税の算定基準となる。公表後に景気変動などで地価が急落し、納税者に過剰な負担が生じることを防ぐため、国土交通省が毎年3月に発表する公示地価の8割程度を目安に、売買実例や不動産鑑定士の意見を参考に算定する。2025年分の標準宅地の調査地点は約31万8千ヵ所。

基礎年金の底上げ策
 低成長が続いた場合には基礎年金が将来的に3割目減りするため、厚生年金積立金を活用して給付水準を向上させる対策。給付を抑制するマクロ経済スライドは、現行のままだと厚生年金(報酬比例部分)では2026年度に終了する一方、基礎年金は57年度まで続くが、積立金活用で両年金の抑制終了時期を36年度で一致させる。年金の将来給付水準は50.4%から56.2%に改善する。
第3号被保険者
厚生年金に加入して働く会社員や公務員に扶養される20歳以上60歳未満の人。専業主婦ら女性が98%を占める。自らは年金保険料を納めなくても老後に基礎年金を受給できる。1986年導入。保険料負担を避けるための働き控えの一因だとして、経済界などから廃止を求める意見がある。95年度の1220万人をピークに、2023年度末には686万人と威少傾向。

物流の輸送力低下
低賃金や高齢化などで物流業界の人手不足が深刻化する中、トラック運転手の時間外労働の上限を年960時間とする規制が2024年4月から始まった。労働環境が改善するとの期待の一方、運べる荷物の量が減り、輸送力の衰えがさらに進むとの指摘がある。インターネット通販の浸透で荷物の量が増えていることも背景にある。

訪問介護
要介護認定を受けた利用者の住宅をホームヘルハニや介護福祉士が訪問し、日常生活を支援する介護保険サービス。入浴や食事、排せつなどを介助する「身体介護」、掃除や調理、洗濯などを担う「生活援助」、医療機関への移動を手助けする「通院介助」がある。利用者の自己負担は1~3割。利用費はサービスの内容や利用時間などによって変わる。

金融機能強化法
地方銀行など地域金融機関の財務強化を目的に、国が公的資金を注入するといった制度を定めた法律。2004年に成立し、11年の東日本大震災への対応などで改正を重ねている。地域経済を支える中小企業への貸し出しが滞らないようにする狙いがある。20年の改正では新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業を支える地銀向けに、資本注入を受廿る際の条件を緩和する特例を設けた。

ホルムズ海峽
中東のペルシヤ湾とアラビア海を結ぶ海峡。北はイラン、南はアラブ首長国連邦(UAE)、西にはサウジアラビアなどの産油国がある。最も狭い地点の幅は約30kmで、このうちタンカー通過に十分な水深があるのは6km程度。タンカーはS字形の航路を進む必要があり、航行の難所でもある。米エネルギー情報局によると、世界の原油消費量の約2割に当たる日量2千万バレルが通過し、これに代替する輸送ルートはほぼ存在しない。

日本の防衛費
自意窿の人件費や装備品の購入費などの経費で、在日米軍の再編関連経費も含む。岸田内閣は2022年12月、23~27年度の5年間に計約43兆円を投じ、防衛力を抜本的に強化する方針を決定。25年度当初予算は過去最大の8兆7005億円だった。27年度には防衛関連の研究開発と公共インフラ整備、サイバー、国際協力の4経費と合わせ、国内総生産(GDP)比2%とする目標も掲げる。25年度当初の防衛費と関連経費の合計はGDP比約1.8%だった。

ガソリン税の暫定税率
ガソリン税は本来1リットル当たり28円70銭だが「当分の間」の措置として25円10銭が上乗せされている。1974年に道路整備の財源に充てるために始まり、その後も財政事情の厳しさなどを背景に持されている。軽油にも同様の制度がある。ガソリン税などの暫定税率を廃止した場合、国と地方の税収が1年間で計約1兆5千億円減るとされる。自民、公明、国民民主3党は昨年12月、暫定税率廃止で合意したが、時期については折り合いがついていない。

Tik-Tok
「ディックトック」と呼ばれる動画投稿アプリ。さまざまな短い動画をつくつて公開できる。中国IT企業、字節跳動(バイトダンス)が中国国内向けに提供している動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」の海外版として2017年にリリースした。米国などで若者を中心に人気を集めている一方で、中国に情報が筒抜けになるとの懸念も指摘されている。米国内の利用者数は約1億7千万人。

E8系
山形新幹線に2024年3月に投入された最新型の車両で最高時速は300km。最速で恵只-山形間を2時間22分、東京-新庄間を3時間7分で結ぶ。全席に電源コンセントを備え、車いすスペースも増設。車体の配色は山形県特産のベニバナや県の鳥オシドリをモチーフとした。JR東日本は25年度内に、旧型のE3系を全てE8系に置き換える計画。

フリーランス法
個人で業務を受けるため、ヽ弱い立場に置かれやすいフリ上フンスの保護を目的として2024年11月に施行された。正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」。業務委託を受ける個人や、従業員がいない社長1人の法人を「特定受託事業者」。と定め、書面による取引条件の明示や期日までの支払いを発注元に義務付けた。一定期間の委託をした際の一方的な報酬減額や成果物の受領拒否を禁じ、育児や介護といった事情の申し出への配慮や、ハラスメント相談体制の整備も義務化した。

オンラインカジノ
インターネットサイトでアカウントを開設し、クレジットカードなどを登録して入金すれば、スマートフォンやパソコンから現金や暗号資産を賭けてスロットやバカラなどのゲームができる。プロスポーツの勝敗に賭けるものもある。賭け金や配当の入出金の決済に関与したり、広告などで勧誘したりすると賭博ほう助罪に問われることもある。

作況指数
コメ(水稲)の収穫量が多いか少ないかを示す指標で、市場価格などの目安となってきた。水田10アール当たりの平年値を100とし、指数作況指数 コメ(水稲)の収穫量が多いか少ないかを示す指標で、市場価格などの目安となってきた。水田10アール当たりの平年値を100とし、指数が大きいほど豊作、小さいほど不作となることを表す。94以下を「不良」、95~98を「やや不良」、99~101を「平年並み」、102~105を 「やや良」、106以上。を「良」とする5段階で評価した。

大阪の地面師事件
大阪府警が2025年5~6月、法務局に虚偽申請して、会社の登記を書き換えさせたなどとして、電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの疑いで会社役員福田裕容疑者(52)ら男女3人を逮捕。6月4日には土地、建物の所有者に成り済まして、不動産会社2社から現金計約14億5千万円をだまし取ったなどとして、詐欺容疑で福田容疑者を再逮捕した。3人には交渉役、成り済まし役などの役割がありミ府警は地面師グループとみている。

黄金株
役員の選任や解任、合併・事業譲渡といった経営上の重要事項への拒否権を付与された特別な株式。敵対的な買収者が出した提案を株主総会で否決することなどができる。黄金株を持つ株主への過度の権限集中や、経営の透明性が低下するなどのデメリットも指摘されている。各国で公共性が高い企業が政府に対し発行する例があり、日本ではエネルギーの安定供給の観凉から資源開発大手INPEXの黄金株を経済産業相が1株所有する。

イランとイスラエル
中東最悪の敵対関係。イランはイスラエルをパレスチナの占領者だと位置付け、国の生存権を認めていない。イスラエルは核開発を進めるイランを安全保障上の最大の脅威として警戒し、中東各地の親イラン勢力を繰り返し攻撃している。両国は2024年4月と10月に双方の領土を互いに直接攻撃した。

ミニマムアクセス(最低輸入量)
世界貿易機関(WTO)の協定に基づき、政府が輸入しているコメの数量枠。1993年の関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイーラウンド合意で受け入れが決まった。初年度の数量は約43万トンで、その後徐々に拡大し、2000年度以降は77万トン程度で推移している。農林水産省は、うち最大10万トンを主食用として売り出しており、残りは加工用や飼料用などに使われている。

日本学術会議
1949年に設立された日本の文系・理系の科学者を代表する組織。「国の特別機関」と位置付けられ、中立的な立場から政策提言や科学の普及、国際的な学術交流に取り組む。会員は特別職の国家公務員で、定員は210人。任期は6年で、3年ごとに半数を入れ替える。現会員が学術的な業績などから候補者を選んで推薦し、それに基づいて首相が新会員を任命する。2020年、菅義偉首相(当時)が会員候補6人の任命を拒否。政府は理由を明らかにしないまま、組織の見直しを検討してきた。

日本大の不祥事
日本大の付属病院の建て替え工事などを巡り大学の資金を流出させたとして、墓示地検特搜部が2021年10月に背任容疑で当時の理事らを逮捕した。同11月には、約5千万円を脱税したとする所得税法違反容疑で田中英寿理事長(当時)=24年死去=を逮捕。23年以降は、アメリカンフットボール部の部員らが違法薬物を所持したなどとして摘発され、廃部となった。

成年後見制度
認知症や知的・精神障害などで判断能力が十分ではない人を司法書士、福祉関係者、親族らが後見人となって支援する制度。2000年に禁治産、準禁治産制度を廃止して導入された。本人に代わって預貯金の管理や福祉サービスの利用手続きをしたり、契約を取り消したりできる包括的な代理権があり、日常生活の見守りを担うこともある。本人や家族らが利用を申し立て、家裁が後見人を選定する。身寄りがない場合は市町村長が申し立てるケースもある。

米反乱法
米国内の反乱鎮圧のため大統領に軍の出動を可能にする法律。1807年制定。ブレナン公正センターによると、前身の法律から合わせてこれまで30回発動された。黒人男性への暴行事件で白人警察官に無罪評決が出たことに対する抗議が激化した1992年のロサンゼルス暴動が最後。ブッシュ大統領(父)がカリフォルニア州知事の要請で発動した。反乱の定義など発動条件が明確にされておらず大統領の裁量に委ねられる面が大きいため、乱用を防ぐために改正を求める声がある。

大川原化工機事件
警視庁公安部は2020年、生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥装置を不正輸出したとして、外為法違反の疑いで機械製造会社「大川原化工機」の大川原正明社長ら3人を逮捕した。社長らが同法違反罪などで起訴された後、東京地検は初公判直前の21年7月、犯罪に当たるかどうか疑義が生じたとして起訴を取り消した。社長らに対し東京地裁は21年12月、1年近くに及んだ身柄拘束への刑事補償として計1130万円の支払いを決定した。

ニンテンドースイッチ2
任天堂が発売した新型家庭用ゲーム機。据え置き型としてテレビにつなぐほか、携帯型として持ち運ぶこともできる初代スイッチの特徴を継承した。ゲームの処理速度や音質が向上し。モニターは7.9インチに大型化した。テレビ接続は最大4Kの画質に対応。初代スイッチ向けに発売された多くのゲームソフトで遊ぶこともできる。

コメの輸入
コメは国産と外国産で価格差があり、国は農業保護のため輸入を「国家貿易」と「民間貿易」に分け、外国産の流通を管理している。国家貿易は国際協定に基づき、国がミニマムアクセス(最低輸入量)として年約77万トンを一元的に無関税で輸入する。企業などが輸入する民間貿易では1キロ当たり341円の関税を課している。米価が上昇する中、この関税を負担してでも米国などからコメを輸入する業者が増えている。

トランプ政権の品目別関税
トランプ米政権が国内の産業や雇用維持を目的に特定の品目に課す追加関税。輸入が国家安全保障上の脅威になると判断した場合に関税発動を認める通商拡大法232条などを根拠とする。第1次政権下で鉄鋼、アルミニウムを対象に導入。第2次政権ではこれを強化した。さらに自動車と自動車部品にも発動するなど、対象品目を増やす構えを示している。

パンダ外
パンダの貸与を通じて相手国との関係強化を図る中国の外交戦略。1941年に当時の国民党政権が国際世論を味方に付けようと米国に贈呈したのが始まり。49年の共産党による中華人民共和国成立後は社会主義国に限られたが、70年代の米中和解後は西側にも贈るようになった。84年にワシントン条約で国際商取引を禁止する種のリストに分類されると贈呈を停止。香港、マカオ、台湾を除き、長期繁殖計画による有償貸与が定着した。

地方創生
人口減少の克服と東京一極集中の是正を目指し、第2次安倍政権が2014年に打ち出した政策。初代担当相は石破茂首相で、産業振興や政府機関・企業の移転、地方への移住促進などを推進した。政府は2024年12月、地方創生の新たな理念となる「基本的な考え方」を公表。若者や女性に選ばれる地域づくりに力点を置き、職場の魅力向上や地域資源を生かした事業の剔出などを掲げた。

中国の水産物輸入停止
2023年8月、中国政府が恵示電力福島第1原発の処理水海洋放出に反発し、日本産水産物の輸入を全面停止した措置。対中輸出が多かったホタテなどを扱う業者が影響を受けた。日本側は国際的な安全基準に合致しているとして繰り返し禁輸措置の撤廃を要求。日中両政府は2024年9月、国際原子力機関(IAEA)の下で中国が試料採取を実施後、段階的に輸入規制を緩和する方針で合意していた。

黄金株
役員の選任や解任、合併・事業譲渡といった経営上の重要事項について、議決を否決できる拒否権を付与された特別な種類の株式。買収防衛策の一つとして知られ、敵対的な買収者が出した提案を株主総会で否決することなどができる。企業の自主性を保護するなどの利点の一方、黄金株を持つ株主に過度に権限が集中したり、経営の透明性に悪影響を与えたりするなどのデメリットが指摘される。

ハーバード大
米東部マサチューセッツ州ケンブリッジにある世界有数の大学。英植民地時代の17世紀に設立された。米国で最も古い大学の一つで、アイビーリーグと呼ばれる私立8大学の一つでもある。学生数は約2万5千人。卒業生にはオバマ元米大統領をはじめ、ノーベル賞受賞者や著名政治家らが名を連ねる。皇后雅子さまが経済学部を卒業されたことでも知られる。

ホールド
僅差のリードや同点を保った中継ぎ投手に付く。主に勝ちパターンで1死以上を奪い、後続につないで記録される。2005年からセ、パ両リーグで導入された。

戸籍
人が生まれてから死ぬまでの結婚、離婚、養子縁組といった身分関係の動きや家族関係を登録・公証し、国籍も証明する仕組み。戸籍法などでルールが定められ、市区町村が事務を担い、国は助言や指示をする。氏名や生年月日、父母の氏名と続き柄などが記され、「筆頭者」を最初に記載した家族単位で作られる。出生届には読み仮名を記入する欄があるが、戸籍にはその規定がなく、2023年6月成立の改正法で追加されることになった。

コメ生産量の目安
各産地がその年の需要に見合うように定めている。農林水産省は2018年産から国による生産調整(減反)を廃止し、生産数量目標の割り当てをなくしたが、全国の需要に応じて見込む生産量は継続して公表している。この数値を参考に、自治体や農協による協議会などが目安を算出している。農家は自らの経営判断で作付面積を決める。

日本製鉄のUSスチール買収計画
日鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆円)でUSスチールを尭全子会社化する計画を発表した。日本国内の鉄鋼市場は人口減少で先細りするため、米国市場の高級鋼材需要を取り込んで収益力を高める狙いがある。世界鉄鋼協会によると、23年の日鉄の粗鋼生産量は企業別で世界4位。24位のUSスチールと単純に足し合わせると世界3位に浮上する見込み。

核のごみの最終処分
原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理の際に生じた廃液をガラスと混ぜ、固めたものを高レベル放射性廃棄物(核のごみ)という。強い放射線を出し続けるため、国は地下300mより深い岩盤に埋め、数万年以上、隔離する方針。最終処分場は文献調査、概要調査、精密調査の3段階を経て選ばれる。

軍艦島
長崎港の南西約18キロにある端島の通称で、集合住宅や学校などが密集した外観が軍艦に似ていることが由来。海底の良質な石炭採掘のため、明治期から岩礁の周囲を埋め立てて造られた。全周約1.2キロの島に、最盛期は5千人超が暮らしたとされる。石油の普及などから1974年に閉山。世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つ。

バイオ燃料
動植物由来の再生可能な生物資源からつくる燃料。サトウキビやトウモロコシ、木質チップなどが原料となり、自動車や航空機の燃料として使用する。燃焼時には石油と同じように二酸化炭素(CO2)を排出するが、原料となる植物が光合成によってCO2を吸収するため、環境負荷が低いとされる。供給コストの高さや品質の確保が課題となっている。

ブルーカーボン
沿岸や海洋の生態系が光合成により二酸化炭素(CO2)を取り込み、海底や深海に蓄積される炭素を指す。主な吸収源は海藻や海草の藻場、塩性湿地・干潟、マングローブ林など。英語では「BLUE CARBON」と表記し、2009年に国連環境計画(UNEP)の報告書で初めて紹介された。森林に比べてCO2を長期間貯留でき、吸収率が高い。海藻の場合は、寿命を終えて深海に沈むと炭素が吸収されたまま蓄積する。陸上の森林が吸収する炭素は「グリーンカーボン」と呼ばれる。

暑さ指数
熱中症予防のための指標でWBGTとも表記される。気温湿度、日差しの強さなどから算出する。単位は「℃」だが、気温との混同を避け、日本では省略されることが多い。運動に関する指針の目安は5段階で、31以上で「原則中止」、28以上31未満は「厳重警戒」、25以上28未満が「警戒」、21以上25未満が「注意」、21未満は「ほぼ安全」とされている。

史跡・名勝・天然記念物
文化財保護法が定義する文化財の分類の一つで、文部科学相が指定する。貝塚や古墳、城跡、旧宅といった遺跡が史跡。特に重要なものが特別史跡で、歴史ファンおなじみの三内丸山遺跡(青森市)や高松塚古墳(奈良県)、吉野ケ里遺跡(佐賀県)などがある。名勝は、芸術上や観賞上の価値が高い庭園や景勝地で、松島(宮城県)が有名。天然記念物は、学術上価値の高い動植物や地質鉱物で、昭和新山(北海道)が知られる。

男女雇用機会均等法
雇用管理全般で鬯別を理由にした差別的取り扱いを禁止する法律。国連の女性差別撤廃条約を日本が批准するに当たり国内法を整備する観点から1985年に成立した。86年に施行し、定年や解雇での男女差別を禁止。採用や昇進については当初は努力義務にとどめたが、99年の改正法施行で禁止し、企業のセクハラ配慮義務も盛り込んだ。その後も改正を繰り返している。

フジテレビ問題
元夕レント中居正広氏の性的トラブルに関する週刊文春などの報道を発端に、フジテレビや親会社の不適切な対応が次々と明らかになり、スポンサー離れや経営陣の刷新につながった。フジの第三者委員会は中居氏による「性暴力」を認定し、ハラスメントに寛容な企業体質があったとも指摘した。フジ側は人事権を長年掌握した日枝久氏、親会社の金光修社長らの取締役退任を決めたが、大株主の米投資ファンドが独自の取締役選任を求めるなど混乱が続いている。

核のごみ
原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理の際に生じた廃液をガラスと混ぜ、固めた高レベル放射性廃棄物。国は地下300肩より深い岩盤に金属容器や粘土で覆って数万年以上埋める処分を計画するが、処分場の候補地が長年茯まらず 「原発はトイレなきマンション」ともいわれる。

Scon(スコーン)
警察が独自に開発したソフトウエアで、防犯カメラの画像を人工知能(AI)が解析し、容疑者摘発に生かす。英語で速さを意味する「SPEED(スピード)」、狩りの名手ハヤブサの「FALCON(ファルコン)」、毒針を持つサソリの「SCORPION(スコーピオン)」を組み合わせた造語。「素早く、正確な、一撃」というソフトを利用した際に得られる効果の特長を表現した。導入はダウンロードするだけで基本的にほぼ費用はかからない。ひき逃げなど交通捜査への利用も想定している。

e-メタノール
再生可能エネルギーで得られた電力で水を分解して生成された水素と、工場や大気中などから回収した二酸化炭素(CO2)を合成して製造する合成燃料の一種。天然ガスなどの化石燃料由来のメタノールと比べ、C02の排出増加を抑えられる利点がある。eは「電気の」を意味する英語の「electro」の頭文字。船の燃料のほか、ガソリンやジェット燃料、化学品などの原料としても使える。製造コストの抑制が普及の課題となっている。

育成就労
技能実習に代わる新たな外国人材の受け入れ制度。未熟練の労働者を受け入れ、原則3年で長期就労が可能な「特定技能」への移行を促す。 1993年に始まった技能実習制度では、長時間労働や賃金の未払いなどが頻発。原則、職場を変えられないため失踪者が続出した。育成就労では、同じ業務分野で職場を変える「転籍」を一定条件で認める。

小惑星りゅうぐう
地球と火星の公転軌道の近くを回る幅約900メートルの小惑星。そろばんの玉のように中央が膨らんだ形で、岩に覆われている。直径が100キロほどあった元の天体に別の天体がぶつかって壊れ、破片が集まってできたと考えられている。探査機はやぶさ2が表面や地下の岩石のかけらを採取し、2020年12月に地球へ届けた。試料からは、生命に不可欠なタンパク質の材料となるアミノ酸や液体の水が見つかっている。

株主優待
上場企業が株主に対し、持ち株数に応じて特典を提供する制度。自社商品やサービスを贈ることが多く、優待を設けるか否かは企業が決める。最近は「持続可能な開発目標(SDGS)」推進の観点から、環境保護を目的とする寄付などが選べる場合もある。日本証券業協会の有識者研究会は4月、優待制度は企業の株主数の増加につながる効果があるとの報告書をまとめた。

インフラツーリズム
日常生活や経済活動を支えるインフラを観光資源として活用する取り組み。政府が2013年に定めた、観光立国実現に向けた行動計画で提唱した。国土交通省は16年、各地のインフラツアーを紹介するポータルサイトを開設。18年には有識者懇談会を設け、既に取り組みを進める地域の中からモデル地区を選び、魅力を倍増する社会実験を実施してきた。十勝岳ジオパークとの連携を打ち出した北海道美瑛町の観光名所「青い池」などが選ばれている。

安保関連3文書
 政府が2022年12月に閣議決定した文書。防衛力整備計画のほか、国家安全保障戦略、国家防衛戦略がある。対象期間はいずれも10年。安保戦略は外交・安保政策の基本指針で、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を初めて明記。防衛戦略は目標と達成に向けた手段を包括的に示し、長射程ミサイルや無人機の活用、輸送力や戦闘継続能力の強化を掲げた。整備計画は主要装備品や経費が記され、23~27年度の5年間に必要な防衛費を43兆円程度とした。
人口推計
政府の基幹統計の一つで、5年に1度の国勢調査を基に、出生数や死亡数、出入国者数の増減などから人口を算出する。国勢調査がない期間の人口推移の把握が目的。毎月1日時点は全国の人口、毎年10月1日時点は都道府県別を含む詳細なデータをまとめる。「こどもの日」や「敬老の日」には、特別に子どもや高齢者の数を集計している。

トランプ関税
トランプ米政権が、貿易赤字の削減や製造業の工場誘致などを目的に輸入品に追加でかける関税。第1次政権時から他国の譲歩を引き出す交渉手段として多用した。第2次政権では3~4月に鉄鋼やアルミニウム、自動車への関税を引き上げ、4月5日には相互関税の第1弾として大半の国・地域を対象に一律10%を発動。同月9日には米国の貿易赤字額に応じ約60の国・地域に税率を上乗せした。日本は計24%となったが、直後に上乗せ分を90日間停止した。

ラプソード
投球や打球のデータを計測する機器。投球では1分当たりの回転数や軸の傾き具合、捕手までの軌道、打球では速度や角度、飛距離などが測定できる。効率的な投球や打撃のフォーム習得、けが防止に役立つとされる。米大リーグや日本のプロ野球で活用されている。

大規模言語モデル(LLM)
生成人工知能(AI)を活用したさまざまなサービスの基盤となる技術。英語の「Large Language Model」の頭文字を取った。膨大なテキストデータを学習し、ある単語に続く次の単語の確率を予測することで、人間が書くような自然な文章の作成や質問への回答を行う。米オープンAIの「チャットGPT」に使われる「GPT」シリーズなどが有名。

政府備蓄米
著しい不作などに備え国が保有するコメ。1993年の大凶作をきっかけに95年から制度化した。適正な備蓄量は約100万トンとされる。毎年20万鷁程度を買い入れて5年ほど保管し、古くなると飼料用などに販売する。農林水産省は25年1月、運営指針を変更し、円滑な流通に支障がある場合でも放出できるようにした。計31万2千トンの放出が決まっている。

障害年金
病気やけがで障害があり、条件を満たせば現役世代でも受け取れる公的年金。障害基礎年金と障害厚生年金の2種類がある。障害の重い順に1~3級に分かれ、支給額は基礎年金の1級で月約8万6千円、2級で約6万9千円。「基礎」の場合は3級と判定されると支給されない。2023年度の受給者は約242万人で、年間の支給総額は約2兆3千億円。障害者手帳とは別の制度で、市区町村役場などで申請し、日本年金機構の判定医が支給の可否や等級を審査する。

ミニ統一地方選
2027年春に21回目を迎える統一地方選に規模では及ばないが、4年に1度、首長、地方議員の選挙が4月に相次ぐ事象。「平成の大合併」を促した特例法の期限が05年3月末だったため、新自治体発足に伴い、翌4月の市長選は無投票を含めて73に上った。以来、4年の任期に合わせて選挙の時期が重なり、09、13、17、21年も集中した。25年は6回目で、予定された秋田県知事選と73市長選のうち秋田県知事選と54市長選が選挙戦となった。19市は無投票だった。

発達障害
対人コミュニケーションが苦手な「自閉スペクトラム症(ASD)」、衝動的な行動などがある「注意欠如多動症(ADHD)」、読み書きや計算が困難な「学習障害(LD)」などの総称。生まれつきの脳機能の障害とされる。言葉の遅れなど、親が子どもの発達に違和感を覚えたり、乳幼児健診で指摘されたりして判明することが多い。生きづらさを抱え、大人になってから診断されるケースも増えている。人によって障害の程度はさまざまで。一人一人の特性に応じた配慮や支援が重要となる。

事業継続計画(BCP)
自然災害やテロなどの不測の事態に備え、企業が損害を最小限に抑えながら事業を続け、早期復旧させるための手順をまとめた計画。従業員の安否確認や被害を受けた工場に代わる生産場所の確保、緊急の調達先や輸送路などを事前に定める。日本では東日本大震災を機に導入例が増えたが、ノウハウや資金力が乏しい企業では導入が進んでいない。

航空自衛隊の戦闘機
航空自衛隊は現在、F15、F2、F35の3種類の戦闘機を保有している。政府はこのうち、F2の退役・減勢が始まる2035年ごろから次期戦闘機の導入を開始する必要があるとして、22年に英国、イタリアと共同開発に合意した。開発計画は「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」と呼ばれる。日本政府は24年3月、次期戦闘機の第三国輸出の解禁方針を閣議決定した。資金力があるサウジアラビアが計画への参画を模索しているが、紛争に関与する可能性や、セキュリティ対策を懸念する声がある。

不適切点呼問題
日本郵便近畿支社管内の郵便局で、郵便物を配送する運転手の飲酒の有無を確かめる点呼が適切に行われていなかったことをきっかけに問題が発覚した。日本郵便は25年4月23日、集配業務を担う全国3188局のうち2391局で点呼が不適切だったとの調査結果を明らかにした。点呼は貨物自動車運送事業法で定められており、違反が確認されれば、一定期間の車両の使用停止といった行政処分の可能性もある。

地域おこし協力隊
都市部から過疎や高齢化が進む地域への移住を促すため、総務省が2009年度に始めた制度。隊員は地方自治体が1~3年の任期で採用し、特産品のPRや農林水産業の活性化などに当たる。国は自治体に対し、隊員の報酬や活動費など1人年550万円を上限に支援する。国は26年度までに隊員を1万人に増やす目標を掲げている。

相乗り出品
複数の出品者の販売する商品が、同一であることを基準として同じページに集約される方式。業者ごとにページが構成される他の通販サイトと異なり、アマゾンの大きな特徴の一つとされる。出品の手間の軽減や、価格競争の促進といったメリットがあるとされる一方、偽造品などで商品のブランド価値が傷つけられるデメリットが生じるとの指摘も出ている。

ブロッキング
通信事業者が、利用者に対して特定のウェブサイトなどの閲覧ができないように接続を遮断すること。妨げるという意味の英語「block(ブロック)」が語源。似たような措置であるフィルタリングと違い、利用者の同意を得ず強制的に実行される。利用者が接続しようとしている情報を、事業者側か全て把握する必要があるため、憲法で保障される通信の秘密の侵害に当たる劇薬ともされる。

ミニマムアクセス(最低輸入量)
世界貿易機関(WTO)の協定に基づき、政府が最低限輸入するコメの数量枠。受け入れが始まった1995年度の数量は約43万トンで、2000年度以降は77万トン程度で推移している。農林水産省はうち最大10万鷁程度を主食用として売り出すことを基本指針に明記。残りは加工用や飼料用などとして販売している。

法13条
全ての国民が個人として尊重され、幸せを追求する「幸福追求権」を保障するとした規定。憲法の三大原則の一つ「基本的人権の尊重」の基礎を構成する。自己決定権やプライバシーの権利といった、憲法の条文に明記されない「新しい人権」を導く根拠となってきた。過去には、最高裁が2023年、戸籍上の性別を変えるのに生殖能力を失わせる手術を事実上求める性同一性障一-特例法の規定を、この条文に基づいて違憲・無効とした。

再審
刑事裁判で有罪が確定した判決に重大な誤りがあった場合に、裁判をやり直すこと。刑事訴訟法は①確定判決の証拠に偽造が判明②虚偽の証言が発覚③無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見などを開始要件とする。有罪とされた本人や法定代理人らが、判決を言い渡した裁判所に請求し、開始決定が出ると開かれる。手続きに関する具体的な規定がなく、進行は裁判所の運用に委ねられている。

ローマ教皇
キリスト教の最大教派で世界に13億人超の信者を抱えるローマ・カトリック教会の頂点に立つ指導者。地上でのキリストの代理人と位置付けられており、初代教皇はキリスト12使徒の筆頭ペトロとされる。教皇フランシスコは266代目だった。カトリックの総本山バチカン市国の元首として立法、行政、司法の全権を行使し、教会の中央最高機関であるローマ教皇庁を統治する。バチカン市国は世界最小の独立国で、イタリアの首都ローマ内に位置する。

農地バンク
作物を長期栽培していない耕作放棄地や点在する農地を借り受け、大規模経営を目指す農家や企業に貸し出す組織。正式名称は農地中間管理機構。都道府県の農業公社などが指定を受けて業務を担っている。非農家による農地相続や農業をやめる人の増加に伴い、利用が伸びている。政府が農業強化策の目玉として打ち出し、2014年に業務を始めた。農地の貸し手は固定資産税の軽減などの優遇を受けられる。

PFAS
人工的に作られた有機フツ素化合物で、ペルフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物の総称。1万種類以上あるとされる。耐熱や水、油をはじく特性から布製品や食品包装のほか、航空機用の泡消火剤などに使われてきた。分解しにくく、かつ環境に蓄積しやすい性質がある。国は有害な化学物質を規制する「ストックホルム条約」に基づき、代表物質であるPFOSやPFOAの輸入や製造を原則禁止とした。その後、代替物質のPFHxSも対象に追加した。

フィッシング詐欺
実在する金融機関や携帯電話会社、宅配業者などを装いメールやショートメッセージを送って本物と似た偽のウェブサイトに誘導し、入力させた利用者IDやパスワード、クレジットカード番号などを盗む行為。盗んだ情報を使って株を不正に取引したり、インターネットバンキングの預金を奪ったりする。警察庁が注意を呼びかけている。

公益通報制度
雪印食品の牛肉偽装事件や東京電力の原発トラブル隠しが内部告発で発覚したのを機に重要性が認識され、公益通報者保護法が2006年4月に施行された。通報先は内部、外部、行政機関のいずれかになる。内部通報者に対する解雇や減給など不利な取り扱いは禁止されている。

パーキンソン病
脳の情報伝達を担うドーパミンを出す神経細胞が減ることにより、手足の震えや運動機能低下のほか、睡眠障害などの症状が出る病気。匣生労働省の指定難病で、同省によると国内の患者苡は2023年時点で約25万人。主に50歳以上で発症、高齢になるほど多くなるため、高齢化の進展により世界的な患者数の増加が懸念されている。主な治療法は、減少したドーパミンを補う薬物療法だが、病気が進行すると効きにくくなるとされる。

オンライン初診
厚生労働省は「オンライン診療の適切な実施に関する指針」で、初診はかかりつけ医による実施を原則としている。初診とは、継続的に診療している患者を別の新たな症状で診療するケースや、治療が長期間中断した後に再診療するケースも含む。ただ、患者の医学的情報を事前に十分把握できる場合などは、かかりつけ医以外による初診も可能としている。

在日米軍駐留経費
在日米軍の駐留に必要な経費。このうち日本は基地周辺対策費や施設の借料を負担。日米地位協定に照らせば米側が支出すべき費用も、日本が一部肩代わりしている。肩代わり部分は「思いやり予算」と呼ばれ、1978年度に始まった。当初は地位協定の範囲内で、基地従業員の福利費などを負担。 87年度以降は日米の特別協定に基づき、日本が従業員の給与や光熱費、訓練移転費を支出している。

年金制度改革
将来の推計人口や雇用・経済動向を踏まえ、おおむね5年に1度実施される年金制度の見直し。厚生労働省が公的年金の長期的な給付水準を試算し、年金財政の健全性を点検する「財政検証」の結果を参考にする。2024年の検証結果を踏まえ、厚労省は①基礎年金底上げ②厚生年金への加入拡大③働く高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」見直し④高所得の会社員らが支払う厚生年金保険料の上限引き上げなどの改革が必要としていた。

糖尿病
血液中のブドウ糖を一定に保つホルモンのインスリンが十分働かず、血糖値が高くなる病気。放置すると血管が傷つき、心臓病や失明などの合併症を引き起こす。1型糖尿病は、免疫反応の異常が原因と考えられ、子どもの頃の発症が多いとされる。2型糖尿病は、遺伝のほか、運動不足、肥満といった生活習慣が影響して、インスリンが出にくくなったり、働きにくくなったりする。

韓国の内乱罪
韓国の領土で国家権力の排除、または憲法秩序を乱す目的で暴動を起こした場合、酋ヨ課者は死刑や無期懲役、無期禁錮の刑罰が科される。共謀したり重要任務に従事したりした際も死刑や無期懲役、または5年以上の懲役などに処される。全斗煥(チョン・ドウファン)、盧泰愚(ノ・テウ)両元大統領は退任後に反乱・内乱罪などに問われ、全氏は無期懲役、盧氏は懲役17年が確定。いずれもその後、恩赦となった。現職大統領として内乱首謀容疑で逮捕、起訴されたのは尹錫悦被告が初めて。

万博
博覧会国際事務局(BIE)が条約に基づき承認した国際博覧会で、万国博覧会(万博)と呼ばれる。1970年大阪万博は「太陽の塔」が会場のシンボルで、米宇宙船アポロが持ち帰った「月の石」や、「人間洗濯機」が人気を博した。2005年愛知万博はシベリアの永久凍土から出土した「冷凍マンモス」に長蛇の列ができた。このほか、規模の小さい「認定博覧会」と呼ばれる万博は75年沖縄海洋博、85年つくば科学博、90年花の万博(大阪)の3回開かれた。

減反(生産調整)政策
1971年から本格的に始まった。農林水産省が毎年秋に翌年産の生産数量目標を決め、都道府県ごとに配分。市町村や農業団体の協議でさらに細分化し、生産者に示した。安倍晋三内閣が2018年からの減反廃止を宣言した後も、コメの作付面積を毎年減らす政策は続く。交付金を出して麦や大豆、飼料用米などへの転作を促す仕組み。国は25年度予算に2870億円を計上した。

イラン核合意
イランの核兵器保有を防ぐため、米英仏独中口とイランが2015年に結んだ合意。イランが核開発を制限する代わりに、欧米が制裁を解除する内容。第1次トランプ米政権は18年、合意を離脱し制裁を再発動。イランは対抗して核開発を拡大した。ハイテン前政権はイランとの間接協議を21年に開始したが停滞。第2次トランプ政権は2025年2月、イランに「最大限の圧力」をかける政策を復活させた。

通信の秘密
個人のプライバシーや自由を守るため、手紙や電話、電子メールといった通信の内容、相手などを第三者や公権力に知られない権利。憲法21条2項は検閲の禁止に加え「通信の秘密は、これを侵してはならない」と規定する。インターネット空間では電気通信事業法により、事業者は業務上知り得た他人の秘密を守らねばならないと定められている。一方で、憲法が規定する「公共の福祉」のため、やむを得ない限度で一定の制約を受ける場合があるとされる。

企業・団体献金と個人献金
 企業・団体献金は企業や労働組合からの政治献金、個人献金は個人による献金。癒着を防ぐため、企業・団体は、政党のために資金を援助することを目的として政党が指定する「政治資金団体」や政党以外への献金は禁止されている。政治家や公職の候補者が政治資金を取り扱う目的で一つだけ指定できる「資金管理団体」などに献金はできない。個人の立場であれば資金管理団体や後援会へ献金できる。
雇用保険法
 失業対策や職業訓練のため国が運営する社会保険。失業者が次の仕事に就くまでの生活費などを出す失業給付や、子育てのために仕事を休むと支払われる育児休業給付などがある。1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることが加入要件。失業給付の受給には、原則として、離職日以前の2年間に被保険者期間が通算12ヵ月以上あることも必要となる。
身寄りのない高齢者
 配偶者や子ども、頼れる親族らがいない高齢者。高齢化の進展や1人暮らしの増加、親族関係の希薄化で増加が見込まれる。介護施設や病院に入る際に必要な身元保証人や、死亡後の遺体や遺品の引き取り手がいないとの課題がある。日本総合研究所の試算によると、配偶者や子ども、3親等以内の親族がいない65歳以上は2050年に448万人に上り、24年の1.5倍となる。
韓国の憲法裁判所
 1988年創設。憲法違反に関する判断や弾劾審判、政党解散の審判などを行う。韓国は日本と同じ三審制だが、憲法裁はこれとは別に位置する。裁判官は任期6年の9人で、大統領と国会、最高裁長官がそれぞれ3人ずつ選ぶ。現在は国会が選ぶ1人が空席で8人態勢。韓国メディアによると、8人の政治スタンスは2人が保守、3人が革新で、残り3人は中道とみられている。弾劾決定には6人以上の賛成が必要となる。

障害者差別解消法
障害の有無を問わず、分け隔てなく暮らせる社会の実現を目指し、2016年に施行された。障害を理由とした不当な差別を禁止し、障害者の申し出に応じて過重な負担にならない範囲で生活上の困り事や障壁を取り除く「合理的配慮」の提供を国や自治体に義務付けた。民間事業者は努力義務だったが、24年4月に義務化された。事業者の違反に直ちに罰則が科されることはないが、改善が困難な場合、国は報告を求めることができ、助言や指導、勧告の対象になる。

再審
刑事裁判で有罪が確定した判決に重大な誤りがあった場合に、裁判のやり直しをすること。刑事訴訟法は①確定判決の証拠に偽造が判明②虚偽の証言が発覚③無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見―などを開始要件とする。有罪とされた本人や法定代理人らが、判決を言い渡した裁判所に請求し、開始決定が出ると開かれる。請求回数に制限はない。’請求審も含めて進め方など具体的な手続きが定められておらず、運用は裁判所に委ねられている。

アーベル賞
数学分野で優れた業績を上げた研究者に対し、ノルウェー科学文学アカデミーが授与する賞。ノルウェーの数学者ニールス・アーベル(1802~29年)の名前が由来で「数学のノーベル賞」とも称される。 2002年にアーベルの生誕200年を記念して創設された。世界の主要な数学者で構成されたアーベル委員会の推薦に基づいて受賞者を選考し、03年から毎年贈られている。受賞者には難問の「フェルマーの最終定理」を証明したアンドリュー・ワイルスらがいる。

高次脳機能障害
交通事故の外傷や脳卒甲などで脳が損傷し、記憶力や注意力に障害が出る状態。感情のコントロールも難しくなる。会話や読み書きの言語機能が低下して周囲とのコミュニケーションに支障が出る 「失語症」もその一種。認知症は含まれない。さまざまな症状があり、適切なリハビリで改善が見込める。

使用済み核燃料対策工程表
関西電力が福井県内の原発構内にたまり続けている使用済み核燃料を県外へ着実に搬出するとして、2023年10月に打ち出した。日本原燃の再処理工場(青森県六ヶ所村)卜と再処理実証研究名目でフランスへ搬出する。 30年ごろには県外の中間貯蔵施設の操業を開始するとし、犬速やかな搬出に向けて構内の乾式貯蔵施設の検討も盛り込んだ。 25年2月に再提示した工程表では、フランスへの搬出を上積みするなどした。福井県内3原発の燃料プールは容量が逼迫(ひっぱく)し、いずれも3~5年程度で満杯になる可能性がある。

韓国の首相
正式名称は「国務総理」で、大統領が国会の同意を得て任命する。大統領を補佐し、行政に関して大統領の命を受けて各省を統括する。憲法には現役軍人は就けないとの規定もある。大統領が職務を遂行できなくなった場合、最初に権限を代行するが、首脳外交や大きな政治判断を下すのには限界があるとの指摘がある。韓悳洙氏は経済閣僚出身で、保守系の尹錫悦政権が発足した2022年から首相を務める。革新系の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権でも首相を務めた。

ガソリン税の暫定税率
ガソリン税は本来1リットル当たり28円70銭だが「当分の間」の措置として25円10銭が上乗せされ、計53円80銭が課税されている。1974年に道路整備の財源に充てるために始まり、その後も財政事情の厳しさなどを背景に維持されている。軽油にも同様の制度がある。年間の税収は国税が約1兆円、地方税が約5千億円。自民、公明、国民民主3党は廃止すること自体では合意しているものの、時期については折り合いがついていない。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)
故・文鮮明(ムン・ソンミョン)が1954年に韓国で創設した宗教団体。2015年に「世界基督教統一神霊協会」(統一教会)から名称変更した。22年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で逮捕された山上徹也被告が教団への恨みを供述し、教団と自民党の接点が次々と判明した。

日台関係
1972年に断交した後も、実務的な窓口機関を設けて維持してきた関係。日本は中華人民共和国を「中国の唯十の合法政府」と認め、台湾を自国領とする中国の立場を「十分理解し、尊重」するとした。中国は台湾を武力統」する可能性を排除しておらず、日本は台湾有事が自国の安全保障に与える影響を懸念している。外交関係がないためI超党派の議員連盟「日華議員懇談会」がパイプ役を担う。自民党は青年局が台湾との交流窓口になっている。

自治体の基金
都道府県や市区町村は条例を定め、特定の目的のための資金を積み立てている。災害や税収減に備えた「財政調整基金」、借金を計画的に返済するための「減債基金」などがある。個別の公共施設整備に備え、基金を創設することもある。地方自治法は基金を「確実かつ効率的に運用しなければならない」と定めており、自治体、は定期預金や債券などで運用している。

水道事業
取水施設で川から水を引き込み、浄水場できれいにした後、配水池から水道管を通して蛇口に届ける。国土交通省によると水道管の総延長は2022年3月末で74万kmに及び、標準的な耐用年数の40年を超えるのは22%の17万km。現在の更新率は1%未満と低く、全てを更新するためには約150年かかる見通し。水道事業に関わる21年3月末の職員数は約4万7千人で、ピークから37%減少している。

セブン買収攻防
日本を代表する巨大流通企業、セブン&アイーホールディングスヘの買収提案を巡る攻防。セブンは2024年8月、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたと発表した。セブン創業家が対抗策として、自社買収(MBO)による株式の非上場化を目指したが巨額資金の調達にめどが立たず、断念。セブンは買収協議を継続するとしつつ、自社単独での経営維持方針を鮮明化させている。

UAゼンセン
連合傘下で最大の産業別労働組合。化学や流通、サービスなど幅広い業種が加盟する。正式名称は全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟。Uは英語の労働組合「union」の頭文字。Aは同盟「a11・lance」と包括的「all-round」の意味を込めた。ゼンセンは前身である全国繊維産業労働組合同盟の略称。2千超の組合が加盟し、組合員数は約190万人。パートタイマーなど非正規や女性の組合員、中小企業の割合が高いことが特徴。

大阪・関西万博
大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で4月13日~10月13日に開かれる国際博覧会。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、自治体や民間企業の他、153力国・地域と7の国際機関がパビリオンを出展する。1周約kmの大屋根リングが会場のシンボル。期間中の来場者は約2820万人と見込まれている。国際博覧会条約に基づきおおむね5年ごとに開催される登録博覧会の日本開催は1970年の大阪、2005年の愛知に続き3回目。

国民スポーツ大会
戦後のスポーツ振興を目的に「国民体育大会」として1946年に京都や大阪などを中心に第1回大会が開かれた。冬季大会と秋の本大会があり、本大会は原則各都道府県の持ち回りで開催。日本スポーツ協会、文部科学省、開催自治体で共催する。都道府県対抗方式で男女総合優勝には天皇杯が授与される。2024年に 「国民スポーツ大会」に名称を変更。25年は滋賀県で本大会が開かれ、37の正式競技と、特別競技の高校野球、七つの公開競技を実施する。

ロシアのウクライナ侵攻
ロシアは2022年2月24日、隣国ウクライナのゼレンスキー政権がロシア系住民を迫害していると主張して軍事侵攻を開始した。首都キーウの早期攻略に失敗し、米欧から軍事、経済支援を受けたウクライナ軍が反撃に転じたが、ウクライナは国土の約2割を占領されている。ウクライナ軍も24年8月、ロシア西部クルスク州への越境攻撃を開始。24年秋に北朝鮮がロシアヘ兵士1万入超を派遣し、ロシア軍部隊と共にクルスク州でウクライナ軍と交戦した。

選択的夫婦別姓
夫婦が望めば、結婚後もそれぞれの結婚前の姓を使うことを認める制度。民法は、婚姻時に夫か妻どちらかの姓にするよう規定し、別姓を認めていない。法務省は、法的に夫婦同姓を義務付けているのは「把握している限り日本だけ」としている。妻が夫の姓に改めるケースが大半とされ、自己喪失感や、旧姓で重ねた仕事のキャリアヘの影響が課題とされている。衆院法務委員長のポストを得た立憲民主党など野党は選択制導入法案の提出を模索。自民党は高市早苗前経済安全保障担当相ら保守系議員を中心に慎重意見が根強く、意見集約が難航している。

地下鉄サリン事件
1995年3月20日午前8時ごろ、中央省庁が集まる営団地下鉄(現東京メトロ)霞ヶ関駅を通る3路線5車両に猛毒のサリンがまかれた。2020年に闘病の末亡くなった女性を含め14人が死亡、6千人以上が重軽症を負った。確定判決は、オウム真理教の教組松本智津夫元死刑囚が、間近に迫った警察の強制捜査を阻止するために企てたと認定した。

偽報情
人を混乱させるため意図的に作られた虚偽の情報。インターネットや交流サイト(SNS)で一気に拡散され、影響力を強めるケースが目立っている。生成人工知能(AI)の登場で一段と巧妙化するリスクがあり、2024年11月の兵庫県知事選では選挙結果を左右したとも指摘された。誹謗(ひぼう)中傷といった人権を侵害する情報に関しては、事業者の迅速な対応を法律で義務付けるなど、政府が中心となって対策を進めている。

年収103万円の壁
年収103万円までは所得税がかからず、それを超えて働いた場合に所得税が生じることを「壁」に例えた表現。アルバイトやパート従業員らが税負担を避けるために勤務時間を抑制するケースが生じ、人手不足を助長しているとの指摘がある。 103万円を超えた場合、差額分が課税対象となる。国民民主党は昨年の衆院選で。178万円への引き上げを掲げた。

日本国内でのギャンブル
刑法では賭博は禁止されているが、特別法の下で競馬、競輪、ボートレース、オートレースといった公営ギャンブルに加えスポーツ振興くじ、宝くじが認められている。社会問題となっているオンラインカジノは主に海外の事業者が運営。日本国外で適法に運用されていれば事業者側は日本の刑法で摘発できないが、国内から利用すると賭博罪に該当する場合がある。有名人が広告塔に起用されていたり、スマートフォンで気軽に利用できることから違法性への認識不足が目立っており、警察も取り締まりを強化している。

日本海溝・千島海溝地震
東北沖から北海道・日高沖に続く日本海溝と、十勝沖から千島列島沖にかけての千島海溝周辺で発生する地震。歴史上、マグニチュード(M)7~8級の地震が繰り返し起きている。2021年の国の想定では、冬の深夜にM9級が発生した場合、死者は日本海溝地震で約19万9千人、千島海溝地震で約10万人。避難者は日本海溝地震で最大約90万人に達する。低体温症で死亡リスクが高まる人は日本海溝で約4万2千人、千島海溝で約2万2千人と想定される。

企業や団体献金
企業や労働組合からの献金。政治家個人への献金は禁止されたが、議員が代表を務める政党支部への献金は認められており「抜け道」と批判されている。国会議員が関係する政党支部の2023年分政治資金収支報告書の集計では、企業・団体献金の総額は18億円超で、このうち自民党の支部は計17億円超と突出。禁止を求める野党に対し、自民は「表現の自由」を保障する憲法21条などを根拠に維持を主張。石破茂首相も24年末の記者会見で「禁止よりも公開だ」と強調した。自民は25年1月、企業・団体献金の透明性向上を目的とした政治資金規正法改正案を国会に提出した。

兵庫知事告発文書問題
県西播磨県民局長だった男性が2024年3月、斎藤元彦知事のパワハラや企業からの贈答品受領など疑惑7項目の告発文書を作り関係者らに配った。県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査で誹謗(ひぼう)中傷と認定し、24年5月に停職3ヵ月とした。これに対し調査の中立性を疑う声が噴出し県議会が百条委員会を設置したが、男性は死亡。斎藤氏は9月議会で不信任決議を受け自動失職し、11月の知事選で再選された。百条委委員の一人が中傷被害を理由に辞職し、25年1月に死亡。同月27日に百条委の調査報告書の素案が委員に示された。

取り調べの可視化
自白の強要などの違法な取り調べを防ぎ、主に裁判で供述の任意性を立証するために取り調べ状況を映像と音声で記録すること。検察では、2009年の裁判員裁判開始を前に06年から一部で導入され、その後は運用で対象が拡大した。19年施行の改正刑事訴訟法は、逮捕または勾留された容疑者に対する取り調べの全過程可視化を義務付けたが、対象は一部事件のみで、任意捜査段階も含まなかった。

貸金庫の窃盗問題
三菱UFJ銀行の行員が、貸金庫から多額の顧客の金品を盗んでいたことが2024年10月に発覚した。行員は予備の鍵を不正に利用して金庫を開けており、金融庁は貸金庫ビジネスの在り方を検討する方針を示している。貸金庫は顧客しか中身を知らないため、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪の温床になりかねないとの指摘もある。

下請法
代金の支払い遅れなどの「下請けいじめ」を防ぎ、発注側と受注側の取引の適正化を図る法律。正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」。著しく低い価格を設定したり、コストが上がっているのに取引価格を据え置いたりする「買いたたき」や、下請け業者側に責任がない支払代金の減額、納入品の受領拒否、返品なども禁止している。

高校授業料無償化
高校教育に関わる家庭の経済的負担軽減を図る目的で、授業料に充てるための就学支援金を国が支給し、無償化する制度。世帯年収が910万円未満であれば年11万8800円か支給され、公立は実質無償化となっている。私立は世帯年収が590万円未満は支援金が加算され、年39万6千円を上限に支給される。日本維新の会は、私立では授業料と施設使用料などを合わせ60万円程度かかるとして、支援金の引き上げを訴えてきた。自治体は国の制度に加えて独自に支援を上乗せできるため、自治体の財政力によって教育の機会に格差が生じると指摘されてきた。一方で無償化が進めば私立に生徒が集中し、公立高離れが進むのではないかとの懸念がある。

洋上風力発電
海上に設置した巨大な風車で発電する方式。電気は海底ケーブルを使って陸上に送る。風車の土台を海底に固定する「着床式」が世界の主流。日本は遠浅の海が少なく設置場所が限られるため、風車を海に浮かべて発電する「浮体式」の普及が期待されている。政府は開発の促進区域に加え、有望区域と準備区域を指定している。

2馬力選挙
本人ではなく、他候補の当選を目的に選挙に立候補することを指す。24年111月の兵庫県知事選で、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志が、斎藤元彦を応援する目的で立候補した経緯がある。兵庫県選挙管理委員会は25年1月、こうした行為を禁止し、適正な選挙を実施するための法整備を求める要望書を総務省に提出。石破茂首相は25月4日の衆院予算委員会で「どう考えてもおかしい」と述べ、法改正の必要性に言及した。

PPA
英語で電力購入契約を意味する「PowerPurchaseAgreement」の略。PPA事業者は、顧客の工場や住宅の屋根などに太陽光発電設備を無償で設置する。発電した電気を顧客に直接販売し、料金を受け取る。国内では2017年ごろから事業所向けを中心に広がってきた。

高額療養費制度
病気やけがの治療費の自己負担は原則1~3割だが、支払いが高くなった際に負担が重くなり過ぎないよう1ヵ月当たりの支払額を一定にとどめる仕組み。セーフティーネットの役割がある。上限額を超えた部分を公的医療保険から給付する。上限額を引き上げる政府方針に対し、長期の治療が必要ながん患者らの団体が凍結を要請し、引き上げに反対する約13万5千筆の署名を厚生労働省に提出した。

備蓄米の放出
著しい不作などの緊急時に備えて国が保有しているコメを市場に売り出すこと。1993年の大凶作「平成の米騒動」をきっかけに95年から制度化された。備蓄米は10年に1度の不怦が起きても対応できる量として、100万丱程度を適正な量に設定。全国の民間倉庫で保管している。毎年10万~20万鷁程度を買い入れ、5年ほどで入れ替えている。

サバイバー生存率
がんと診断された日を起点として、死亡することなく経過した日数ごとに、そこから一定期間生きられる確率を算出した条件付きの生存率。診断時の生存率と異なり、診断から早期で亡くなる患者のデータは含まないため、治療などを経て生存できた患者の、その後の傾向が把握できる。多くの場合、診断から経過するにつれてサバイバー生存率は改善する傾向がある。今回、治癒の目安とされる5年後の生存率を経過年ごとに算出した。

選択的夫婦別姓
夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれの結婚前の姓を使うことを認める制度。日本では導入されておらず、民法は婚姻時に夫か妻の姓を称するよう定めている。内閣府によると、2023年に婚姻届を提出した夫婦のうち94.5%が夫の姓を選択した。経団連は24年6月、制度の早期実現を求める提言を発表。国連の女性差別撤廃委員会は同10月、日本政府に制度導入を勧告した。立憲民主党は他の野党と共に導入法案を今国会に提出予定で、公明党も導入に賛成している。

岸田前首相襲撃事件
2023年4月15日、和歌山市の雑賀畸漁港で選挙応援に訪れた岸田文雄前首相の演説会場にパイプ爆弾が投げ込まれ爆発。岸田氏は無事だったが警察官と聴衆の計2人が軽傷を負った。和歌山県警は威力業務妨害容疑で無職木村隆二被告(25)を現行犯逮捕。被告は黙秘し、和歌山地検は鑑定留置を経て9月に殺人未遂罪などで起訴した。被告は被選挙権の年齢制限を巡り国に損害賠償を求め提訴したが一審神戸地裁、二審大阪高裁で敗訴し、その後確定した。

三菱UFJ銀行での貸金庫窃盗事件
三菱UFJ銀は、東京都内の2支店で貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んだとして、貸金庫の管理者だった行員を2024年11月に懲戒解雇した。警視庁は2025年1月14日と2月4日、いずれも金塊を盗んだとして元行員を窃盗の疑いで逮捕した。警視庁は24年10月までの4年半に60人以上が被害に遭い、
総額は現金で10億円以上、金塊で7億円相当以上とみて調べている。
高額療養費制度
高額な治療を受けた患者の自己負担が重くなり過ぎないよう1ヵ月当たりの支払いを一定に抑える仕組み。上限額を超えた部分を公的医療保険から給付する。上限額の引き上げは、医療費が膨らむ中、患者の支払いを増やして医療保険財政を安定させ、現役世代などの保険料負担を軽減する狙いがある。全国がん患者団体連合会のアンケートでは患者ら約3600人が治療継続が困難になるなどと訴えている。
経口中絶薬
人工妊娠中絶のための飲み薬。1988年にフランスで初めて認可され、世界保健機関(WHO)は安全だとして推奨している。少なくとも80以上の国・地域で普及しているという。厚生労働省は2023年4月28日、英製薬会社ラインファーマが開発した経口中絶薬「メフィーゴパック」を日本で初めて承認した。妊娠継続に必要なホルモンの働きを抑える「ミフェプリストン」を投与し、36~48時間後に子宮収縮を促す「ミソプロストール」を服用する。使用は入院可能な医療機関に限定されており、ミソプロストールを飲んだ後は医療機関から16km以内などの条件を満たせば帰宅できる。

相互関税
貿易相手国がある品目に課している関税率が、自国がその相手国から輸入する際に同じ品目にかける関税より高い場合に、貿易不均衡の是正を図るため、相手国と同等の税率を課すこと。数量制限や認証基準の厳格化、課徴金といった非関税障壁で輸出に負担が生じている場合も、同等の関税を課す。トランプ米大統領は、相互関税をかけるための法整備を昨年の大統領選の公約の一つに掲げていた。

再審
刑事裁判で有罪を言い渡した確定判決に重大な誤りがあった時にやり直される裁判。刑事訴訟法は①確定判決の証拠に偽造が判明②無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見-などを要件とする。請求は有罪とされた本人や法定代理人のほか、本人が死亡または心神喪失の場合には配偶者や親族、きょうだいも可能。判決を言い渡した裁判所に請求し、開始決定が出ると開かれる。審理の進め方など具体的な手続きは定められておらず、運用は裁判所に委ねられている。

備蓄米
著しい不作など緊急時に備えて国が保有しているコメ。1993年の大凶作「平成の米騒動」をきっかけに95年から制度化した。適正な備蓄量は100万トン程度が目安で、近年は91万トンで推移している。全国の民間倉庫で5年ほど保管した後、飼料用などとして壓冗する。備蓄運営は政府の「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」に規定されている。

能動的サイバー防御
サイバー攻撃の被害防止へ、先手を打って相手側のサーバーに入り込み、無害化を図る対応。「アクティブーサイバー・ディフェンス」とも呼ばれる。2022年策定の国家安全保障戦略で、サイバー防御力を欧米主要国と同水準以上に高める必要があるとして導入方針が明記された。政府有識者会議は2024年11月に法制化の提言をまとめた。政府は通常国会に法案を提出、本会議や委員会の質疑に首相が出席する「重要広範議案」として審議される見通し。

水田活用の直接支払交付金
主食用米の需要が年10万トンペースで減少する中、麦や大豆、飼料用米などへの転作を促す交付金。麦や大豆、飼料作物を栽培した場合には10町当たり3万5千円、加工用米には2万円を支援。手厚い助成で転換しやすい環境を整えている。地域の特色を生かした産地づくりや、低コスト生産の取り組みなども支援している。2025年度予算案には2870億円を計上した。

トランプ関税
トランプ米大統領が米国第一主義に鬲つき、国内産業の保護や他国に要求をのませる武器として輸入品に課す関税。第1次政権では、不公正貿易への一方的な制裁を認めた米通商法301条に基づく追加関税を中国に発動。鉄鋼やアルミニウムの大量輸入が安全保障を脅かすとして通商拡大法232条を根拠とする関税を各国に課した。

発達障害
対人コミュニケーションが苦手な「自閉スペクトラム症(ASD)」、衝動的な行動などがある「注意欠如多動症(ADHD)」、読み書きや計算が困難な「学習障害(LD)」などの総称。生まれつきの脳機能の障害とされる。言葉の遅れなど、親が子どもの発達に違和感を覚えたり、乳幼児健診で指摘されたりして判明することが多い。生きづらさを抱え、大人になってから診断されるケースも増えている。人によって障害の程度はさまざまで。一人一人の特性に応じた配慮や支援が重要となる。

セキュリティー・クリアランス
秘匿すべき国の情報へのアクセス権限を有資格者に限定する制度。英語で「Security Clearance」と表記し、「適性評価」を意味する。日本では防衛や外交など4分野を対象にした2014年施行の特定秘密保護法で導入されており、経済安全保障の重要情報にも範囲を広げる。保全する国家情報を指定した上で、身辺調査に基づいて対象者への資格付与を判断する。情報漏えいに罰則を科す枠組みにより情報管理を徹底する。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
1948年のイスラエル建国に伴い、土地を追われたパレスチナ難民とその子孫を支援する国連機関。 50年に活動を開始した。ヨルダン、シリア、レバノン、ヨルダン川西岸、ガザ地区に暮らす約590万人に医療や食料、教育、社会サービスを支援する。職員は計3万人近く、ガザはこのうち1万3千人。大半がパレスチナ人で、今回の戦闘で250人以上の職員が巻き込まれて死亡した。活動資金は任意拠出に依存しており、日本は長年の資金拠出国。

宇宙望遠鏡
宇宙空間に打ち上げられた天体望遠鏡。紫外線やエックス線など一部の波長の光は地球の大気に吸収されてしまうため地上から観測は難しいが、宇宙空間からなら観測できる。ロケットで打ち上げるため、大きさや重さには制限があり、予算も多額になる。米航空宇宙局(NASA)などが1990年に打ち上げた「ハッブル宇宙望遠鏡」や、2021年に打ち上げた「ジェームズーウェッブ宇宙望遠鏡」がある。

外国人材の受け入れ
発展途上国に技術を伝える国際貢献を目的に、技能実習制度が1993年に開始。2019年には、人手不足を補うために即戦力を受け入れる「特定技能」が創設された。技能実習は安価な労働力の確保手段として活用され、長時間労働やハラスメントが頻発。24年6月成立の改正入管難民法力、技能実習廃止と「育成就労」の新設が決まった。新制度は人材の確保と育成を目的とし、未熟練の労働者を原則3年で育てて、特定技能への移行を促す。

核のごみの最終処分
原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理の際に生じた廃液をガラスと混ぜ、固めたものを高レベル放射性廃棄物(核のごみ)という。強い放射線を出し続けるため、国は地下300mより深い岩盤に埋め、数万年以上、隔離する方針。最終処分場は文献調査、概要調査、精密調査の3段階を経て選ばれる。文献調査は2020年に北海道寿都町と神恵内(かもえない)村で、24年に佐賀県玄海町で始まったが、いずれも知事が次段階に進むことに反対姿勢を示している。

核兵器禁止条約
核兵器の開発や製造、使用、威嚇などを違法とする初の国際条約。前文で被爆者の苦しみや核兵器廃絶への努力に言及している。オーストリアやメキシコなど核兵器をメキシコなど核兵器を持たない国々が制定を主導し、2017年7月に国連で採択された。21年1月に発効し、これまで94力国・地域が署名、73力国。・地域が批准した。

備蓄米
災害や凶作などの緊急時に備えて国が保有しているコメ。1993年の大凶作をきっかけに95年から制度化した。放出については、農林水産省の審議会が民間在庫量や価格、消費動向を踏まえて決定する。適正な備蓄量を100万トン程度としており、近年は91万トンで推移している。5年間程度保有した後、飼料用などで販売して一部を入れ替える。

仮装身分捜査
捜査員が身分を偽り犯人と接触する捜査手法。交流サイト(SNS)を通じて闇バイトに応募し、身分証の提示を求められると架空の運転免許証などを示す。実行役として現場に集められる過程で他のメンバーを摘発するといったことが想定され、募集を抑止する効果も期待される。捜査員の側から犯罪を誘発して摘発する 「おとり捜査」とは異なる。捜査当局であっても架空の身分証を作ると罪に問われる恐れが否定できないと慎重な検討が続けられてきた。刑法に「法令または正当な業務による行為は罰しない」との規定があり、違法性は阻却されると判断された。

共同通信の誤報対応
共同通信社は2022年の終戦の日に自民党の生稲晃子参院議員が靖国神社を参拝したとの誤報を出した。これが影響して24栲11月に生稲外務政務官が政府代表を務めた世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」労働者追悼式に韓国が不参加を表明した。誤報は、神社で取材を分担し、情報を共有していた他社の記者の誤った目視情報をうのみにし、必要な確認を怠ったことが原因だった。共同通信は24年11月25日に訂正記事を出稿後、生稲氏や新潟県、同県佐渡市の関係者らに謝罪した。誤報原因に関する検証記事も配信した。12月には編集局幹部らを懲戒処分とし、再発防止策を公表した。

教科書
各教科を学ぶための主要な教材で、最低限の学習内容を定めた学習指導要領に基づいて作成される。学校教育法で使用が義務づけられており、義務教育段階の児童生徒には無償で配布される。教科書会社が編集した教科書は、文部科学相の諮問機関である教科書検定審議会が原稿段階で検定し、学習指導要領に則しているかなどを審査する。教育委員会は、検定に合格した中から学校で使用する教科書を採択する。おおむね4年ごとに編集、検定、採択のサイクルを繰り返す。

米大統領令
米大統領が立法手続きを経ずに連邦政府機関や軍に出す命令。法律と同等の効力を持ち、迅速に政策を進められる利点がある。議会が発効を禁じる法律を制定したり、最高裁が違憲だと判断したりすれば効力を失う。予算措置が絡む場合は議会の協力が必要。リンカーン大統領の奴隷解放宣言や、ルーズベルト大統領による日系人強制収容も大統領令に基づいた。大統領の行政措置はほかに、官報掲載の必要がない大統領覚書や拘束力がない布告がある。

ACジャパン
メディアを通じて社会問題や環境問題などの啓発活動をする公益社団法人。1971年に当時サントリー社長だった故佐治敬三氏が提唱者となって大阪で関西公共広告機構として発足し、74年に公共広告機構と改称され全国組織となった。2009年に現在の名称に変更した。公的資金は受けず、民間企業と個人の会員からの会費で運営している。

韓国の拘束と逮捕
韓国の刑事訴訟法によると、捜査機関は罪を犯した疑いのある容疑者が逮捕前の任意の出頭要請に応じなかった場合などに、48時間身柄を 「拘束」することができる。拘束後は48時間以内に逮捕状を請求する必要があり、請求しなければ釈放となる。逮捕状の発付を受けて「逮捕」した場合、最長20日間身柄を拘束できる。「拘束」は緊急の場合は令状なしでもできるが、「逮捕」には令状が必要。裁判所は逮捕状発付の是非を判断する際、容疑者本人を審問する。一般的に逮捕された場合、拘束時より容疑がより強まったと見なされる。

プライマリーバランス
社会保障や公共事業などの政策経費を、借金に頼らず税収など基本的な収入でどれだけ賄えているかを示す指標のこと。英語の「PRIMARY(基本の)」と「BALANCE(収支残高)」を組み合わせた表現。財政が健全な状態かどうかを示し、基礎的財政収支とも呼ばれる。政策経費が収入を上回ると赤字となる。政府は2002年、10年代初頭の黒字化目標を示したが、その後歴代政権が延期を繰り返してきた。

ガザ地区
イスラエルとエジプトに挟まれた地中海沿いの細長い地域。面積は福岡市よりやや広い約365365平方キロ。イスラエルが1967年の第3次中東戦争でエジプト支配下のガザを占領し、2005年9月の撤退後も外部境界の管理を継続。イスラム組織ハマスが07年6月に武力制圧し実効支配してきた。出入りが制限され「天井のない監獄」と呼ばれる。

クルスク州への越境攻撃
ウクライナ軍は24年8月、北東部スムイ州と接するロシア西部クルスク州に進軍し、一時は約1400平方キロを制圧した。ロシア軍は北朝鮮兵の加勢を得て、領土奪還を進めている。ウクライナ当局によると、クルスク州には北朝鮮兵約1万2千人が展開、一部が前線で戦闘任務に就いている。セレンスキー大統領は今月、北朝鮮兵の死傷者は4千人に上ると主張した。

新型コロナウイルスの抗体保有率
新型コロナの免疫を持つ人の割合。N抗体とS抗体の2種類があり、血液検査で調べることができる。ウイルス内部にあり、遺伝子を包む物質に反応するN抗体は自然感染によってできるため、感染歴の有無が分かる。ウイルス表面のタンパク質に対するS抗体はワクチン接種でも産生され、免疫の保有状況の指標となる。全国の献血や医療機関の検査で残った血改を調べる大規模調査は、流行の予測や感染対策の検討に役立つ。

無痛分娩
出産時の痛みを麻酔で和らげる分娩方法で、痛みを脳に伝える脊髄と背骨の隙間に麻酔薬を注入する方法が一般的。痛みによるストレスを緩和でき、落ち着いた状態で出産に臨めるため、通常より体力の消耗が少なく、回復も早いとされる。一方で、まれに麻酔の誤注入や効き過ぎにより、低血圧や呼吸停止といった副作用のリスクも指摘されている。

台湾有事
中国が台湾併合を狙って軍事衝突に発展する事態。習近平指導部は中台統一を政治目標に掲げ、武力行使を辞さないとの立場を示す。近年、中国は台湾周辺に人民解放軍の航空機や艦艇を接近させる威嚇を強めている。有事が現実となれば、戦況は米軍の軍事行動次第で大きく変化する見通しで、中国大陸と台湾を隔てる台湾海峡周辺だけでなく、日本を含む東アジア一帯に影響が広がる可能性が高い。政府は沖縄県・先島諸島から住民らを避難させることを想定している。

車上運動員
選挙期間中に候補者の選挙カーに同乗し、名前を連呼し支持を呼びかける。上限額(1人当たり1日1万5千円)を超えて報酬を支払うと運動員買収として公選法違反罪に問われる。24年11月の新見市長選でも岡山県警が落選した前市長らを書類送検している。司会業などのプロを雇う候補者も多く、上限の引き上げを求める声がある一方、カネのかかる政治につながるとの指摘もある。地方選挙では選挙カー自体を使わない候補者もいる。

生成AI
文章や画像、音声などを作り出せる人工知能(AI)。大量のデータで学習し、利用者の質問に自然な言葉で答えたり、指示に沿ったイラストを作成したりする。米オープンAIが開発した対話型の「チャットGPT」が有名。企業や行政が活用に乗り出す一方、入力した機密情報が他の利用者の回答に使われて漏えいするリスクや、事実に基づかない文章を生み出す「ハルシネーション(幻覚)」の問題もある。

USスチール買収禁止命令
日本製鉄のUSスチール買収を禁じたバイデン米大統領による命令。阻止が必要な理由を「安全保障と重要な供給網にリスクをもたらす」とした。米大統領が日本企業の合併・買収(M&A)阻止を命じるのは初めてで、原則30日以内の買収計画の放棄も命じた。審査していた対米外国投資委員会(CFIUS)が判断をハイテン氏に委ね、25年1月3日に大統領命令を発表した。

特定枠
2019年参院選から導入された比例代表の優先枠。個人の得票順に当選が決まる非拘束名簿式とは別枠で、政党が当選させたい候補を事前に指定し、得票数にかかわらず実質的に上位で扱われる。島根や鳥取など、合区で選挙区に候補を出せない県の救済策として自民党が創設を主導した。特定枠候補は個人としての選挙活動が禁じられ、特定枠候補に投票した場合は政党、政治団体の得票になる。これまで自民党4人、れいわ新選組3人の計7人が議席を得た。

NSS
政府が外交・安全保障政策の司令塔として米国をモデルに設置した国家安全保障会議(NSC)の事務局、国家安全保障局の略称。英語表記「National Security Secretariat」の頭文字を取った。首相や官房長官らをメンバーとするNSCが2013年に発足したのに伴い、14年に内閣官房に置かれた。局長は米国や中国など各国の政権幹部と協議を重ね、外交・安保分野の総合調整に当たる。20年に経済班を設け、経済安保政策も所管する。

日鉄のUSスチール買収計画
日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを買収する計画を発表した。日本国内の鉄鋼市場は人口減少で先細るため、先進国最大の米国市場の高級鋼材需要を取り込んで収益力を高めようとした。世界鉄鋼協会によると、23年の企業別の粗鋼生産量で日鉄は世界4位。USスチールと単純合算すると同3位に浮上する見込みだった。

災害関連死
地震による建物倒壊や津波に巻き込まれるなどの「直接死」とは別に、避難生活や環境変化のストレスなどから持病や体調が悪化して亡くなり、災害が原因と認められたものを指す。遺族の申請を受け、自治体設置の審査委員会などが、死亡と災害に因果関係があるかどうかを審査。関連死として認定されれば最大500万円の災害弔慰金が支給される。

中国のスパイ罪
 中国の刑法では「スパイ組織に加わるか、スパイ組織およびその代理人の任務を引き受けた」行為などがスパイ罪とされ、最高刑は死刑と規定されている。習近平指導部は国家の主権と安全を守るためとして2014年に「反スパイ法」を施行し、取り締まりを強化。スパイ行為の定義を従来より拡大した改正反スパイ法が23年7月1日に施行された。拘束や起訴、公判など全過程が秘密裏に進められ、手続きが不透明だと国際社会の批判を受けている。
韓国の内乱罪
 韓国の領土で国家権力の排除、または憲法秩序を乱す目的で暴動を起こした場合、首謀者には死刑や無期懲役、無期禁錮の刑罰が科される。共謀して重要な任務に従事した際も死刑や無期懲役、5年以上の懲役などに処される。全斗煥(チョン・ドウファン)、盧泰愚(ノ・テウ)両元大統領は退任後に反乱・内乱罪などに問われ、全氏は無期懲役、盧氏は懲役17年の刑が確定。その後、いずれも恩赦となった。
事業承継
 企業の経営者が資産を含めた事業を後継者に引き継ぐこと。親族や従業員のほか、合併・買収(M&A)による第三者への譲り渡しがある。中小企業では経営者の高齢化が進んでおり、中小企業庁によると、半数超の企業で後継者がいないとされる。政府は黒字廃業の連鎖を防ごうと補助金や減税などを用意し、円滑な引き継ぎを支援している。
韓国高官犯罪捜査庁(高捜庁)
 韓国政府から独立して政治家や政府高官らの犯罪を調べる捜査機関。革新系の文在寅(ムン・ジヱイン)前政権下で2021年に発足した。文政権は検察が恣意(しい)的な捜査で政界に影響を及ぼしてきたと問題視し、検察の力をそぐために政治家らに対する検察の捜査権を高捜庁に移管した。尹錫脱大統領が検事総長時代に抵抗した経緯があるO新しい機関のため経験が浅く、人員も不足しており、捜査能力を疑問視する声もある。
日本の景気動向
 日本経済は物価高の影響を引きずり、景気の回復力が弱い。 2024年6月にプラスへ転じた実質賃金は不安定なまま推移。 24年7~9月期の実質国内総生産(GDP)改定値は2四半期続けてプラスとなったが、力強さに欠けた。25年は賃上げによる国内消費の底上げや、トランプ次期政権下での米国経済などが焦点となる。

改葬許可申請
墓じまいや墓の移設に伴い墓地や納骨堂から遺骨を移す際には、墓地埋葬法に基づき、遺骨が置かれている市町村に申請し許可を得る必要がある。墓参の機会が減ったことや、供養の在り方が多様化したことで、近年墓じまいは増加傾向にある。厚生労働省によると、統計を取り始めた1997年度の全国の改葬件数は6万9862件。2023年度は16万6886件と過去最多になった。

個人預金
銀行や信用金庫などの金融機関に個人名義で預けるお金のこと。自由に出し入れできる「普通預金」や、あらかじめ期間を決めて利用し、満期まで原則引き出せない「定期預金」がある。日銀の相次ぐ利上げを受け、大手銀行など多くの銀行は普通預金の金利を年0.1%に引き上げた。一部のインターネット銀行はさらに高い金利を提示するなど、各行が預金獲得に注力している。

アレルギー対応食
食物アレルギーを起こさないよう、原因食材を除去して調理した食品。原因食材は鶏卵、牛乳、小麦など多岐にわたる。免疫反応によって鼻水やじんましん、嘔吐(おうと)といった症状が起きるアレルギーは、血圧低下や意識障害などの重篤な「アナフィラキシーショック」になると、死に至ることもある。アレルギーがあるのは乳児期が最も多く、多くは成長とともに自然に収まる。

普天間飛行場の辺野古移設
日米両政府は1996年、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の返還で合意し、日本政府は99年に移設先を名護市辺野古と閣議決定した。 2013年、当時の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事は辺野古沿岸部の埋め立てを承認したが、後任で移設に反対する故翁長雄志(おなが・たけし)知事が取り消した。その後、国や県が相次ぎ提訴する法廷闘争に発展し、判決が確定した訴訟はいずれも県が敗訴した。県内の埋め立て用の土砂や石材は不足しつつあり、防衛省は25年中に鹿児島県・奄美大島から搬入する方針。

ウルグアイ・ラウンド
1986年にウルグアイで開かれた関税貿易一般協定(ガット)閣僚会議で開始が宣言された貿易自由化の交渉。最終的に120を超える国と欧州連合(EU)が参加した。従来の貿易交渉と異なり、鉱工業品の関税引き下げに加え、農産物の関税や貿易ルール、金融・情報通信などのサービス、知的所有権の保護など幅広い分野を対象とした。農産物については、輸入規制を全て関税に置き換える「例外なき関税化」を掲げた。当初の交渉期間は4年間だったが、米国と欧州の対立や農業分野の協議が難航し93年12月に妥結した。合意に基づき、95年に世界貿易機関(WTO)が新たに設立された。

学習指導要領
全国どこの学校でも一定水準の教育を受けられるようにするため、小中高校の児童生徒に教えなければならない最低限の学習内容などを示した教育課程の基準。これを基に教科書や時間割がつくられる。約10年ごとに改定され、社会の変化を見据えて子どもたちが身に付けなければいけない知識や技能について議論する。前回改定では、小学校は5、6年で英語が教科となり、高校の地理歴史と公民で必修科目が変わるなどした。

当初予算
政府が4月からの1年間に必要な経費を計上する予算。前年の8月末に各省庁が予算を要求し、財務省の査定を経て12月下旬に閣議で決定する。新年度が始まる4月までに国会で成立するのが一般的だ。当初予算以外に年度途中に補正予算を組み、災害対応や景気下支えを狙った支出を追加で計上することもあるため、財政の実態は当初予算だけでは把握し切れない。

USスチール
1901年設立。米大統領選の激戦州、東部ペンシルベニア州に本社を置く米国の鉄鋼メーカー。23年12月に日本製鉄が完全子会社化する買収計画を発表した。年間の粗鋼生産能力は2千万トン規模で、世界鉄鋼協会によると2022年の生産量は27位。かつては米国の鉄鋼業界をけん引したが、近年は中国企業に押され相対的に存在感が薄れている。

マクロ経済スライド
年金額の伸びを物価や賃金の上昇分より抑える仕組み。現在の高齢者への給付水準を引き下げて将来世代の水準を確保する効果がある。年金の原資となる保険料を払う現役世代が減る一方、長生きする高齢者は増えて支給総額が膨らむことが背景にある。物価や賃金が下がるデフレ時は適用せず、翌年度以降に持ち越すルールがある。

就労継続支援A型事業所
障害者総合支援法に基づく就労支援事業の一つ。一般企業で働くのが難しい障害者を対象に雇用契約を結び、働く場を提供する。原則として最低賃金以上を収益から支払う。職種は事務や清掃、製造など。利用者は障害が軽めの人が多い。事業所は国から障害福祉サービスの報酬(給付金)や雇用保険の助成金を受け取れる。平均賃金は2022年度で月約8万4千円。B型事業所は雇用契約を結ばないため、最低賃金が適用されず、平均で月約1万7千円。

2024年兵庫県知事選
斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを問題視した県議会が24年9月、不信任決議を可決し、斎藤氏が失職したのに伴いい実施された。10月31日に告示、11月17日に投開票された。選挙戦ではXなど交流サイトで同氏を擁護する声が拡大ご再選を後押しし、選挙におけるSNSの影響力を社会に印象づけた。一方、広報戦略を担ったとするPR会社経営者や知事が公選法違反容疑で告発されるなど選挙後も混乱が続いている。

インターネット選挙
ホームページやSNSを使った選挙運動。2013年に改正公選法が成立し、解禁された。選挙期間中にネット上で、投票の呼びかけや演説のライブ配信といった活動をする。 SNSしや動画配信は、若年層を中心に有権者へ直接アピールヤできるとして特に利用が広がっている。一方、真偽不明の発信や不正確な情報が拡散しやすいとも指摘される。 Xや動画投稿サイトのユーチューブ、写真共有アプリのインスタグラムなどがよく知られている。

グーグルの検索サービス
グーグルは世界の検索市場におけるシェアで他社を圧倒しており、日本では「ググる」という俗語も定着している。欧米の競争当局は、同社がアンドロイドを搭載するスマホに自社の検索アプリを初期設定で使うようにスマホ端末メーカーに強制しているとみて、規制を強化。欧州連合(EU)で24年3月に適用開始となった「デジタル市場法」や、日本で6月に成立した「スマホ特定ソフトウエア競争促進法」は、巨大IT企業に自社サービスの優遇などを禁止している。

家畜伝染病予防法
畜産業の振興を目的に、アフリカ豚熱(ASF)や口蹄疫(こうていえき)、鳥インフルエンザといった家畜伝染病の発生とまん延の防止を図る法律。原因ウイルスが海外から侵入するのを防ぐため、畜産物の輸入禁止や検査、輸入のための検査証明書の添付などを定めている。畜産物を違法に持ち込んだ個人は、300万円以下の罰金または3年以下の懲役が科される。

高額療養費制度
病気やけがの治療にかかる自己負担は原則1~3割だが、高額な治療を受けた場合に負担が重くなり過ぎないよう1ヵ月当たりの支払いを一定にとどめる仕組み。セーフティーネットの役割がある。上限額を超えた部分を公的医療保険から給付する。年齢や年収によって上限額は異なる。長期療養の負担軽減のため、直近12ヵ月以内に3回利用すると、4回目からは上限額が下がる。

米国のつなぎ予算
米連邦政府機関の業務継続に必要な当面の支出を手当てする一時的な予算。政府機関の一部閉鎖を回避するために議会が編成、可決し、大統領が署名して成立する。米国の会計年度は毎年10月から翌年の9月末までだが、近年では9月末までに翌年度の本格予算が成立せず、つなぎ予算を活用して政府閉鎖を防ぐケースも目立つ。

障害児の保育
身体障害や知的障害、自閉スペクトラム症といった発達障害など、支援が必要な子どもを対象とする。共働き世帯の増加に伴い、保育所での受け入れ数が増えている。1日の中で保育所と障害児専門の通所施設を併用する家庭もある。保育所側は障害児をサポートするための「加配保育士」を配置するほか、個別のニーズに応じた支援が求められる。日常的に人工呼吸器やたんの吸引が必要な「医療的ケア児」を受け入れる体制が整っている施設が少ないなどの課題もある。

金融政策決定会合
日銀が金融政策を決める会議。総裁と副総裁2人、審議委員6人の計9人が多数決で決める。定例会合は年8回で、各回とも2日間開く。市場の注目度が高く、決定内容は為替や株式、債券の取引に影響する。財務省と内閣府から政府代表が出席するが議決権はない。透明性を確保するため、日銀は出席者の主な意見や議事要旨を後日公表する。

生活保護
憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するため、国の定める最低生活費に収入が満たない人に不足分を支給する制度。最後のセーフティーネッ卜と呼ばれる。食材費や光熱費を補助する「生活扶助」、家賃に充てる「住宅扶助」などがある。自治体の福祉事務所が相談や申請を受け付け、支給の可否を決める。厚生労働省によると、24年9月時点で165万802世帯が受給している。

エネルギー基本計画
日本の中長期的なエネルギー政策の指針で、電源構成目標や原発の運営、資源確保の方針を示す。電力会社など民間企業の投資計画に影響を及ぼす。2003年に初めて作成され、おおむね3年ごとに見直す。有識者会議では各電源の発電コストの試算も実施している。現行計画の30年度の電源構成目標は火力41%、再生可能エネルギー部~38%、原発は20~22%。次期の第7次計画は来年の閣議決定を目指す。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域を中心とする経済連携協定(EPA)。「Trans-Paciflc Partnership」の略称。貿易自由化に向け、農産品や工業製品の関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業などのルールを定める。当初12力国で署名したが米国が2017年に離脱。23年7月に英国の新規加盟が決まった。24年11月には、中米コスタリカの加盟交渉入りが決定。中国や台湾、インドネシアのほか、ウクライナも加盟申請している。

防災庁
政府の災害対応の司令塔機能を担う新たな組織。石破茂首相の看板政策の一つ。24年11月1日に設置準備室を立ち上げた。首相の腹心、赤沢亮正経済再生担当相が設置準備担当相を兼務している。専任の大臣を置き、被一勗減や備蓄強化など事前防災の取り組みを強化する。防災の専門人材育成も進める。

身を切る改革
日本維新の会の政治姿勢。国や地方自治体の財政改革を促す目的で議員が率先して範を示そうと、歳費の一部を党に寄付する。国会議員の寄付額は歳費の3割弱。党規約での定めはないが、従わない場合は除名される。党によると、寄付金は被災地に届けている。

憲法13条
全ての国民が個人として尊重され、幸せを追求する「幸福追求権」を保障するとする規定。憲法の三大原則の一つ「基本的人権の尊重」の基礎を構成する。ライフスタイルなどを自由に決定する自己決定権やプライバシーの権利といった、憲法の条文に明記されない「新しい人権」を導く根拠となってきた。量咼裁は2023年、戸籍上の性別を変えるのに生殖能力を失わせる手術を事実上求める「性同一性障害特例法」の規定を13条に基づき違憲・無効とした。

第1列島線
沖縄から台湾、フィリピンを結ぶ中国の軍事戦略上の海上防衛ライン。1980年代に当時の最高指導者、郵小平氏の意向を受け、海軍司令官だった劉華清氏が打ち出した概念とされる。中国は「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」能力の強化により、有事の際に第1列島線の内側に米軍を入れない戦略を取る。第1列島線の外側に伊豆諸島からグアム、パプアニューギニアをつなぐ第2列島線を設定、制海権確立を目指している。

防衛増税
防衛力強化の財源を賄うための増税で、政府は2022年末に法人、所得、たばこの3税を増税する方針を閣議決定した。27年度時点で1兆円強を確保する方針を掲げてきたが、開始時期が決まっておらず、政府、与党は25年度税制改正大綱への明記を目指している。政府は26年度からの増税開始を決めれば必要な財源が確保できるとする一方、27年度となった場合は3千億円前後不足する可能性があると試算している。

再生可能エネルギー
太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどを利用するエネルギー。石油や石炭、天然ガスといった化石燃料と違って繰り返し利用できる。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(C02)を原則として排出しない。政府は、再エネからつくられた電気を、電力会社が一定の期間、固定価格で買い取る制度などで普及を図っている。買い取り費用は家計や企業が電気代の一部で負担している。

韓国の捜査手続き
韓国の刑事訴訟法によると、死刑や無期または3年以上の懲役に該当する罪を犯したと疑うに足る相当な理由があり、証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合、捜査機関は令状なしでの身柄拘束が可能。「緊急逮捕」と呼ばれ、検察官は48時間以内に裁判所に逮捕状を請求する。裁判所は原則として翌日までに本人を直接審問し、犯罪の重大性などを考慮して逮捕状発付の是非を検討する。逮捕状が出れば検察が改めて逮捕する。検察は逮捕後10日以内に起訴するかどうかを判断するが、必要に応じて10日以内の延長が可能で、取り調べ期間は最長20日間となる。

日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)
米国が1945年8月、広島と長崎に投下した原爆の被害者による全国組織。米国による54年の太平洋・ビキニ環礁での水爆実験をきっかけに、56年8月に長崎市で開かれた第2回原水爆禁止世界大会で結成された。「ふたたび被爆者をつくるな」を合言葉に、核兵器廃絶と原爆被害への国家補償を訴えている。国内外で証言活動を続け、原爆による健康問題の相談事業も実施している。被爆者の高齢化で活動休止や解散をした地方組織もある。

洋上風力発電
海上に設置した巨大風車で発電する方式。電気は海底ケーブルを使って陸上に送る。風車の土台を海底に固定する「着床式」が世界の主流だが、日本は遠浅の海が少なく設置場所が限られるため、海に浮かべて発電する「浮体式」の普及が期待されている。政府は洋上風力を再生可能エネルギーの主力電源化に向けた「切り札」に位置付け、促進区域を設けるなどして開発を後押ししている。

エネルギー基本計画
政府の中長期的なエネルギー政策の指針。国として、どの電源を推進するかを示す電源構成目標、原発の運営、資源確保の方針を明記する。電力会社など民間企業の投資計画に影響を及ぼす。エネルギー政策基本法に基づいて2003年に初めて策定し、おおむね3年ごとに見直している。25年閣議決定を目指すのは第7次計画となる。

特定扶養控除
親の扶養に入っている19~22歳の子の年収が103万円以下の場合に親の所得税などの負担を軽くできる仕組み。大学生年代の子を持つ親の教育費負担の重さを軽減することなどを目的としている。控除額は所得税の場合で63万円となる。子の年収が103万円を超えると対象から外れ、親の納税額が増える。アルバイトに従事する大学生らが、年収が増えすぎないように勤務時間を抑制するといった指摘がある。

臓器移植
病気や事故で臓器の機能が低下し、移植でしか治らない患者に他人の臓器を移植し、回復させる医療。1997年施行の臓器移植法で脳死と判定された人からの臓器提供も可能になった。提供には本人の書面による意思表示が必要で、15歳以上の意思表示が有効とされた。2010年の改正法施行で、本人の意思が不明でも、家族の承諾で提供できるようになり、15歳未満の提供も可能になった。脳死での提供数は増加傾向で、23年は過去最多の131件だった。

TIMSS
国際教育到達度評価学会の「国際数学・理科教育動向調査」の英語の頭文字を取った略称で「ティムズ」と読む。 1995年から4年ごとに実施され、小4と中2が対象。 2023年調査は小4が58力国・地域の約36万人、中2が44力国・地域の約30万人が参加し、日本では昨年3月、小4が141校の3875人、中2は133校の3905人が受けた。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(P亅SA)が知識や技能の活用力を測るのに対し、基礎的な知識の習得度合いをみる。

生成AI
利用者の指示に基づいて文章や画像、音声を作り出す人工知能(AI)。大量のデータで学習し、質問に対して自然な表現で答えたり、高精細なイラストを作ったりできる。米オープンAIが開発した対話型の「チャットGPT」が有名で、専門知識がなくても使える。一方で悪用による偽情報の拡散や、著作権侵害の恐れも指摘されている。

人工知能学会
AIに関する研究の進展と知識の普及に取り組む団体。学術、産業などの発展を目的とし、イベントを開いたり、刊行物を発行したりするほか、研究の奨励、国内外の団体との協力といった事業を行う。設立は1986年。大学や企業の研究者、学生らで構成し、会員数は5千人を超える。2024年6月から栗原教授が会長。

プラごみ条約の国際交渉
プラスチックごみによる環境汚染が世界的に深刻化していることから、2022年の国連環境総会で汚染を国際的に規制する条約を策定することで各国が合意。条約内容を協議する政府間交渉委員会が設けられた。24年末までに条約案を詰める作業を終えることになっており、11月25日に韓国・釜山で始まった5回目の交渉委で条約案に合意することになっていた。

マイナ保険証
健康保険証の機能を搭載したマイナンバーカード。カード取得者向けサイト「マイナポータル」や、病院や薬局に設置されているカードリーダーなどで利用登録する。厚生労働省によると、10月末時点でマイナカード保有者の82%の7747万人が登録。患者の同意を得ることを条件に医師が薬の処方歴などを閲覧できることなどから、政府は適切な治療につながる利点があると説明している。

政策活動費
政党が政治家個人に渡す政治資金で、使途報告の義務がない。政治資金規正法の抜け穴を利用した支出で「事実上の裏金」と指摘される。毎年10億円以上を党幹部らに提供してきた自民党は見直しに消極的だったが、10月の衆院選大敗後に方針を転換。廃止の方向で与野党が協議している。政策活動費と同様の制度は自民党の16道府県連にある。

NTT法
NTTの組織や事業内容を規定する法律。前身である日本電信電話公社(電電公社)の民営化に伴い、1984年に制定された。固定電話サービスの全国一律提供の義務などを課す。電柱や局舎など電電公社の膨大な資産を受け継いだNTTの公共性を考慮し、政府が株式の3分の1以上を持つことも定める。2024年4月に改正法が成立し、研究結果の開示義務が撤廃された。

後発医薬品
新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造、販売される医薬品。ジェネリック医薬品とも呼ばれる。先発薬と同じ有効成分を同じ量含み、効き目や安全性は同等だと認められる必要がある。研究開発に要する費用が低く抑えられることから薬価が安く設定できる。後発薬の普及は患者の負担軽減や医療保険財政の改善につながるとして、政府は使用を促進するための環境整備を進めている。

扶養控除
子どもや親など配偶者以外で生計が同じ16歳以上の親族がいる場合、課税対象となる所得から一定の金額を差し引き、納税額を軽減する制度。養う家族の人数に応じて税負担を調整するために設けられている。親族の給与収入が103万円を超えると適用できない。控除額は親族の年齢や同居の有無によって異なり、19~22歳の控除が最も大きい。

戸籍法
 結婚、離婚などの動きや家族関係を公証する「戸籍」の内容や関連手続きなどを定める。読み仮名の規定はなく、政府が仮名記載などを盛り込んだ改正法案を提出し2023年6月に成立した。行政手続きにおける本人特定の円滑化やマイナンバーカードの海外利用に伴う名前のローマ字表記への対応が狙い。関連事務を国が自治体に委ねる「法定受託事務」としている。
日米共同作戦計画
 朝鮮半島や沖縄県・尖閣諸島といった特定の場所や紛争の状況を想定し、自衛隊や米軍の部隊運用、双方の連携内容を規定する。日米間の最高機密に属し、内容は一切公表されない。米軍はアジア地’域の計画に5000番台の番号を割り振り、コードネームとしている。朝鮮半島有事は「5055」、最近完成した尖閣有事は「5051」。計画策定に当たっては、2015年に改定した日米防衛協力指針(ガイドライン)に基づき調整機関「共同計画策定メカニズム(BPM)」が設置されており、下部機関として、制服組同士が実務的に協議する「共同計画策定委員会(BPC)」がある。
政策活動費
 与野党双方にあるが、自民党の支出額が突出。2016~21年に幹事長だった二階俊博氏には約47億円が渡ったが、使途は不明だ。自民党は政治活動の自由などを理由に見直しには慎重で、6月の政治資金規正法改正では10年後の領収書公開を検討するとの内容にとどめたが、10月の衆院選大敗後、廃止に向けた同法再改正へ動いている。共同通信の調査で、政策活動費と同様の制度を自民党の16道府県連(山口、島根を含む)が設けていたことが分かつている。
日本の防衛産業
 主に自衛隊へ納める戦闘機や檻黠、通信システムなどの防衛装備品の生産に携わる企業。市場規模が小さく、利益率が低いため中小企業などの撤退が続いてきた。政府は2022年策定の国家安全保障戦略など3文書に「力強く持続可能な防衛産業を構築する」と掲げ、先端技術を活用した装備品開発や、同志国への輸出による販路拡大を支援する方針を明記。27年度まで5年間の防衛費総額を約43兆円と大幅に増額する方針に伴い、大手では受注額が上昇している。
閣僚資産公開
 21001年閣議決定の「大臣規範」に基づき首相、閣僚、官房副長官、副大臣、政務官が就任時と退任時の資産を公開する制度。地位を利用した不正蓄財を監視する狙い。元々はロッキード事件で1983年に田中角栄元首相実刑判決が出た後に導入。リクルート事件を機に配偶者と扶養する子を対象に加えた。普通預金は対象外で、ゴルフ会員権や自動車、美術品は金額を示さない。大臣規範は株式など有価証券、不動産、ゴルフ会員権の在任中の取引自粛を求めている。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)
 大洋をまたいで大陸間を飛行できる陸上発射型の弾道ミサイル。米ソ間の戦略兵器制限交渉での定義に基づき、一般的に射程5502km以上を指す。通常弾頭と核弾頭を搭載可能で、米国、ロシア、中国が保有。北朝鮮も開発している。ロシアは多弾頭の新型「ヤルス」や射程約1万8千kmの「サルマト」を配備する。ウクライナは保有していない。
対人地雷禁止条約(オタワ条約)
 対人地雷の廃絶を目指し、地雷の使用、生産、貯蔵、移転を禁止する。1999年3月1日発効。日本は98年9月、ウクライナは2005年12月に批准した。160以上の国・地域が加盟しているが、ロシアや米国、韓国、中国は非加盟。ロシアによるウクライナ侵攻後、バルト3国はロシアの脅威から条約離脱を一時検討した。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)はウクライナでロシアとウクライナ双方が対人地雷を使用したと指摘している。
年金の給付水準
 65歳時点で受け取り始める年金額がどの程度の水準にあるかを示す。ボーナスを含む現役世代の男性の平均手取り収入と比べた年金額の割合「所得代替率」で示される。平均賃金で厚生年金に40年間加入した夫と、その間に専業主婦だった妻を「モデル世帯」と設定。 2004年の制度改革で政府は代替率50%を将来にわたって確保するとした。 24年度の代替率は61.2%。現役収入が37万円に対し、モデル世帯の年金額は22万6千円だった。
米政権と長射程兵器供与
 米国はウクライナに地対地ミサイル「ATACMS」を供与し、ウクライナは空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」(英国)、同型の 「スカルプ」(フランス)とともに、クリミア半島などロシアが支配するウグライナ領内への攻撃に投入してきた。ウクライナのセレンスキー大統領は長射程兵器によるロシア領内への攻撃を認めるようハイテン米政権に求めてきたが、政権は核による威嚇を続けるロシアを刺激することを懸念七、これまで使用に慎重な構えを取っていた。

セールスフォース
ビジネス支援のアプリケーションを提供する米IT大手。顧客管理やデータ分析などに強みを持ち、利用者の要望に応じて必要な機能を組み合わせることができる。世界中の多くの企業や自治体が採用している。インターネット回線でつながれたグラウト上で動くため、パッケージソフトを購入する必要がなく簡単に導入できる。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)
日本や米国、中国、ロシアなど太平洋を囲む21の国・地域が参加する経済協力の枠組み。持続可能な成長に向け貿易・投資の自由化や円滑化、経済協力推進などを議論する。1989年に閣僚会議が始まり、93年に首脳会議を開始。加盟国・地域の国内総生産(GDP)の合計は世界全体の約6割、貿易量は約5割、人口は約4割を占める。

スフィア基準
正式名称は「人道憲章と人道支援における最低基準」。国際赤十字などが1998年にまとめた。給水・衛生、食料、避難所、保健医療の4分野にわたり、最低限の基準やその目的、効果を記載している。紛争地帯の難民救済が目的だったが、災害避難者へと適用が広がった。

掃海艇
機雷など海中の爆発物の除去を主任務とする海上自衛隊の艦艇。掃海母艦を除きサイズは小さく、磁気反応による機雷爆発を防ぐため、木造のものが多い。強度や耐久性を上げる目的で、近年導入する艦艇は繊維強化プラスチック(FRP)を採用している。毎年、陸奥湾や伊勢湾、日向灘で機霞戰訓練をし、硫黄島では実物の機雷を使う。火災で沈没した「うくしま」は現役最古参クラスの木造艇で、2003年に就役した。下関基地隊(下関市)に所属している。

教員給与
公立小中学校教員の給与は義務教育費国庫負担制度に基づいて、国が3分の1、都道府県や政令指定都市が3分の2をそれぞれ負担する。国が一定額を拠出することで、地方自治体の財政状況によって教育内容の水準に大きな差が生じるのを防ぐのが狙い。1972年施行の教員給与特別措置法(給特法)は、公立校の教員に時間外勤務手当(残業代)を支払わないと規定。代わりに月額給与の4%相当の「教職調整額」を支給すると定める。

首相指名選挙
国会議員の中から次期首相を決める選挙。内閣が総辞職した場合や衆院選後に実施する。衆参両院の本会議で記名投票を行い、過半数を得た議員が新首相になる。過半数に達しなければ、上位2人の決選投票となり、多数を得た議員が選ばれる。与党は衆院で過半数を割っており、村山富市、海部俊樹両氏が争った1994年以来、30年ぶりの決選投票となった。衆参で指名が異なり、両院協議会でも意見が一致しなければ、憲法規定で衆院の議決が優先される。

地方創生関連の交付金
地域の活性化などに向けた自治体の取り組みを支援する交付金。観光や農林水産業の振興、デジタル技術を活用した公的サービスの高度化・効率化といったさまざまな事業が対象となる。岸田政権下では名称を「デジタル田園都市国家構想交付金」としていたが、今回「新しい地方経済・生活環境創生交付金」に変更する。石破茂首相は地方創生を「経済成長の起爆剤」と位置付け、看板政策に掲げる。

国連総会決議
国連の意思を示す文書。加盟国が単独または共同で提案する。安全保障理事会決議のような拘束力はない。国連への加盟国承認など重要問題を除き、加盟国の過半数の賛成で採択する。

全世代型社会保障年 齢に関係なく、子どもから高齢者まで全ての世代が安心して暮らせるよう社会保障制度を見直す考え方。少子高齢化の加速や本格的な人口減少を背景に、子育て支援を充実し、高齢者にも経済力に応じた負担を求める。制度の支え手を増やすため、女性や高齢者の就労を促す。有識者らで構成する「全世代型社会保障構築会議」で具体的な政策を議論する。
青森県むつ市の中間貯蔵施設
2003年にむつ市が誘致を決め、05年に同市と青森県、事業者が立地協定を締結。東京電力ホールディングスと日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する。建屋2棟の貯蔵能力は計5千トン。13年に1棟目(3千トン)が完成した。むつ市と県は8月、RFSと安全協定を締結。核燃料の貯蔵と建屋の使用を「最長50年」と明記した。

無形文化遺産
2006年発効の無形文化遺産保護条約に基づき、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が登録する無形の文化。伝軈云能や工芸技術、祭礼行事など多岐にわたる。183の締約国から選ばれた24力国で構成する政府間委員会が毎年―回、60件程度を上限に審査。評価機関の勧告を踏まえて登録の可否を決める。登録がない国の審査を優先しており、日本など登録数の多い国は実質2年に1回の審査となっている。

能動的サイバー防御
サイバー攻撃の被害防止へ、先手を打って相手側のサーバーに入り込み、無害化を図る対応。「アクティブ・サイバー・ディフェンス」とも呼ばれる。2022年策定の国家安全保障戦略で、サイバー防御力を欧米主要国と同水準以上に高める必要があるとして導入方針が明記された。政府は法案策定に向けて政府有識者会議を設置した。会議では官民連携・情報共有の強化や悪用が疑われるサーバーの検知、侵入・無害化措置の方策を議論している。

マイナ保険証
健康保険証の機能を持たせたマイナンバーカード。マイナカード取得者向けサイト「マイナポータル」などを通じて利用登録する。政府は登録を促すため、一定期間内に利用を申し込んだ人に対し、7500円分のキャッシュレス決済サービスのポイントを付与した。厚生労働省によると、24年9月末時点でマイナカード保有者の80%超の7627万人が登録している。

上下水道
水道、下水道ともに料金を中心とした収入で経費を賄う独立採算制の事業運営が原則。しかし多くの自治体では料金収入が不足し。一般会計から財源を繰り出して穴埋めしている。料金収入は人口減少によって先細りが見込まれている。一方、管路などの施設は老朽化が進んでいる上に耐震性が不足しており、どう対処するかが共通課題となっている。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
1948年のイスラエル建国直後の第1次中東戦争で生まれたパレスチナ難民とその子孫を支援する国連機関。ヨルダン、シリア、レバノン、ヨルダン川西岸、ガザ地区に暮らす約590万人に医療や食料、教育、社会サービスを支援する。小中学校も運営する。スタッフは計3万人近く、ガザはこのうち1万3千人。大半がパレスチナ人で、活動資金は任意拠出に依存する。日本は長年の資金拠出国。

部分連合(パーシャル連合)
与党が予算案や法案審議を巡り、個別政策ごとに方向性が一致する野党と連携する形式。野党側には、自分たちの主張を反映させることで政策実現性が高まる利点がある。一方、課題が生じるたびに協議することになり時間がかかる上、調整に手間取れば政権運営が不安定になる恐れがある。与党入りしても閣僚を出さない「閣外協力」といった政権運営の形態もある。自民、公明両党は正式に合意文書を交わし、閣僚を両党から出す連立政権を組んでいる。

新型コロナの5類移行
政府は2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが低下したとして、感染症法上の位置付けを「新型インフルエンザ等感染症」から「5類」に引き下げた。法律に基づく入院勧告や外出自粛の要請はなくなった。患者への公費支援も段階的に縮小。24年4月1日以降、治療薬や入院費の補助はなくなり、ワクチンは高齢者らを対象とした原則有料の定期接種となった。マスク着用や換気、手指消毒といった対策は引き続き有効だが、個人の判断に委ねられている。

緊急輸送道路
地震などの大規模災害が発生した時に、住民らの避難、消防車や救急車など緊急車両の通行、救援物資の円滑な輸送手段を確保すべき道路。高速道路や国道のような基幹となるルートのほか、行政機関やヘリポートといった主な防災拠点を結ぶ都道府県道なども含まれる。自治体が原発事故時の避難路と位置付けているケースも多い。

財政制度等審議会
企業経営者や大学教授らで構成する財務相の諮問機関。現在の会長は十倉雅和経団連会長が務める。審議会の下には財政制度や財政投融資、国有財産などを議論する分科会がある。5~6月ごろに財政運営の在り方に関する意見書を建議として取りまとめるほか、翌年度の予算編成の指針となる建議を秋に作成する。

IT導入補助金
中小企業や小規模事業者の生産性向上を目的として、業務の効率化に向けたソフトウエアやサービスの導入を支援する補助金。事業のデジタル化を目的とした通常枠の他、インボイス(適格請求書)制度に対応する会計ソフトの導入なども対象となる。利用したい中小企業は登録された支援業者とパートナーシップを組み、導入のサポートを受けながら申請する。

選択的夫婦別姓制度
希望する夫婦が結婚後もそれぞれの姓を名乗れる制度。現行の民法750条は「婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」として夫婦同姓を規定し、戸籍法では夫婦の姓を定めなければ婚姻届が受理されない。一般社団法人「あすには」によると、これまでに全国約340の地方議会が制度導入を国に求める意見書を可決。

コメの相対取引価格
全国農業協同組合連合会(JA全農)など出荷業者が、コメの卸売業者に主食用米を販売する際の契約価格。玄米60kg当たりで示され、スーパーなどの店頭価格にも一定の影響がある。農林水産省が規模の大きな出荷業者を対象に取引状況を調査し、各産地の主要銘柄ごとに毎月公表している。毎年9月分から、その年に収穫した新米の価格に切り替わる。

女性差別撤廃条約
1979年、国連総会で採択された。政治的、経済的、社会的、文化的、その他全ての分野において、女性の性に基づく排除や制限、区別することを差別と定義し、締約国に対し撤廃のため措置を取ることを求める。「世界の女性の憲法」と言われる。日本は85年の批准に当たり、男女雇用機会均等法を制定した。批准した国は、条約の実施状況を国連に定期的に報告し、23人の委員で構成される女性差別撤廃委員会が報告書を審議。具体的な勧告を行う。

録音・録画の裁判での扱い
20t9年施行の改正刑事訴訟法で、検察独自捜査の逮捕後の取り調べは全て録音・録画することが義務付けられた。データは刑事裁判で取り調べ状況を確認する場合などに法廷で再生されることはあるが、刑事裁判の証拠を民事訴訟に使用することは原則禁じられているため、国家賠償訴訟では国側に提出を求めなければならない。最近では、横浜地検に犯人隠避教唆罪で起訴され、有罪が確定した元弁護士が取り調べで黙秘権を侵害されたとして国家賠償を求めた訴訟で、東京地裁の勧告を受け、国が提出したデータが法廷で再生された。

プライム市場
東京証券取引所の最上位に位置する市場。海外投資家にとって魅力的な取引対象となるグローバル企業を中心に構成する。社外役員の選任や女性、外国人の取締役登用など経営の監督機能を高めることが求められている。日経平均株価は、トヨタ自動車など同市場に上場している主要な225銘柄の値動きを基にしている。2022年の再編までは東証1部が主要市場としての役割を果たしていた。

日米地位協定
日米安全保障条約に基づき、在日米軍の法的地位などを定めた協定。第3条で米側が施設の管理、運営のための「必要なすべての措置を執ることができる」と規定する。米軍人や軍属が起こした公務中の事件、事故に関し、米側に裁判権があるとも定める。協定の運用改善は国と在日米軍司令部などでつくる「日米合同委員会」が協議するが、1960年の発効後、協定は一度も改定されていない。

日本被団協
 正式各称は日本原水爆被吾者団体妲議会。1956年8月10日、長崎市での第2回原水爆禁止世界大会2日目に結成した。結成宣言「世界への挨拶(あいさつ)」では、「私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意を誓い合った」と記す。1984年に原爆被害者の基本要求をまとめ、「核兵器なくせ」「原爆被害への国家補償」を運動の2本柱に据える。現在の代表委員は箕牧(みまき)智之、田中煕巳(てるみ)、田中重光の3氏。事務局は東京都港区にある。
カスハラ
 英語のcustomer (顧客)とharassment(嫌がらせ)を組み合わせた造語「カスタマーハラスメント」の略称。顧客や取引先による従業員への暴言や、商品への不当な言いがかりといった迷惑行為を指す。従業員の離職につながるなど社会問題となっており、東京都では今月、全国初のカスハラ防止条例が成立。企業も対応方針を相次いで公表するなど対策が進んでいる。

一元的相談窓口
在留外国人の増加に伴い、政府が自治体に設置を促す外国人向けの相談窓口で、多言語での相談や情報発信を担う。人手不足に伴い、即戦力の外国人材を受け入れる特定技能制度の新設に合わせ、政府は2018年12月に外国人材との共生に関する「総合的対応策」を策定。都道府県や政令指定都市など約100ヵ所を対象に窓口の設置を支援するとした。18年度から窓口の設置や運営費用に充てる交付金事業が始まり、19年に対象が全自治体に拡大した。

ポッター症候群
胎児期に左右の腎臓がなかったり、形成が不十分になったりすることで、十分に尿が作れなくなる病気。妊娠中に羊水の量が少なくなるため胎児が圧迫され、肺の障害や四肢の変形などを起こす。肺の形成度合いが最も生存を左右し、深刻な場合は人工呼吸器を装着するが死亡例が多い。羊水の量が過少な場合に疑い、画像検査で診断する。

異種移植
動物の臓器や細胞を大に移植する医療。大から大への臓器移植は臓器提供者(ドナー)が不足していることから、解決策として注目されている。大と臓器の大きさが近いブタが、提供動物の有力な候補とされるO米国では、人の体内で拒絶されないように遺伝子改変したブタを大学や企業が開発。重い心臓病患者への心臓移植や、脳死者への腎臓移植が研究の一環で実施されている。国内でも移植に使う無菌ブタの開発が進んでおり、国が安全に移植を実施するための指針改定に取り組んでいる。

NHKのインターネット業務
ネットの普及を背景に、NHKはネット業務として放送番組の配信サービス「NHKプラス」などを展開している。従来はテレビやラジオ放送を補完する「任意業務」と位置付けられていたが、今年5月に成立した改正放送法で「必須業務」に格上げ。テレビを持たず受信料を現在支払っていない人でも、ネットからNHKの番組を視聴した場合は受信料を求められることになった。

相場操縦
 証券市場で株価などを意図的に維持したり変動させたりする行為。投資家の判断を誤らせて損害をもたらし、市場を混乱させる恐れがあり、金融商品取引法で禁止されている。見せ掛けの注文を出して第三者の取引を誘引する「見せ玉」や、同時に売りと買いの注文をする「仮装取引」、売り主と買い主が価悟を事前に打ち合わせる「なれ合い取引」などがある。
サフスクリプション
 「定期購読」の意味で、英語のつづりは「subscription」。商品やサービスを一定期間利用し、料金を支払うビジネスモデル。「サブスク」と略され、毎月定額を払うのが一般的だ。導入事例は動画配信サービスから漫画雑誌、食料品まで多岐にわたる。
フレア
 航空機から発射される火炎弾で、ミサイルからの攻撃を避けるため「おとり」としての役割を果たす。上空に高い熱と煙が広がり、赤外線を感知するミサイルの追尾をかく乱する。外国映画で、戦闘機の機体から火の玉が出るシーンで、その存在が知られる。自衛隊では、航空自衛隊の戦闘機や海上自衛隊の哨戒機に搭載されている。

内閣官房報償費(機密費)
 国の重要政策の情報収集や関係者との調整などに使う目的で予算化され、官房長官が管理する。大半は長官の判断で、領収書を取らずに支払うことができるが、目的外の使用が繰り返し取り沙汰されてきた。2000年以降の自民党政権の官房長官経験者は今春の中国新聞の取材に、国政選挙の候補者応援の際に機密費から陣中見舞いとして100万円を出したと証言。選挙への流用で不適切だったと認めた。
モサド
 外国での情報収集活動や秘密工作を目的としたイスラエルの情報機関の一つ。ヘブライ語で「機関」を意味する。イスラエル建国翌年の1949年に前身機関が創設。その後任務が拡大し現在の形になった。パレスチナ組織など敵対勢力要人を狙った大胆な暗殺工作で恐れられる一方、秘密活動の失敗で厳しい批判を受けたこともある。現在のバルネア長官はパレスチナ自治区ガザの停戦交でイスラエル交渉団のトップを務める。
エミー賞
 米テレビ芸術科学アカデミーが主催し、配信を含むテレビ分野のうち、ドラマやバラエティー番組などでの優れた業績をたたえる賞。1949年に第1回授賞式が開かれた。受賞者には背中に翼の生えた女性を表した金色の「エミー像」が贈られる。名称は、かつてテレビカメラの部品として広く使われ、画質の向上に大きく貢献した撮像管の一種の愛称「イミー」に由来する。

クアッド
 日本、米国、オーストラリア、インドの4力国による協力の枠組み。「四つで一組」を意味する英語「Quad」に由来する。基本的価値を共有し「自由で開かれたインド太平洋」の実現を掲げ、安全保障や気候変動、先端技術など幅広い分野で協力を進めてきた。2004年のスマトラ沖地震で被災地支援を主導した4カ国協力が原点。19年9月に米国で初の外相会合を開き、21年9月には初の対面での首脳会合を実施。23年5月には広島で首脳会合を開いた。
移行債
 脱炭素社会に向け、温室効果ガスの排出削減につながる取り組みに必要な資金を調達するため、企業などが発行する債券。排出量が多い鉄鋼や運輸なども含めた全ての産業が一足飛びに脱炭素を達成するのは難しいため、化石燃料も使うハイブリッド車(HV)のように、移行段階にある技術導入や研究開発にも資金を呼び込み排出削減を進める点で、使途を再生可能エネルギーなどに限定する環境債と異なる。政府も新たな国債「GX経済移行債」で20兆円規模を調達する計画。
太陽光パネル
 太陽の光エネルギーを電力に変換する製品。重さの約6割をガラスが占める。現在の主流は素材にシリコン製の半導体を使用したタイプ。一部には鉛やセレン、カドミウムなど有害物質が含まれる。現行はリサイクルが義務付けられておらず、耐用年数を超えたパネルをそのまま放置したり、不法に投棄したりといった不適切な処分への懸念がでている。
兵庫知事告発文書問題
 県西播磨県民局長だった男性が2024年3月、斎藤元彦知事のパワハラや企業からの贈答品を受領した「おねだり」など疑惑7項目を挙げた告発文書を作り関係者らに配った。県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法の対象にならないと判断。内部調査を進めて誹謗(ひぼう)中傷と認定し、5月に停職3ヵ月とした。これに対し調査の中立性を疑う声が噴出し、県議会が6月、調査特別委員会(百条委員会)を設置。男性は7月に証言予定だったが、同月7日に死亡した。斎藤氏は9月6日の百条委で、公益通報の対応に関する違法性を否定した。
NHKラジオ国際放送問題
 NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースで中国籍の外部スタッフが8月19日、原稿にない発言を約20秒間、生放送で行った。沖縄県・尖閣諸島を「中国の領土」と中国語で言った他、「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」などと英語で述べた。NHKの国際番組基準は「わが国の重要な政策および国際問題に対する公的見解ならびにわが国の世論の動向を正しく伝える」と規定しており、NHKは総合テレビで経緯を説明七、視聴者に謝罪した。再発防止策として、外国語ニュースを事前収録に切り替え、人工知能(AI)で生成した音声の導入も検討している。

中国の景気減速
中国の2024年4~6月期の経済成長率は前年同期比4.7%と、1~3月期の5.3%から減速した。不動産不況の長期化が経済全体に波及。消費などの内需不振が続く一方、生産設備や雇用が過剰となり、需給のバランスが崩れることで物価は低下傾向にある。中国企業が過剰生産分を安値で輸出に振り向け、他国との貿易摩擦も激化している。

訪問看護
自宅などで過ごす患者を看護師らが訪問してケアする。年齢や疾患などによって医療保険が適用される場合と、介護保険適用に分かれる。医療型の訪問回数は原則、週3回と定められているが、難病や末期がんなどの場合は毎日3回まで診療報酬を受け取れる。提供主体は病院や診療所もあるが、訪問看護ステーションが大半を占め、その半分以上は株式会社など営利法人の運営。

電気自動車(EV)用電池
電気で走るEVのモーターを駆動させる電池。EVの性能を左右する中核部品で、現在の主流はリチウムイオン電池。EV市場が拡大する中国の現地メーカーが世界シェアを伸ばしている。航続距離を長くする大容量化に加え、生産コストの引き下げなどが課題。1回の充電で長距離を走れる次世代型の「全固体電池」も開発が進む。

在沖縄米兵らの性暴力事件
1995年に小学生の女児が米兵3人に暴行された事件では、日米地位協定により、日本側が逮捕状を取った米兵らの身柄を拘束できなかった。事件を機に、凶悪事件では起訴前の身柄引き湎しに米側か「好意的考慮を払う」ことで合意したが、今も決定権は米側にある。その後も事件はやまず、2016年4月には、元海兵隊員の軍属の男がウォーキング中の女性を性的暴行目的で襲い殺害。21年10月にも、海兵隊員が女性に性交しようとして負傷させた強制性交致傷事件が発生した。

黒い雨
米国による広島への原爆投下直後に降った放射哇物質や火災によるすすを含む雨。国は1976年、爆心地から広島市北西部にかけての長さ約19%、幅約11%の楕円(だえん)形の範囲内を援護対象区域に指定。区域内で雨を浴びた住民には無料で健康診断をし、がんや白内障など11疾病のいずれかを発症した人に被爆者健康手帳を交付し、医療費を原則無料にするなどの援護策を講じてきた。区域外は援護対象から外されてきたが、広く救済を認めた2021年7月の広島高裁判決の確定を受け、国は新たな基準を定めた。

対米外国投資委員会(CFIUS)
外国から米国企業への投資について、安全保障上の問題がないか審査する省庁横断の米機関。委員長は財務長官が務め、司法省や商務省、国防総省、国務省などの代表者らで構成する。問題があると判断した場合、CFIUSは当事者と協定を結ぶなどのほか、大統領に勧告した上で投資を禁じるといった判断を委ねることができる。

地方鉄道の再構築
地方鉄道の多くは、過疎化や新型コロナウイルス禍の影響で利用者の大幅な減少に直面し、経営が悪化。路線網維持が困難な会社が増えた。2023年4月に成立した地域公共交通再編関連法では、路線維持に向けた利便性向上などの計画を国が認定し、財政支援する仕組みを設けた。これとは別に、路線存廃などについて、国が仲介する形で鉄道会社と自治体が話し合う「再構築協議会」制度もスタート。24年3月、岡山、広島両県を結ぶJR芸備線を対象に初めて開催された。

皇族の成年
天皇や皇太子、皇太孫(皇太子がいない場合に皇位を継ぐ天皇の孫)の成年は皇室典範で18歳と規定している。その他の皇族は民法に基づき、2022年の改正で成人年齢が引き下げられて20歳から18歳となった。男性は「成年式」として冠を授けられる 「加冠(かかん)の儀」など一連の儀式がある。男女とも勲章が授与される。成年皇族になると、新年祝賀の儀や歌会始の儀など宮中の儀式に出席するほか、公務が本格化する。

福島第1原発の溶融核燃料(デブリ)
2011年3月の東京電力福島第1原発事故で、冷却ができなくなった1~3号機の核燃料が溶け落ち、冷えて固まったもの。原子炉内にあった制御棒などの構造物やコンクリートも混じっているとみられ、極めて強い放射線を出す。性質や状態、どこにどれだけあるかなど全容は分かっていない。状況把握が比較的進む2号機で最初に取り出しを始め、3号機、1号機の順番で進める計画。

成人年齢引き下げ
2022年4月の改正民法施行により、成人年齢は18歳へと引き下げられた。憲法改正手続きを定めた07年成立の国民投票法で、投票権を与える年齢を18歳以上としたのが契機。新たに成人となった18、19歳は、自らの意思だけで携帯電話やアパートの契約が可能になった一方、後で取り消しできる「未成年者取り消し権」の対象から外れた。悪質商法の標的にされるといった懸念の声は消えない。酒やたばこ、公営ギャンブルは20歳以上を維持している。

虹波
写真の感光剤を合成した薬剤。戦時中に旧日本陸軍が兵士の肉体強化に役立つと考え、研笂していた。国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県)の報告書によると、戦中戦後、患者に投与され、運動能力の回復など効果が期待されたが、発熱や頭痛、けいれんなどの副作用が相次ぎ、死者も出た。重大な副作用を伴うため「人体実験」との批判があり、2000年代に人権問題として指摘された。最近になって同園で当時の資料が見つかり、調査が続いている。

ペロブスカイト太陽電池
ペロプスガイド「Perovskite)は灰チタン石とも呼ばれる鉱物で、その独特な結晶構造「ペロプスガイド構造」を持つ化合物を利用した次世代太陽電池。桐蔭横浜大の宮坂力特任教授か開発者として知られる。現在普及しているシリコン系太陽電池より軽くて薄いため、設置場所の選択肢が広がる利点がある。日本の技術は世界トップ水準とされるが、欧州や中国との競争が激化している。富士経済は世界市場規模が2040年に23年と比べて64.9倍の2兆4千億円に上ると推計している。

ライドシェア
自家用車を使って有料で客を運ぶサービス。「白タク行為」の例外として2024年4月に始まった「日本版ライトシェア」は、タクシー事業者が実施主体となり、ドライバー募集や安全管理、事故対応などを担う。大都市部では配車アプリのデータを基に、運行できる曜日や時間帯、車両数が地域ごとに決められている。自治体やNPOなどによるF公共ライドシヱア」もあり、タクシー事業者が少ない地方部で広かっている。

LHD
大型ヘリカル装置の英語表記「Large Helical Device」の頭文字。莫大(ばくだい)なエネルギーを生む核融合反応に必要なプラズマの性質を調べる装置で、二重らせん状のコイルを使々で強力な磁場を作りプラズマを閉じ込める方法を「ヘリカル方式」という。プラズマを長時間安定して維持できる。核融合はほかに、閉じ込め性能に優れ、国際熱核融合実験炉(ITER)で採用されている「トカマク方式」、燃料をレーザで加熱する「レーザ方式」などが研究きれている。

医療費
病気やけがの治療の対価として医療機関に支払う費用の総額。患者の窓口負担や医療保険料、国や自治体の負担分で構成する。医科や歯科、薬局の調剤が対象で、公的医療保険を使った診療分をレセプト(診療報酬明細書)に基づいて集計。健康診断や予防接種の費用は含まない。厚生労働省は例年、速報値に当たる概算医療費を公表した後、労災保険分などを加えた確定値を国民医療費として発表する。

排出量取引制度
温室効果ガスの排出枠を取引する制度。企業が排出削減目標よりも多く減らすことができた場合、排出が超過した企業に排出枠を売却できる。超過した企業は購入した分を削減分に算入可能。脱炭素化推進の有力手段の一つとして、欧州や韓国が導入している。経済産業省は2023年度から自主的な取り組みとして「GXリーグ」を始めた。

健康保険証の廃止
政府は2022年、現叙齧薑堡塁を廃止し、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証を後継とする方針を表明。24年12且2日以降は新規発行されなくなる。マイナ保険証はマイナカードを取得し。利用登録することで使える。使用すると、患者の同意を条件に医師は薬の処方歴などを閲覧できる。政府は適切な治療につながる利点があると説明するが、マイナカードの利用を促す姿勢に「強引」との批判もある。

民主党政権
自民、公明両党連立の麻生内閣の下で実施された2009年8月の衆院選で、当時の民主党が圧勝し、政権を奪取した。子ども手当や農家の戸別所得補償などをマニフェスト(政権公約)に掲げた。しかし鳩山内閣は米軍普天間飛行場移設問題の迷走を引き金に10年6月に退陣。この後、菅内閣は同7月の参院選で敗北し、11年3月に起きた東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の対応に追われた。続く野田内閣は12年12月の衆院選に敗れ、民主党政権の幕が下りた。

キオクシアホールディングス(HD)
2017年に東芝から分社化された半導体事業会社を傘下に収める持ち株会社。データ保存に使う記憶媒体「NAND型フラッシュメモリー」を東芝時代の1987年に発明したとされる。現在はスマートフォンなどに使われ、世界市場シェア上位。米投資ファンドのベインキャピタルが大株主となっている。米同業大手のウエスタン・デジタルとは三重県四日市市と岩手県北上市で工場を共同運営し、協力関係にある。

不登校
文部科学省は、病気や経済的理由がなく、1年間で30日以上欠席することを不登校と定義する。2022年度調査によると、全国の小中学校で不登校の児童生徒は21年度から5万人以上増の29万9048人となり、過去最多を更新した。うち38.2%に当たる11万4217人が、学校内外で専門家らによる支援を受けられていなかった。文科省は23年3月に総合的な対応方針を公表。「校内教育支援センター」のほか、「学びの多様化学校(不登校特例校)」や校外の教育支援センターといった体制整備を進めている。

米軍のアフガン駐留
米軍は2001年9月11日に起きた米中枢同時テロの翌月、首謀者をかくまっているとしてアフガニスタンを攻撃し、駐留を開始。国土安定化に失敗し、21年8月30日に撤退が完了した。共に駐留していた同盟国との調整も不十分で、撤退は混乱。間隙(かんげき)を突いたイスラム主義組織タリバンが20年ぶりに復権した。

着床前診断
体外受精によってできた受精卵から一部の細胞を取り出し、遺伝子などを調べる検査。重い遺伝性の病気の原因となる遺伝子を引き継いでいない受精卵を子宮に入れて出産につなげる。流産を繰り返す人を対象に、細胞に含まれる染色体の数の過不足を調べて、正常な受精卵を戻す方法もある。

巨大I丁企業
インターネット検索やアプリストア、交流サイト(SNS)、インターネット通販といったネット上のサービスやシステムの基盤(プラットフォーム)を展開する事業者を指す。「GAFA」と呼ばれる米グーグルやアップルなどが代表的な企業。市場の寡占化に対する懸念が高まり、競争政策や個人情報保護の観点から世界各国で規制と監視の強化が進んでいる。

コメの概算金
JAグループがコメを集荷する際に、地域の農協を通じて生産者に支払う前払い金のこと。全国農業協同組合連合会(JA全農)の県本部などがコメの作付け状況や消費動向を踏まえて決め、地域の農協が手数料や流通経費などを差し引いて支払う。農家の生活や営農に必要な資金が不足しないよう毎年秋ごろに支払い、JAグループが高値で販売できれば追加分も払う。

ごみ屋敷
大量のごみや物品が放置され、悪臭や害虫の発生、火災の危険が生じている一戸建てや、集合住宅の一室などを指す。法令による定義はなく、是正に向けた手続きを定めた条例で、当てはまる要件を明記している自治体もある。今回の総務省調査は「放置された物品が原因で、居住者本人や周辺住民の生活環境が損なわれているもの」を対象とした。

マイコプラズマ肺炎
「肺炎マイコプラズマ」という細菌が原因の呼吸器感染症。マイコプラズマは、ギリシヤ語の「菌類」と「形づくられた」を意味する言葉を合わせて名付けられた。子どもの患者の割合が高い。細菌は飛沫(ひまつ)感染や接触感染によって広がる。感染すると2~3週間の潜伏期を経て、発熱やだるさ、頭痛などの症状が出て、数日後にせきが出る。感染しても多くは軽い症状で済むが、一部がマイコプラズマ肺炎となり入院が必要になる。治療には抗菌薬が使われる。

教員給与
公立小中学校教員の給与は、義務教育費国庫負担制度に基づき国が3分の1を負担。残りを都道府県や政令指定都市が負担する。自治体の財政状況によって教育内容や教員の水準に差が生じるのを防ぐことなどが目的。1972年施行の教員給与特別措置法は、公立校の教員に時間外勤務手当(残業代)を支払わないと規定し、その代わりに月額給与の4%相当の「教職調整額」を支給すると定める。当時の残業時間が算定根拠の一つで、教員の繁忙化か進んだ現状と隔たりが生じているとの指摘がある。

最低賃金
パートやアルバイトなど非正規雇用者も含め、全労働者に適用される賃金(時給)の下限額。下回った場合、法律により無効とされ、企業には罰金が科される。改定の検討に当たっては、労働者の生計費(物価)、賃金としての妥当性、企業側の支払い能力の3要素を考慮し、春闘の妥結状況や物価指数といった統計データも参照する。

ヒズボラ
 レバノン南部を拠点とするイスラム教シーア派組織。アラビア語で「神の党」を意味する。1982年、イラン革命防衛隊の指導で創設。パレスチナ解放機構(PLO)掃討などでレバノンに侵攻したイスラエルへの武装闘争を続け、2000年のイスラエル軍撤退後も国境を挟んでたびたび衝突。06年にも大規模に交戦した。政党を持ち国会に議席を有する。指導者はナスララ師。実動部隊は推定2万人、予備部隊は推定2万5千人。軍事力はレバノン国軍をしのぐといわれ、計15万発以上のミサイルやロケット弾を所有するとされる。
トキ
 薄ピンク色の翼と湾曲した細長いくちばしが特徴の鳥。国の特別天然記念物。全長約75cmで、ドジョウやサワガニ、カエル、タニシ、昆虫を食べる。日本や朝鮮半島、中国などに広く分布し、江戸時代はほぼ日本全国に生息していた。その後は乱獲や生息環境の悪化で激減し、日本産は2003年に絶滅した。学名ニッポニア・ニッポン。
最近の中朝関係
 中国と北朝鮮は1949年10月6日に国交を樹立。朝鮮戦争(50~53年)を共に戦った「血盟関係」と評される。2024年は75年の節目に当たり、4月には中国共産党序列3位の趙楽際・全国人民代表大会(全人代)常務委員長が最高指導部メンバーとして5年ぶりに訪朝した。ただ、6月のロシアと北朝鮮による首脳会談後、韓国メディアを中心に中朝関係が冷え込んでいるとの見方が出始めた。中国外務省の林剣副報道局長は、北朝鮮との伝統的友好協力を重視する立場に「変化はない」と説明している。
選択的夫婦別姓
 夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれ婚前の姓を使うことを認める制度で、日本では導入されていない。し民法では婚姻時に夫か妻の姓を称するよう定めている。現在は女性が夫の姓を選ぶケースが大半で、女|生活躍を阻む一因と指摘される。旧姓の通称使用は契約面や海外渡航時に弊害が出やすく、経団連の十倉雅和会長が「企業にとってビジネス上のリスクとなっている」などとして、6月に制度の早期実現を提言。慎重派の議員が多い自民党も7月に議論を再開した。
兵庫知事告発文書問題
 県西播磨県民局長だった男性が3月、斎藤元彦知事のパワハラや地元企業から贈答品を受領した「おねだり体質」など疑惑7項目を挙げた告発文書を作り関係者らに配布した。県は男性を解任して内部調査を進め「核心的な部分が事実ではない」として誹謗(ひぼう)中傷と認定。5月に停職3ヵ月とした。これに対し調査の中立性を疑う声が噴出し、県議会が6月、疑惑の真偽を検証する百条委員会を設置。男性は7月に証人として出席予定だったが同月7日に死亡した。
横浜市教委の裁判傍聴妨害
横浜市教育委員会は、2019年度と23、24年度の教職員による児童・生徒への性犯罪事件4件の公判計11回に、1回最大49人の職員を動員。延べ414人が裁判所に足を運び、一般の傍聴を妨害した。市教委は目的を「被害者のプライバシー保護のため」としていたが、23年度以降の3件の裁判では被害者側の希望を十分に確認していなかった。

再販売価格の拘束
 メーカーなどが小売業者に対して商品の再販売価格を拘束することは、価格競争の減少や消滅につながるとして独禁法で禁止されている。公正取引委員会は、メーカー側が希望小売価格を通知する際には「参考価格」のような非拘束的な用語を使い、小売業者が販売価格を自主的に決定できることを明示するのが望ましいとしている。過去にはラーメンチェーンが即席麺の希望小売価格からの割引を禁じた事例や、ベビー用品大手がベビーカーなどを一定の価格で販売することを小売業者に同意させた事例があった。
米連邦準備制度理事会(FRB)
 米国の中央銀行に当たる組織。FRBは「Federal Reserve Board」の略称で、中銀としては珍しく、物価安定に加え、雇用最大化という二つの責務を掲げる。金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の上げ下げなどを議論する。議長はジェローム?パウエルで2期目を務める。
福島第1原発の溶融核燃料(デブリ)
 2011年3月の墓只電力福島第工原発事故で、冷却ができなくなった1~3号機の核燃料が溶け落ち、冷えて固まったもの。原子炉内にあった制御棒などの構造物やコンクリートも混じっているとみられ、極めて強い放射線を出す。性質や状態、どこにどれだけあるかなど全容は分かっていない。状況把握が比較的進む2号機で最初に取り出しを始め、3号機、1号機の順番で進める計画。
債務整理
 借金の減額、免除または支払いの猶予を目的として行う手続き。債権者と利息や分割支払いの期間について直接交渉し、合意に基づき一定額ずつ返済する「任意整理」をするケースが最も多いとされる。これに対し裁判所で行う手続きとして、生活に必要な最低限の家財などを除いた財産を債権者に平等に分配し、債務を免責する「自己破産」や、返済総額を大幅に削減した上で、残りの金額を原則3年間で分割して返済する「個人再生」がある。それぞれメリット・デメリットがあり、収入や財産状況に合わせて選ぶ必要がある。
ラピダス
 高性能の次世代半導体を国内で生産するために2022年に設立した会社。社名の表記は「Rapidus」で「迅速」を意味するラテン語が由来。東京エレクトロンで社長や会長を歴任した東哲郎らが主導し、トヨタ自動車やNTT、三菱UFJ銀行など国内を代表する8社が出資した。日本の産業競争力の維持や、経済安全保障の強化を理由に経済産業省が全面的に後押ししている。技術面では米IBMと連携する。半導体生産の工場を北海道千歳市で建設中。
文化財保護法
 奈良・法隆寺金堂の壁画を焼損した火災を教訓に、1950年に制定された。建造物や史跡など文化財の種別ごとに保護や活用のルールを定める。形のない伝統行事や技術も文化財として保護の対象10「演劇、音楽、工芸技術などで歴史上または芸術上価値の高いもの」を無形文化財と呼び、歌舞伎や輪島塗などがある。衣食住や風俗慣習などに関連し 「国民の生活推移を理解するために欠くことのできないもの」が無形民俗文化財で、京都祇園祭の山鉾(やまほこ)行事や、男鹿のナマハゲ(秋田)などがある。
中国のスパイ罪
 中国の刑法では「スパイ組織に加わるか、スパイ組織およびその代理人の任務を引き受けた」行為などがスパイ罪とされ、最高刑は死刑と規定されている。習近平指導部は国家の主権と安全を守るためとして2014年に「反スパイ法」を施行し、取り締まりを強化。スパイ行為の定義を従来より拡大した改正反スパイ法が昨年7月1日に施行された。拘束や起訴、公判など全過程が秘密裏に進められ、手続きが不透明だと国際社会の批判を受けている。
辺野古移設計画
 日米両政府は1996年、沖縄県宜野湾市の「世界一危険」とも言われる米軍普天聞飛行場の返還で合意し、日本政府は99年に名護市辺野古への移殷を閣議決定した。2006年にV字形で長さ約1800mの滑走路を建設する現行の計画が決まった。米軍キャンプーシュワブがある辺野古の沿岸部南側と、軟弱地盤がある大浦湾側を埋め立てる。普天間飛行場の基地機能のうち、輸送機オスプレイの運用など一部を移す他、弾薬搭載エリア、係船機能付き護岸を備える予定。

貨客混載
 鉄道やバス、船などで客と貨物を一緒に運ぶ輸送方法。国内貨物輸送の大半がトラックに依存する中、新幹線による輸送はスピードや定時性の高さから注目を集める。物流業界の労働環境改善や、二酸イ匕炭素(CO2)排出量抑制に向けた新たな手段としても期待されている。旧国鉄時代は多くの有人駅で普通列車を中心に荷物輸送を手がけていたが、宅配便の発達などで赤字となり、廃止された。
アメリカの党大会
 米国の民主、共和両党がそれぞれの正副大統領候補を正式指名し、公約となる綱領を採択する行事。各州の代議員や大物議員、有名人が参加する。長丁場の選挙戦のハイライトで、政権奪回を目指す党が先に開くのが通例。共和党は7月15~18日に中西部ミルウォーキーで開催し、トランプ前大統領とバンス上院議員を正副大統領候補に指名した。党大会が終わると、大統領選は11月5日の投票日に向けて終盤戦に入る。
南海トラフ地震臨時情報
 東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2017年から運用が始まり、19年に現在の名称に変わった。想定震源域でマグニチュード(M)6.8以上の地震があった場合や、異常な地殻変動を観測した際、気象庁が有識者による評価検討会を臨時開催し、巨大地震との関連を調査する。M8以上の地震が起き、後発地震の可能性が高まったと評価されると、危険度が高い「巨大地震警戒」が出て、一部地域の沿岸住民らは事前避難を求められる。M7以上、M8未満と評価された場合は「巨大地震注意」が出る。
アジアーゼロエミッション共同体(AZEC)
 温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルをアジアで実現するための枠組み。日本が主導して2023年3月、ミャンマーを除く東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟9カ力国と日本、オーストラリアの計11カ国で初めて閣僚会合を開いた。各国の経済成長やエネルギー安全保障との同時達成も目指す。
出自を知る権利
 自分がどのように生まれたかを知る権利。1994年に日本が批准した国連の子どもの権利条約に「できる限り父母を知る権利を有する」と明記された。スウェーデンやオランダなど一部の国では法律で保障されているが国内法では規定がない。提供精子で生まれた子が遺伝上の親が分からずアイデンティティーの喪失に苦しみ、権利の保障を求める声が強まっている。厚生労働省部会は2003年、名前や住所など提供者を特定できる情報の開示を請求できるとした報告書をまとめたが法整備には至らなかった。超党派議員連盟が現在検討している法案では開示の対象を「提供者の身長、血液型、年齢など」に制限している。
概算要求
 国の予算編成に先立って、各省庁が必要だと判断した事業の経費を見積もって財務省に要求する手続きO政府は例年、要求額に一定の歯止めをかけるため概算要求基準を7月ごろに決める。この基準に沿って各省庁が要求内容を8月末までに固める。その後、財務省が各省庁と折衝して要求内容を査定し、年末の予算案決定に向けて必要額を詰める。事業内容が詰まっておらず政府内や与党との調整が必要な場合に、例外的に金額を示さない「事項要求」を認める項目もある。
国内総生産(GDP)
 国内で一定期間に生み出されたモノやサービスの付加価値の総額で、内閣府が四半期ごとに公表する。景気動向や経済規模を表す代表的な指標で、前年や前四半期と比べた増減率が「経済成長率」と呼ばれる。実際の価格で計算した名目値と、物価変動の影響を除いた実質値があり、経済の実態を把握する上で実質値がより重視される。
自民党総裁選
 自民党の総裁を決める選挙。立候補には党所属国会議員20人の推薦が必要となる。国会議員票367票と党員・党友票367票の計734票を争い、過半数に達した候補が当選。過半数に達する候補がいなければ、上位2人が決選投票に進む。決選投票は国会議員と47都道府県連が1票ずつ持つ。各都道府県連の1票は上位2人のうち党員・党友による地方票が多い候補に充てられる。新総裁は秋の臨時国会で岸田文雄首相の後継となる第102代首相に指名される。
就労継続支援A型事業
 所障害者総合支援法に基づく就労支援事業の一つ。一般企業で働くのが難しい障害者を対象に雇用契約を結び、働く場を提供する。原則として最低賃金以上を収益から支払う。職種は事務や清掃、製造、クリーニングなど。事業所は国から障害福祉サービスの報酬(給付金)や雇用保険の助成金を受け取れる。厚生労働省によると、利用者の約5割が精神、約3割が知的、残りが身体障害者。障害が軽めの人が多い。平均賃金は2021年度で月約8万2千円。
政策保有株式
 企業が取引先などとの営業上の関係を強めるために保有する他社の株式。敵対的な買収を防ぐために相互に株式を保有する「持ち合い」も多い。近年は資産を株の形で寝かせず成長投資や株主還元に活用すべきだという投資家の声を受け、解消の機運が高まっている。ただ安定株主を失いたくない相手先が反発して削減が進まないケースもある。
有価証券報告書
 株式や社債などの有価証券を発行する企業が、金融商品取引法に基づき、事業や財務、従業員といった情報をまとめた書類。企業は事業年度終了後、国に提出する。投資家の重要な判断材料となり、重大な虚偽記載には懲役刑や罰金刑が科される。近年の報告内容の見直しに伴い、女性管理職の比率や男女の賃金格差の開示などが義務付けられた。

サイバー戦略本部
 サイバーセキュリティーに関する施策を総合的に推進するために内閣に置かれた組織。サイバー攻撃に対応するため、サイバーセキュリティ基本法に基づき2015年に設置された。正式名称は「サイバーセキュリティ戦略本部」。政府機関へのサイバー攻撃が発生した場合の調査や関係機関との連絡調整も行う。事務局は内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)。「能動的サイバー防御」導入に向けた政府有識者会議では、司令塔機能の強化を求める意見が出ている。
青森県むつ市の中間貯蔵施設計画
 2005年にむつ市と青森県、事業者が立地協定を締結。事業主体のリサイクル燃料貯蔵(RFS)に出資する東京電力ホールディングスと日本原子力発電の原発から使用済み核燃料を受け入れる。空冷式の金属容器で保管し、貯蔵建屋2棟の貯蔵能力は計5千トン。建設費について、事業者は04年当時、金属容器を含め「1千億円程度」としたが、現在は公表していない。RFSの社員数は87人(24年4月1日現在)で、4分の1程度が地元雇用という。
食料自給率
 国内で消費した食料のうち、どの程度を国産で賄えているかを示す指標。食料の重量を熱量に換算したカロリーベースと、金額に換算した生産額ベースがある。カロリーベースではコメの消費減少で低下傾向が続いてきたが、2000年度以降は40%前後で推移している。農林水産省の試算によるとオーストラリアやアメリカは100%を超えており、日本は諸外国に比べて低い水準となっている。
南海トラフ巨大地震
 駿河湾から日向灘沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)に沿って発生する地震。おおむね100~150年間隔で起き、政府の地震調査委員会はマグニチュード(M)8~9級の地震が30年以内に起きる確率を70~80%と算出している。政府は2012年、最大32万3千人が死亡するとの想定を公表。防災対策の進展を踏まえ、昨年から想定見直し作業を進めている。
英極右の暴動
 英中部リバプール近郊で7月29日、両親がルワンダ出身の17歳の少年が女児3人を殺害した事件を発端に、各地で移民排斥を訴える極右主義者らが扇動する暴動が拡大。少年に関する偽情報がインターネット上で拡散し、移民増加や生活苦への不満を背景にイスラム教徒や移民を標的とした過激な暴力に発展した。略奪や放火などが相次ぎ、多数が逮捕された。英国では2011年にも人種差別などへの不満を背景とした暴動が発生し、数千人が逮捕された。

選択的夫婦別姓
 夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれ結婚前の姓を使うことを認める制度。民法は婚姻時に夫または妻の姓を称すると規定し、別姓を認めていない。政府によると、2022年に婚姻届を提出した夫婦のうち、9割以上が夫の姓を選択。女性の社会進出に伴い、仕事や生活に支障が出ているとして、選択的夫婦別姓の導入を求める声が高まっている。
公選法
 選挙の適正さの確保が目的の法律で、選挙の進め方や議員定数を規定。総務省によると、選挙ポスターに虚偽を記載すると処罰の対象になるが、内容を直接制限する規定はない。「選挙運動の自由」や「立候補の自由」は憲法で保障されている。7月の東京都知事選では政治団体が寄付者に掲示板の枠を提供。一部の掲示板で同じデザインのポスターが並ぶ異常事態が起きた。与野党とも法改正に向けた検討を本格化。ポスターの規制や同一団体の立候補者数制限、供託金の引き上げなどが焦点となる。
アルツハイマー病
 脳内にアミロイドベーダやタウというタンパク質がたまり、神経細胞が死んでいく病気。次第に記憶や判断力が低下し、着替えや食事など日常生活にも支障を来す認知症に進んでいく。日本の高齢認知症患者は2025年に471万人と推計され、6~7割をアルツハイマー病が占める。残った神経の働きを助ける薬が長く使われてきたが、アミロイドベーダを除去する薬が最近登場した。
型式指定の認証制度
新型の車やエンジンを生産する際、型式ごとに安全や環境に関する性能の基準(保安基準)に適合しているかどうかについて国側の審査を受ける制度。認証が得られれば車両1台ごとに受ける検査を省略できるため、大量生産に事実上不可欠となっている。申請内容に悪質な不正があったり、保安基準を満たしていないことが判明したりすると、指定を取り消される。

能動的サイバー防御
 サイバー攻撃の被害を未然に防ぐため、相手側のサーバーに入り込み無害化を図る対応。「アクティブ・サイバー・ディフェンス」とも呼ばれ、米国や英国、ドイツなどが導入している。政府はサイバー防御力を欧米と同等以上に高めるとして法制度と体制の整備を進め、政府有識者会議が官民連携・情報共有の強化、悪用が疑われるサーバーの検知、侵入・無害化の方策を検討している。憲法21条の「通信の秘密」や不正アクセス禁止法などとの整合性が課題。
公設秘書
 国会法は各国会議員に第1、第2の公設秘書の雇用を認めている。年齢や秘書歴によって変わるものの、公設第2秘書には「国会議員の秘書の給与等に関する法律」に基づき、月額32万5680~47万5200円が支払われる。身分は職務の特殊性から国家公務員特別職となる。2004年3月には佐藤観樹元衆院議員が公設第2秘書に勤務実態があったように装い給与をだまし取ったとして逮捕、起訴され、05年1月に懲役1年4月の判決が確定した。
手形・小切手の全廃
 政府は2021年の成長戦略実行計画で、5年後に手形を廃止し、小切手の全面的な電子化を目指す方針を盛り込んだ。電子化で金融機関と企業の事務を減らす。全国銀行協会(東京)も26年度末までに手形、小切手の交換枚数をゼロにする計画を策定した。全銀協によると、23年の手形と小切手の交換枚数は2468万枚。
当座預金
 企業や個人事業主が、業務での決済などに使う無利息の預金。小切手や手形を扱える。小切手は銀行などですぐに現金化の手続きができ、手形は特定の期日に合わせて決済する。銀行などが経営破綻しても預金保険制度で口座のお金は全額保護される。

国際課税
法人税の引き下げ競争に歯止めをかける各国共通の「最低税率」の創設や、多国籍企業の事業拠点がなくてもサービスの消費者がいる国・地域が税収を得られる「デジタル課税」の導入が柱。経済協力開発機構(OECD)を中心に国際的な法人税改革が進んでいる。デジタル化の進展で「GAFA」と呼ばれる米巨大IT企業を念頭に、適正な課税をできるようにすることが課題となっている。

TGV
フランスの新幹線に当たる高速列車。1981年9月にパリ南部リヨン間で営業運転を始め、現在はパリと東西南北をつなぐ大動脈となっている。高速走行できる路線の総延長は約2700km。営業運転の最高時速は320km。一部の列車はドイツなど他国にも乗り入れている。運行事業は2020年に市場開放され、当初から運行するフランス国鉄に加え、イタリアやスペインの鉄道会社が参入した。

サントス事件
ブラジルーサンパウロ州サントスで1943年、第2次大戦で連合国側についたブラジル当局から「敵性外国人」と見なされた日本人や日系人が突然、家を立ち退かされた事件。約6500人が収容所や内陸の居住地などに送られた。6割が沖縄県出身者とされる。家族が離散したり、財産を失って移住先で再出発を余儀なくされたりした。

武器等防護
自衛隊が弾薬や艦艇、航空機などを守る任務。合理的な範囲で武器使用が認められている。2016年施行の安全保障関連法に含まれる改正自衛隊法で、従来の自衛隊自身から米軍などの他国軍に対象を拡大。自衛隊と連携して共同訓練など「わが国の防衛に資する活動」に従事している場合、防護できるとした。主な対象は米軍で、弾道ミサイルの警戒に当たる艦艇や、共同訓練中の艦艇・航空機を防護。21年からオーストラリア軍も対象とし、共同訓練中に実施した。

最低賃金
パートやアルバイトなど非正規雇用者も含め全労働者に適用される賃金(時給)の下限額。国と地方の審議会を経て、毎年度改定される。下回った場合、法律により無効とされ企業には罰金が科される。改定の検討に当たっては、労働者の生計費、賃金、企業側の支払い能力の3要素を考慮し、春闘の妥結状況や物価指数といった統計データも参照する。海外の主要国より低水準であることや、都道府県ごと忙異なる金額の格差が課題となっている。

中国の金融政策
中国人民銀行(中央銀行)は、市中銀行に資金を供給する7日物の金利や「MLF(中期貸出制度)」の融資金利を政策金利として公表している。人民銀は6月に7日物を重視していく方針を示した。こうした金利を基に算出した銀行の貸出金利の参考となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」を発表してきたが、実際の銀行金利との乖離(かいり)も指摘され制度改革を進めている。

拡大抑止
同盟国への攻撃に対し、核兵器や通常兵器で報復する意思を示して敵国に軍事行動を思いとどまらせる抑止力提供の概念。米国は冷戦時代から日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)諸国といった同盟国に「核の傘」を提供し。攻撃を抑止してきた。

黒潮大蛇行
気象庁によると、2017年8丹から日本の太平洋岸を直進する黒潮が紀伊半島沖で南に大きく迂回(うかい)する「大蛇行」が発生。観測記録のある1965年以降、今回を含めて6回の大蛇行が確認され、現在の大蛇行が最長期間となっている。海洋研究開発機構によると、黒潮は大蛇行時には本来、高知県の足摺岬周辺まで接近するが、近年は沿岸から離れ瀬戸内海の海流へ影響が出ている。黒潮大蛇行を巡っては、房総半島沖で日本沿岸から離れる黒潮の続流が2019年ごろから北上する「北偏」も起き、東北沖の海水温を上昇させ漁にも影響を与えていると指摘されている。瀬戸内海本州と四国、九州に囲まれる国内曇天の内海。大小約700の島々や、入り組んだ海岸線があり、黒潮の恵みを受けて多様な海洋生物が生息する世界的にも貴重な海域となっている。水産庁瀬戸内海漁業調整事務所によると、外海に面しておらず波が穏やかで、河川からの栄養塩も豊かなため、ブリやタイなどの魚類、カキ、ノリ、真珠の養殖が盛ん。瀬戸内海における赤潮の年間発生件数は、工業化や都市化が進んだ1976年の299件をピークに、近年は100件を下回っている。
核のごみの最終処分
原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す再処理で出た廃液をガラスと混ぜ、固めた高レベル放射性廃棄物が「核のごみ」と呼ばれ、強い放射線を出し続ける。国は地下300mより深い岩盤に埋める地層処分で数万年以上、人間の生活環境から隔離する方針。最終処分場の選定は、文献調査、ボーリングで地質を確認する概要調査、地下施設を造る精密調査の3段階。2000年に成立した最終処分法は、最終処分する特定放射性廃棄物を再処理の過程でできたガラス固化体などと定義しており、使用済み燃料そのものは対象外となっている。
オーバードーズ
一般用医薬品(市販薬)や処方薬を過剰に摂取すること。「overdose」のアルファベットからODとも呼ばれる。急性中毒症状で意識障害や錯乱を引き起こし命に関わる危険があり、依存の問題も指摘されている。近年は若者が一時的な多幸感や高揚感を得ようとしたり、精神的苦痛から逃れようとしたりして市販薬を大量服用し救急搬送されるなどの事案が増え、社会問題となっている。
三菱UFJフィナンシヤルーグループ
2005年に三菱東京フィナンシャルーグループとUFJホールディングスが合併して発足した国内最大手の金融持ち株会社。08年にはリーマン・ショックで信用不安に陥った米モルガン・スタンレーに出資した。三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などを傘下に持つ。24年3月期の連結純利益は過去量咼の1兆4907億円。
青森県むつ市の中間貯蔵施設計画
2005年にむつ市と青森県、事業者が立地協定を締結。東京電力ホールディングスと日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する。核燃料を空冷式の金属容器で保管する「乾式貯蔵」を採用し、貯蔵建屋2棟の貯蔵能力は計5千トン。 13年に1棟目(3千トン)が完成した。事業者は04年時点の計画で、金属容器を含め「建設費は1千億円程度」としたが、その後の新規制基準などへの対応を含めた現時点の事業費を公表していない。
新型コロナウイルスの変異株
ウイルスが増殖を繰り返すうちに遺伝情報の一部が変化したもの。2019年に中国・武漢で初めて感染者が報告された後、アルファ株やデルタ株などのさまざまな変異株が国内外で広がり、流行の波を起こした。21年末ごろからは感染力の強いオミクロン株が広かった。現在もオミクロン株が流行しており、派生した「JN・1」の子孫の「KP・3」が主流になっている。
訪日客
海外から日本を訪れる外国人旅行者。政府観光局が毎月、推計人数を発表している。2003年に当時の小泉純一郎首相が「年間約500万人を10年に倍増させる」と表明し、観光立国の取り組みが本格化した。格安航空会社(LCC)の台頭などを追い風に、16年に初めて2千万人台に乗り、19年は3188万人まで増加。新型コロナウイルス禍となった21年は25万人まで減ったが、22年は383万人、23年は2506万人にまで回復した。政府は30年に6千万人とする目標を掲げる。
情報監視審査会
特定秘密の指定や解除に問題がないかどうかをチェックする国会の常設組織。2014年12月の特定秘密保護法施行を受け、衆参両院に設置された。各8人の議員で構成する。審査は非公開の秘密会形式で行う。必要と判断すれば行政機関の長に運用改善を勧告できる。特定秘密の提出を要請できる上、国会の他の委員会の求めに行政機。関が応じない場合には提出を勧告できる。政府側は、日本の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがあると判断すれば提出を拒める。

温室効果ガス
地球温暖化の原因となるガス。二酸化炭素が代表例で、ほかに廃棄物の埋め立てや化石燃料の採掘で出るメタンや、エアコンの冷媒に使われる代替フロンがある。日本は2030年度に13年度比で46%削減することを当面の目標としている。環境省と経済産業省は2024年6月に合同部会の初会合を開き、35年度以降の新たな削減目標の策定に向けて議論を始めた。

政策活動費
政党から政治家個人に支給される政治資金。党側の政治資金収支報告書には支出として記載されるが、政治団体ではなく個人に支給されるため、使途を明らかにする必要がない。岸田文雄首相は正当な政治活動に充てられていると主張したが、野党などは 「ブラックボックスになっている」と批判。自民党の二階俊博元幹事長が在任中の5年間に計約50億円を受領したことなどが国会で問題となり、今回の政治資金規正法改正につながった。政策活動費に関する領収書の10年後公開や支出上限額の設定が付則に盛り込まれた。

太平洋・島サミット
政府がオセアニア地域の協力機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」加盟18ヵ国・地域の首脳らを招き、環境や防災、海洋資源など地域が直面する課題を話し合う会議。1997年に始まり、3年ごとに日本で開催。2021年の前回は新型コロナウイルス禍のためオンラインで開いた。今回が10回目で、パプアニューギニアやフィジー、パラオ、サモア、ソロモン諸島といった島しょ国・地域の首脳と、オーストラリア、ニュージーランドの閣僚を招いている。

劉暁波氏の民主化運動
劉暁波氏は、1989年の天安門事件に至る民主化運動で指導的役割を果たしたとして、反革命宣伝扇動罪で起訴され、91年に刑事罰免除の判決を受けた。その後も中国にとどまり民主化を訴える中で2008年、共産党の一党独裁廃止を掲げた「○八憲章」の発表直前に拘束。基本的人権確立を目指し非暴力的手段で闘ったとして、国内に住む中国人として初となるノーベル平和賞を10年に受賞した。中国政府は授賞式への妻劉霞さんの代理出席を認めなかった。

タウンページ
職業名やサービス名から店舗や企業の名前(電話番号、住所などの情報を探せる紙の電話帳。起源は1890年発行の国内初の電話帳「電話加入者人名表」。1951年に職業別と五十音順の人名別に分かれ、83年に一般公募で現在の名称を決めた。地域別に発行され、広告欄は地元企業から人気を集めた。表紙にはオリジナルキャラクター「タウンページ君」をあしらい、データベースはカーナビゲーションシステムにも活用されている。NTTは2024年廃止を決定。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)
故・文鮮明(ムン・ソンミョン)が1954年に韓国で創設した宗教団体。日本教団は64年に宗教法人として認証された。 2015年に「世界基督教統一神霊協会」(統一教会)=から名称変更した。 22年7月の安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、教団と自民党の接点や、信者らの生活が破綻する高額献金などが改めて社会問題化。文部科学省は23年10月、高額献金問題などを理由に、教団の解散命令を東京地裁に請求した。今月16日には法人設立60年を迎える。

性同一性障害特例法
自認する性別が出生時と異なるトランスジェンダーの人などが戸籍上の性別を変更する要件を定める。2人以上の医師から性同一性障害の診断を受けた上で①18歳以上②婚姻していない③未成年の子がいない④生殖機能がない(生殖能力要件)⑤変更後の性器部分に似た外観を持つ(外観要件)―を全て満たせば、家裁の審判を経て変更が認められるとしている。最高裁は2023年10月の決定で生殖要件を違憲、無効とし、外観要件は審理を広島高裁に差し戻した。最高裁によると、特例法が施行された2004~23年に性別変更が認められたのは計1万2800人。

北大西洋条約機構(NATO)
1949年に米国、カナダ、西欧諸国の計12ヵ国がソ連に対抗するために結成した軍事同盟。東西冷戦終了後、東欧諸国の加盟が相次いだ。北大西洋条約第5条は集団防衛を定め、加盟国が軍事攻撃を受けた場合に全加盟国への攻撃と見なして武力行使を含む必要な行動を直ちに取ると規定。2022年のロシアのウクライナ侵攻を受けてフィンランドが23年4月、スウェーデンが24年3月にそれぞれ加盟し、32ヵ国体制になった。

青森県むつ市の中間貯蔵施設計画
2000年にむつ市が東京電力に立地可性調査を要請し、03年に当時の市長が誘致を表明した。燃料を空冷式の金属容器に入れて保管する「乾式貯蔵」を採用し、貯蔵建屋2棟分の貯蔵能力は計5千少トン。13年に1棟目が完成した。保管後は、日本原燃の再処理工場とは別に造る再処理工場への搬出を想定していたが、新設計画は具体化していない。

安倍元首相銃撃事件
 2022年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で街頭演説中の安倍晋三元首相が銃撃され死亡した。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された山上徹也被告は、母親が多額の献金をした世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に恨みがあり「(教団を韓国から)招き入れたのは岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」などと供述。奈良地検が殺人などの罪で起訴した。事件をきっかけに、悪質な寄付勧誘行為を規制する不当寄付勧誘防止法が成立。親が宗教の信者である「宗教2世」に注目が集まるようになった。
生成AI
 利用者の指示に基づいて大量のデータを学習し、文章や画像、音声などを生成する人工知能(AI)。米オープンAIが開発した対話型AI「チャットGPT」などが知られる。専門知識がなくても、感想文やイラストを手軽に作成でき、多方面で利用が広かっている。その一方、偽情報を作成して拡散したり知的財産権を侵害したりする懸念があり、開発や規制を巡る国際的なルール整備を求める声が高まっている。
西日本豪雨
 2018年7月、停滞した梅雨前線などの影響で西日本を中心に降り続いた記録的な大雨。気象庁は6~8日、広島、岡山、鳥取をはじめ京都、福岡など11府県に大雨特別警報を出した。土砂崩れや河川の氾濫により、犠牲者は14府県で災害関連死84入を含め計306人に上った。広島、山口、岡山の3県で全国の犠牲者の8割に当たる251人が亡くなり、8人の行方が分かっていない。建物やインフラ、農作物などの被害額は全国で1兆2千億円を超えた。
特定秘密保護法
 防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で、安全保障上の政策判断や自衛隊の活動に必要な秘匿性の高い情報が流出しないようにする法律。2013年12月に成立し、14年12月に施行された。第2次安倍政権が進めた安保体制強化の一環。米国などから日本政府の秘密保全は不十分だと指摘され、関係国から機微に触れる情報をスムーズに入手できるようにする狙いがあった。政府判断で秘密の範囲が広がり、国民の知る権利が妨げられるなど、法律そのものへの批判も根強い。
気象防災アドバイザー
 平時は自治体内での研修や住民への啓発活動を担い、災害時は首長らに気象状況の解説をしたり、避難情報発表の判断を進言したりする。気象庁は各地域のきめ細やかな気象解説を担う「気象防災のスペシャリスト」と位置付けており、2024年4月現在、全国で272人が委嘱されている。気象台や測候所の管理職経験者、気象庁の研修を修了した気象予報士などが対象となる。
静岡の園児置き去り死
 静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月5日、河本千奈ちゃん=当時(3)=が通園バスに約5時間置き去りにされ、熱中症で死亡した。発見時、千奈ちゃんは上衣を脱ぎ、水筒は空になっていた。県警は同年12月、業務上過失致死の疑いで前園長(74)ら4人を書類送検。静岡地検は23年11月、前園長と元クラス担任(48)を在宅起訴した。政府は全国の保育所などの通園バスを対象に安全装置の設置を義務付けた。
認知症の行方不明者対策
 厚生労働省の推計によると、国内の認知症患者は2025年に471万人。 50年には586万人となるなど増加傾向が続くとみられている。警察や自治体、地元企業や団体などでづくる見守り体制の構築のほか、発見者が読み取ると家族に連絡できるQRコード、発信器を持った人が近くを通ると家族に知らせる自動販売機など、情報通信技術(ICT)の活用も進められている。
管理不全の空き地
 適切な管理が行き届かず、草木の繁茂や害虫の発生、ごみの投棄、景観悪化など周辺環境に悪影響を及ぼす可能性がある。人口減少による管理の担い手不足や、高齢化による利用意欲の低下などを背景に、全国的に増える傾向にある。国土交通省によると、増加を防ぐため是正の指導や勧告などの規制を条例化している自治体も多い。
東証株価指数(TOPIX)
 日経平均株価と並ぶ日本の代表的な株価指数。「Tokyo  Stock Price Index」の略で、トピックスと読む。東京証券取引所の最上位プライム市場に上場している企業を中心に約2100社の株価を対象とする。1968年1月4日の時価総額を100として指数で表す。225社の株価で構成する日経平均株価と比べ、幅広い銘柄を組み入れている。
日本銀行券
 紙幣の正式名称。日銀だけが発行を認められており、発注を受けた国立印刷局が製造している。日銀から金融機関を経由して市中に出回る。偽造防止のため定期的にデザインを変更している。肖像などの様式は財務相が定め、公示する。紙幣の刷新はATMや自動販売機の更新といった関連需要が生まれるため、景気刺激の効果もあるとされる。
確約手続き
 独禁法違反の疑いで調査を受けた事業者側が、違反行為をやめて改善に取り組むことに合意した場合、課徴金納付命令や排除措置命令が免除される制度。2018年に導入された。新規参入を排除する「私的独占」や、競争相手の取引を不当に妨げる「取引妨害」などが対象で、談合やカルテルといった重大な違反には適用されない。公正取引委員会が事業者側に通知した後。事業者側が応じるかどうかを判断する。
除斥期間
 法律上の権利を行使できる期間で、その期間が過ぎると権利が消滅する。2020年に改正法が施行される以前の民法は、不法行為から20年の経過で損害賠償請求権が消滅すると規定。最高裁は1989年の判決で、この20年を除斥期間だと明確にし、判例として確立した。ただ、被害救済できないケースが起こり得るとの批判もあり、改正民法では当事者の事情によっては請求権が残る時効とすることが明記された。改正法施行前に20年が経過した事案には適用されない。
GAF
 精神疾患がある人の状態を表す指標。「機能の全体的評定」を意味する「Glbal Assessment of FunctioningJの頭文字を取り、「ギャフ」 「ガフ」と呼ばれる。精神疾患の治療計画を立て、治療の効果を評価する目的などで使われる。心理的、社会的、職業的機能について看護師や医師らが100点満点で点数を付ける。状態が悪いほど点数が低くなり、例えば31~40点は「仕事や学校、家族関係など多くの面で重大な欠陥がある」などと例示されている。厘生労働省の2023の調査では、精神科の訪問看護利用者の平均は55点だった。
国債の表面利率
 国の借金である国債の買い手に対し、国が1年間に支払う利子の割合。額面が100万円で利率が1.0%の場合、買い手は国から年間1万円受け取れる。財務省が入札時の市場実勢を参考にして決定し、償還まで利率は変わらない。国債自体は市場で売買され価格が上下する。市場での購入価格に対する利子も含めた利益の割合は「利回り」と呼ばれ、価格によって変動する。
核のごみの最終処分
 原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す再処理で出た廃液をガラスと混ぜ、固めた高レベル放射性廃棄物が「核のごみ」と呼ばれ、強い放射線を出し続ける。国は地下300mより深い岩盤に埋める地層処分で数万年以上、人間の生活環境から隔離する方針だ。最終処分場の選定は文献調査と、ボーリングで地質を確認する概要調査、地下施設を造る精密調査の3段階。概要、精密調査は市町村長や知事の意見を聞き、反対があれば進まない。
武力行使3要件
 歴代政権が憲法9条下で禁じてきた集団的自衛権行使を認めるため、安倍内閣が従来の「自衛権発動3要件」に代えて2014年に閣議決定した基準。憲法解釈変更の根幹に当たる。①日本または密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある②日本の存立を全うし、国民を守るため他に適当な手段がない③必要最小限度の実力行使にとどまる-場合に武力行使を認めた。

仮設商店街
 プレハブなど短期間で造れる建物に、災害で建物や設備が損壊して当面復旧できない小売り、飲食、サービス業など複数の店が入る。独立行政法人中小企業基盤整備機構の補助金を活用して自治体が建設し、事業者は原則無償で入居できる。機構によると、東日本大震災では岩手、宮城、福島3県で計70力所が建設され、最大910事業者が入った。2016年熊本地震でも整備された。
沖縄の米軍基地
 国土面積の約0.6%の沖縄県に在日米軍専用施設面積の約7割が集中する。普天間飛行場や嘉手納基地、キャンプ・ハンセンなどがある。米軍は1945年の沖縄戦を機に基地建設を開始。52年のサンフランシスコ平和条約発効で沖縄が米施政権下に置かれると「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強引な手法で民間地を接収し、基地を広げた。72年の日本復帰以降、県民は「基地のない平和な島」を願うが、半世紀以上たった今も整理縮小は進んでいない。
車の認証制度
 メーカーが新型の車やエンジンを生産する際、安全や環境に関する性能の基準(保安基準)などについて国の審査を受け認証を得る制度。国が指定した型式の車両は1台ごとに受ける検査を省略できるため、大量生産に不可欠とされる。保安基準は世界的に統一が進んでおり、日本で得た認証は欧州連合(EU)などでも相互に承認される。米国は相互承認の対象外。
厚生年金
 会社員らが対象の公的年金。加入者は2022年度末時点で約4618万人。保険料は労使が折半して支払う。納めた保険料に応じ、将来受け取れる額が変わる。厚生労働省によると、平均的な給与で40年間働いた夫と専業主婦のモデル世帯で、現在の受給額は月23万483円。自営業者や無職の入らは国民年金に加入する。
リクルート事件
 1988年、リクルート社から関連会社の未公開株が川崎市助役に譲渡されていたことが発覚。さらに政財官界の80人近くに計70万株がばらまかれていたことから一大スキャンダルに発展し、竹下内閣が総辞職に追い込まれた。政治改革を求める声が強まる中で94年1月、金権選挙になりやすいと指摘される衆院の中選挙区制を小選挙区比例代表並立制に改めることで与野党が合意。96年の衆院選から導入された。
表現の現場調査団
 映画や演劇、美術など表一応茫動に携わる有志が、創作の場での不平等解消やハラスメント撲滅を目指し、2020年11月に設立。22年までに2回の調査結果を公表した。21年の「ハラスメント白書」では、作品への不当なダメ出しや、演出を理由とした性差別など深刻なパワハラやセクハラが慣行する実態を報告。被害を訴える人の多くが女性や若手、フリーランスだった。99の年の「ジェンダーバランス白書」では賞の審査員や大賞受賞者の男女比を調べ、不均衡なジェンダーバランスが差別を生む構造を浮き彫りにした。
日銀決定会合の主な意見
 金融政策決定会合で政策委員から出た意見をまとめて公表する文書。政策運営の透明性を高める狙いがある。会合の6営業日後をめどに日銀のホームページに掲載する。政策の方向性を探る材料となり、金融市場に影響を与える場合もある。委員は日銀総裁、2人の副総裁、6人の審議委員の計9人。発言者名は明らかにしない。

ワグネル
 ロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合した2014年、ウクライナからの独立を宣言した東部ドンバス地域のロシア系住民を軍事支援するため、ロシアの新興財閥プリゴジンが創設した。ウクライナ侵攻では雇い兵や受刑者らを投入し、東部ドネツク州の要衝バフムトを制圧。政情不安のアフリカ諸国で民間人を無差別に殺害した疑いも持たれ、バイテン米政権から23年1月に「国際犯罪組織」に指定された。同6月23日、武装反乱を起こし、その後、事実上解体された。
規制改革実施計画
 規制の撤廃や緩和に向けた政府の取り組み方針を示す計画。企業の競争力強化や働き方改革などを通じて経済を活性化させる狙いがある。有識者らでつくる規制改革推進会議の答申を踏まえ、毎年6月ごろに閣議決定する。今年の計画では、一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」が注目され、法制度を含めた事業の方向性が盛り込まれた。
子の認知
 結婚していない男女の間に生まれた子(非嫡出子)に、法律上の親子関係を持たせるための手続き。認知届を自治体に提出し、受理される必要がある。認知をした場合、出生時にさかのぼって親子関係が成立し、扶養義務や相続権が生じる。民法は非摘出子について「父または母が認知できる」としているが、判例は母子関係は出産により成立するとしているため、主に父との関係が問題になる。父が認知しない場合、裁判手続きで認知を求めることができる。
食品ロス
 まだ食べられるのに廃棄される食べ物。事業者から出るものと、家庭から出るものがある。2022年度の国内推計の472万トンは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた各国からの食料支援の量(約440万トン、21年)に匹敵。需要を見誤った企業の生産、発注のほか、過剰に鮮度を求める消費者の志向なども背景にあるとされる。
宝塚俳優急死
 宝塚歌劇団宙組の俳優の女性=当時(25)=が2023年9月、兵庫県宝塚市で死亡し、県警が自殺の可能性が高いとみて捜査。11月に遺族代理人が記者会見し、過重労働とパワハラが原因だとして歌劇団と運営する阪急電鉄に謝罪、補償を求めた。歌劇団側は当初、長時間活動による心理的負荷のみ認め、パワハラは否定、遺族側の反発を受けパワハラを認めた。24年3月、角和夫・阪急阪神ホールディングス会長が遺族に直接謝罪し、双方が交渉終結を発表。西宮労働基準監督署が歌劇団内部の労働実態を調べている。
業務改善命令
 金融庁が金融商品取引法などの法律に基づき、金融機関に下す行政処分の一つ。法令違反や不適切な業務運営が見つかり、再発防止や経営管理の徹底を求める必要があると判断した場合に命じる。命令を受けた金融機関は期限内に業務改善計画を提出し、進み具合を定期的に報告しなければならない。より重い行政処分として業務停止命令や免許取り消しがある。
エヌビディア(NVIDIA)
 1993年創業の米半導体大手で、本社は西部カリフォルニア州サンタクララ。米メディアによると、社名は「羨望(せんぼう)」を意味するラテン語の「INVIDIA」に由来する。画像処理装置(GPU)の開発に強みを持ち、人工知能(AI)向けで世界をリードする。マイクロソフトやグーグルといったIT大手に供給している。
農林中央金庫(農林中金)
 1923年に「産業組合中央金庫」として設立された金融機関。43年に「農林中央金庫」に名称を改めた。農林水産業の発展を目指し、地域を基盤とする農業協同組合(JA)や、都道府県に設置された信用農業協同組合連合会(信連)が出資している。JAなどから集めた資金を債券や株式で運用したり、農林水産業に関連する企業に融資したりしている。
内閣不信任決議案
政権運営を任せられないとして衆院に提出される決議案。提出者に加え賛成者50人が必要で、出席議員の過半数の賛成で可決する。憲法69条は、可決した場合は10日以内に衆院が解散されない限り、内閣は総辞職しなければならないと定める。与党が否決するのが通例で、可決されたのは1948年と53年の吉田内閣、80年の大平内閣、93年の宮沢内閣の4例のみ。いずれも衆院を解散した。立憲民主党は昨年12月に岸田内閣に対して提出し、否決された。

日本版DBS
 英国の「DBS」(Disclosure and Barring Service 前歴開示・前歴者就業制限機構)を参考にして、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する制度。仕事の性質が、指導など優越的立場の「支配性」、密接な人間関係を持つ「継続性」、他者の目に触れにくい「閉鎖性」の要件を満たす場合を対象とする。保育所や学習塾などで被害が相次いでおり、子育て支援団体や保護者らが創設を求めた。
政治資金規正法
 政治活動の公正性や透明性を確保する目的で1948年に施行された。現在は20万円を超えるパーティー券を購入した個人や団体と金額を政治資金収支報告書に記載するよう定める。国会議員が代表を務める政治団体でも報告書の提出義務は会計責任者が負い、虚偽記入や不記載には5年以下の禁錮または100万円以下の罰金を科す。刑が確定すると公民権停止となる。自民党派閥の裏金事件を受け、パーティー券購入者の公開基準を20万円超から5万円超に引き下げることなどを盛り込んだ改正法が成立した。
SNS詐欺
 交流サイト(SNS)で投資家や著名人をかたって投資に勧誘し、金銭をだまし取る詐欺。警察庁の集計によると、2023年の認知件数は2271件で、被害額は約278億円。当初の接触ツールとして最も多いのは、男性被害者の場合はフェイスブックで22.1%、女性被害者はインスタグラムで31.5%。その後、連絡ツールを通信アプリのLINE(ライン)などに移し銀行口座に振り込ませるケースが多いという。
ホスピス型住宅
 末期がんや難病の人のケアとみとりに特化した住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を指す。「ホスピスホーム」「ナーシングホーム」などと称する場合もあり、公的な基準や呼称はない。周辺のクリニックが訪問診療に入り、医師は常駐していないのが一般的。訪問看護・介護も外部から受けるという扱いだが、併設のステーションの利用を求めることが多い。比較的大手の4社だけで北海道から九州まで約200ヵ所(定員計約9千人)あるほか、中小の事業者による開設も各地で相次いでいる。
中堅企業
 大企業と中小企業の間に位置する規模の企業分類として、2024年5月に成立した改正産業競争力強化法で創設された。従業員数が2千人超を大企業とし、中堅は2千人以下で、中小(製造業の場合は300人以下または資本金3億円以下)を除くと定義した。経済産業省によると、全国に9千社程度ある。経産省は、過去10年の国内での設備投資や売上高の伸びが大企業よりも高いと分析している。
政策活動費
 政党が党幹部らに配分する。党幹部らに使途報告の義務はない。与野党双方にあるが、自民党の支出額が突出し、2022年は14億円を超える。野党が政策活動費の廃止や党は10年後の領収書公開を盛り込んだ政治資金規正法改正案を提出。23日が会期末の今国会中に成立する見込みだ。領収書公開や上限額の設定など具体的な制度設計はこれからで、野党は「裏金づくりの根絶に全くつながらない」と批判している。

犯罪被害の回復
 犯罪によって死亡・けがをしたり、財産的な損害を受けたりした場合、被害者は刑事裁判の裁判官が有罪判決の証拠を使って結論を出す制度や民事訴訟を通じ、加害者に損害賠償請求できる。これとは別に、国は被害者や遺族に一時金を支払う給付制度を設けている。今月15日、額を底上げする改正を施行。し各地の地方自治体も見舞金制度などをつくっているが、地域によって支援の手厚さが違うといった格差が問題となっている。国が賠償金を立て替えて支払い、加害者から取り立てる制度の導入を求める声もある。
国会議員関係政治団体
 政治資金規正法は①国会議員が代表を務める団体や政党支部②寄付金控除制度の適用を受け、特定の国会議員を推薦・支持する団体-を「国会議員関係政治団体」と定める。人件費を除く1万円超の支出について具体的な使途内容の記載が必要で、全ての領収書の保管義務がある。税理士など「登録政治資金監査人」による監査も受けなければならない。政治資金の透明性を高めるための特例として2007年の法改正で盛り込まれ、09年分から運用が始まった。関係団体に該当しない「その他の政治団体」は政治活動費のみ5万円以上の支出明細を記載する必要がある。
内閣官房報償費(機密費)
 内閣の重要課題の情報収集や関係者の調整に使うとするが、国は使途を公表していない。交付額はおおむね月に1億円。大半が官房長官の執務室の金庫で保管され、領収書なしでも支出できる。選挙など目的外の使用を指摘する声もある。
国際卓越研究大学
 世界最高水準の研究成果を生み出すため、国公私立大の数校を認定し、研究環境の整備を後押しする制度。海外の大学が豊富な資金を集めて研究力を高める一方、日本では論文の数や質が低迷していることが背景にある。政府は10兆円規模の基金の運用益から、認定した1校当たり年数百億円を支援に充てる。1回目の公募では東北大のほか、東大、京大、筑波大、東京科学大(東京工業大と東京医科歯科火が統合予定)、東京理科火、早稲田大、名古屋大、大阪大、九州大が申請した。
人権救済申し立て
 憲法が保障する基本的人権が侵害される恐れのある事態に対し、日弁連や各地の弁護士会に救済を申し立てる制度。各組織が人権侵害の有無などを調査し、侵害が認められる場合は警告や勧告などの措置を取る。法的な強制力はないが、司法の一翼を担う弁護士組織の判断として一定の影響力を持つ。
日銀の国債購入
 日銀が機関投資家から国債を購入すると、債券市場の需給が引き締まり、国債の価格が上昇して長期金利の指標となる利回りが低下し、固定型の住宅ローンや企業向け融資の金利が下がることが見込まれる。国債を売買する手段は公開市場操作やオペレーション(オペ)と呼ばれる。日銀が国債を購入する場合は通常、購入額を通知し、入札でより高い利回り(低い価格)を提示した機関投資家から優先的に買い入れる。
外国人材の受け入れ
 1993年に始まった技能実習制度では、長時間労働や賃金の未払い、ハラスメントなどが頻発。原則職場を変えられないため失踪者も続出した。見直しを検討した政府有識者会議は2023年11月、新制度「育成就労」を創設し、特定技能へ移行を進めるとの最終報告をまとめた。特定技能は24年3月、受け入れ対象に4分野を加えて全16分野に拡大すると閣議決定。受け入れ見込み数は24年度から5年間で最大82万人とした。23年末時点で技能実習の外国人は約40万4千人、特定技能は約20万8千人。
佐渡島(さど)の金山
 「相川鶴子(あいかわつるし)金銀山」と「西三川(にしみかわ)砂金山」で構成される鉱山遺跡。17世紀には金の産出量が世界最大級だった。金の採取から精錬までを手工業で行った時代の遺構が残っているのは世界的に例がないとされる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は今月「登録」に次ぐ2番目の評価「情報照会」を勧告。世界遺産への登録を考慮する価値があるとした上で、日本に補足説明を求め、江戸時代に限らず採掘が行われた全期間の歴史を説明する施設の整備を勧めた。
iPS創薬
 患者から提供を受けた血液や皮膚の細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)をつくり、神経などの細胞に成長させて培養皿の上で病気を再現、薬剤を投与して効果があるものがないか網羅的に調べる手法。患者の負担も小さく、一度にさまざまな化合物を試すことが可能になる。また既存の薬を使った場合は、安全性の確認や実用化に向けた手続きを簡略化できる利点がある。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
 筋肉を動かす神経が徐々に侵され、全身の筋肉が動かなくなり歩行や呼吸、食事が困難になる病気。通常、体の感覚や知能、内臓機能などは保たれるが、人工呼吸器による生命の維持が必要になることが多く、使わない場合は発症後数年で死亡することがある。進行を緩和する薬はあるが、根本的な治療法は確立されていない。厚生労働省の指定難病で、国内の患者数は少なくとも約1万人。
食料・農業・農村基本計画
 食料・農業・農村基本法に基づき、政府が中長期的に取り組むべき農政の方針を定めた計画。5年ごとに見直すことになっている。現行計画は2020年3月に閣議決定した。カロリーベースの食料自給率を30年度に45%まで引き上げる目標を掲げているほか、食料の安定供給の確保や農業の持続的な発展、農村振興などに関する方針を示している。
トヨタの国内販売体制
 トヨタ自動車系の国内販売会社は3月末時点で236社、店舗数は約4600ある。トヨタ直営店は「トヨタモビリティ東京」だけで、その他は地場資本の独立経営。かつては「ネッツ店」「トヨペット店」など4系列ごとに販売車種が異なっていたが、2020年から全車種の取り扱いが可能になった。21年には車検不正が相次いで発覚し問題化した。
溶血性レンサ球菌
 連鎖状につながる球形の細菌で、赤血球を溶かしながら増殖する。このうち子どもの間で流行するA群は発熱、喉の痛みが主な症状で、1週間以内に回復する。「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、まれだが子どもから大人まで幅広く発症し、特に30歳以上に多い。発熱や血圧低下などの症状が出た後に急激に悪化し、手足の壊死(えし)や多臓器不全を引き起こす。致死率は30~70%と高い。
大阪地検特捜部の横領無罪事件
 大阪府の学校法人の元理事長が不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の山岸忍元社長らと共謀し、法人の土地の売却手付金21億円を横領したとして、大阪地検特捜部に2019年に逮捕、起訴された。21年の大阪地裁判決は、山岸氏の関与を認めた元部下の供述を「虚偽の可能性が高い」と判断し、山岸氏に無罪を言い渡した。検察側か控訴を断念し、確定した。元理事長ら5人は有罪が確定している。
欧州議会選
 欧州連合(EU)市民を代表する欧州議会議員の選挙。1979年に初実施。議員の任期は5年で解散はない。720議席が27加盟国に人口比で配分され、最多はドイツの96議席。比例代表制に基づく薑接選挙で国ごとに選出する。有権者数は約3億6千万人。各国の立場を共有する政党が連合し、欧州議会内で政党クルー¬プ(会派)をつくる。 
欧州委員長
 任期5年で再任可。欧州連合(EU)加盟国の首相・閣僚経験者らが務めてきた。 EU大統領と共にEU首脳として先進7力国首脳会議(G7サミット)に出席する。 EUの法案提出や予算の編成・執行、条約交渉を担う欧州委員会の作業指針を定め、全加盟国から1人ずつ任命される欧州委員に職務を割り振る権限を持つ。
個人情報保護委員会
 内閣府の外局に設置された行政機関。公正取引委員会などと同じく独立した委員会で、個人情報保護法やマイナンバー法に基づき業務を執行している。企業や行政機関への立ち入り検査や勧告・命令の権限を持つ。委員長を含む有識者9人で構成。実務は各省庁から集められた職員らによる事務局が担う。
調査研究広報滞在費
 旧文書通信交通滞在費のことで、国会議員に歳費とは別に月額100万円支給される手当。2021年10月31日の衆院選で当選した新人議員に10月分が満額支給され、日本維新の会が問題提起。見直し機運が高まった。22年の法改正で支給を日割りに改め、支給目的を「国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動」と定めて名称変更した。使途報告や未使用分の国庫返納義務がなく、制度改正の論点として残っている。
夫婦別姓
 男女が結婚の際にそれぞれの姓を変えない制度で、日本では・導入されていない。法制審議会(法相の諮問機関)は1996年、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正を答申したが、保守系議員の反対などで法案は提出されていない。2024年3月8日、夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は個人の尊重などを定める憲法に違反するとして、12人が国に損害賠償を求めて東京、札幌両地裁に提訴した。

保護司
 罪を犯して刑務所や少年院を出て保護観祭中の人の更生を支援する民間人ボランティア。法相が委嘱する非常勤の国家公務員で、交通費などの実費を除き報酬はない。地域の実情に通じている大などが選ばれる。月に数回、保護司の自宅や保護司会の施設で面談して生活面の悩みを聞くほか、地域社会に溶け込めるよう仕事の紹介など関係者との調整もする。犯罪白書によると、2023年1月現在、全国で約4万7000人が活動し、平均年齢は65.5歳。
旅客機用燃料
 原油から精製される旅客機向けの燃料。石油元売り各社が製油所で生産 する。原油からは沸点の違いなどを利用して、ガソリン、ナフサ、重油など各種の石油製品が精製される。経済産業省によると、2023年度の国内の燃料油生産量は1億3936万kl。ガソリンが4429万klで約3割 を占め、旅客機を含む航空機用の燃料は1割弱の1187万klだった。
ライドシェア
 自家用車を使い、一般ドライバーが有料で客を運ぶサービス。道路運送法では原則禁止されている。例外措置として、2006年に公共交通機関が少ない過疎地などに限り自治体や民間非営利団体(NPO)が有償で乗客を運べる「自家用有償旅客運送」制度が導入された。 「自治体ライトシェア」とも呼ばれる。今年4月からは東京や名古屋など都市部でも、タクシーが不足する地域や時間帯にタクシー会社が運行主体となる「日本版ライトシェア」が始まった。
通信の秘密
 個人のプライバシーや自由を守るため、手紙や電話、電子メールといった通信の内容、相手などを第三者や公権力に知られない権利。憲法21条2項は検閲の禁止に加え「通信の秘密は、これを侵してはならない」と規定している。この規定に基づき、インターネット空間では電気通信事業法により、事業者は業務上知り得た他人の秘密を守らなければならないと定められている。通信内容の漏えいや不当な取得などの違反をすれば、懲役や罰金の刑罰が科される。
核兵器のない世界に向けた国際賢人会議
 岸田文雄首相が提唱。米中ロ英仏の核保有5大国と日本、ドイツ、アルゼンチン、ヨルダン、インドネシア、インド、ニュージ上フンドの専門家計15人が各国の立場を超え、核軍縮の道筋を探る。前身は岸田首相が外相時代の2017年に創設した賢人会議。
エヌビディア(NVIDIA)
 1993年創業の米半導体大手。本社は西部カリフォルニア州サンタクララ。米メディアによると、社名の由来は「羨望」を意味するラテン語の「INVIDIA」。画像処理装置(GPU)の開発に強みを持ち、人工知能(AI)向けで世界をリードする。マイクロソフトやグーグルといったIT大手に供給している。
国民スポーツ大会
 戦後のスポーツ振興のため、「国民体育大会」として1946年に第1回大会が京都や大阪などを中心に開かれた。以降、各都道府県の持ち回りで原則開催。日本スポーツ協会、文部科学省、開催自治体が共催する。秋季の本大会と冬季大会を実施し、都道府県対抗方式で男女総合優勝には天皇杯が授与される。2024年から「国民スポーツ大会レに名称変更された。
国際観光旅客税
 日本人、外国人を問わず、日本から出国するたびに1000円を課す国の税金。2019年1月7日から適用が始まった。航空会社や船舶会社がチケット代に上乗せして徴収し、国に納めている。税収の使い道は①快適に旅行できる環境の整備②日本の多様な魅力に関する情報入手の容易化③地域固有の文化、自然を活用した観光資源の整備・-の3分野に限定されている。
骨太方針
 政府の経済政策や財政運営に関する基本方針。政権が重点を置く施策や成長戦略をまとめ、年末の予算編成や税制改正に反映させる。正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」。外交や安全保障といった経済以外の重要政策も盛り込む。首相が議長を務める経済財政諮問会議で閣僚や民間議員が議論し、与党の意見を踏まえ例年6月ごろに閣議決定する。

核のごみ
 使用済み核燃料からプルトニウムを取り出した廃液をガラスで固めた高レベル放射哇廃棄物。政府は、地下300mより深い岩盤に金属容器や粘土で覆って数万年以上埋める処分を計画する。最終処分場の選定に向けて文献、概要、精密調査の3段階で計20年程度かけて適性を調べる。15年の基本方針改定で、自治体からの立候補に頼る方式から、国が地図を示し、複数の自治体に調査の受け入れを求める方式に見直した。ただ候補地は長年決まらず、日本の原子力政策は「トイレなきマンション」と批判する声もある。
大学生の就職活動
 学業に影響が出ないよう、政府は加職活動のルールを設けている。解禁時期として会社説明会を含む広報活動が3月、面接などの選考を6月、内定に10月としている。かつては船団連が企業に日程の順守を呼びかけていたが、2021年卒からは政府が要請する形に転封した。リクルートワークス究所の推計では、来春卒業予定で企業への就職を希望する学生は45万5千人。企業の求人数は79万7千人を見込んでいる。
暗号資産(仮想通貨)
 インターネット上で取引される財産的な価値を持つ電子データ。円やドルなどと違って紙幣や硬貨のような実体はなく、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用し、複数のコンピューターが相互に取引を承認・記録することで信頼性を担保している。取引価格の大幅な変動や悪用が課題となっている。
長期避難世帯
 1998年に成立した被災者生活再建支援法に基づき、地震や大雨による土砂崩れや盛り土崩落などで危険な状態が続いて自宅に住むことができない状態が長期間に及ぶ世帯を都道府県が認定する。住宅の損壊程度にかかわらず仮設住宅に入居でき、全壊世帯と同じ最大300万円の支援金が支給されるが、解除まで元の家に住むことはできない。
三位一体改革
 小泉政権の2004~06年度、行財政の効率化、地方分権の推進を目的に実施。国庫補助金など3兆円の税源が国から地方へ移譲されたが、同時に地方交付税が5兆円削減された。地方の裁量権の拡大にはつながらず、自治体の財政悪化を招いたとの批判も強い。
生活道路 明確な定義はないが、一般道路のうち、地域住民が通勤、通学など日常生活での移動や、幹線道路に出るまでに利用する比較的狭い道路を主に指す。幅員が5.5m未満の道路は、他の道路に比べて交通事故発生件数の減少幅が小さく、政府は2021~25年度の交通安全基本計画で、生活道路の安全確保を重視。指定区域の最高速度を時速30kmにする 「ゾーン30」の整備や、ビッグデータ活用による潜在的な危険場所の解消、通学路の点検や見守り活動といった取り組みを進めている。
南海トラフ巨大地震
 駿河湾から日向灘沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)に沿って起き、おおむね100~150年間隔で発生しているとされる地震。政府の地震調査委員会は、マグニチュード(M)8~9級の地震が30年以内に起きる確率を70~80%と算出している。最大30m超の津波を引き起こす恐れがあり、国は死者を最大32万3千人と推計している。
南アフリカの総選挙
国民議会(下院)の議員を比例代表制で選ぶ。登録有権者数は約2770万人。下院は選挙後に招集される議会で大統領を選出する。与党「アフリカ民族会議」(ANC)は初めて全人種が参加した1994年の選挙で圧勝し、故マンデラ氏が大統領に就任。近年は支持者が離れ、2019年の前回選挙は、得票率が民主化以降で最低だった。

食料・農業・農村基本法
 食料の安定供給や農業の持続的な発展、農村振興などを理念として掲げた法律。国民生活の安定向上や経済の健全な発展を目的としている。「農政の憲法」と呼ばれ、1999年に施行された。岸田文雄首相が2022年9月に法改正を見据えた見直しを指示し、農林水産省は有識者らによる検証部会を開いて議論してきた。
内閣人事局
 中央省庁の幹部人事を一元管理する内閣官房の組織。従来は総務省や人事院が担ってきた人事行政の権限を移管し、2014年5月30日に設置された。管理する幹部は審議官以上で、現在約700人。防衛装備庁やデジタル庁といった重要課題に対応するための新組織整備のほか、国家公務員の女性活躍やワークライフバランスの推進、働き方改革、採用試験なども担う。トップの内閣人事局長は官房副長官が兼務し、現在は元警察庁長官の栗生俊一官房副長官が務める。
路線バス
 乗り合いバスとも呼ばれ、国の事業許可を得て、不特定多数の乗客を有料で運ぶ。運転手がワンマンで乗務し、決められた経路を定期運行するのが一般的。運賃体系は、乗った距離に関係なく同じ金額を支払う均一制と、乗車した区間に応じて金額が変わる「対キロ区間制」の二つに大別される。従来の現金に加え、交通系ICカードやQRコード、クレジットカードのタッチ決済などキャッシュレスでの支払いに対応する路線が増えている。
厚労省の飲酒指針
 厚生労働省が2月に正式決定した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」。飲酒に伴うリスクを周知し、健康障害を防ぐための初めての指針となる。おおよその数値として1日当たり20g以上の純アルコール量の摂取で大腸がんのリスクが高まるなど疾病別の発症リスクの例示や避けるべき飲み方を示した。公表を受け、ビール大手がアルコール度数8%以上の缶酎ハイの新商品発売を控える方針を表明するなど影響が広かった。
毎月勤労統計調査
 厚生労働省が賃金や労働時間、雇用動向の変化を把握するため、毎月公表している調査。都道府県を通じて、―人当たりの基本給や残業代、出勤日数、労働時間を調べる。物価変動の影響を加味した実質賃金も算出する。国の重要な「基幹統計」の一つで、調査結果は景気動向の指標などに幅広く活用されている。
#MeToo運動
 性的嫌がらせ「セクハラ」や性的暴行の被害を訴える米国発の活動。英語で「私も」を意味し「ミートウー運動」と読む。米映画界の大物プロデューサーのセクハラ問題が2017年に報じられたのを機に「私も」と被害を告白する動きが世界で広がった。「#」はハッジュマークと呼ばれ、単語に付けることでインターネット上の検索目印を成す。日本では17年にジヤ亅ナリスト伊藤詩織さん、22年に元自衛官の五ノ井里奈さんが実名で性暴力被害を公表。米政府は今年3月、五ノ井さんに「世界の勇気ある女性賞」を贈られた。
生成AI
 利用者の指示で文章や画像、動画などを手軽に生成することができる人工知能(AI)。米オープンAIが開発した対話型の「チャットGPT」がよく知られている。企業の業務効率化をはじめ多方面での活用が期待される一方、偽情報拡散による社会の混乱や人権侵害の助長が危惧されている。欧州連合(EU)を筆頭に規制を強化する動きがある。
長期金利
 お金を貸し借りする期間が1年超の場合に適用される金利の総称。新たに発行された満期までの期間が10年の国債の市場利回りが代表的な指標とされる。市場では銀行などの機関投資家が国債を売買しており、国債価格が上がると金利は下がり、逆に価格が下がると金利は上昇する。一般的に景気が良くなる局面では上がる傾向がある。
IPEF
 日米韓やオーストラリア、東南アジア諸国などインド太平洋地域の計14力国が参加する新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」。英語の頭文字をとり「アイペフ」と呼ばれる。バイデン米大統領が2021年10月に提唱し、22年5月に発足した。巨大経済圏構想「一帯一路」などで影響力を増す中国への対抗軸を示す狙いがある。関税引き下げは議題にせず、経済的なつながりを深める方策を協議している。
病害虫の注意報
 稲や墅米、果物といった農作物の病害虫がまん延し、重大な被害を及ぼす恐れがある場合に、注意喚起して対策を促すための情報。植物防疫法に基づいて都道府県が発令し、病害虫の発生状況や防除対策などを周知する。昨年は果樹カメムシ類、いもち病、トマト黄化葉巻病などが対象となった。より警戒が必要な場合は「警報」、新たな病害虫が発見された場合などは「特殊報」が出される。
裁判員制度
 刑事裁判に市民感覚を反映させるのを目的に、有権者から無作為に選ばれた裁判員と裁判官が共同で審理する制度。2009年5月に始まった。構成は原則、裁判員6人と裁判官3人。有罪・無罪を判断し、量刑も決定するo対象事件は殺人や傷害致死など。成人年齢引き下げに伴って裁判員に選ばれる年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられ、昨年から審理に加わるようになった。
金融機能強化法
 地方銀行など地域金融機関の財務強化を目的に、国が公的資金を注入できるようにするための法律。2004年に成立し、改正を重ねている。地域経済を支える中小企業への貸し出しが滞らないようにする狙い。20年の改正では、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業を支える地銀向けに、資本注入を受ける際の条件を緩和する特例を設けた。24年3月末までの出資実績は計7160億円。

農林中央金庫
 1923年設立。地域を基盤とする農業協同組合(JA)や、都道府県に設置された信用農業協同組合連合会(信連)から出資を受ける民間の金融機関。JAなどから資金を集めて債券や株式を運用したり、企業に融資したりしている。市場運用資産残高は2023年12月末時点で約56兆円。23年4~12月期連結決算の純利益は前年同期比39.1%減の970億円。
国会議員関係政治団体
 政治資金規正法は①国会議員が代表を務める団体や政党支部②寄付金控除制度の適用を受け、特定の国会議員を推薦・支持する団体-を「国会議員関係政治団体」と定める。人件費を除く1万円超の支出について具体的な使途内容の記載が必要で、全ての領収書の保管義務がある。税理士など「登録政治資金監査人」による監査も受けなければならない。政治資金の透明性を高めるための特例として2007年の法改正で盛り込まれ、09年分から運用が始まった。関係団体に該当しない「その他の政治団体」は政治活動費のみ5万円以上の支出明細を記載する必要がある。
選挙の自由妨害罪
 公選法の225条で規定する。選挙に関する集会や演説を妨害した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮か、100万円以下の罰金が科せられる。1948年の最高裁判決は「聴衆がこれを聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」を演説の妨害と認定した。
日台関係
 1972年に断交した後も、実務的な窓口機関を設けて維持してきた関係。日中共同声明で、日本は中華人民共和国を「中国の唯一の合法政府」と認め、台湾を自国領とする中国の立場を「十分理解し、尊重」するとした。中国は台湾を武力統一する可能性を排除しておらず、日本は台湾有事が自国の安全保障に影響を及ぼすことを懸念。安全保障分野での日台協力は中国を刺激しかねないため慎重な姿勢を取っている。
チャイナハウス
 米中競争が衝突に転じないよう両国関係を管理するため、米国務省で縦割りを排しながら中国に関する情報の共有や政策の調整に当たる東アジア・太平洋局の一部門。正式名称は→中国調整室」。2022年12月に60~70人態勢で発足した。政権の対中戦略を推進するため、課題に対応すると同時に中国による世界規模の活動に目を光らせている。
つばさの党
 黒川敦彦容疑者(45)が代表、根本良輔容疑者(29)が幹事長を務める政治団体。旧名は「オリーブの木」。消費税ゼロや反グローバリズムなどを政策に掲げる。黒川容疑者は大学卒業後、投資コンサルティング会社などを経て政治活動に身を転じ、旧NHK党の幹事長などを務めた。選挙で他陣営の演説を妨害する様子などをユーチューブで配信しており、チャンネル登録者数は約25万人に上る。
改正民法
 子育て環境が多様化している現状を踏まえ、子の利益確保のため離婚後親権や養育費の在り方などを見直す。婚姻中は父母が共同で親権を持ち、離婚後は父母の一方を親権者にするとの定めを見直し、離婚後の共同親権も可能とする。養育費不払いに対処するため、最低限の支払いを請求できる「法定養育費」を創設するほか、別居親と子の「親子交流(面会交流)」の試行を家裁が促す新制度も設ける。
核燃料サイクル
 原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムなどを取り出し、混合酸化物(MOX)燃料に加工して再利用する取り組み。ただMOX燃料利用の本命だった高速増殖炉は、原型炉「もんじゅ」(福井県)が2016年に廃炉決定。通常の原発で使う「プルサーマル発電」も進んでいない。プルトニウムは核兵器に転用でき。大量保有には国際的な懸念もある。中核施設である再処理工場は1993年に着工したが、未完成。核のごみの最終処分場の場所も決まっていない。
個人消費
 個人が自動車、食料品といったモノのほか、外食や宿泊を含むサービスの購入に充てた金額の総計。日本の国内総生産(GDP)の過半を占めるため、経済に与える影響が大きい。物価の上昇に所得向上が伴わないと、モノやサービスの買い控えが起きて企業の収益が伸び悩む。政府は定額減税を6月から窶施することで個人消費を促す。
日本の創薬力
 厚生労働省の有識者会議がまとめた報告書によると、世界の医療用医薬品売り上げ上位100品目のうち日本発のものは、2016年の13品目から21年の9品目へ減少。バイオ医薬品などの新しい分野に、企業が投資してこなかったことが原因の一つとされる。新型コロナウイルス禍では国産のワクチンや治療薬の開発が遅れた。希少疾患や小児の医薬品を中心に、海外の新薬が国内で開発されない「ドラッグロス」も拡大。日本での治験コストの高さや、市場の成長への期待が低いことなどが背景にある。

災害関連死
地震による建物倒壊、津波や洪水が原因で亡くなる直接死とは別に、避難生活の疲労や環境変化のストレスから体調が悪化して亡くなり、災害が原因と認められた事例。自殺も含まれる。自治体の審査により関連死と認定されれば、災害弔慰金支給法に基づき、生計維持者を亡くした遺族に500万円、生計維持者以外を亡くした遺族に250万円が支給される。阪神大屋災以降、認定が始まっかと言われるが、内閣府が関連死を定義したのは2019年。内閣府は認定基準は設けず、事例集を公表している。
コンビニ
コンビニエンスストアの略。食料品や日用品の販売を中心とした小型の小売店。日本フランチャイズチェーン協会によると、2022年度のコンビニ店舗数は5万7451店、売上高は11兆円超に上る。最大手セブン・イレブンを筆頭にファミリーマート、ローソンの大手3社で5万店を占める。ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートが1000~2000店。ポプラが約250店と続く。人口減少を背景に18年度の約5万8000店をピークに頭打ちで、飽和状態となっている。
道路啓開
地震など災害の発生時に、救助や消防、搬送などの緊急車両が通行できるようにするため、最低限のがれき処理や土砂の除去を早急に行い、路面の段差も修正して救援ルートを確保すること。東日本大震災を契機に重要性が強く指摘されるようになった。国や自治体では、必要な作業を迅速に実施できるよう「道路啓開計画」の作成を進めている。
オンラインカジノサイト
日本ではアクセスして金銭を賭ける行為は禁止されており、賭博罪(50万円以下の罰金または科料)または常習賭博罪(3年以下の懲役)が科せられる。「誰でもどこでもゲーム感覚でできるため、違法性の認識が薄い」と指摘するが、海外サイトを介していることが多く特定に時間がかかるなどとして取り締まりの難しさもあるとする。
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原発の稼働率
原発が一定期間内に発電した電力量と、その期間に休まずフルパワーで運転した場合に得られる電力量の比率。設備利用率ともいう。1983~2002年度は70~80%台を保っていたが、02年に発覚した東京電力トラブル隠し後は低下傾向となり、福島第1原発事故の影響で14年度に0%となった。

為替介入
各国の通貨当局が外国為替相場を安定させるため、自国通貨や外貨を市場で売買すること。日本では財務相の指示に基づき、日銀が実務を担っている。1国だけで実施する「単独介入」や複数の国が連携して行う「協調介入」、通貨当局が秘密裏に行う「覆面介入」がある。円安ドル高を食い止めるための介入は、国が「外国為替資金特別会計」で管理しているドルを売って円を買う。最近では、2022年9月22日、10月21日、10月24日に実施された。円買いドル売り介入に充てるドルには限りがあり、投機筋に限界を見透かされる恐れもある。

AUKUS(オーカス)
米国と英国、オーストラリアが2021年9月に創設を発表した安全保障枠組み。非核国オーストラリアに米原子力潜水艦を配備した上で、英豪両国で次世代原潜を製造することが柱。インド太平洋地域で海洋進出を強める中国に対抗する。原潜導入で台湾や沖縄県・尖閣諸島の周辺でも長期間の作戦行動が可能になると見込む。極超音速兵器や対潜水艦戦、人工知能(AI)、電子戦、量子技術の分野では他国にも協力を呼びかけている。

セキュリティー・クリアランス
安全保障に関する機密情報へのアクセス権限を国が認めた有資格者に限定する制度。日本語では「適性評価」などと訳される。防衛や外交分野などを対象とした特定秘密保護法で既に導入されている。保全する情報を指定した上で、本人の同意を前提に犯罪歴や飲酒の節度、家族の国籍などの身辺調査を実施し資格付与を判断する。

巨大IT規制

インターネット検索やネット通販、交流サイト(SNS)などを手がける巨大IT企業への規制。市場での存在感が高まり、競争政策や個人情報保護の観点から主要国・地域が規制強化を進めている。欧州ではデジタル市場法(DMA)のほか、利用者保護を求めるデジタルサービス法(DSA)を施行。米国では連邦政府や州当局が反トラスト法(独占禁止法)に基づく訴訟を相次いで起こしている。日本政府もアプリ市場の運営開放を求める新法を検討している。

人工知能(AI)
人間の脳のように物事を学習したり膨大なデータから推測して判断したりできる技術。「ディープラーニング(深層学習)」と呼ぶ手法で大量のデータを解析する。自動運転車の制御技術や病気の早期発見など多分野に応用される。利用者の指示に基づき文章や画像を作る 「生成AI」が急速に普及している。企業の生産性向上が期待される一方、誤情報拡散や著作権侵害が懸念されている。

JAM
中小製造業が中心の産業別労働組合(産別)で、機械や電機、自動車といった幅広い業種で構成。「ジャム」と呼ぶ。建機のコマツや農機のクボタといった一部大手も含む。1999年に結成され、加盟労組の組含員数を合計すると35万人規模に達する。労使交渉に役立てるため、組合員の給料の実額をまとめる「賃金全数調査」を毎年実施している。連合の芳野友子会長の出身産別。

ジェンダー・ギャップ指数
世界経済フォーラム(WEF)が公表する男女格差報告。日本は2023年版で146ヵ国中、過去最低の125位にとどまった。先進7力国(G7)で最下位、韓国や中国も下回る。日本の状況を分野別で見ると、教育(47位)や健康(59位)に比べ、経済(123位)と政治(138位)が足を引っ張る。政治分野では、国会議員や閣僚などに占める女性の割合が低いことが要因となっている。

韓国の少子化問題
韓国の合計特殊出生率は、1970年が4.50と日本の2.13を上回り、当時の全世界平均(70~75年の平均で4.48)に近い水準だった。しかし80年代から低下し始め、98年には1.5を切った。2018年に0.98と初めて1を下回り、低下を続けている。出生数は1970年代には100万人を超えていたが、2023年には23万人と、4分の1以下にまで減少している。背景として、住宅価格の高騰や子どもの教育費負担など若者が結婚・出産をためらう要因が指摘されている。

IPEF
日米韓やオーストラリア、東南アジア諸国など計14力国が参加する新たな経済圏構想。「インド太平洋経済枠組み」。略称は英語の頭文字をとって「IPEF(アイペフ)」と呼ぶ。環太平洋連携協定(TPP)から離脱した米国が主導して2022年5月に発足した。主要4分野のうち「供給網」は協定発効にこぎ着け、「クリーン経済」と「公正な経済」も実質合意した。残る「貿易」分野はデータの越境移転などデジタル貿易のルール作りが停滞し、合意に至っていない。

フーシ派 イエメンのイスラム教シーア派の一派であるサイド派の復興を目指し、教育や文化的活動を行っていた「信仰する若者」という組織を起源とする反米の武装組織。。シーア派の地域大国イランの支援を受け、イエメン北部を支配している。フーシ派は2004年から政府軍と断続的に戦闘を繰り広げ、15年に首都サヌアを制圧。イエメンの暫定政権の要請を受け隣国サウジアラビアが空爆を始め、内戦に陥った。イエメンは中東の最貧国で、暫定政権を支援するサウジと、フーシ派を支えるイランの代理戦争を展開してきた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)
東南アジア諸国でつくる地域協力機構。1967年にタイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポールの5カ国で創設。その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが加入し現在は10力国。東ティモールは将来的な加盟を控える。日本との交流は73年に合成ゴムに関する閣僚級会合で開始。77年には日本とASEANの首脳会議が初開催された。特別首脳会議は2003年に始まり、10年ごとに開かれている。

EU加盟
欧州連合(EU)加盟の可能性があると認められた候補国はEUとの交渉を経て、正式に加盟を認められる。民主主義や法の支配が保証されているか、市場経済が成熟しているかなどの基準を満たす必要がある。ハードルは高く、加盟までは通常長い年月がかかる。最新の加盟国クロアチアは2004年に候補国となり、13年に加盟が実現した。ウクライナとモルドバのほかに、トルコ、セルビア、モンテネグロなど5カ国が加盟候補国と認定されている。

パワー半導体
電流の直流と交流の変換や、電圧の調整などに使う半導体。モーターの回転を高精度に制御したり、太陽電池で発電した電気を送ったりする際に欠かせない。電気自動車(EV)や電車、家電製品に幅広く使われる。主な材料はシリコンだったが、電子機器の小型化や高効率化につながるとして、炭化ケイ素や窒化ガリウムの活用が広かっている。2022年、1:インフィニオンテクノロジーズ(独・21.4)、2:オンセミ(米・10.1)、3:STマイクロエレクトロニクス(スイス・8.5)、4:三菱電機(5.2)、5:富士電機(4.7)

政治資金規正法
政治活動の公正性を確保する目的で1948年に施行された法律。個人や法人による献金の上限を設けているほか、外国法人や他人名義による献金も原則禁止とするなど、政治団体への寄付についてのルールを細かく規定する。20万円を超えるパーティー券を購入した個人や団体、金額を政治資金収支報告書に記載するよう定める。虚偽記入や不記載には、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金が科せられる。

UDタクシー
高齢者や子ども、障害者も利用しやすく設計したタクシーで、UDはUniversal Designの頭文字。予約が必要な福祉タクシーと異なり、流しなど気軽な利用を想定する。国土交通省によると、2022年3月時点で全国のタクシーの16.9%に当たる3万台近くが導入された。国は25年度末までに各都道府県で総車両数の25%にする目標を掲げている。

フィッシング
金融機関などに成り済まして電子メールやショートメッセージを送り付け、正規のものに酷似したウェブサイトに接続させてIDやパスワードを詐取する行為。英語で「Phishing」とつづり、魚釣りを意味する「Fishing.」と、洗練されたという意味の「Sophisticated」をかけた造語とされる。手口が巧妙化しており、盗んだ情報を基にインターネットバンキング利用者の預金が別口座に不正送金される事件も急増している。

ガザ地区
イスラエルとエジプトに挟まれた地中海沿いの細長い地域で、面積約365平方m。人口約216万人。イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領し、2005年9月に完全撤退した後も外部境界の管理を継続。イスラム組織ハマスが07年6月に武力制圧し実効支配している。イスラエルは08年12月~09年1月、12年11月、・14年7~8月に大規模な攻撃、を実施。21年5月の戦闘ではパレスチナ人約250人が死亡、イスラエル側でも約10人が犠牲となった。

マイナンバーカード

国内に住む全ての人に割り当てた12桁のマイナンバーや名前、顔写真などを記載したICチップ内蔵のカード。2016年1月から交付が始まった。身分証明やオンラインで行政手続きをする際の本人確認に使う。カード取得者向けの「マイナポイント」は、クレジットカードなど決済サービスを選ぶと、事業者から買い物などに使えるポイントが付与される。原資は国が負担している。

IPEF
米国が主導する新たな経済圏構想「lndo-Pacific Economic Framework(インド太平洋経済枠組み)」の略称で、アイペフと呼ばれる。ハイテン米大統領の提唱により2022年5月に発足。日米韓やオーストラリア、東南アジア諸国などインド太平洋地域の計14か国が参加する。関税引き下げは議題にせず、経済的なつながりを深める方策を協議。23年5月に供給網の強化策で合意した。

イラン核合意
イランの核兵器保有を防ぐため、米英仏独中ロとイランが2015年に結んだ合意。イランが核開発を制限する代わりに、欧米が制裁を解除する内容。トランプ前米政権は18年、合意を離脱し制裁を再発動。イランは対抗して核開発を拡大し、合意は機能不全となった。バイデン米政権は合意再建を目指しイランとの間接協議を21年に開始したが、停滞が続いている。

IPO
新規株式公開の略称。「Initial Public Offering」の頭文字を取った。上場していない企業の株式を公開し、証券取引所で投資家が売買できるようにすること。企業は株式を売ることで事業拡大や財務基盤強化に向けた資金を調達できるほか、知名度向上も期待できる。I POでは新株を発行して資金を調達したり、既存株主が保有株を売り出したりする場合がある。

G20
日米欧の先進7力国(G7)に中国やロシア、インドなど新興国と欧州連合(EU)を加えた20力国・地域からなる国際会議の枠組み。アジア通貨危機後の1999年に財務柤・中央銀行総裁会議が始まり、2008年のリーマン・ショツクを契機に首脳会議が開かれるようになった。世界経済の成長や金融市場の安定、気候変動など地球規模の課題を議論。初の首脳会議は08年11月に米ワシントンで開かれ、19年には日本初の首脳会議が大阪で開かれた。

NTTの新たな通信技術。電気信号と光を変換処理するため伝送に時間がかかり、消費電力も大きい現在の通信技術と異なり、光信号のままデータ処理することで伝送の遅延を減らせるのが特徴。英語の「Innovative Optical Wireless Network」の頭文字を取った。社会のデータ需要の増大を見据えた普及が期待されている。

GIGAスクール構想
GIGAは「Global and Innovation Gateway for All(全ての児童生徒のための世界につながる革新的な扉)」の略。全国の小中学校で児童生徒に1人1台のパソコンやタブレット端末を配備し、高速通信環境を整備する計画で、文部科学省が2019年に打ち出した。学校でのデジタル機器活用の遅れに対する危機感が背景にある。新型コロナウイルス感染症流行で遠隔授業の必要性が増し、配備が加速した。

Qakbot(クアックボット)
遅くとも2007年には登場したサイバー犯罪に使われるコンピューターウイルスの一種。「Qbot」や「PinksliPbot」と呼ばれることもある。「Qak」は固有名詞で「bot」は特定の計算を繰り返すプログラムのこと。「Robot(ロボット)」が語源で、サイバーセキュリティー業界ではウイルスを指す。感染するとポットネットと呼ばれるサイバー犯罪のネットワークに組み込まれて遠隔操作される。情報を盗まれたり、さまざまなサイバー攻撃に悪用されたりする。

インボイス(適格請求書)
2019年10月に消費税が10%と8%の複数税率となったことに対応した請求書類で、正確な納税額を計算するため導入が決まった。サービス・業務の提供や商品の納入を受注した売り手の事業者が、税率ごとに区分した消費税額などを明記して、発注元の事業者に対して発行する。請求書や納品書や領収書、レシートなど書類の名称は問わないが、発行する事業者は税務署に登録する必要がある。

オーバードーズ
市販薬や処方薬を過剰に摂取すること。「overdose」の頭文字を取り、ODとも言われる。「dose(ドーズ)」は、薬を服用する際の1回あたりの用量を指す。急性中毒症状による健康被害の恐れがあるほか、死亡するケースもある。近年、ドラッグストアやインターネットで市販薬を買って用量を大幅に超えて摂取し、覚醒や、精神的苦痛から逃れる手段にする若者が増加しており、社会問題となっている。

アノニマス
政治的な主張を動機としてサイバー攻撃を行う国際的ハッカー集団。インターネットの匿名性や自由、人権や環境、動物保護などを旗印にする。「ハッカー」と活動家を意味する「アクティビスト」を組み合わせた造語「ハクティビスト」の代表的な存在とされる。2015年ごろに活動は停滞したが、22年のウクライナ侵攻を口実にロシア政府のウェブサイトを攻撃してから、勢いを盛り返している。

マイナ保険証
健康保険証の機能が付いたマイナンバーカード。力―ド取得後、保険証として利用登録すると使える。7月9日時点でカード取得者の約7割に当たる6493万人が登録済み。医療機関はカード読み取り機を新たに設置する必要がある。政府は過去の診察や薬の処方歴に基づき、良い医療につながると説明している。一方、医療現場では読み取り機が故障したり、患者の情報がシステムに反映されず「無保険扱い」となったりするトラブルが相旧次いでいる。

特殊詐欺
対面せずに電話で相手を信じ込ませ、銀行口座に振り込ませるなどして金を詐取する犯罪の総称。2002年ごろ登場した「おれおれ」の手口が最初とされる。03年に全国で急増し社会問題化した。「架空請求」などを加えて4つに分類した振り込め詐欺のほか、「金融商品取引名目」やキャッシュカードを窃取する「カード詐欺盗」など。20年から10類型に。犯罪グループは、電話でだます「かけ子」、現金を受け取る「受け子」、口座から引き出す 「出し子」など役割を分担。国内での取り締まり強化を背景に、フィリピンやカンボジアなど海外に拠点を移すケースも相次いでいる。

インボイス(適格請求書)
2019年10月に消費税が10%と8%の複数税率となったことに対応した請求書類で、正確な納税額を計算するため導入が決まった。サービス・業務の提供や商品の納入を受注した売り手の事業者が、税率ごとに区分した消費税額などを明記して、発注元の事業者に対して発行する・請求書や納品書や領収書、レシートなど書類の名称は問わないが、発行する事業者は税務署に登録する必要がある。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域を中心とする経済連携協定(EPA)。貿易自由化に向け、農産品や工業製品の関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業などのルールを定める。当初12力国で署名したが、米国がトランプ政権発足後に離脱。11ヵ国でまとめ直した。新規加盟した英国に続き、中国、台湾、ウクライナ、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイが加盟申請している。

Viog(ブイログ)
「Video(ビデオ)」と、インターネット上の日記「Blog(ブログ)」を組み合わせた言葉。主にネットに投稿する目的で、身の回りの出来事や趣味を撮影した動画を指す。交流サイト(SNS)や動画投稿サイトの普及で、若い世代を中心に利用が広かっている。こだわった編集やライブ配信が人気を集め、一つの動画の総視聴回数が数百万回に及ぶこともある。

人工知能(AI)
人間の脳のように物事を学習したり、膨大なデータから推論して判断したりできる技術やプログラム。脳神経回路を参考にした「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる手法により、デー夕の解析精度が飛躍的に向上した。車の自動運転技術や病気の早期発見などにも応用される。近年は利用者の指示に基づいて文章や画像、音声を作成できる「生成AI」が登場。利便性の一方で個人情報の不適切な収集や教育現場での悪影響、誤情報の拡散といったリスクも指摘される。

空き家の現状
総務省の統計よると、全国の空き家の総数は2018年時点で849万戸に上り、20年前の1.5倍となった。このうち長期不在など活用のめどが立たない物件は349万戸。対策をしないと30年には470万戸になると見込まれ、政府は、利活用や撤去を促すことで30年は400万戸までに抑えることを目指している。京都市は売却などを促すため、独自の法定外税「空き家税」を所有者に課すことを全国の自治体で初めて決定。早ければ26年にも導入する。

訪日客
海外から日本を訪れる外国人。2003年に小泉純一郎首相(当時)が「年間約500万人を10年に倍増させる」と表明し、観光立国の取り組みが本格化した。格安航空会社(LCC)の台頭や世界的な旅行ブームも追い風に、16年に2千万人台に乗せ、19年は3188万人を記録。だが、新型コロナウイルスの影響で20年は412万人、21年は25万人と低迷。22年は水際対策が大幅緩和された10月以降の伸びで383万人まで回復した。

オワハラ
企業が新卒採用で内定を出した学生に、他の企業への就職活動をやめるよう迫る行為。「就活終われ」と、英語で嫌がらせを意味する「harassment (ハラスメント)」を組み合わせた略語。学生優位の売り手市場が続き、企業が優秀な人材の囲い込みに焦っていることが背景にある。

次世代半導体
旧世代に比べて回路線幅が細く小型で、量産には高度な技術が必要な半導体。半導体の主要メーカーがある米国や台湾、韓国で研究開発が進み、欧州諸国も製造拠点の誘致を進めている。計算処理が劇的に速くなる量子コンピューターなどへの活用が見込まれる。日本でも2022年、トヨタ自動車などの主要企業が出資して国産化を目指す新会社「ラピダス」が設立され、2027年の量産開始を目指している。

8050問題
ひきこもりが長引いて、親が80代、本人が50代といった状態に陥り、生活に困窮する問題。周囲に相談できないまま孤立し、親の介護サービス利用をきっかけに、初めて明らかになることもある。ひきこもりや介護、貧困などの複合的な課題を抱える家庭に対し、一括して相談対応できるよう、市区町村を財政面で支援する改正社会福祉法が2021年4月から施行された。

IPEF
米国が主導する新経済圏構想「Indo-Pacific Economic Framework(インド太平洋経済枠組み)」の頭文字をとつた略称。アイペフと呼ぶ。バイデン大統領が提唱し、2022年5月に発足した。地域で影響力を拡大している中国に対抗する狙いがある。日本や米国、韓国、インド、オーストラリア、インドネシアなど14ヵ国が参加。「貿易」や「供給網」などの四つを主要なテーマとする。関税引き下げは想定せず、一部分野のみの参加も認める。

新型コロナウイルス感染症の5類移行
致死率の低下などを受けて政府は1月、新型コロナの感染症法上の位置付けを23年5月8日に「新型インフルエンザ等感染症」から「5類」へ引き下げることを決めた。感染者は発症翌日から5日間の自宅療養が推奨されるものの、法律に基づく入院勧告や外出自粛要請はなくなる。感染者の全数把握はせず、流行の動向は指定された「定点医療機関」からの報告で把握する。医療費は高額な治療薬代などを除いて自己負担が発生する。

チャットGPT
入力した質問に、人工知能(AI)が文章で回答する自動応答ソフト。人間のようなスムーズな対話に注目が集まり仕事の生産性向上やインターネットの使い方を変える可能性があると期待されている。一方、不正確な回答や、使う人の思考力低下といったリスクも指摘されている。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域の国々による経済連携協定(EPA)。貿易自由化に向け、農産品や工業製品の関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業など広範囲でルールを定めた。当初12カ国で署名したが、米国がトランプ政権発足後に離脱し11ヵ国でまとめ直した。日本、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、チリ、マレーシアの10ヵ国で発効済み。ブルネイは発効のための国内手続きが終わっていない。

台湾との国交
近年断交した国はガンビア(13年)、サントメ・プリンシペ(16)、パナマ(17)、ドミニカ共和国(18)、ブルキナファソ(18)、エルサルバドル(18)、ソロモン諸島(19)、キリバス(19)、ニカラグア(21)、ホンジュラス(23)。外交関係のある国はバチカン、ツバル、マーシャル諸島、パラオ、ナウル、グアテマラ、パラグアイ、ハイチ、ベリーズ、セントビンセント・グレナディーン、セントクリストファー・ネビス、セントルシア、エスワティニ(旧スワジランド)の13ヵ国。

年収の壁
被扶養者のパート従業員らが働く時間を抑える。企業が賃金を上げても、年収106万円以上になると扶養から外れ社会保険料の負担が生じる人が多く、働きたくても就業調整する実態がある。働く現場の人手不足感を背景に、就労を促す対応を迫られた形だ。一時給を上げると働く時間を短くするという矛盾が生じている。年106万円以上の収入を得ると、社会保険料の納付が必要でかえって手取りが減ってしまう。

TikTok
ティックトックと呼ばれる動画投稿アプリ。音楽に合わせて踊ったり口パクしたりする短時間の動画を公開できる。2012年創業の中国IT企業「北京字節跳動科技(バイトダンス)」が、中国国内向けの動画投稿アプリの海外版として、17年にリリース。若い世代を中心に人気を集め、21年には世界の月間利用者数戮が10億人を超えた。

2030年代の導入を見込む第6世代移動通信システムの略。現在普及が進む第5世代(5G)に比べ10倍以上の高速大容量通信が可能とされ、通信が難しかった空や海中、宇宙空間などのエリアでの活用が期待されている。日本は5Gの技術面や商用サービスで海外勢に後れを取った経緯があり、6Gでの巻き返しに向け政府も企業や大学を支援している。

放送法
テレビやラジオの放送事業の健全な発達を図りつつ、公共の福祉に適合するよう規制する法律。太平洋戦争中にラジオが政府宣伝に使われた反省を踏まえ、1950年に制定された。放送の不偏不党、自律を保障することで表現の自由を確保すると掲げる。第4条では番組の編集に当たり「政治的公平」「報道は事実をまげない」「意見が対立している問題には、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」などと規定。番組の適正化のため、審議機関の設置も定めている。

個人情報保護法
名前や住所など個人を特定する情報の取り扱いを定め、2003年に成立、05年に全面施行された。不正な利益を得るため個人情報を提供・盗用した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。個人データの第三者提供に関しては原則、本人同意が必要と規定。一方、必要な届け出をし、本人の要求で提供をやめる「オプトアウト」と呼ばれる制度を使えば本人同意が不要となる。22年に全面施行された改正法は本人同意の有無を問わず、05年以降に入手した個人情報の提供を禁じた。

新戦略兵器削減条約(新START)
戦略核兵器の配備数を初めて制限した第1次戦略兵器削減条約(STARTⅠ)の後継条約として米国とロシアが2010年4月に調印。11年2月発効。配備戦略核弾頭数を1550、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの運搬手段総数を800と米ロ核軍縮史上、最低水準まで制限した。米ロは18年2月に目標達成を発表。バイデン米大統領は21年1月にロシアのプーチン大統領と電話会談し5年間の延長で合意。26年2月まで有効。

デュアルSIM
1台のスマートフォンに契約者情報を記録した「SIMカード」2枚を差し込むなどし、2社分の櫓作電話回線の利用を可能にするサービス。1社の音声通話やデータ通信が使えない場合でも、もう1社の回線を利用できるため、通信障害時の有効な対策となる。近年は携帯電話各社によるデュアルSIMに対応したスマホ販売も増えている。

先端半導体
旧世代の半導体に比べて回路線幅が微細で、データ処理が速く消費電力を抑えられる。人工知能(AI)やスーパーコンピューター、データセンターなど幅広い領域で活用される。ミサイルの誘導など軍事技術にも使われ、安全保障上の重要性が増している。コンピューターの「頭脳」となるロジック半導体では、受託製造の台湾積体電路製造(TSMC)が世界市場をリードしている。

ナトリウムイオン電池
ナトリウムを材料に使った蓄電池。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、スマートフォンのバッテリーに多く使われるリチウムイオン電池より素早く充電できる。ナトリウムは海水から取れるため、地域によって資源量が偏るリチウムよりも調達しやすい。ただ、蓄電量はリチウムイオン電池の方が大きい。

物流の2024年問題
トラック運転手の残業の上限を年960時間に規制する労働基準法が24年4月に物流業者に適用され、深刻な人手不足が懸念される問題。施行から5年間の猶予があったものの、業界で長時間労働が是正されていないことが要因。背景にはインターネット通販の浸透による荷物の増加に加え、低賃金や高齢化による担い手不足がある。

CIS(独立国家共同体)
ソビエト連邦の崩壊時に、ソビエト連邦構成共和国独立した15か国のうちバルト三国を除く12か国(発足当初は10か国)によって結成された国家連合体。本部はベラルーシの首都ミンスクに置かれている。ジョージアは脱退、ウクライナは脱退状態でアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンの9ヶ国で構成。

防衛装備移転三原則
2014年4月に当時の安倍内閣が閣議決定した防衛装備品の輸出ルール。国際共同開発や輸出拡大に向け、従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃した。国際協力や日本の安全保障に資する場合、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。条約や国連安全保障理事会決議に違反する場合や、安保理か措置を取っている紛争当事国には輸出を禁じた。慎重な判断が必要な案件は国家安全保障会議で審議する。国際紛争を助長するとの懸念もある。

GX(グリーントランスフォーメーション)
ロシアのウクライナ侵攻などで、日本は石油危機以来のエネルギー危機に直面した。①・脱炭素推進へ再生可能エネルギー、原子力を最大限活用、②原発の次世代革新炉の開発・建設に取り組む、③「原則40年、最長60年」とした運転期間から、原発再稼働のための審査対応で停止した期間を除外し、60年超の運転を可能に、④「企業の脱炭素投資を後押しするため、今後10年間で20兆円規模の新たな国債「GX経済移行債」を発行

インボイス
メーカーや卸など事業者間の取引で、売り手が品名ごとの税率や税額などを記載して買い手に発行する税務書類。事業者を識別できる番号も明示され、納税額の厳格な把握に役立つとされる。消費税の軽減税率採用を踏まえてインボイス制度の2023年10月の導入が決まった。登録は任意。制度開始と同時に登録を受けたい事業者は、2023年3月末までに税務署などに申請する必要がある。政府、与党は、小規模事業者が消費税を納めることを選択した場合、2023年10月から3年間、納税額を客から受け取った消費税の2割に軽減する方針を固めている。

安保関連3文書
国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画(中期防)の3文書。上位文書の国家安保戦略は2013年、米国に倣い初めて策定され、自衛隊の海外展開を図る「積極的平和主義」を基本理念に明記した。改定に向けた自民党提言は、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有や防衛費の大幅増などを求めた。防衛力強化に関する政府の有識者会議の報告書も、反撃能力の保有は不可欠だと訴えた。防衛大綱は10年間を想定して防衛力の整備目標や部隊運用などを規定。中期防は5年間の防衛費の見積もりや装備品の数量を記す。

大きな数・小さな数の呼称
これまでの最大のヨタ(10の24剰)・最少のヨクト(10のマイナス24剰)に加えて新たにロナ(10の27剰)・ロント(10のマイナス27剰)、クエタ(10の30剰)・クエクト(10のマイナス30剰)が決まった

次世代半導体
旧世代の半導体に比べて回路線幅が細く小型で、量産には高度な技術が必要となる。半導体の主要メーカーがある米国や台湾、韓国で研究開発が進み、欧州諸国も製造拠点の誘致を進めている。計算処理が劇的に速くなる量子コンピューターなどへの活用が見込まれるほか、戦闘機やミサイルなどの性能も左右する。

新しい資本主義
岸田文雄首相が提唱する「成長と分配」を重視した経済政策。成長の果実を分配することで、次の成長につなげる好循環を目指す。格差拡大や地球温暖化などの社会的課題の解決を官民連携で図るほか、科学技術振興や経済安全保障の強化も柱に据える

北大西洋条約機構(NATO)
東西冷戦時のソ連の脅威に対抗するため、米国、カナダ、西欧諸国の12力国が1949年に結成した軍事同盟。冷戦終了後、東欧諸国の加盟が相次ぎ、2020年の北マケドニア加盟で30力国体制となった。集団防衛を定めたNATO条約第5条は加盟国が軍事攻撃を受けた場合、全加盟国への攻撃と見なし、武力行使を含む必要な行動を直ちに取ると規定する。今年5月にフィンランドとスウェーデンが加盟申請、NATO首脳会議が6月、加盟を認めることで合意した

SCO(上海協力機構)
中国、ロシア、インド、パキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの8ヵ国

インド太平洋経済枠組み(IPEF:アイペフ)
Indo-Pacific Economic Framework。インド太平洋地域の国々で、経済のつながりを深めるための枠組み。「デジタルを含む貿易」「クリーンエネルギー、脱炭素化、インフラ」「供給網の強靭化」「税・反汚職」が柱。バイデン米大統領が昨年10月の東アジアサミットで提唱し、5月23日に正式に発足。13ヵ国(アメリカ、日本、インド、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア)。フィジーが加盟し14ヵ国。環太平洋連携協定(TPP)に加盟申請するなど、同地域で影響力拡大を目指す中国に対抗する狙いがあるとみられている。

核弾頭数と米中ロの軍拡の動き(2021年1月)
アメリカ:5550、小型核弾頭の開発推進
ロシア:6255、極超音速兵器開発・新型核兵器の配置
中国:350、極超音速兵器開発・2030年までに核弾頭1000発保有意向
イギリス:225
フランス:290
イスラエル:90
パキスタン:165
インド:156
北朝鮮:40~50

G20
G7(日本、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、イタリア、ドイツ)、EU(欧州連合)、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、オーストラリア、インドネシア、韓国、メキシコ、アルゼンチン、サウジアラビア、トルコ

ランサムウェア
パソコンやサーバーに侵入し、機密文書や顧客情報のデータを暗号化して使えない状態にした上、復元と引き換えに金銭を要求するコンピューターウイルス。英語で身代金の意味の。「ランサム」と「ソフトウエア」を組み合わせた造語。つづりは「RANSOMWARE」。支払いは暗号資産(仮想通貨)を指定することが多い。応じなければデータを匿名性の高い、闇サイトで公開すると脅す手口も目立つ。

RCEP(地域的な包括的経済連携協定)
日本、中国、韓国、ASEAN(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)、オーストラリア、ニュージーランドの15ヶ国。GDP・人口で世界の3割の経済規模。22/1/1に発行予定。関税削減や統一ルールにより自由貿易を推進する枠組み。日本にとっては中韓との初めてのEPA(経済連携協定)。中国は、進出企業への技術移転の要求を禁止する規定を初めて受け入れた。データ通信などに関する電子商取引(EC)や、商標を含む知的財産保護に関しても一定の国際ルールが適用される。一方、TTPでの国有企業の補助や、環境・労働に関する規定は盛り込まれなかった。

TTP(環太平洋経済連携協定)
日本、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、カナダ、チリ、メキシコ、ペルーの11ヶ国。イギリス、中国、台湾が加盟を申請している。関税の撤廃、貿易手続きの円滑化、政府による発注の公平化、知的財産権の保護、金融サービスや電気通信のルールづくりなど、21の分野でテーマ。

クアッド(QUAD)
日本、アメリカ、オーストラリア、インドによる協力の枠組み。「四つで」「4者の」の意。2004年のスマトラ沖地震で救援・復興活動を担った4ヶ国協力が基礎。21年9月米ワシントンで初の首脳会合を開催。軍事面、経済面で影響力を増す中国をにらみ「自由で開かれたインド太平洋」構想推進に向けて連携強化を目指す。中国は強い警戒感を示している。

APEC(アジア太平洋経済協力会議)
TPP(日本・オーストラリア・ニュージーランド・ブルネイ・マレーシア・シンガポール・ベトナム・カナダ・チリ・メキシコ・ペルー)とアメリカ・中国・台湾・韓国・香港・インドネシア・パプアニューギニア・フィリピン・ロシア・タイの21ヵ国

SDGs
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs(エスディージーズ))とは、持続可能な開発のために国連が定める国際目標である。2015年9月の国連総会で採択された。

1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
2.飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3.あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4.すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
6.すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7.すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8.包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
9.強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び改革の推進を図る
10.各国内及び各国間の不平等を是正する
11.包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12.持続可能な生産消費形態を確保する
13.気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14.持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15.陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16.持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルで効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17.持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

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