検証しなくてはならない番組はもっとある

BPO(放送倫理・番組向上機構)がNHKの河瀬直美監督の五輪番組の中で、映画スタッフが男性にインタビューする場面で、「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」との誤った字幕をつけ放送したとして、勧告を受けた。事実であれば、由々しき問題である。反省し今後の番組制作に生かして欲しい。
しかし、何故この番組だけがクローズアップされ問題視されたのであろうか。放送倫理に問題のある番組は五万とある。作為的に視聴者を先導するために、司会者・出演者に誘導させる番組のなんと多いことか。先導したい側の意見を持つ者を意識的に出演させて一方的な方向性を植え付ける番組、最早必要性のないような問題をさも重要なことのように繰り返し放映するメディア。出演者だけが喜んでいる内容を、あたかも視聴者も喜んでいると錯覚している番組などなど。
NHKは視聴料を徴収しているから、厳しくチェックされて当然であるが、冒頭の番組行為が悪いというのであれば、多くのメディアで放映されている番組は同罪どころか重罪である。BPOは提起を受けて調査するのであろうが、その方法自体が間違っている。誘導したいものが恣意的に提起していることが問題だ。