週間出来事
5/22(月)
・ブラジル・ルサ大統領、米批判 G7で「ロシアへの攻撃けしかけている」
・中国の感染研、新型コロナ感染ピークが8月で6500万人が感染と予測
・法人タクシーの最低台数緩和方針
・女性役員、25年までに1名以上 東証プライム企業対象
5/23(火)
・韓国専門家、福島原発視察 処理水放出の安全確認
・ブラジル、鳥インフルエンザH5N1で「緊急事態」
・マイナンバーカード、口座ご登録録、7自治体で12件
5/24(水)
・社会保険料、1人月500円増へ 26年度から少子化対策財源
・チャットGPT、マイクロソフトのBingと連携
5/25(木)
・長野県中野市で、ナイフで2女性、猟銃で2警官殺害事件。5/27立て籠もっていた青木政憲(31)逮捕
・盛り土規制法施行 31都府県体制強化
・ロシア、ベラルーシに戦術核配備合意署名
5/26(金)
・大卒就職率97.3%、高卒98.0% コロナ前水準
5/27(土)
・米、債務上限期限5日に延期 財務長官4日間先延ばし、デフォルト回避へ
5/28(日)
・カンヌ映画祭、男優賞役所広司、脚本賞坂元裕二W受賞 『パーフェクトデイズ』(ビム・ベンダーズ監督)、『怪物』(是枝裕和)
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次世代半導体
旧世代に比べて回路線幅が細く小型で、量産には高度な技術が必要な半導体。半導体の主要メーカーがある米国や台湾、韓国で研究開発が進み、欧州諸国も製造拠点の誘致を進めている。計算処理が劇的に速くなる量子コンピューターなどへの活用が見込まれる。日本でも2022年、トヨタ自動車などの主要企業が出資して国産化を目指す新会社「ラピダス」が設立され、2027年の量産開始を目指している。
タクシー運賃
国が地区ごとに定めた上限と下限の範囲内で、事業者が自由に決められる。範囲を超えて値上げや値下げをする場合、改定を運輸局に求める必要がある。申し出た事業者の車両数の合計が地区全一体の7割以上になると、運輸局は改定が妥当かどうかを検討する。
抱き合わせ融資
貸付業者が、商品を不当に高額な価格で買わせることを条件に現金を融資する手口。商品の本来価格と販売価格との差額に、融資の返済分の利息を加えたものが実質的な利息となる。契約書面などの表向きの利息額は出資法が定める法定金利内に抑えられることが多く、違法な金利の発覚を免れる狙いがあるとみられる。利息額は年利20%を超えれば出資法違反となる。
盛り土規制法
住宅などに被害を及ぼす危険性がある盛り土を規制する法律。宅地造成等規制法を改称し、さまざまな用途の土地に適用するよう2022年5月に抜本改正。都道府県や政令指定都市、中核市が規制区域の指定や造成の許可を担う。罰則も強化し、個人には3年以下の懲役または1千万円以下の罰金、法人には最高3億円の罰金を科す。土地所有者らが安全な状態に維持する責務も明記した。
オワハラ
企業が新卒採用で内定を出した学生に、他の企業への就職活動をやめるよう迫る行為。「就活終われ」と、英語で嫌がらせを意味する「harassment (ハラスメント)」を組み合わせた略語。学生優位の売り手市場が続き、企業が優秀な人材の囲い込みに焦っていることが背景にある。
発電のアンモニア利用
日本政府は将来、再生可能エネルギーで作った水素と大気中にある窒素から生産したアンモニアを普及させることを目指している。クリーンなエネルギー源となり、火力発電の燃料として混ぜると二酸化炭素(CO2)の削減に貢献すると主張する。だが、当面はCO2排出が多い製造手法が主流であるほか、光化学スモッグの原因となる窒素酸化物の排出が増えるなど多くの懸念が示されている。
カンボジア国連平和維持活動(PKO)
ポルーポト派ら内戦当事者4派と日本など関係国18力国が1991年に和平に合意。選挙実施と民主国家樹立を目指し国連カンボジア暫定統治・機構(UNTAC)が発足、40力国以上の計約2万2千4人が携わった。選挙は93年5月に実施、暫定国民政府が7月に発足した。日本は92年成立のPKO協力法に基づき自衛隊部隊と警察官が初参加。自衛隊は道路補修などを担う施設部隊や停戦監視要員ら約1200人を派遣。文民警察官は全国の警察から75人が集められた。カンボジア国内の29ヵ所に分散配置され、現地警察の指導などを担った。
8050問題
ひきこもりが長引いて、親が80代、本人が50代といった状態に陥り、生活に困窮する問題。周囲に相談できないまま孤立し、親の介護サービス利用をきっかけに、初めて明らかになることもある。ひきこもりや介護、貧困などの複合的な課題を抱える家庭に対し、一括して相談対応できるよう、市区町村を財政面で支援する改正社会福祉法が2021年4月から施行された。
アラブ連盟
アラブ諸国の独立と主権を擁護するという目的で1945年に設立された地域機構。エジプト、サウジアラビアやクウェートなど21ヵ国のほか、パレスチナ解放機構(PLO)が加盟し、本部はエジプトのカイロ。2023年5月にシリアの復帰を認めた。
デフォルト(債務不履行)
国家や企業など公社債の発行体の財政状況が悪化し、約束された期限に契約通りに債権者への元本の返済や利子の支払いが行われないこと。英語のつづりは「Defaurt」。利払いの一時的な遅延から、元本が完全に返済不能となることまで幅広く指す。格付け会社が認定するほか、国家が自ら宣言する場合もある。デフォルトになると、金融市場での資金調達が難しくなる。国では過去にアルゼンチンやギリシヤなどで起きた。
経常収支
財務省が毎月公表する国際収支の代表的な指標。日本と海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す。日本に入ってくるお金が海外に出ていくお金より多いと黒字、少ないと赤字になる。モノの輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」、旅行者によるお金の出入りなどを示す「サービス収支」、海外保有資産からの利子や配当収入などを表す「第1次所得収支」、寄付や贈与の「第2次所得収支」で構成される。
新型コロナウイルス感染症の5類移行
致死率の低下などを受けて政府は1月、新型コロナの感染症法上の位置付けを23年5月8日に「新型インフルエンザ等感染症」から「5類」へ引き下げることを決めた。感染者は発症翌日から5日間の自宅療養が推奨されるものの、法律に基づく入院勧告や外出自粛要請はなくなる。感染者の全数把握はせず、流行の動向は指定された「定点医療機関」からの報告で把握する。医療費は高額な治療薬代などを除いて自己負担が発生する。
IPEF
米国が主導する新経済圏構想「Indo-Pacific Economic Framework(インド太平洋経済枠組み)」の頭文字をとつた略称。アイペフと呼ぶ。バイデン大統領が提唱し、2022年5月に発足した。地域で影響力を拡大している中国に対抗する狙いがある。日本や米国、韓国、インド、オーストラリア、インドネシアなど14ヵ国が参加。「貿易」や「供給網」などの四つを主要なテーマとする。関税引き下げは想定せず、一部分野のみの参加も認める。
WHOの緊急事態宣言
正式名称は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」。感染症などが各国に保健上の危険をもたらす事態や国際的な対策の調整が必要と判断される場合に、世界保健機関(WHO)が出す最高度の警告。専門家で構成する緊急委員会の勧告を踏まえ、WHO事務局長が宣言する。発出後は緊急委が3ヵ月ごとに開かれ、宣言の継続・終了の是非を検証。2005年の制度創設から7例あり、14年のポリオ(小児まひ)、22年のサル痘(エムポックス)に対しては継続中。
生成AI
利用者の指示に基づいて文章や画像、音声などを生成できる人工知能(AI)。対話型の「チャットGPT」が代表例。大量のデータで学習した内容を踏まえ、自然な表現で質問に答えたり、指示に忠実な画像を作ったりする。便利な一方、個人情報の不適切な収集や教育現場での悪影響、フェイクニュースなどをAIが学習して誤情報が拡散される危険性も指摘されている。
ランダムサブドメイン攻撃
大量のデータを送り付け、システム障害を起こすDDOS(ディードス)攻撃の一種。企業や自治体などのウェブサイトのインターネット上の住所「ドメイン」を管理するサーバーを狙い、複雑なデータを短時間に大量送信する。具体的にはサブドメインと呼ばれる、サイトが独自に設定するドメインを問い合わせる。問い合わせるサブドメインは架空のものだが、サーバーはサイト内に存在しないかどうかを探す作業を強いられるため、システムに大きな負荷がかかる。
技能実習と特定技能
外国人技能実習制度は、発展途上国への技術移転、人材育成を目的とする外国人研修制度を補う形で1993年に始まった。2022年末時点の実習生は約32万5千人。建設や食品製造関係が多い。特定技能制度は19年、労働力不足に対応し、即戦力の外国人を受け入れるために創設。最長5年働ける1号と、熟練労働者として永住も可能な2号がある。23年2月末時点で1号は約14万61千人で、2号は10人。技能実習からの移行が約7割を占める。
教員の勤務時間
公立学校の教員の勤務時間は休憩時間を除き1日7時間45分で、残業は学校行事や非常災害など「超勤4項目」に限ってしか命じることができない。仕事内容の特殊性から勤務の内外を切り分けるのが難しいとして、残業代は支払われず、代わりに月給の4%相当を「教職調整額」として支給している。2019年12月に改正教職員給与特別措置法(給特法)が成立し、教員の残業時間上限を「月45時間、年360時間」とする文部科学省の指針が法的に位置付けられた。
自衛隊法84条の4
外国で災害や騒乱が発生し、邦人が安全な場所に退避する必要があった場合に自衛隊の航空機や艦艇を使って、輸送することを規定している。2021年のアフガニスタンからの退避活動では、政府の判断遅れから邦人1人とアフガン大14人の輸送にとどまった。22年には、閣議決定を不要とするなどの法改正を実施した。
RSF
スーダンの準軍事組織「即応支援部隊」の英語表記「Rapid Support Forces」の略称。2000年代、西部ダルフール紛争で住民を虐殺した民兵組織ジャンジャウィードの出身者らで構成。バシル独裁政権下で台頭した。10万人の兵力を抱えるといわれる。バシル政権を崩壊させた19年のクーデターを軍と共に主導した。
核のごみ最終処分
原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理で発生するのが高レベル放射性廃棄物。「核のごみ」とも呼ばれる。極めて強い放射線を長期間発するため、国は地下300mより深い岩盤に埋める地層処分で数万年以上、人間の生活環境から隔離する方針。最終処分場の選定は、文献調査、概要調査、精密調査と3段階あり、計20年ほどかけて地盤や火山活動の有無などを調べ、建設の可否を判断する。
企業版ふるさこと納税
地方創生を目的に、企業が応援したい自治体の地域活性化事業に寄付した場合、税負担を軽くする制度。企業は寄付の3割を損金に算入、最大6割について法人住民税や法人税、法人事業税の税額控除が受けられる。合わせて寄付額の最大9割の税が軽減される。1回当たり10万円から寄付できる。税収が豊かな東京都など一部を除く、全国の自治体が対象。寄付を受けるには、自治体が「地域再生計画」を作り、政府から計画の認定を受ける必要がある。
チャットGPT
インターネット上の膨大なデータを学習し、利用者が入力した質問や指示に人工知能(AI)が文章などで答える自動応答ソフト。米新興企業のオープンAIが開発した。自然な対話ができることに注目が集まり、業務の効率化に役立つと期待されている。一方、個人情報などの流出や、使う人の思考力低下を懸念する声もある。
企業の障害者雇用
障害者雇用促進法は、従業員が43.5人以上(短時間労働者を0.5人と見なす)の企業に一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。割合は法定雇用率と呼ばれ、3023年現在は2.3%。雇用率が低い企業は行政指導を受けるほか、従業員100人超の場合は1人の不足につき原則、月5万円の納付金を課される。
補欠選挙
公選法の規定により、死去や辞職に伴う衆参両院議員の欠員を補う選挙ひ衆院の小選挙区では1人、参院の選挙区では改選数の4分の1超の欠員が出た場合、行われる。4月と10月の第4日曜日にまとめて実施。4月の補選は前年9月16日から2023年は3月15日まで、10月の補選は3月16日から9月15日までに生じた欠員が対象となる。選挙無効を求める訴訟が続いている間は実施できない規定があり、時期がずれ込むこともある。当選者の任期は、前任者の残り期間となる。
プラチナバンド
700~900MHz帯の周波数帯を指す。電波が遠くまで届き、少ない基地局で広い範囲をカバーできるため、携帯業界では価値の高い貴金属のプラチナに例えられている。現在はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社が使っている。2020年に本格参入した後発の楽天モバイルは持っていない。総務省は条件が整えば2023年秋ごろに携帯事業者に配分する方針だが、配分先はまだ決まっていない。楽天が獲得に乗り出すかどうかが今後の焦点。22年10月施行の改正電波法で、携帯事業者からの申し出があれば、既存の事業者に配分された電波を再分配することができるようになった。楽天は早期の再配分を訴えていますが、3社は後ろ向き。
電気の規制料金
電力の小売りが2016年に全面自由化される前から、大手電力が提供している電気料金のプラン。今でも多くの一般家庭が契約している。各社の判断で改定できる自由料金と違い、抜本的に値上げするには経済産業相の認可が必要となる。経産省の有識者会合で、大手電力が値上げの根拠として示す人件費や燃料費などの算定の妥当性や、経営効率化の取り組みを審査する。審査の結果、申請時より上げ幅が圧縮されるケースが多い。
物流の2024年問題
トラック運転手の残業上限を年960時間に規制する労働基準法が24年4月に物流業者に適用されることで、人手不足が懸念される問題。遠隔地に荷物が運べなくなったり、輸送費が高騰したりする可能性もある。インターネット通販の拡大で荷物は増えているが、物流の担い手は不足。労働環境改善や効率的な輸送が求められている。
物価高と春闘
春闘は、企業の経営側と労働組合が毎年春、賃金や労働条件を話し合う団体交渉を指す。労組は組合員の生活を守ることを重視しており、家計に影響する物価動向は要求を掲げる際の重要な目安となる。ウクライナ危機などを背景に、昨年は物価咼が急速に進行。労組の全国組織である連合は2023年春闘で5%程度の賃上げを求める方針を決め、前年の4%程度から目標を引き上げた。
米国の司法制度
連邦と州の2本立てになっており、州ごとに制度も異なる。トランプ前大統領が起訴された東部ニューヨーク州では、検察が示す証拠などを基に大陪審が起訴の是非を判断。起訴された被告人が罪状認否で無罪を主張した。場合、裁判となる。検察側、弁護側の双方が争点を整理する公判前手続きの後、裁判所が定める期日に出廷する必要がある。軽い犯罪以外は、一般市民から選ばれる陪審が有罪かどうかの判断を下す。有罪の場合、量刑は裁判官が判断する。
ブダペスト覚書
1991年末のソ連崩壊後、世界3位の核保有国となったウクライナが国内に残った核兵器を放棄する代わりに同国の独立と主権、領土を尊重し、安全保障を約束することをロシアや米英が確認した文書。94年12月、ハンガリーの首都ブダペストで署名。ウクライナはこれにより非核保有国として核拡散防止条約(NPT)に加盟した。覚書には、ウクライナ側の求めた法的拘束力は伴わなかった。違反行為などが生じた際の協議枠組みも担保されているが、機能していない。
米台関係
米国は第2次世界大戦を共に戦った蒋介石が率いる国民党政権との同盟関係から、中国共産党との内戦に敗れた国民党が逃れた台湾との関係を維持。1972年にニクソン大統領が訪中して毛沢東主席らと会談し、関係正常化へ向けて一致した。米国は79年、正式に中国と外交関係を樹立丿台湾と断交しながらも、台湾への武器提供などを義務付けた台湾関係法を成立させた。近年の米中対立激化に伴い、米政権’は台湾支持を鮮明化。経済面でも関係を深めている。
税外収入
国の一般会計の支出を賄う歳入のうち、所得税や法人税などの「税収」や、国債発行による借金を指す「公債金」以外の収入のこと。予算資料上は「その他収入」と表され、国有財産の売却収入、日銀の納付金、印紙収入などが含まれる。2023年度予算では、防衛費増額の財源を確保するため特別会計や独立行政法人で余っていたお金もかき集め、9兆3182億円の税外収入を計上した。
水素
元素の中で最も軽く、水を電気分解して製造できる。石炭や天然ガスなどの化石燃料からもつくれる。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さずに大きなエネルギーを生み出すことができ、燃料電池車などで実用化されている。一方、既存燃料に比べて生産や輸送コストが高いなどの課題がある。脱炭素時代の次世代エネルギーとして期待され、欧米などが普及に向けた計画を相次ぎ打ち出している。
北方領土問題
ロシアが択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島を占拠し、日本が返還を求めている問題。1945年8~9月、当時のソ連軍による侵攻が発端。日ソ両政府は56年、平和条約締結後に色丹と歯舞を引き渡すと明記した共同宣言に調印した。2018年11月、当時の安倍晋三首相はプーチン大統領との会談で、共同宣言を基礎にした交渉加速で一致したが、協議は停滞。ロシアは22年2月のウクライナ侵攻後、日本の制裁に反発し、平和条約交渉の中断を発表した。岸田政権は「不法占拠」だと非難し、返還を求めている。
チャットGPT
入力した質問に、人工知能(AI)が文章で回答する自動応答ソフト。人間のようなスムーズな対話に注目が集まり仕事の生産性向上やインターネットの使い方を変える可能性があると期待されている。一方、不正確な回答や、使う人の思考力低下といったリスクも指摘されている。
タリバン
内戦状態だったアフガニスタンで1994年、イスラム原理主義の神学生らが結成した武装集団。96年に政権樹立したが、2001年の米中枢同時テロで国際テロ組織アルカイダ指導者ビンラディン容疑者の引き渡しを拒み、米英軍の攻撃で政権崩壊。その後、勢力を盛り返し、駐留米軍の撤退完了を前にした21年8月15日、政権掌握。国際社会は、独自のイスラム法解釈による女性の教育や就労、服装制限を批判。暫定政権を承認していない。
こども家庭庁
子ども・子育て政策の司令塔の機能を持つ首相直属組織。2021.年に当時の菅義偉首相が行政の縦割りを打破する象徴として打ち出したのがきっかけ。組織名は「こども庁」が検討されたが、自民党内などから出た「子どもの育ちは家庭が基盤」との意見が反映され「こども家庭庁」に決まった。同庁が発足する4月1日には、子どもの権利保障などを掲げる議員立法の「こども基本法」も施行される。
合成燃料
水素と二酸化炭素(CO2)が原料で「e-fuel(イーフュエル)」と呼ばれる。走行時にCO2を排出するが、作る段階で大気中のCO2を回収するため、排出量は差し引きで実質ゼロになり、脱炭素につながる次世代エネルギーと目されている。ガソリンスタンドなど既存の燃料インフラを活用できることが利点とされ、日本でも政府が普及を推進している。
環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域の国々による経済連携協定(EPA)。貿易自由化に向け、農産品や工業製品の関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業など広範囲でルールを定めた。当初12カ国で署名したが、米国がトランプ政権発足後に離脱し11ヵ国でまとめ直した。日本、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、チリ、マレーシアの10ヵ国で発効済み。ブルネイは発効のための国内手続きが終わっていない。
米政権のEV優遇策
バイテン米政権が推進し、22年8月のインフレ抑制法に盛り込まれた電気自動車(EV)購入などへの税控除。2030年までに新車販売の5割をEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などにする目標を掲げた。北米での最終組み立てや、バッテリーなどに使う重要鉱物の調達地域について要件を定めている。
AI兵器
人間の介在なしに人工知能(AI)の機能で自動的に標的を識別し破壊、殺傷する軍事兵器。「自律型致死兵器システム (LAWS)」と呼ばれるが明確な定義はない。米国や中国、ロシアなど各国がAIで制御する戦闘機や戦車の開発を競っている。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の締約国会議で規制論議が継続中。2019年の締約国会議では、国際人道法を順守して運用する指針を盛り込んだ専門家会議の報告書を採択したが、法的拘束力はない。
障害賚雇用
障害者雇用促進法は従業員の一定割合以上、障害者を雇うことを義務付ける「法定雇用率」を定めている。一定規模以上の民間企業は現在2.3%で、国や自治体は2.6%。障害者の社会参加促進や、均等な機会の確保などが目的。2022年6月現在、企業で働く障害者は約61万人で過去最多だったが、平均雇用率は2.25%だった。半分以上の企業は法定率に届いていなかった。100人超の企業は法定率を下回ると、不足1人につき原則、月5万円の納付金を徴収される。
ロシアによる子ども連れ去り
ロシアは侵攻後、ウクライナの占領地から子どもをロシア国内に連れ去り養子縁組に出しているとされる。ウクライナ側は①親を殺害したり占領地の検問で親と分離したりして連行②占領地の規則や治療を名目に親元から強制分離③孤児院から連行などの手口と主張、ロシア側は「保護」だと反論する。ウクライナ当局はロシア側に連れ去られた1万6000人を超える子どもの身元を特定。ロシアの公開情報の分析では、連れ去りは74万人以上に達するとしている。国際刑事裁判所(ICC)は2023年3月17日、子ども連れ去りに関与した疑いでプーチン大統領とリボワベロワ・子どもの権利担当大統領全権代表に逮捕状を出した。
宇宙科学研究所
相模原市に本部があり、気球や観測用ロケット、衛星、地球周辺空間の観測など多分野の研究を手がけ、小惑星から試料を持ち帰った探査機「はやぷさ」や「はやぶさ2」のプロジェクトを主導した。1981年に東大宇宙航空研究所が改組し、旧文部省所管の機関として創設。2003年に航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団と統合して宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発足し、当初は宇宙科学研究本部となり、10年に旧来の現名称に戻った。
合成燃料
水素と二酸化炭素(CO2)が原料で「elfuel(イーフュエル)」と呼ばれる。脱炭素につながる次世代エネルギーと目されている。ガソリンと同様、自動車や航空機の燃料などとして使える。発電所などで排出されたCO2を回収、水素と組み合わせて製造し「人工的な原油」とも言われる。ガソリンスタンドなど既存の燃料インフラを活用できることが利点とされ、日本でも政府が普及を推進している。
働き方と子育て
総務省の2022年の労働力調査によると、15~64歳の女性の就業率は72.4%で、男性(84.2%)との差は年々縮小している。一方で「男は仕事、女は家庭」という性別役割意識は根強く、同省の別の調査によると、6歳未満の子どもがいる世帯で、夫が家事や育児に費やす時間は妻の4分の1程度にとどまる。男性の育児参加が進まない背景には、長時間労働を当たり前とする労働慣行もある。男女共に子育てをしながらフルタイムで働ける環境整備が求められており、働き方見直しは政府の少子化対策の主要項目となっている。
台湾との国交
近年断交した国はガンビア(13年)、サントメ・プリンシペ(16)、パナマ(17)、ドミニカ共和国(18)、ブルキナファソ(18)、エルサルバドル(18)、ソロモン諸島(19)、キリバス(19)、ニカラグア(21)、ホンジュラス(23)。外交関係のある国はバチカン、ツバル、マーシャル諸島、パラオ、ナウル、グアテマラ、パラグアイ、ハイチ、ベリーズ、セントビンセント・グレナディーン、セントクリストファー・ネビス、セントルシア、エスワティニ(旧スワジランド)の13ヵ国。
プルサーマル
原発の使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを加工した混合酸化物(MOX)燃料を、通常の原発で利用すること。大量保有するプルトニウムを一消費するため、実用化のめどが立たない高速増殖炉に。代わるつなぎの策として、政府が1997年に推進を閣議了解した。MOX燃料の検査データ捏造発覚などで開始が遅れ、2009年に九州電力玄海3号機で初導入。東京電力福島第1原発事故の後、新規制基準下で実施したのは玄海3号機、四国電力伊方3号機、関西電力高浜3、4号機の4基。事故前には福島第1原発3号機でも実施した。
日韓シャトル外交
日韓首脳が友好関係発展に向け、2国間での首脳会談を主目的として定期的に相互訪問する取り決め。2004年7月に当時の小泉純一郎首相と盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が開始で合意した。05年10月の小泉氏による靖国神社参拝で中断。福田康夫首相が08年2月、李明博大統領とのソウルでの会談で再開に合意。11年12月に野田佳彦首相と李氏が京都市で会談したのを最後に途絶えている。島根県・竹島(韓国名・独島=ドクト)や歴史問題による関係悪化が背景。日本はインドとも首脳の相互訪問で合意している。
ベースアップ
企業が従業員の基本給の水準を一律に引き上げる賃上げの手法。土台や基盤を意味する英語の「base(ベース)」と上昇の「up(アップ)」を組み合わせた和製英語で、「ベア」と略される。金額は業績や物価の上昇などを参考に決める。年齢や勤続年数に応じて賃金を上げる定期昇給や、業績を反映して柔軟に増減させる年間一時金(ボーナス)とは区別される。ベアは将来にわたって人件費の増加要因となるため、経営側は実施を慎重に判断する傾向がある。
無人偵察機
パイロットを撃墜などの危険にさらすことなく、地上や海上を遠隔操作などで偵察できる無人の航空機。ミサイルや爆弾を搭載し、攻撃能力を持つタイプもある。各国が開発や国外からの調達に取り組んでいる。米軍の無人偵察機MQ9は全長約11m、主翼幅約20mで最大高度は約1万5000m。悪天候でも観測できるセンサーなどを搭載。日本は鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地に一時配備されている。ロシア軍のスホイ27は全長約21.94m、主翼幅約14.7m。
年収の壁
被扶養者のパート従業員らが働く時間を抑える。企業が賃金を上げても、年収106万円以上になると扶養から外れ社会保険料の負担が生じる人が多く、働きたくても就業調整する実態がある。働く現場の人手不足感を背景に、就労を促す対応を迫られた形だ。一時給を上げると働く時間を短くするという矛盾が生じている。年106万円以上の収入を得ると、社会保険料の納付が必要でかえって手取りが減ってしまう。
GSOMIA
国や機関が軍事上の機密情報を提供し合う際、第三国への漏えいを防ぐために結ぶ協定。「ジーソミア」と呼ばれ「General Security of Military Information Agreement」の略称。日韓両国は2016年11月に締結。日本は米国や英国、オーストラリアなどとも同種の協定を結んでいる。
国会議員への懲罰
衆参両院は院内の秩序を乱した議員に懲罰を科すことができる。懲罰事犯があった場合、議長は懲罰委員会に付託する。議員による懲罰動議提出も可能。国会法は議員の身分を失う除名、登院停止、議場での陳謝、戒告の4種類を規定する。除名の場合は本会議で出席議員の3分の2以上の賛成が必要。参院は1950年、本会議で予算案への反対討論を行いながら賛成した小川友三氏を除名。衆院は51年、本会議での陳謝を拒否した川上貫一氏を除名した。
輸入小麦
パンや麺類などの原料となる小麦は、国内需要の約9割を輸入に頼っている。生活必需品であることから、国が海外から一元的に買い付けて、製粉会社へ売り渡している。輸入する小麦は、米国とカナダ、オーストラリア産がほとんどを占める。国は、国際相場の変動などを踏まえて、売り渡し価格を毎年4月と10月に見直している。
日韓共同宣言
日本と韓国が1998年10月に発表した宣言。当時の小渕恵三首相と金大中(キム・デジュン)大統領が署名した。小渕氏は「韓国国民に、日本の植民地支配により多大の損害と苦痛を与えた歴史的事実を謙虚に受け止める」と表明。「痛切な反省と心からのおわび」を初めて明記した。金氏は評価し、未来志向の関係発展に向け互いに努力することを表明した。「日韓パートナーシップ宣言」とも呼ばれ、両国関係の基盤と位置付けられている。
TikTok
ティックトックと呼ばれる動画投稿アプリ。音楽に合わせて踊ったり口パクしたりする短時間の動画を公開できる。2012年創業の中国IT企業「北京字節跳動科技(バイトダンス)」が、中国国内向けの動画投稿アプリの海外版として、17年にリリース。若い世代を中心に人気を集め、21年には世界の月間利用者数戮が10億人を超えた。
カルタヘナ法
2000年に生物多様性条約特別締約国会議で採択された議定書に基づく、遺伝子組み換え生物の使用を規制する国内法。04年に施行された。名称は、同会議が1999年に開かれたコロンビアの都市カルタヘナにちなむ。遺伝子組み換え生物を実験室などの閉鎖空間で扱う場合は国が定める方法を用い、野外で飼育や栽培をする場合は生態系への影響を評価した上で、国の承認を受けることが必要としている。
GDP比2%
岸田政権が目指す防衛費と関連予算を合わせた増額目標。防衛費は従来、国内総生産(GDP)比1%前後で推移してきたが、岸田文雄首相は2022年11月、2027年度に補完する予を合わせた水準を2%にすると表明。22年度のGDP見込みだと約11兆円で、このうち8兆9千億円程度を防衛費とした。北大西洋条約機構(NATO)加盟国も引き上げ目標として2%を掲げる。自民党はこれを参考に、22年の参院選などで2%以上を念頭に増額すると公約していた。
全人代
日本の国会に相当する中国の全国人民代表大会の略称。議員に当たる代表は約3千人で全国の省・自治区・直轄市や香港などから選出される。代表の任期は1期5年で、今年は第14期の1回目の会議。北京で年1回、3月に開くのが通例。国防費を含む予算案を承認し、法律の制定や改正を担う。初日に首相が政府活動報告を行い、その年の政策を説明する。
6G
2030年代の導入を見込む第6世代移動通信システムの略。現在普及が進む第5世代(5G)に比べ10倍以上の高速大容量通信が可能とされ、通信が難しかった空や海中、宇宙空間などのエリアでの活用が期待されている。日本は5Gの技術面や商用サービスで海外勢に後れを取った経緯があり、6Gでの巻き返しに向け政府も企業や大学を支援している。
送配電部門の所有権分離
新規参入の電力会社が送配電網を大手電力会社と公平な条件で使えるようにするため、発電設備を持つ大手電力から送配電部門を切り離す「発送電分離」の方法の一つ。所有権分離では資本関係を認めないため、独立性が高くなる。経済産業省によると、英国や北欧で採用されている。日本では資本関係を残したまま別会社化する「法的分離」が採用されており、親会社である大手電力の影響力が残る。
黒い雨
米国による広島への原爆投下直後に降った放射性物質や火災によるすすを含む雨。国は1976年、爆心地から広島市北西部にかけての長さ約19km、幅約11kmの楕円形の範囲内を援護対象区域に指定。区域内で雨を浴びた住民には無料で健康診断をし、がんや白内障など11疾病のいずれかを発症した人に被爆者健康手帳を交付し、医療費を原則無料にするなどの援護策を講じてきた。区域外は援護対象から外されてきたが、2021年7月の広島高裁判決の確定を受け、国は新たな基準を定めた。
津波防災地域づくり法
東日本大震災を教訓として2011年12月に施行された。堤防整備などのハード事業と、避難訓練の実施などのソフト対策を強化し、減災につなげるのが目的。都道府県知事は、最大クラスの津波が悪条件下で発生するとの前提で浸水想定を策定する。23年2月時点で、浸水の恐れがある40都道府県のうち東京都を除く39道府県が公表を終えている。
放送法
テレビやラジオの放送事業の健全な発達を図りつつ、公共の福祉に適合するよう規制する法律。太平洋戦争中にラジオが政府宣伝に使われた反省を踏まえ、1950年に制定された。放送の不偏不党、自律を保障することで表現の自由を確保すると掲げる。第4条では番組の編集に当たり「政治的公平」「報道は事実をまげない」「意見が対立している問題には、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」などと規定。番組の適正化のため、審議機関の設置も定めている。
元徴用工問題
日本の植民地時代に労働を強いられたとして韓国人元徴用工らが日本企業を訴えた問題。韓国最高裁は2018年10~11月、日本企業に賠償を命じる確定判決を出した。日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決済みだと反発。尹錫悦大統領と岸田文雄首相は2022年11月の会談で、早期解決方針で一致した。韓国政府は23年1月、賠償支払いを韓国の財団に肩代わりさせる案を公表。外交当局間の話し合いが加速し、韓国は解決案の正式発表に合わせて日本が「誠意ある呼応」を示すよう求めてきた。
外務省機密漏えい事件
沖縄返還協定が調印された1971年6月、毎日新聞記者だった西山太吉が、沖縄の米軍用地の原状回復補償費400万ドルを日本側が肩代わりするとの密約に絡む外務省機密公電のコピーを入手。密約の存在を示唆する報道をした。西山はコピーを渡した外務省の女性事務官と共に72年4月に逮捕、起訴された。1審では無罪となったが、2審で執行猶予付きの有罪判決を受け、最高裁で確定。大学教授や日本の報道機関が2000~02年、密約を示す米公文書を入手して報道した。その後、返還交渉を担当した吉野文六元外務省アメリカ局長(故人)が密約の存在を証言した。
個人情報保護法
名前や住所など個人を特定する情報の取り扱いを定め、2003年に成立、05年に全面施行された。不正な利益を得るため個人情報を提供・盗用した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。個人データの第三者提供に関しては原則、本人同意が必要と規定。一方、必要な届け出をし、本人の要求で提供をやめる「オプトアウト」と呼ばれる制度を使えば本人同意が不要となる。22年に全面施行された改正法は本人同意の有無を問わず、05年以降に入手した個人情報の提供を禁じた。
日本のパンダ
ジャイアントパンダは絶滅の恐れがあり、ワシントン条約で商取引が禁止されている。最初に日本に来たパンダは1972年、東京・上野動物園のカンカンとランラン。日中国交正常化を記念し、中国から寄贈された。現在国内にいるパンダは全て繁殖研究目的による貸与で、日本で生まれた子も含め所有権は中国にある。上野のシャンシャンのほか、2023/2/22には和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」の3頭も返還。国内のパンダは上野4、神戸の王子動物園1、アドベンチャーワールド4の計9頭となる。
新戦略兵器削減条約(新START)
戦略核兵器の配備数を初めて制限した第1次戦略兵器削減条約(STARTⅠ)の後継条約として米国とロシアが2010年4月に調印。11年2月発効。配備戦略核弾頭数を1550、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの運搬手段総数を800と米ロ核軍縮史上、最低水準まで制限した。米ロは18年2月に目標達成を発表。バイデン米大統領は21年1月にロシアのプーチン大統領と電話会談し5年間の延長で合意。26年2月まで有効。
障害者差別解消法
障害のある人もない人も分け隔てなく暮らせる共生社会の実現を目指し、2016年4月に施行された。行政機関や民間事業者に障害を理由にした不当差別を禁止。障害者が助けを求めた場合、過重負担にならない範囲で、意思を伝え合うためにタブレット端末を使ったり、車いすを補助したりする「合理的配慮」が国や地方自治体に義務付けられた。
自衛隊の武器使用
自衛隊法などで決められた行動ごとに、厳密に規定されている。外国から武力攻撃を受けて防衛出動が命じられれば、日本の防衛に必要な武力が行使できる。一方、領空侵犯した航空機への措置や、警察がゲリラや特殊部隊の攻撃に対処できない際などに命じられる治安出動、自衛隊施設警護などの場合は警察権の行使に準じ、武器の使用が制限される。国民の生命に危害が加えられる危険があるケースなど、正当防衛や緊急避難の場合に限られてきた。
衆院法制局
衆院議員の立法活動を補佐する目的で衆院に設置されている組織。憲法で国の唯一の立法機関とされる国会が、行政府に対抗して十分な立法機能を発揮できるようにするため創設された。現在は約85人態勢。与野党の議員が法案や政府提出法案の修正案を作る際、憲法や他の法律と整合性が取れているかどうかなどを助言する。参院には参院法制局がある。政府には、憲法解釈や政策を巡る法律問題で意見を述べ、内閣を一法制面で補佐する内閣法制一局が置かれている。
パンケーキ崩壊
建物の重量を支える柱や壁が損傷し、上階が下階にほぼ垂直に落下。床が積み重なった形になることから名前がついた。内部に残る空間が少なく、すぐにつぶれるため、人的被害が大きくなりやすい。2023.2.6のトルコ・シリア地震で多発。阪神・淡路地震でも発生した。
中国の核戦力
中国は旧ソ迪の技術を得て1964年、初の核実験に成功。核兵器を保有後は一貫して「核の先制不使用」を公約しているが、弾頭数は公表していない。米国まで到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の陸上発射型を中心に潜水艦発射弾道ミザイル(SLBM)や爆撃機などから核戦力を構成する。人民解放軍のロケット軍が核弾道ミサイル部隊を担当。米国は米口間で核兵器の配備数を制限する新戦略兵器削減条約(新START)の枠組みに中国も参加するよう求めているが「核兵器の数は米ロと全く異なる(少ない)水準にある」として応じていない。
地方議員の産休・育休
労働基準法や育児・介護休業法で定める産休や育休は労働者でない議員には適用されず、各議会が規則で定めている。出産を経験した地方議員らの要望を受けて、都道府県議会、市議会、町村議会の各議長会は2021年に議会運営のひな型となる「標準会議規則」を改正。産休期間を労基法と同等の『産前6週、産後8週』と明記し「育児」「家族の介護」も欠席理由に追加した。
NATO拡大
ソ連の脅威に対抗し1949年に計12力国で発足した欧米の軍事組織「北大西洋条約機構(NATO)」はソ連崩壊後、東欧諸国が加入し30力国に拡大した。プーチン大統領は冷戦終結時にNATO不拡大の合意があったと主張し、隣国ウクライナの加盟に強く反対。2021年12月には不拡大を条約で確約するよう要求し、拒否された。22年5月にはロシアと接するフィンランドなど北欧2国が加盟申請した。
デュアルSIM
1台のスマートフォンに契約者情報を記録した「SIMカード」2枚を差し込むなどし、2社分の櫓作電話回線の利用を可能にするサービス。1社の音声通話やデータ通信が使えない場合でも、もう1社の回線を利用できるため、通信障害時の有効な対策となる。近年は携帯電話各社によるデュアルSIMに対応したスマホ販売も増えている。
性犯罪規定の見直し
2017年の刑法改正で強姦罪の名称を強制性交罪に変更し、法定刑の下限が懲役3年から5年に引き上げられた。起訴に被害者の告訴が必要な「親告罪」の規定も撤廃された。19年に性犯罪の無罪判決が相次ぎ、被害者団体は法改正を訴えた。施行3年後に見直すとした17年改正法の付則に基づく法務省検討会では「不同意」では処罰範囲が不明確だとの意見もあり、処罰要件の結論はまとまらなかった。21年9月、法相が要件見直しの是非などを法制審議会に諮問した。
ミャンマーへの5項目の合意
東南アジア諸国連合(ASEAN)が2021年4月、クーデター後のミャンマー情勢を巡り臨時首脳会議でまとめた合意。項目は①ミャンマーで暴力を即時停止し、全当事者が最大限自制②全当事者が対話を開始③ASEAN特使が対話を仲介④ASEANが人道支援実施⑤特使がミャンマーで全当事者と面会。会議には国軍のミンアウンフライン総司令官も出席したが、ほとんど実現していない。
半導体輸出規制 ①先端半導体技術の軍事転用阻止のため輸出規制強化を実施②経済産業省が外為法の省令改正案を近く公表③関連企業などから意見募集し、2023年春にも規制策を導入④米政権の対中輸出規制強化に協力⑤中国で活動する日本企業への悪影響を避けるため、中国を名指ししない
道路の老朽化対策
道路を管理する国や高速道路会社、自治体は、橋やトンネルを5年に1度点検する義務がある。点検結果は「緊急対応が必要」「早期対応が必要」「予防保全段階」「健全」の4段階に区分。補修や補強、撤去などを行う。高速道路会社の道路で「緊急」「早期」と判定されたのは2021年度末時点で、トンネル491ヵ所、橋2878ヵ所。
小選挙区比例代表並立制
各選挙区の最多得票者が当選する小選挙区と、各政党の得票数に応じて議席配分する比例代表を組み合わせた衆院の選挙制度。定数が複数の中選挙区制が政治腐敗を招いたとの批判を受け、政策本位の選挙を目指して、1996年の衆院選から導入された。現行は定数465で、小選挙区289、比例代表176の配分となっている。
先端半導体
旧世代の半導体に比べて回路線幅が微細で、データ処理が速く消費電力を抑えられる。人工知能(AI)やスーパーコンピューター、データセンターなど幅広い領域で活用される。ミサイルの誘導など軍事技術にも使われ、安全保障上の重要性が増している。コンピューターの「頭脳」となるロジック半導体では、受託製造の台湾積体電路製造(TSMC)が世界市場をリードしている。
エーフラムス
米軍の主力戦車。冷戦期にソ連との戦車戦に備えて開発され、1980年に陸軍が105mm砲搭載の初期型M1を採用した。改良が重ねられ、120mm砲を搭載したM1 A1型、デジタル化を進めたM1A2型がある。力に優れ、敵戦車の装甲を貫通できる劣化ウラン弾を発射可能。初めて実戦投入された91年の湾岸戦争で圧倒的な性能を示し「世界最強の戦車」と呼ばれるようになった。オーストラリア、エジプト、イラクなども保有する。
破壊基礎的財政収支
社会保障や公共事業などの政策に必要な経費を、借金に頼らず税収などの基本的な収入でどれだけ賄えているかを示す指標。「プライマリーバランス」とも呼ばれ、財政が健全かとうかを示す。政策経費が収入を上回ると赤字、下回ると黒字となる。政府はかつて2020年度の黒字化を目指したが実現が困難となり、達成時期を25年度へ先送りした。
ナトリウムイオン電池
ナトリウムを材料に使った蓄電池。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、スマートフォンのバッテリーに多く使われるリチウムイオン電池より素早く充電できる。ナトリウムは海水から取れるため、地域によって資源量が偏るリチウムよりも調達しやすい。ただ、蓄電量はリチウムイオン電池の方が大きい。
人工妊娠中絶
母体保護法では、身体的、経済的理由で妊娠の継続が母体の健康を著しく害する恐れがある場合や、暴行脅迫を受けて妊娠した際に行うことができるとされ、妊娠22週未満に実施される。国内では金属製の器具でかき出す 「掻爬(そうは)法」と、管で吸い取る「吸引法」の手術がある。世界保健機関(WHO)は子宮を傷つける恐れのある掻爬法は時代遅れだと指摘し、吸引法か薬剤による中絶を推奨している。厚生労働省によると、2021年度の中絶件数は12万6174件だった。
雇用調整助成金
企業が・従業員を解雇せず、一時的に休業させるなどの手段で雇用を維持する場合、国が手当を部分的に補填する制度。2008年のリーマン・ショック時は製造業が中心だった。新型コロナウイルス禍では宿泊・飲食サービス業や運輸業、小売業と幅広い業種で活用された。不正受給も相次ぎ、20年舂から22年末までで総額約187億8千万円に上った。
地域医療構想
人口構造と医療需要の変化を踏まえ、各都道府県が策定する地域医療の将来像。効率的な提供体制を築くため、全国を300超の「構想区域」に分け、病床数などを推計する。①集中治療が必要な重症患者向けの「高度急性期」②一般的な手術をする「急性期」③リハビリ向けの「回復期」④長期入院の「慢性期」-の機能別に区分し、人口減少や高齢化に応じた再編、病床数自低の削減を進める。具体的な対応は各地域の病院などで構成の「調整会議」で協議する。
自治体の非正規職員
一般事務職員や保育士、教員が多い。かつては「特別職非常勤職員」 「一般職非常勤職員」「臨時的任用職員」のいずれかで雇用されることが多かった。しかし非常勤職員には期末手当が支給できない上、事務職員なのに特別職で雇用され、守秘義務が課されないという問題もあった。このため2020年度に一般職の「会計年度任用職員」が新設され、大半の職員が移行した。
ナラシ対策
コメなどの生産農家の収入補填策である収入減少影響緩和交付金のこと。コメ、麦、大豆、テンサイ、でんぶん原料用ばれいしょが対象。過去5年の収入のうち、最高と最低の2年を除いた3年分の平均収入を基準とし、減収分の9割を穴埋めする。財源は農家が25%、国が75%の割合で負担する。2015年には約11万2千の経営体が加入していたが、幅広い農作物をカバーする収入保険への移行が進んでいることもあり、22年は約5万9800にまで減少した。
物流の2024年問題
トラック運転手の残業の上限を年960時間に規制する労働基準法が24年4月に物流業者に適用され、深刻な人手不足が懸念される問題。施行から5年間の猶予があったものの、業界で長時間労働が是正されていないことが要因。背景にはインターネット通販の浸透による荷物の増加に加え、低賃金や高齢化による担い手不足がある。
少子化の現状
第2次ベビーブームの1973年に約209万人に達した出生数は、その後減少傾向が続く。2021年には新型コロナウイルス禍の妊娠控えなどが影響して約81万人となり、22年は初めて80万人を割る見通し。国の推計は80万人割れを30年としていた。背景には経済的に不安定で結婚や出産を諦めざるを得ない状況や、仕事と子育ての両立の難しさなどがある。政府は保育所整備などを盛り込んだ1994年の「エンゼルプラン」策定以降、さまざまな対策を講じ、近年は幼児教育・保育の無償化や、不妊治療への公的医療保険の適用拡大を進めた。
企業物価指数
企業間で取引される商品の値動きを示した指数で、日銀が毎月公表している。国内で生産された国内向けの商品を調べた「国内企業物価指数」や輸入品の「輸入物価指数」、輸出品の「輸出物価指数」からなる。消費者が購入するモノやサービスの価格を調べた消費者物価指数に並ぶ重要指標で、景気動向や金融政策を判断する材料になる。
国際物流
輸出入時の物の流れのこと。国土交通省が2022年10~11月に荷主や物流事業者に行った調査では、91%が「国際物流に課題がある」と回答。原因は複数回答で、新型コロナウイルス感染の拡大が最も多く、米西海岸の混雑。ロシアのウクライナ侵攻が続いた。輸送の過程では通関手続きや、倉庫への保管、港で貨物を積み込むといった荷役作業もあり、手続きをスムーズにできるかどうかも重要となる。
大規模金融緩和策
日銀の黒田東彦総裁が就任直後の2013年4月に始めた金融政策で、物価上昇率を2%で安定させることが目標。安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の目玉として期待され、当初は国債を大量に買って世の中のお金の量を増やすことが柱だった。16年にマイナス金利政策を導入し、主な政策目標を「お金の量」から「金利」に切り替えた。
円滑化協定(RAA)
共同訓練や災害支援のため一時的に相手国に滞在する他国軍隊員の法的地位や、罪を犯した際の手続きなどを定めた2国間協定。事前に受け入れ国の司法権や徴税権が及ぶ範囲を明確化しておくことで、2国間の部隊の活動や防衛協力がスムーズになる。米国とはRAAではなく日米地位協定で類似の取り決めをしている。日本は2022年1月、・オーストラリアとのRAAに署名。英国とは同5月にRAA交渉の大枠合意に達していた。
分限処分
本人の意に反して公務員を降任や免職、休職などの不利益な処分にすること。能率確保が目的で、職務上の義務違反に対する制裁的な意味を持つ懲戒処分とは異なる。地方公務員法は「勤務実績が良くな」「心身の故障のため職務の遂行に支障がある」「適格性を欠く」といった場合に分限処分できると規定。
陸上空母離着陸訓練(FCLP)
空母での離着艦技術を維持・向上するため、艦載機が地上の滑走路を甲板に見立てて行う訓練。米軍は硫黄島(東京都)で暫定的に実施している。在日米軍再編の一環で、艦載機は厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)に移駐。米側は負担軽減を理由に、岩国から約1400km離れた硫黄島ではなく、約400kmに位置する馬毛島での訓練実現を日本側に求めていた。
日韓請求権協定
日韓両国の国交正常化を定めた1965年の日韓基本条約と同時に締結された付随協約。第1条で日本の韓国に対する経済協力として、3億ドルの無償供与と2億ドルの長期低利貸付を定めた。第2条で日韓両国とその国民の聞の財産、権利、利益、請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」ことを確認した。韓国政府は日本からの経済協力金で製鉄所や高速道路などを建設し、高度成長の基盤をつくつた。
外国債券の含み損
米国債に代表される外国の債券の価格が購入時を下回り、売却すれば損失が出る状態のこと。売却すると利益が出る状態は「含み益」と呼ぶ。債券価格は株価と同様に取引によって変動する。国内の金利は日銀の大規模な金融緩和策で低く抑えられてきた。地方銀行は本業の地元企業への貸し出しでは十分な利益が見込めず、金利が高い外債の運用に注力してきた。
無園児
保育所や幼稚園などに通っていない小学校入学前の0~5歳児。支援がない(無援)、周囲とのつながりが乏しい(無縁)との意味も含め、子育て支援団体などがこうした表現を用いている。政府は「未就園児」と呼ぶ。厚生労働省は2019年度に全国で約182万人いると推計しているが、認可外保育施設などを利用する子どもを含むため、全く施設に通つていない人数は不明。保護者が家庭での養育を選ぶケースのほか、低所得や多子、外国籍の家庭が多いとの研究もある。
民泊
一般住宅を旅行者に有料で提供する宿泊形態。2018年6月施行の住宅宿泊事業法で、都道府県などへの届け出を条件に営業可能となった。当時急増していた訪日客の受け入れ、東京五輪・パラリンピック時の宿不足解消などの狙いがあったが、新型コロナウイルス禍で訪日客が急減。民泊の管理物件も減った。ほかに旅館業法に基づく簡易宿所、政府の国家戦略特区制度で認められた民泊といった形態もある。
CIS(独立国家共同体)
ソビエト連邦の崩壊時に、ソビエト連邦構成共和国が独立した15か国のうちバルト三国を除く12か国(発足当初は10か国)によって結成された国家連合体。本部はベラルーシの首都ミンスクに置かれている。ジョージアは脱退、ウクライナは脱退状態でアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンの9ヶ国で構成。
防衛装備移転三原則
2014年4月に当時の安倍内閣が閣議決定した防衛装備品の輸出ルール。国際共同開発や輸出拡大に向け、従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃した。国際協力や日本の安全保障に資する場合、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。条約や国連安全保障理事会決議に違反する場合や、安保理か措置を取っている紛争当事国には輸出を禁じた。慎重な判断が必要な案件は国家安全保障会議で審議する。国際紛争を助長するとの懸念もある。
通常国会
憲法に基づき、毎年1回召集される。国会法の規定上、召集時期は1月中。会期は150日間で、1回だけ延長できる。予算案や予算関連法案を審議するのが主な目的。冒頭、首相が国政全般にわたる基本姿勢を示す「施政方針演説」を実施。外相、財務柤、経済再生担当相も担当分野について説明する。合わせて「政府4演説」と呼ばれる。その後、代表質問や予算委員会で政府と与野党が論戰を交わす。国会はこのほか臨時国会と、衆院解散による総選挙後の特別国会がある。
10年物国債
国債は国が金融機関などの投資家からお金を借りるために発行する債券で、10年物は満期までの期間が10年のものを指す。10年物は市場での売買が活発なため、その利回りは長期金利の指標となる。財務省が買い手を募る入札を毎月実施しており、国債の額面価格に対する利子の割合を「表面利率」と呼ぶ。日銀も金融緩和の手段として大量の10年物国債を買い入れている。
毎月勤労統計調査
厚生労働省が、賃金や労働時間、雇用動向の変化を把握するため、毎月公表するデータ。都道府県を通じ、1人当たりの基本給や残業代、出勤日数、労働時間を調べる。常時5人以上を雇用する約3万3千事業所が対象。物価の影響を加味した実質賃金も算出する。景気動向の指標としても活用される。
アルツハイマー病
脳内にアミロイドベーダやタウという有害タンパク質が蓄積し、神経細胞の機能低下や死滅、脳の萎縮が起き、日常生活に支障が出るほど記憶力や判断力が衰えていく病気。腥生労働省研究班などの推計では、日本の認知症患者は2025年に675万人、14年時点の日本の医療費、介護費を含めた社会的費用は14.5兆円。認知症には複数のタイプがありアルツハイマー病は患者の6~7割を占める。リスクを高める要因は加齢のほか、頭部のけがや心血管病など。日本では症状を一時的に改善する4種類の薬が承認されている。
サステナフルファッション
英語の「sustainable(持続可能な)」とファッションを組み合わせた造語。流行を取り入れた低価格の商品を次々と供給する「ファストファッシヨン」が台頭する中、大量廃棄による環境負荷への懸念が国際的に広がり、ファッション産業に持続可能な志向が求められるようになった。気に入った服を長く着たり、修理、リメークしたりすることも有効な取り組みとされる。
CIS(独立国家共同体)
ソビエト連邦の崩壊時に、ソビエト連邦構成共和国が独立した15か国のうちバルト三国を除く12か国(発足当初は10か国)によって結成された国家連合体。本部はベラルーシの首都ミンスクに置かれている。ジョージアは脱退、ウクライナは脱退状態でアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンの9ヶ国で構成。
UFED
セレブライト社が開発した、携帯電話やタブレットなどの情報端末からデータを抽出する機器。所有者が設定したパスワードがなくても電話帳や写真、メッセージなどを取り出せるほか、既に消去された情報も復元できる。使用には原則毎年更新されるライセンスが必要で、同社は顧客が問題を起こした場合、そのライセンスを遠隔操作で停止することで使用を中止できると主張している。
森林環境譲与税
所有者が分からない森林の増加や、林業の担い手不足に悩む自治体の支援が目的。2024年度から森林環境税を創設することを前提に、別の財源を使って19年度から先行して配分している。21年度の配分額は都道府県分が60億円、市区町村分は340億円。24年度以降は市区町村分を540億円に増やす。毎年度、総額の50%を私有の人工林面積、30%を人口、20%を林業就業者数に応じて各自治体へ配っている。
東京一極集中の是正
安倍政権が2014年から掲げた「地方創生」の最大テーマで、東京圏の転入者と転出者を均衡させること。当初計画は20年の実現を明記していたが、転入者が転出者を上回る「転入超過」が続き達成できず、24年度に先延ばしした経緯がある。岸田政権がまとめた地域活性化策「デジタル田園都市国家構想総合戦略」では27年度を新たな目標としている。21年度は約8万4千人の転入超過たった。
住宅ローン
消費者が一戸建てやマンションを購入するために銀行や信用金庫といった金融機関から受ける融資。一般的に自動車ローンや教育ローンよりも金利が低く、長い期間をかけて返済する。一定期間の金利を前もって決める「固定金利型」や、主に半年ごとに見直す「変動金利型」がある。固定型には、金利が全期間変わらない「フラット35」もある。
CHIPS法
米国では23年以降、国家戦略としてこの補助金を活用して半導体回路の加工線幅2ナノの先を見据えた「ビヨンド2ナノ」の開発にまい進する。米国はCHIPS法で、支援を受ける企業に対し、今後10年間、28ナノ以降の半導体製造にかかわる中国向け投資の禁止を発表していた。さらに、2022年10月7日に新たに半導体関連の輸出禁止項目を発表した。それによると、18ナノ以下のDRAM、128層以上のNAND、3ナノ以下の回路や基盤を設計するEDAツールは輸出できなくなる。
沖縄振興予算
太平洋戦争末期の沖縄戦で受けた甚大な被害や、その後の27年にわたる米国統治によるインフラ整備の遅れ、集中する在日米軍基地の重い負担など特殊事情を考慮し、沖縄振興のために編成される予算。沖縄が日本に復帰した1972年度に始まった。内閣府が一括計上した後、道路建設から子どもの貧困対策まで幅広い施策に割り当てる。2012年度にはよりきめ細かい住民ニーズに対応するため、県が使途を決められる「沖縄振興一括交付金」も創設された。
ステマ(ステルスマーケティング)
インターネットや交流サイト(SNS)上で、広告であることを明示せず普通の口コミであるかのように装って商品などを宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」。ステマはSNS上で影響力を持つ「インフルエンサー」上や著名人などが、実際は企業や店舗などから依頼があったにもかかわらず、個人の感想であるかのように装い商品などを宣伝する手法。
核酸医薬
生物の遺伝情報を担うDNAやRNAなどの「核酸」を使った医薬品。病気の原因となるさまざまな遺伝子や、異常なタンパク質に働きかける。日米欧では、筋肉の萎縮や呼吸困難などの症状が出る難病「脊髄性筋萎縮症」の治療薬「スピンラザ」など16製品が承認されている。核酸医薬は合成方法が確立されており、患者ごとの遺伝子の特徴に合わせ、個別に薬を設計することもできる。
中国のコロナ政策
中国は新型コロナウイルスの徹底的な抑え込みを目指す「ゼロコロナ」政策を掲げてきたが、2022年12月に入って移動制限や感染者の隔離などに関する規制を大幅緩和し、同政策は事実上崩壊した。12/14日には新規感染者数の発表で無症状者数の公表を取りやめていた。医療体制が逼迫し始めたため、政府は無症状や軽症の感染者には自宅療養を求めている。一方で高齢者のワクチン接種率の向上を目指している。
ハンセン病問題
「らい菌」による感染症。感染力が弱く、非常にうつりにくい。治療法がない時代には、体の一部の変形といった後遺症が出ることがあった。戦前から戦後にかけて、官民で強制隔離を推進する「無らい県運動」が展開された。国は1996年のらい予防法廃止まで隔離政策を維持。その後、元患者や、家族が起こした国家賠償請求訴訟では原告側か勝訴した。いずれも国は控訴を断念して謝罪し、偏見差別の・解消や再発防止に向けた歩みを進めている。
特定秘密保護法
安全保障に関する情報のうち、特に秘匿しておく必要がある情報を保護する法律。特定秘密を取り扱う公務貝や民間業者は、身辺の状況を調べる「適性評価」を受ける必要がある。国家安全保障会議(NSC)の設置と並び、日本の安保体制の強化を目的に制定された。実際には米国との緊密な連携を構築するのが法整備の狙いとされる。制定過程では、情報の指定が政府により恣意的になされたり、秘密の範囲が無制限に広げられたりして、国民の「刧る権利」の侵害につながるとの批判が噴出し、市民による大規模な反対運動につながった。
消費者物価指数
消費者向けの商品やサービスの価格動向を調べた指数で、総務省が全国と恵只都区部を対象に毎月公表している。食料品や電気代など身近な品目の値動きを定期的に調査しており、天候に大きく左右される生鮮食品を除いた指数が重視される。日銀は持続的な経済成長に向け、2021年比2%の安定的な物価上昇を目標に大規模金融緩和策を続けている。
GX(グリーントランスフォーメーション)
ロシアのウクライナ侵攻などで、日本は石油危機以来のエネルギー危機に直面した。①・脱炭素推進へ再生可能エネルギー、原子力を最大限活用、②原発の次世代革新炉の開発・建設に取り組む、③「原則40年、最長60年」とした運転期間から、原発再稼働のための審査対応で停止した期間を除外し、60年超の運転を可能に、④「企業の脱炭素投資を後押しするため、今後10年間で20兆円規模の新たな国債「GX経済移行債」を発行
デジタル臨時行政調査会
デジタル技術を活用しやすい社会の実現に向け、時代に合わなくなった規制や行政制度を見直すために2021年11月に設置された。閣僚と有識者で構成し、会長は首相。デジタル庁が事務局として実務を担う。現在は法令、通知、通達など約4万件の総点検を進めている。自治体に対しても条例で定めた規制の見直しを促している。
保育士の配置基準
国が定めている保育士の人員配蔗に関するルール。保育士1人に対し、0歳児は3人、1歳と2歳児は6人、3歳児は20人、4歳と5歳児は30人まで保育できるとされている。国の補助金は原則、配置基準に応じて支給され、基準より多くの職員を雇えばその分の人件費は園側か負担することになる。
日本学術会議
日本の科学者を代表する組織。「国の特別の機関」と位置付けられ、中立的な立場で政府から独立して政策提言などを行う。予算は年間約10億円。会員210人の任期は6年で、3年ごとに半数が改選され、2023年は改選の年に当たる。20年の任命拒否問題発覚後に発足した自民党プロジェクトチームは「政府の内部組織にもかかわらず、政府から独立した存在であろうとするから矛盾が生じる」と主張し、国からの切り離しを求めた。
日米地位協定
日米安全保障条約に基づき、日本に駐留する米軍と軍人・軍属、家族の法的な地位と基地の管理・運用を定めた協定。 1960年に発効した。日本国内の施設・区域の使用について米軍に大きな権限を認め、日本の主権は事実上及ばない。 95年に米兵による沖縄少女暴行事件が起きたのをきっかけに日米両政府は協定の運用を見直し、補足の協定を結ぶ対応をしてきた。しかし協定は一度も改定されたことがなく、日本国内で「不平等だ」と改定を求める声は根強い。
デジタル遺伝情報(DSI)
生物の遺伝子の塩基配列などをデジタル化して記録した情報を指す。インターネット上のデータベースなども含まれる。生物多様性条約の下には、形のある生物資源の利用で得られた利益の公平配分を定めた名古屋議定書がある。このため、DSIからの利益配分も条約の場で議論すべきだとの声が発展途上国から上がり、締約国会議の主要議題の一つとなった。先進国には当初「DSIは条約の対象外だ」との意見も根強かった。
統一教会と地方政治
自民党の安倍晋三元首相を銃撃したとして逮捕された容疑者の供述を機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係が取り沙汰された。教団側か各地で制定を推進する家庭教育支援条例などを巡り、政策立案に影響があったことも判明。自民は教団側との「関係遮断」を要求する通知を都道府県連に発出した。共同通信が実施したアンケートでは、都道府県議334人が教団側と何らかの接点があったと回答、うち8割超が自民議員だった。
小惑星りゅうぐう
地球や火星の近くを進む大きさ約900mの小惑星。そろばんの玉のように中央が膨らんだ形で、岩に覆われている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやばさ2は表面や地下の岩石のかけらを採取し、2020年12月に地球へ届けた。国内外の研究チームが分析中で、水や生命に欠かせないアミノ酸、有機物が確認されている。
N I SA
株式や投資信託の売却や配当で得た利益を非課税にする「少額投資非課税制度」。英語の「Nippon Individual Savings Account」の頭文字を取り「ニーサ」と読む。英国の制度「ISA」の日本版として2014年に始まった。現行制度は、一般型のN I S Aが国内外の上場株式も購入可能で、5年間にわたり年120万円まで非課税で投資できる。投資信託が対象の「つみたてNISA」は。年40万円まで20年間投資できる。
安保関連3文書
「国家安全保障戦略」と「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」からなる。安保戦略は外交・安保戦略の指針。2013年の初策定から「積極的平和主義」を基本理念とすると明記している。今回の改定で、10年間を想定して防衛力整備の指針や部隊運用などを定めた防衛大綱を、防衛目標達成に向けた手段を包括的に示す国家防衛戦略に改称。主要装備品や経費を記した中期防衛刀整備計画(中期防)の名称を防衛力整備計画に変え、5年だった対象期間を10年とした。
デジタル田園都市国家構想
岸田文雄首相が打ち出した地域活性化策。宏池会(現岸田派)を率いた大平正芳元首相が「田園都市国家構想」を提唱し、地域の自主性を生かした国つくりを目指したのに倣った。自動運転や遠隔医療などを普及させ「全国どこでも便利で快適に暮らせる社会」を構築するのが目標。自治体には、地元の取り組みを明示した「地方版総合戦略」の策定を求める。
Qアノン
「ディープステート(闇の政府)」などが世界を操っているという陰謀論やその信奉者。2017年に謎の人物「Q」がネット掲示板への投稿を始め、トランプ前米大統領の支持者らが賛同して知られるようになった。このQに、匿名を意味する英語「Anonymous(アノニマス)」の略語「Anon」を付け「キューアノン」と呼ばれる。米連邦捜査局(FBI)が国内テロの脅威と見なしているとされる。
出産育児一時金
出産した際、公的医療保険を財源として全国一律の金額が支給される制度。現在は1児につき原則42万円。1994年に30万円で始まり、全国の公的病院の平均額を勘案して引き上げられてきた。2006年10月に35万円に引き上げられ、09年1月に38万円、10月に42万円となった。09年以降は、出産事故の際に補償金が出る「産科医療補償制度」の掛け金(現在1万2千円)も支給額に含まれる。
被害者救済法案
正式名称は「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律案」。宗教法人に限らず、法人や団体から寄付の勧誘を受ける者の保護を目的とする。借り入れによる資金調達の要求などを禁止し、違反した場合は行政措置・罰則がある。救済面では民法の「債権者代位権」の特例として、子や配偶者が本人に代わって取り消しや寄付金返還を求めることを可能とする。
インボイス
メーカーや卸など事業者間の取引で、売り手が品名ごとの税率や税額などを記載して買い手に発行する税務書類。事業者を識別できる番号も明示され、納税額の厳格な把握に役立つとされる。消費税の軽減税率採用を踏まえてインボイス制度の2023年10月の導入が決まった。登録は任意。制度開始と同時に登録を受けたい事業者は、2023年3月末までに税務署などに申請する必要がある。政府、与党は、小規模事業者が消費税を納めることを選択した場合、2023年10月から3年間、納税額を客から受け取った消費税の2割に軽減する方針を固めている。
NHK会長
NHK執行部の総責任者。最高意思決定機覽である経営委員会の委員12入のうち、9人以上の賛戎で任命される。任期は3年。かつては新聞社やNHK内部からの選出が多かった。2008年に就任したアサヒビール出身の福・地茂雄元会長以降、2022年選出された元日本銀行理事の稲葉延雄で6人続けて経 済界出身となる。
資金管理団体
政治家や公職の候補者が政治資金を取り扱う目的で、一つだけ指定できる政治団体。本人が代表者となる。特定の個人からの寄付は年間150万円以内に制限されるが、代表者自身からの寄付は制限が一部緩和される。企業・団体献金の受け取りは禁止。国会議員の資金管理団体は、人件費を除く1件1万円を超える経費について政治資金収支報告書に記載し、領収書の写しを併せて提出することが義務付けられている。不動産の新規取得は禁じられている。
中国の宇宙開発
中国では軍が中心となり1960年代から宇宙開発を本格化した。2003年に世界で3番目の有人宇宙船打ち上げ国になった。12年に発足した習近平指導部も「宇宙強国」確立を掲げ開発を強化。18年には米国の衛星利用測位システム(GPS)に対抗した独自のGPSシステム「北斗」の運用を、全世界を対象に開始。19年に世界で初めて月の裏側に無人探査機を着陸させた。21年5月、米国に続き火星一地表探査にも成功した。
中国の核戦力
1964年に最初の核実験に成功。その後、水爆も開発。米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)や米領グアムを射程に収める中距離弾道ミサイルに核搭載可能とされる。平時は核弾頭と運搬手段を切り離しているとみられ、相手より先に核兵器を使わない「先制不使用」を宣言している。米国は、同国とロシアの間で戦略核兵器の配備数を制限する新戦略兵器削減条約(新START)の枠組みへの参加を求めているが、中国は応じていない。
原発の運転期間
2011年3月の東京電力福島第1原発事故以前は、国内原発の運転期間に法令上の制限はなく、12年の原子炉等規制法改正で、運転期間を40年とし、原子力規制委員会が認めれば1回に限り最長20年延長できるルールが導入された。経済産業省は原発利用推進の観点から、60年超の運転を可能にする法整備を検討。年数規定を原子炉等規制法から削除し、電気事業法などで定め直す。規制委も推進側とは別に、運転開始後30年から、最大10年ごとに施設の劣化状況や安全性を繰り返し確認する新制度案をまとめた。
新しい資本主義
岸田文雄首相が提唱する経済政策の考え方。従来の資本主義の下で所得格差が広がったなどとして、2021年の自民党総裁選で「成長と分配」を重視する立場を打ち出した。脱炭素やデジタル化の推進によって社会課題を官民連携で解決し、次の成長につなげる好循環を目指す。
安保関連3文書
国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画(中期防)の3文書。上位文書の国家安保戦略は2013年、米国に倣い初めて策定され、自衛隊の海外展開を図る「積極的平和主義」を基本理念に明記した。改定に向けた自民党提言は、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有や防衛費の大幅増などを求めた。防衛力強化に関する政府の有識者会議の報告書も、反撃能力の保有は不可欠だと訴えた。防衛大綱は10年間を想定して防衛力の整備目標や部隊運用などを規定。中期防は5年間の防衛費の見積もりや装備品の数量を記す。
ゾコーバ
塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬。22年11月22日に国が緊急承認した。感染症流行などの緊急時に医薬品を迅速に使うために5月に新設された緊急承認制度の初めての適用例となった。高血圧や高脂血症の薬など併用できない薬が36種類ある。日本感染症学会のガイドラインでは、自然に治ることが多い重症化リスクのない軽症者に対しては「症状を考慮した上で投与を判断すべきだ」としている。
全国旅行支援
新型コロナウイルス禍で客足が落ち込んだ観光業界を支援する政府の事業。都道府県内や隣県などが対象だった旅行割引「県民割」を全国に広げる形で実施している。予算は「GOTOトラベル」の一部である約5600億円と県民割の約3300億円の残額を活用。年明け以降にはトラベル事業の別の残額、約2700億円を充てる方向だ。
電気料金の値上げ
電気料金のうち、大手電力が一般家庭向けに広く供給する規制料金の抜本的な値上げには、経済産業相の認可が必要。電力会社の申請を踏まえ、経産省の有識者会合などで値上げ幅を審査する。燃料価格の変動を自動的に毎月の料金に反映させる燃料費調整制度は、家庭の急激な負担増加を和らげるため、転嫁できる上限が定められている。2016年の電力小売り全面自由化後、大手電力や新規参入した事業者が用意した自由料金の値上げには、認可は不要となっている。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)
日銀などの中央銀行が国の正式な通貨として電子データで発行する通貨で、英語表記は「Central Bank Digital Currency」。スマートフォンやICカードを使って決済や送金をすることが想定されている。多くの主要国が実現の可否を探り、カンボジアなどでは既に本格運用が始まっている。
再生医療の審査
再生医療には、人工多能性幹細胞(IPS細胞)から作った細胞を目の病気の患者に投与する研究や、がん患者に免疫細胞を投与する自由診療などさまざまな例がある。再生医療安全性確保法は、再生医療を計画する医療機関に対し、国が認定した委員会による事前の審査を受けるよう求めている。医療機関から依頼を受けた委員会は、計画している再生医療の効果がリスクを上回ると考えられるかどうかを評価する。了承を得た医療機関は厚生労働相への届け出と、実施件数などの定期的な報告が義務付けられている。
マクロ経済スライド
長期的に年金財政を維持し、将来世代の支給水準を一定確保するための仕組み。現役世代の減少と平均余命の延びに応じ、毎年4月の改定時に物価や賃金の上昇幅よりも年金額を抑制する。少子高齢化で保険料を支払う現役の人口が減る一方、高齢者への支給は膨らむことから、2004年の制度改革で導入された。デフレ時には実施しない決まりで、これまで3回しか適用されていない。18年度から、抑制できなかった分を翌年度以降に繰り越せるようになった。
宗教法人の解散命令
宗教法人法は、所轄庁の文部科学相や都道府県知事、利害関係大などの請求により、裁判所が宗教法人に解散を命じることができると規定。「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」や「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」をした場合だけでなく、1年以上活動していないといった不活動法人に適用される。命令を受けると法人格を失い、お布施やお守り販売の収益が非課税になるなどの税制上の優遇が受けられなくなるが、解散後も任意の宗教団体として活動を続けることはできる
離婚と親権
離婚は、協議や裁判手続きを経て婚姻を解消する。2021年の婚姻数は約50万組で、離婚は約18万組。日本では協議離婚の割合が約9割と海外より高い。婚姻中は、未成年の子どもに対し、身の回りの世話や教育といった身上監護や、財産管理をする権利と義務(親権)を父母が共同で持つ。民法は離婚後に父母の一方を親権者とする単独親権を採用し、双方が親権者になることはできない。離婚の際は子どもの監護者や養育費、子どもとの面会交流などを協議で定めるよう求めるが、実際に取り決めている割合は低い。
海上保安庁法25条
海上保安庁が軍隊ではないことを明確に規定した条文。海保が「軍隊として組織、訓練され、または軍隊としての機能を営むことを禁じている。海保は、連合軍占頷下の1948年、米国主導の下で自衛隊に先立って発足した。当時、ソ連や中国が「日本の再軍備につながる」として創設に反対。憲法9条に「戦力丕休持」が明記されており、本来不要な規定だったが、批判をかわす狙いから米国が非軍事的性格を保証する精神規定として盛り込んだ経緯がある。
経済安全保障推進法
政府が掲げる経済安保政策の中核として5月に成立した法律で、米国と覇権を争う中国への対抗を念頭に置いている。重要物資のサプライチェーン(供給網)強化のほか、重要技術の開発、基幹インフラの事前審査、特許非公開化を盛り込んだ。8月に法の一部を施行し、供給網強化と技術開発を先行して進めている。半導体・蓄電池・抗菌薬・天然ガス・肥料・工作機械・産業用ロボット・航空機部品・船舶関連機器・クラウド・永久磁石が対象
外形標準課税
都道府県が課す法人事業税の一部で、2004年度に導入された。一般的に法人関係税は、もうけを意味する所得に応じて課税し、景気による変動が大きい。外形標準課税は所得と切り離されており、都道府県にとっては景気が悪くなっても安定的に税収を確保できるメリットがある。政府は事業税に占める割合を段階的に拡大。その分、所得への課税の比重が低下しており、業績が好調なら税負担が軽くなる。
中国での邦人拘束事案
中国は2014年以降「反スパイ法」や「国家安全法」を制定し、外国人を厳しく監視。15年以降、スパイ行為に関わった疑いなどで、少なくとも16人の日本人が拘束された。うち9人が懲役3~15年の実刑判決を受け、4人が服役を終え帰国している。中国当局は「国家機密」を盾に、詳細な容疑や罪状を明らかにしておらず裁判も公開されていない。
フィッシング
個人や企業になりすまして電子メールを送りつけ、本物に似せたホームページに接続させて個人情報を詐取する行為。手口が巧妙化しており、だまされていることにすぐに気付かないケースが増えている。英語で「Phishing」とつづり、魚釣りを意味する「Fishing」と、洗練されたという意味の「Sophisticated」から取った造語とされる。
大きな数・小さな数の呼称
これまでの最大のヨタ(10の24剰)・最少のヨクト(10のマイナス24剰)に加えて新たにロナ(10の27剰)・ロント(10のマイナス27剰)、クエタ(10の30剰)・クエクト(10のマイナス30剰)が決まった
次世代半導体
旧世代の半導体に比べて回路線幅が細く小型で、量産には高度な技術が必要となる。半導体の主要メーカーがある米国や台湾、韓国で研究開発が進み、欧州諸国も製造拠点の誘致を進めている。計算処理が劇的に速くなる量子コンピューターなどへの活用が見込まれるほか、戦闘機やミサイルなどの性能も左右する。
暗号資産(仮想通貨)
インターネット上で取引される財産的な価値を持つ電子データ。2009年に発行が始まったビットコインなどが代表格。日本円や米ドルのように中央銀行が管理する法定通貨と異なり、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用し、複数のコンピューターが相互に取引を承認・記録することで信頼性を担保している。海外送金の手数料が安いのが利点とされるものの、悪用されるケースもあり、各国が規制を強化している。
アメリカ議会
上院
・任期:6年で、州の人口に関係なく、各州から2名上院議員を選出します
権限
・大統領によって指名された人物の承認(各省長官、最高裁判所裁判官、高位の軍司令官など)
・外国政府との条約の批准
下院
・任期:2年で、人口の大きさによって各州に何名下院議員を選出できるか決まっています
権限
・大統領・副大統領その他の裁判官を含む連邦公務員を訴追できる *上院は、その後の裁判を担当
・大統領選挙において選挙人を過半数獲得した候補がいない場合は大統領を選出する
後期高齢者医療制度 75歳以上の人を対象とする公的医療保険で2008年4月に始まった。約1890万人が加入している。市区町村でつくる都道府県ごとの広域婆昂運営する。高齢化の進行で医療費が膨らみ、保険料の年間上限額は、当初の50万円から段階的に引き上げられ、現在は66万円。一方、医療機関の窓口負担はこれまで原則1割で、現役並みの所得がある人は3割だった。
厚労省は一定の年収を超える人については年間の保険料の上限を66万円から80万円に引き上げる方針を示している。専門部会で、保険料の上限を引き上げを▼2024年度に73万円、▼2025年度に80万円と段階的に行う案を示した。また、保険料を上げる対象も▼2024年度は年収211万円を超える人、▼2025年度は年収153万円を超える人と段階的に広げることにしていて、2年間で全体のおよそ4割の保険料が増える見通し。
ゲームアプリ
スマートフォンやタブレット端末向けにパズルや冒険、スポーツといったゲームを搭載したソフトウエア。アプリは応用や適用を意味する英語「application略で、端末を動かす基本ソフト(OS)に追加で取り込んで使う。まず無料で提供し、後からゲームを有利に進めるため課金を誘う例が多い。英調査会社オムディアによると2021年の日本での売上高は216億ドル(約3兆2千億円)だった。
産業革新投資機構
産業競争力の強化と民間投資の拡大を目的とする官民ファンド。企業救済色の強い投資が重なって批判を受けた前身の産業革新機構を改組し、長期の成長投資を中心とした資金供給を行う組織として2018年に発足した。企業価値の高いベンチャー企業の剔出や、地方の将来性がある技術の活用などを重点投資分野としている。
パリ協定
地球温暖化の深刻な被害を避けるための国際枠組み。今世紀末の気温上昇を産業革命前と比べ2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。達成に向け、全ての参加国が温室効果ガスの自主的な削減目標を掲げて国内対策に取り組む。世界全体の進捗状況を5年ごとに点検し、各国の削減目標の引き上げを促す仕組みがある。温暖化の悪影響を回避したり軽減したりする「適応策」の強化や、先進国から発展途上国への資金支援などについても定めている。
森林環境譲与税
間伐や林業の担い手育成、木材利用を促すため、国が都道府県と市区町村に配っている資金。 2019年度に総額200億円で始まり、段階的に拡大。 24年度以降は600億円となる。総額の50%を私有の人工林面積、30%を人口、20%を林業就業者数に応じて配る。財源は当面、自治体に資金を貸し付ける「地方公共団体金融機構」の資金を活用。24年度からは森林環境税として個人住民税に1人当たり年間千円を上乗せして徴収し、譲与税の財源とする。
年金水準の見通し
厚生労働省は5年に1回、人口や経済の将来見通しを踏まえた「財政検証」を行い、公的年金の受給額の水準を長期的に推計している。ボーナスを含む現役世代の平均手取り収入に対する割合「所得代替率」で表す。同省よると、2019年度は、平均賃金で厚生年金に40年間加入した会社員の夫と、その間に専業主婦だった妻のモデル世帯の場合、所得代替率は61.7%。現行制度のままだと、少子高齢化の影響で、46年度には51.0%へと水準が約2割下がる。うち箍嘆年金部分は約3割減と落ち込みが大きい。
脱炭素電源
発電や供給時に二酸化炭素(CO2)を排出しない発電所。太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーを活用した発電が一般的だ。加えて、政府は原発も最大限活用する方針を示している。燃焼時にCO2を出さない水素やアンモニアも次世代のエネルギーとして注目されるほか、火力発電などで出たCO2を回収して地中に埋める技術も開発が進む。
賃金のデジタル払い
企業が従業員に賃金を支払う際、銀行口座を介さずスマートフォンの決済アプリなどに入金する制度。スマホ決済サービスを手がける資金移動業者のうち、一定要件を満たし厚生労働相が指定した事業者のアプリを使う。政府は2018年12月の国家戦略特区諮問会議で解禁に向けた規制改革を決定。厚労省はデジタル払いを可能とする省令改正に向け、労働政策審議会の分科会で労働組合などと協議してきた。
東芝の経営問題
2021年4月に英投資ファンドによる買収提案が判明し経営が混乱。11月に3社への分割案を公表し、その後2分割案に修正したが「物言う株主」の海外ファンドの抵抗などもあり、22年3月の臨時株主総会で否決された。4月に非上場化を含む再建案を募り、1次入札で応募があった10件から4陣営に絞り込んだ。陣営間の組み替えを経て、2陣営が再建案に当たる意向表明書を9月末までに提出した。しかし、優先交渉権を得た国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中核とする企業連合が期限までに銀行からの融資の確約を得られない見通しとなった。
規制料金
50kw未満の電気を使う家庭や小規模な店、事務所などが地域の電力会社から供給を受ける際の料金。法律が定める基準で算出し、値上げには国の認可を受ける必要がある。2016年の電力小売りの全面自由化以降、50kw未満でも電力会社が自由に設定する料金を選べるようになったが、経過措置として規制料金も残っている。
トマホーク
米国で開発された巡航ミサイルで、水上艦や潜水艦から発射する。翼で姿勢を保ちながらジェットエンジンで推進。放物線を描いて落下する弾道ミサイルと異なり、低空を飛ぶため、レーダーで捕捉されにくい。射程が長く、精度が高いことから開戦初期に重要施設への精密攻撃に使われることが多い。米軍は1991年の湾岸戦争で初めて実戦に投入。近年では化学兵器使用の報復としてシリアへの攻撃に使用された。最大射程は約2500kmとされる。
後期高齢者医療制度
2008年4月に始まった、75歳以上を対象とする公的医療保険。市区町村でつくる都道府県ごとの広域連合が運営する。窓口負担はこれまで原則1割で、現役並みの所得がある人は3割だった。ことし10月から1割負担だった人のうち一定所得がある場合、2割負担に上がった。窓口負担を除く医療費は22年度予算ベースで約17兆円。国や都道府県などの公費で約5割、現役世代からの支援金で約4割、高齢者の保険料で約1割を賄う。
質問権
宗教法人法に基づき、所轄庁の文部科学相や都道府県知事が宗教団体を調査するため、役員や関係者に質問する権限。解散命令請求につながる法令違反の疑いなどがある場合に行使でき、「信教の自由を妨げることがないよう特に留意しなければならない」と規定されている。これまで活用された例はない。質問項目などを事前に宗教法人審議会へ諮問し、意見を聞く手続きが必要。教団側の回答巨費には罰則を設けている。
二つの確立
習近平・中国共産党総書記の党内での核心としての地位と、習氏の思想の指導的な地位の、両方の確立を意味するスローガン。2021年11月の党第19期中央委員会第6回総会(6中総会)で採択された「歴史決議」に、習氏の業績とともにその趣旨が盛り込まれた。18年ごろから党中央の集中統一指導と習氏の党内での核心としての地位を守るとした「二つの擁護」が宣伝されたが、さらに習氏個人への権力集中を求めている。
防衛力の抜本強化
安全保障環境の変化を理由に岸田文雄首相が掲げる政策。21年10月の就任当初から推進し、国家安全保障戦略と、10年程度の防衛力整備目標を定める「防衛計画の大綱」、5年間の整備計画を示す「中期防衛力整備計画 (中期防)」の3文書を年内に改定する。自民党は国内総生産(GDP)比1%程度の防衛費を、2%以上を念頭に増額するよう提言。相手領域内でミサイル発射を阻止する敵基地攻撃能力を「反撃能力」と改称して保有するよう求めている。
国際刑事裁判所(ICC)
人道に対する罪や集団殺害、戦争犯罪に関わった個人を訴追、処罰するための常設の国際刑事法廷。20033年、オランダーハーグに設置された。123ヵ国・地域が加盟する一方、米国や中国、ロシア、ウクライナなどは加盟していない。日本は07年に加盟し、分担金の最大拠出国となっている。リビアのカダフィ大佐(11年に死亡)に逮捕状を出すなど捜査の実績があるが、アフリカの指導者ばかりが裁かれるとの批判もある。
新しい資本主義
岸田文雄首相が提唱する「成長と分配」を重視した経済政策。成長の果実を分配することで、次の成長につなげる好循環を目指す。格差拡大や地球温暖化などの社会的課題の解決を官民連携で図るほか、科学技術振興や経済安全保障の強化も柱に据える
北大西洋条約機構(NATO)
東西冷戦時のソ連の脅威に対抗するため、米国、カナダ、西欧諸国の12力国が1949年に結成した軍事同盟。冷戦終了後、東欧諸国の加盟が相次ぎ、2020年の北マケドニア加盟で30力国体制となった。集団防衛を定めたNATO条約第5条は加盟国が軍事攻撃を受けた場合、全加盟国への攻撃と見なし、武力行使を含む必要な行動を直ちに取ると規定する。今年5月にフィンランドとスウェーデンが加盟申請、NATO首脳会議が6月、加盟を認めることで合意した
国の妊娠、出産支援
政府は子どもを産み育てやすい社会の実現に向け、不妊治療への公的医療保険適用を拡大したり、授乳指導や育児相談を行う「産後ケア」事業を進めたりしている。しかし、少子化に歯止めがかからず、2021年の出生数は統計開始以来最少の約81万人にまで落ち込んだ。背景には新型コロナウイルス禍での出産に不安を抱いた人たちの「妊娠控え」もあるとみられる
積極的サイバー防御
サイバー空間を常時監視し、被害の発生前や拡大前に攻撃側に対抗手段を講じること。攻撃を受けてから発信源を特定して反撃する従来手法と比べ迅速な対処ができる。専門家によると、米国や英国、イスラエルが採用している。2013年の国家安全保障戦略では、サイバー空間に関し「監査・調査・感知・分析、国際調整の機能の向上を含む各種施策を推進」と記している
外形標準課税
都道府県が資本金1億円超の大企業に課す。法人事業税の一部で、資本金や給与額などを基準とする。2004年度に導入された。一般的に法人関係税は所得に応じて課税しており、景気による変動が大きい。外形課税は所得と無関係のため、自治体の安定財源と位置付けられている。政府は事業税に占める外形標準課税の割合を段階的に拡大。その分、所得に対する課税の比重が低下しており、業績が好調であれば税負担が軽くなる
ローミング
携帯電話の利用者が、契約している通信事業者以外の事業者のネットワークを非常時などに使い、音声通話やデータ通信といったサービスを利用する仕組み。英語で『roaming』と表記する。総務省によると、ロシアの侵攻を受けたウクライナで、通信サービスを維持するために運用が始まったほか、米国や韓国、英国などでも導入されている。海外に渡航した際に、現地の通信事業者のネットワークを利用する仕組みは「国際ローミング」と呼ばれる
電波の割り当て
国民共有の財産である電波を公平かつ有効に利用するため、総務省が電波法に基づき事業者への割り当てを管理している。伝送できる情報量や距離は周波数によって異なる。低い周波数帯から高いものに向けて利用が進んでいる。電波は携帯電話のほか、テレビやラジオの放送、警察無線、衛星通信など幅広い用途で使われている
レコメンドウィジェット
インターネット広告の一種。ブログやニュースのまとめサイトのページ下部などに、関連記事と混在させて表示される。クリックするとサービスや商品を扱うサイトに誘導される。「お薦めする」を意味する英語 「RECOMMEND」と、パソコンやスマートフォンの操作に使うショートカットキーなどを意味する「WIDGET」を組み合わせた。2017年ごろから急増し、20年の市場規模は約350億円とされる
レートチェック(水準照会)
中央銀行が民間銀行などに対し、為替取引の水準を問い合わせること。為替介入の地ならしとして、中銀が望ましくないと判断する相場水準で実施するといわれる。市場で介入への警戒感が高まるため、当局者が行き過ぎた相場の動きをけん制する「口先介入」と同じ意味合いがある。実際には介入が行われないこともある
SCO(上海協力機構)
中国、ロシア、インド、パキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの8ヵ国
消費者物価指数
消費者が購入する商品やサービスの価格動向を示す指数で、総務省が毎月公表している。食料品や電気代など身近な品目を対象とし、天候による価格変動が大きい生鮮食品を除いた指数が重視される。需要と供給のバランスを反映した「経済の体温計」と呼ばれ、日銀は前年比2%の安定的な上昇を目標に大規模な金融緩和策を続けている。
社会保障の費用総額
医療や介護、年金、子育て施策だけでなく、障害福祉サービスや生活保護、雇用保険の給付などに充てる費用の合計。財源は、税金や国の借金から成る公費と、国民や企業が支払う保険料で賄う。財源構成は公費が約41%、保険料が約59%。患者の窓口負担や介護を受けた人の利用者負担は含まない。現役世代の医療費で見る、窓口で支払う3割部分は除き、加入する公的医療保険から医療機関に給付する7割部分が該当する。
インド太平洋経済枠組み(IPEF:アイペフ)
Indo-Pacific Economic Framework。インド太平洋地域の国々で、経済のつながりを深めるための枠組み。「デジタルを含む貿易」「クリーンエネルギー、脱炭素化、インフラ」「供給網の強靭化」「税・反汚職」が柱。バイデン米大統領が昨年10月の東アジアサミットで提唱し、5月23日に正式に発足。13ヵ国(アメリカ、日本、インド、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア)。フィジーが加盟し14ヵ国。環太平洋連携協定(TPP)に加盟申請するなど、同地域で影響力拡大を目指す中国に対抗する狙いがあるとみられている。
経済安保法
・人工知能(AI)や宇宙といった先端技術の開発で官民協力を深める。産官学による協議会を設置し、参加者に守秘義務を課す。5000億円規模に増額する経済安保基金を活用
・半導体や医薬品を「特定重要物資」に指定し、事業者が安定確保できるようサプライヂェーン(供給網)の強化を資金援助
・情報通信や金融など14業種の基幹インフラ企業が導入する設備を国が事前審査。サイバーセキュリティーの体制を確認し、必要に応じて設備の変更を勧告、命令する
・核や武器の開発に結び付く技術は特許情報を非公開にする制度を導入。情報を漏らした場合に最大懲役2年を科す
核弾頭数と米中ロの軍拡の動き(2021年1月)
アメリカ:5550、小型核弾頭の開発推進
ロシア:6255、極超音速兵器開発・新型核兵器の配置
中国:350、極超音速兵器開発・2030年までに核弾頭1000発保有意向
イギリス:225
フランス:290
イスラエル:90
パキスタン:165
インド:156
北朝鮮:40~50
ハイブリッド戦争
高度に統合された設計の下で用いられる公然・非公然の軍事・非軍事・民間の手段を使った戦争
G20
G7(日本、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、イタリア、ドイツ)、EU(欧州連合)、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、オーストラリア、インドネシア、韓国、メキシコ、アルゼンチン、サウジアラビア、トルコ
防衛装備移転三原則
2014年4月に安倍内閣が閣議決定した防衛装備品の輸出ルール。国際共同開発や輸出の拡大に向け、 従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃した。国際協力の推進や日本の安全保障に資する場合、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。条約や国連安保理・決議に違反する場合や、安保理が措置を取っている紛争当事国には輸出を禁じた。慎重な判断が必要な案件は国家安全保障会議(NSC)で審議する。
国際銀行間通信協会(SWIFT)
各国の金融機関同士の取引に必要な通信ネットワークを運営する組織。1973年に設立され、ベルギーに本部を置く。200を超える国・地域の金融機関1万1千社以上が参加しており、国境をまたいだ代金支払いや送金の取り扱いは1日平均約4200万件に上る。不当な行為をした国などに資金面から打撃を加える経済制裁の一環として、北朝鮮やイランの銀行がネットワークから遮断された例がある。
トリガー条項
あらかじめ決められた一定の条件を満たした際に発動する規定。トリガーの英語のつづりは「trigger」で 『引き金』を意味する。ガソリンのトリガー条項は、高騰時の価格を引き下げるため2010年に導入された。総務省が公表する小売物価統計の全国平均価格を基に、レギュラーガソリン価格が1リットル当たり160円を3ヵ月連続で超えた場合、約25円の課税を停止する。価格が130円を3ヵ月連続で下回れば元の税率に戻る。東日本大震災の復興財源を確保するため、11年から凍結されている。
デジタル課税
全世界での売上高が200億ユーロ(約2兆6千億円)超で、売上高に占める利益率が10%超の100社程度が課税対象。一部の日本企業も含まれる可能性がある。利益率が10%を超える部分の25%を各国での売上高に応じて配分する。各国に共通する15%の最低法人税率の導入と並ぶ国際課税改革の柱で、巨大IT企業に適切な課税ができていないとの問題意識から、2012年に経済協力開発機構(OECD、本部パリ)を中心に議論が始まった。
ランサムウェア
パソコンやサーバーに侵入し、機密文書や顧客情報のデータを暗号化して使えない状態にした上、復元と引き換えに金銭を要求するコンピューターウイルス。英語で身代金の意味の。「ランサム」と「ソフトウエア」を組み合わせた造語。つづりは「RANSOMWARE」。支払いは暗号資産(仮想通貨)を指定することが多い。応じなければデータを匿名性の高い、闇サイトで公開すると脅す手口も目立つ。
RCEP(地域的な包括的経済連携協定)
日本、中国、韓国、ASEAN(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)、オーストラリア、ニュージーランドの15ヶ国。GDP・人口で世界の3割の経済規模。22/1/1に発行予定。関税削減や統一ルールにより自由貿易を推進する枠組み。日本にとっては中韓との初めてのEPA(経済連携協定)。中国は、進出企業への技術移転の要求を禁止する規定を初めて受け入れた。データ通信などに関する電子商取引(EC)や、商標を含む知的財産保護に関しても一定の国際ルールが適用される。一方、TTPでの国有企業の補助や、環境・労働に関する規定は盛り込まれなかった。
TTP(環太平洋経済連携協定)
日本、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、カナダ、チリ、メキシコ、ペルーの11ヶ国。イギリス、中国、台湾が加盟を申請している。関税の撤廃、貿易手続きの円滑化、政府による発注の公平化、知的財産権の保護、金融サービスや電気通信のルールづくりなど、21の分野でテーマ。
絶対安定多数
国会の17ある委員会へ過半数の委員と委員長を送ることができる議員数。自民党が261議員を持ち可能になった。
クアッド(QUAD)
日本、アメリカ、オーストラリア、インドによる協力の枠組み。「四つで」「4者の」の意。2004年のスマトラ沖地震で救援・復興活動を担った4ヶ国協力が基礎。21年9月米ワシントンで初の首脳会合を開催。軍事面、経済面で影響力を増す中国をにらみ「自由で開かれたインド太平洋」構想推進に向けて連携強化を目指す。中国は強い警戒感を示している。
APEC(アジア太平洋経済協力会議)
TPP(日本・オーストラリア・ニュージーランド・ブルネイ・マレーシア・シンガポール・ベトナム・カナダ・チリ・メキシコ・ペルー)とアメリカ・中国・台湾・韓国・香港・インドネシア・パプアニューギニア・フィリピン・ロシア・タイの21ヵ国
国防動員法の要旨(2010/7/1)
・中国政府が「有事発生」と認定した際に、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令される
・国防義務の対象者は、18歳から60歳の男性と18歳から55歳までの女性・国務院、中央軍事委員会が動員工作を指導する
・個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される
・有事の際は、交通、金融、マスコミ、医療機関は必要に応じて政府や軍が管理する。外資系企業もその対象となる
(中国政府が有事だと判断すれば、中国国内のあらゆる組織、ヒト・モノ・カネが戦時統制下におかれ合法的に徴用される。中国に進出している外国企業も全てその対象となる。中国国内の日本企業や日本国内の企業が雇用した中国人従業員が、社内情報を中国人民解放軍に流出させても国防義務とみなされ日本企業はこれを阻止できない。)
SDGs
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs(エスディージーズ))とは、持続可能な開発のために国連が定める国際目標である。2015年9月の国連総会で採択された。
1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
2.飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3.あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4.すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
6.すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7.すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8.包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
9.強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び改革の推進を図る
10.各国内及び各国間の不平等を是正する
11.包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12.持続可能な生産消費形態を確保する
13.気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14.持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15.陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16.持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルで効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17.持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する