早くも習近平3期目続投の弊害が出た

先週末、中国の新疆ウイグル自治区・ウルムチでのアパート火災が起きた。10人の死亡者を出したが、ゼロコロナ封鎖実施中で施錠などがされていて逃げ遅れたことが大きな原因だった。それを受けて北京や上海などの十数の都市でデモが発生した。1989年の〝天安門事件〟以来の大規模デモとなった。「ゼロコロナ反対」「共産党打倒」「習近平打倒」や白紙での抗議など、これまでにないデモに発展した。
〝ゼロコロナ政策〟は習近平の肝いり政策で、かつては世界に誇った政策であった。しかし、世界を見回しても中国ぐらいしか行っていない。中国製のSNSは検閲されているが、ツイッターなどは一部国民の目に触れているし、海外からの情報は入っている。サッカーW杯を放映したのはいいが、誰もマスクをしていない映像に国民はゼロコロナの疑問を感じたようだ。慌てて映像編集を行ったが、反って不信感を抱かせたであろう。
習近平はもはや自分の口から、ゼロコロナ放棄は言えない。あれだけ経済を混迷させてきた政策であることは解っているはずだ。自国製ワクチンを誇示したいが、性能効果は出ていないし接種率も低い。膨大なPCR検査は、巨大な利権と化し退くに引けない有様だ。3期目を後進に譲っておけばゼロコロナは修正されたであろうが、後の祭りだ。国民も自分の事しか考えない習近平だと、改めて確信したであろう。
願うのは、国外への軍事侵攻で国民の不満を転嫁することのないことだ。