自民党は、選挙に勝てる総裁を選んだ

 自民党の総裁選挙で、石破茂が選ばれた。今回の選挙で特徴的であったことは、次の選挙に対する党としての姿勢であった。3強と言われた、小泉進一郎・高市早苗・石破茂は開始当初は記述の順で想定された。その中で、小泉が脱落をした。この現象に自民党の強さを感じた。タレント的・雰囲気で話す彼では、日本は救えない。終盤は高市・石破の一騎打ちとなり、高市優勢の状態であった。これには立憲民主党の代表が野田佳彦になったことにより、結論が出た。右寄りの高市では、中道層に食い込もうとする野田に中道票を侵犯されると判断され、石破に走った。国力を増強していない今の日本は、高市の隣国を軽視する政策は、時期尚早であった。政権与党の自民党としては、まともな選択であった。
 政権奪回を目論むのであれば、野田を選んだ立憲民主党は無難な人選をした。しかし、中道層を取り込むことに重きを置くだけで、何をするのか示す党としての存在感は、逆に不透明になった。ただ単に、新鮮さを訴えるためだけに、1回生の女性候補を擁立するしかない人材不足を逆に、露呈してしまった。
 公明党は禅譲の形で新代表が決まった。共産党と同様に、表に出ない権力争いの結果の代表選出となった。その手法は、専制体質の最たるものと言えるであろう。
 どの野党も、提示されたテンプレートを元に議論することしかできない、創造性の無い無能な集団になり下がった。自ら実行することが難しい立場であることを考えると、致し方ないことであろう。しかし、それに安逸しすぎてきた体質が、今の現状だ。国家百年の計を描いた国家論や草の根の活動を忘れたままで、創造性の無い政党のままでは国民は賛同しない。