例年のごとくCOP(気候変動に関する国際連合枠組条約)が行われている。今年はG7や中国、インドなどの首脳は出席しなかった。CO2排出国ベスト3のアメリカ・中国・インドが出席しない会議は機能不全に陥っている。もともとこの会議はEUの戦略として活動されている。国力低下の挽回策として、利用されているわけで、グローバルサウスは多数意見を得るために利用されている。
今年も日本は化石賞を与えられた。おまけはG7各国にも与えられた。先進国がCO2の排出を大量にしてきたことは事実であるが、その生産物や技術の恩恵を受けてきたのはグローバルサウスも同様で有る。化石燃料だけでなく、再生エネルギーの技術を生み出したのは先進国だ。その過程において化石燃料に依存はしたが、先進国は再エネ技術を開発し努力した。グローバルサウスは努力しないでその恩恵を享受している。
携帯電話を見れば、その典型が見られる。先進国は技術を開発し、通信施設などのインフラを設け、多大な資金を通信に投資した。続いて無線の技術を開発し、多額のインフラ投資を必要としない通信を開発した。そこに至る多大な投資を必要とすることなく、グローバルサウスはスマホという軽便な製品を、当たり前のように利用している。言い過ぎなくても〝タダ乗り〟だ。
化石燃料が、地球温暖化の一因であることは事実だろう。しかし、それを利用しないでエネルギーや製品を得るためのコストは、甚大なものである。国力を増進するために広大な森林を伐採し、農地などに転用しているのはグローバルサウスだ。植物はCO2を取り込んで酸素を生み出す。その緑をなくすことがCO2の回収を低減させ、化石燃料と同様に温暖化を促進している。同時に、国を豊かにするために身の丈に合わない人口を抱えている国が、緑の国土を人間で覆うことが温暖化を促進する。
グローバルサウスは、タダ乗りやオネダリの発想をやめて、冷静に自国民が豊かになるには如何にすべきかを考えることだ。世界は、地球温暖化について再考すべき時期だ。人間には地球を破壊するだけの力があるのであろうか?。人間は環境の変化に対応できない生物なのであろうか?