少子化問題--[17]性の多様性には代償が必要

 アメリカのトランプ大統領が就任演説で、「男は男で、女は女であるべき」と多様性の行き過ぎに疑念を呈した。タイでは同性婚が法的に認められた。アメリカの合計特殊出生率は1.67、タイは1.32である。合計特殊出生率が2を切ると人口の減少が始まる。アメリカは不法移民の侵入を禁止の方向であるが急激な人口減少にはならない。タイは近年、経済成長し豊かにはなったが先進国に比べると、未だである。1.32の数字は今後の成長を考えるとき、不安が待っている。日本の合計特殊出生率は1.26である。この数字は少子高齢化の時代を表している。タイを考えるとき、「人口ボーナス」を教授はしていないが、日本は享受した。その成果の余韻は味わってきた。
 性の多様性を求める人は、自由・平等を尊重する。基本的人権を考えると男女婚・同性婚は自由であると考える。同時に社会が成り立つには、自由・平等の代償として義務が必要だ。人間の性に対する義務とは何であろうか。生物は子孫を残して、繁栄を持続する努力義務がある。国際的にはさなざまの置かれている実情がある。アフリカやアラブ諸国の多くは合計特殊出生率が3以上の国が多くある。これらの国はそれを避けないと「人口ボーナス」を享受するどころか、貧困・格差の苦難を味わう。
 先進国の多くは少子高齢化になっている。つまり子供が増えないと、これまでのような国力を維持できない。同性婚・未婚は子供を設けないことを表す。自由・平等を旗印とする性の多様化は、人口を抑制しなくてはならない国と人口を増加させたい国とでは、方向が違うのは明瞭である。
 日本でも最近は左派勢力を中心に、性の多様化が叫ばれている。女性に男と同じ役割や権限を与えることに異存はない。しかし将来を考えると、少子化は間違いなく日本を沈没させる。国民には今の幸せを考えると同時に、将来のために考えることが義務である。自分のことにしか投資しない人に対しては、将来の人のために投資を求めなくては社会が維持できない。自分の老後を社会に求める人生になることは明らかである。そうであるなら、子孫を残さない人は働ける時代に社会に貯蓄し、老後の社会の負担を軽減する必要がある。平たく言えば、子孫を残さないのであれば、税金で残す必要性だ。未婚・同性婚を求めるのであれば、老後の代償に現役時代に賦課を背負うこと覚悟をしないと社会的には不平等と言える。