混迷を選んだ国民は自らの自覚が必要

 参議院選挙の結果、与党の過半数割れが起きた。その原因は明白で、自民党の自信喪失と世論と時の政府批判だ。その結果、自民党の保守層が参政党と国民民主党に流れた。さらに投票率が約7%上がったが、その要因は若者層の投票率向上だ。未成熟な選挙の現状は、SNSによる選挙操作が起きる。それがSNSを利用した参政・国民の躍進であり、現実を把握しきっていない若者層の支持により加速した。
 もう一つの現象は、俗にいうリベラルを標榜する政党の停滞である。第二政党の立憲民主党の現状維持は、最近の自民党バッシングの世論を考えると、大きな敗北であろう。共産党は決定的な判断を浴びせられた。批判するだけ・相手の失策で懐を潤す政党の当然の帰結だろう。数年後の姿は社民党の姿であろう。
 過渡期と考えると、少数政党の乱立に意味はある(国際情勢からは過渡期の免罪符は与えられないが…)。世界の潮流は、保守・自国第一主義だ。保守を極右と捉える意見もある。ヨーロッパは極右が台頭し少数多政党の状況だ。民主主義の根幹からすると多政党の乱立は意味がないでもない。しかし、国を動かすことを考えると、回りくどい効率性の悪さだ。それが中国・ロシア・アメリカなどの独裁指向の高い国の効率性を上げている。
 政治参加に挑戦した若者よ。選挙をゲームのようにしてはならない。自分のためだけ、今だけで考えてはならない。自分の子孫の代を考えて政治は行われなくてはならない。日本の若者にはその素養があると考えている。