石破首相は、直ちに辞任すべき

 権力や地位を得た者に必要なことは、身の引き方や引き際である。石破は過去党内野党の立場が長く、その間一貫して党内批判をしたり、胸に秘めてきた。2009年に安倍首相が参院選に惨敗した時、責任を追及しやめるべきと発言した。その後も党内の居場所が心地悪く、もっぱらメディアに出演し憂さを晴らしてきた。そのせいか、国民の受けは悪くはない。今回の事態でもかなりの国民が辞任を強く望んでいない側面がある。あれほど裏に表に、石破内閣を望んできたメディアも今回ばかりは見放してきた。メディアの眼力は真実を見抜くことが出来ないことも証明された。
 選挙前には、過半数死守を謳っていたが、選挙中盤から〝比較第1党〟と誰が見ても実現可能な目標に切り替えた。中国はよく〝ゴールポスト〟を動かすが、心の隅に親中国を持つ石破も、自己正当化の人であった。今の野党同様、他人の批判はするが実行力はないことが明らかになった。政治は難しい面があるので、成果を上げなかったことに対してこれ以上は攻めない。
 問題は誰のために政治をするのかという認識の点だ。自分でなくては日本を救えないと言う崇高な思いと、大きな勘違いを政治家はしてはならない。どの世界でも自分より優れた人物は存在する。安心して道を譲ってもいいのだ。自分の力でやり抜くという気概は必要だが、自分を必要としていない状況に気づくことも必要だ。企業でも自分の立場を死守することに全力を注ぎ、挙句の果ては組織を弱体化・崩壊させた例は事欠かない。
 現実として、日本の政治は中道保守を謳う自民党にしか運営できない。不合理に思うかもしれないが、国のためには合理的だ。組織の礼儀を失ったら組織は崩壊する。礼儀とは、失敗したらきっぱりと身を引き、後進に道を譲ることだ。そこから新たな進歩が生まれる。