石破首相は、直近3大選挙で3連敗した。やりたいこと、やり残したことは誰にもある。平社員なら結果の良しあしに関わらず、居直ることがあっても仕方ないかもしれない。首相には大きく、二つの顔がある。一つが国を代表する顔で、あと一つは党を代表する顔である。
国政を預かっている責任者として、政治に空白をもたらしてはならないと考えるのは、責任を果たしてきた者には許されるが、敗北した責任は自分を推薦した者にとっては責任を取ることは当たり前であろう。民主主義は最悪の場合を想定して多数決を旨としている。自分を選んでくれた者は、それを達成できなかった場合は、責任を取らなくては民主主義の根幹が侵され、そうしないことはまさの独裁の先駆けとなる。自分にしかできないと思い、自分の責任の重さを忘れ、組織の責任者としての責任を忘れた時、職務は終わる。
巷では官邸の前で「石破、やめるな」のデモが行われた。意見の内容はともかく、この種のデモは最近なかった。今回の参議院選の結果が示すものは、このデモであろう。Xのデモ参加呼びかけに応じて、衆参した者も多い。Xでの発信者は誰であろうか。自民党支持者(石破支持者)が呼びかける訳がない。自民党はそのようなポピュリスト集団ではない。
結論的には、石破の続投を望む野党となる。野党は弱い石破は好きなのだ。まともな自民首相が出てほしくないのだ。使命感に燃える愚かな首相が継投してくれることが、野党にとって好都合なのだ。自分の思いだけで政治の空白を作ることにも思いが回らない。