石破首相が辞意を表明した。1年間の成果ややる気などは、差し置いて国政選挙2連敗した総裁が辞任することは、民主主義において当然のことだ。したがって、自民党が新たな総裁を選ぶことは自然のことである。フルスペックの選挙を行うことは、私的政党が自党員の意見をくみ取るためには当然であり、他人がどうこう意見することではない。
人質を取るかのように、「政治空白」を騒ぐが、その直接の原因は石破総裁が参院選敗北後ただちに辞任をしなかったことにあるし、メディア・国民が支持したことにある。国民が政治空白を攻めるのであれば、なぜ国民は支持を向上させたのかを問うべきだ。国民は心情で首相を選んではならない。ただ、政治空白ができたことには変わりない。自民党は心してその責任を汲み取り改革しなくてはならない。
国民は自分の生活を守る必要は当然だが、守ってくれる政府をよく理解しなくてはならない。中国・ロシアなどの覇権主義国家がどうなのか。民主主義の盟主と目されていたアメリカがトランプになっての政治がどうなのか。議会制民主主主義の発祥のヨーロッパがどうなのか。今の日本が最も把握しなくてはならないのは、ヨーロッパの現状であることは間違いない。
イギリス・ドイツ・フランス。イタリアなどの現状を把握しているのであろうか。それらの各国がどれだけ政権を維持するために、無駄な労力を費やしているのを理解しているのか。政権は他政党との調整に多大な労力を費やし、施策の時間を空費している。少数政党の国の政権は、政権を維持するために労力を費やす。それがいけないということはできても、そのようになった器を維持するためには、そうするしかないことを理解しなくてはならない。
昨今の日本は、まさにヨーロッパの各国の仲間入りしようとしている。誰がしたのかは明白だ。国民自身だし、それをメディアやジャーナリズムが後押しした。「政治空白」だの些細な失策批判ばかりに心を奪われて、国民はヨーロッパの混迷の仲間入りをした。