政治を視聴率に結び付けるメディア

 自民党の総裁選挙が本日行われる。多数の政党が乱立することの弊害は、考えなくても分かることだし、欧州の多くの国が混乱をきたしていること見れば実証している。政治は各党間の調整に時間と労力を費やしてばかりで、国民に対する政治に影響を与える。今のような多党分立を生み出したのは、政治家や政党に原因があることは事実であろう。しかし、その背景にあるのはメディアやSNSなどであることも事実だ。
 SNSは個人的所有物であるから、真偽に関係なく思惑によって、流される。問題なのはその私的機関SNSに本気でメディアが相手をしていることだ。本来、利害関係からするとSNSとメディアは敵対するものである。現実は、一方的にメディアはSNSに振り回されている。今の事象に批判的なものには、なりふり構わずアマチュアの投稿に食いつく。今やメディアにはプライドはない。本来、ユーチューブやTikTokなどをメディアが流すものではない。自社の力で足で稼いだものを記事にするのがプライドであり使命であろう。
 テレビの番組や内容を見ると、コンテンツの中身は芸能人の内輪話と食リポばかりだ。やや教養分野のクイズ番組も出演者も芸能人が大半で、我々は彼らのレベルに合わせて、空しく見るしかない。要するにメディアがコンテンツの本位に創意工夫しているのではなく、目の前の視聴率しか考えていない。
 政治の報道もそれと大差はない。1カ月も政治空白を作ると批判するが、報道の実態を見ると批判しかしない。政策の利点をほめあげることはしない。その政策の中身を解説することもできない。誰でも知っている。叱ることは誰にもできるが、褒めることは自分に度量がないとできない。自民党総裁が首相になる確率は高いが、嬉しそうに少数与党と言っているのメディアだ。ならば、他人が自分の領袖を選ぼうとしている場面に1カ月も長々と、他人の家のことをつつき回すのは人権侵害であろう。背景には自分の好みの人物をステマしているわけで、政治家を批判する価値もない。自己のサイトを金に換えたい(視聴率)SNS以下と言わざるを得ない