子供に教えるべき泳法……背泳ぎ(仰向け泳法)

 夏休みがやってくる。子供にとって冒険は必須の遊びだ。危険を恐れて大人は、ますます無難な遊びを求める。結果的にこじんまりとした、特徴のない子供が出来上がる。少子化はそれに追い打ちをかけて、冒険を避けさせる。子供同士の遊びや喧嘩を通じて知る体験を経ないまま、大人になる。人間の衰退の一つが子供同士での体験の無さだ。
 水泳は初体験では、楽しいと同時に危険で恐ろしい体験だ。恐ろしい体験をするときには、基本的な危機管理が必要だ。泳げることは危険防止の基本だ。学校の授業でも基本的な水遊びを授業に取り入れている。カエル泳ぎやクロールなどができることは、それでよいが、まず必要なことは水中潜行ができることだ。間違った水の怖さを払拭でき、延命の時間稼ぎができる。
 溺れる要因の一つは水への恐怖から、体のバランスを崩すことだ。普通に教える泳ぎ方の大半は、うつ伏せの姿勢での泳法が多い。これは体力を必要とすると同時に、水を飲みこんでしまうことが多くなる。悪の連鎖がパニックを呼ぶ。当然の姿勢として、水を飲み込みやすい姿勢だ。そこで、体を反転して上向きの姿勢になったら、息をすることが楽になる。あとは体を浮かせることだ。結果論として仰向けになると、必要とする体力が半減し、手足を軽く動かせばバランスが取れる。水中での延命時間がはるかに長くなる。
 体を反転することには、最初は恐怖心が働く。その反転するための動作を教えて欲しい。反転したときの体のバランス感覚を体験させてほしい。子供が自力で脱出することも大切だが、時間を稼いで救助を待つことの方が、助かる確率は高い。自力での脱出を考えるのであれば、横泳ぎが有効な泳法だ。
(仰向けで水に浮かんでいると、別の世界の一面が見れし、ストレスの解消にもなる。心が落ち着くといつまでも浮かんでいることができる)