メディアの実態……[15]癒着

 ジャニーズ問題が議論されて久しい。ジャニー喜多川の問題は、一般的犯罪であるが、メディアにとっての問題は癒着問題であった。癒着関係は、一方的に他方を圧するものと、お互いさまという関係がある。ジャニーズ問題ではメディアが圧倒されるという関係であった。当時、わずかではあるが炙り出されたが、いつの間にか世間は忘れ去らされた。メディアが報じないことは、無かったことだと国民は飼いならされている。
 時事報道番組でも政治に関する番組では、思想的偏向が目立つ。しかも左翼的傾向が強い。つまり、左翼(リベラル)的思想者とメディアは癒着している。反論があるのであれば、右翼的思想者を出演させてほしい。平等の主張を謳っている張本人が不平等を実践している。『サンデーモーニング』と関口宏のプロダクションの癒着は典型である。まるで左翼のサロンの場をTBSは提供している。
 バラエティ番組は典型的にプロダクションに乗っ取られている。面白くない芸人も一定期間はプロダクションに気を使って使い続ける。それに感謝して励めばよいのだが、所詮は〝火事場のバカ力〟で出てきた芸人が大半だから、視聴者は諦めるしかない。そこは仲間とばかりに、出演者同士で助け合う。ますます、嫌気がさす。メディアはプライドを持ち、まず自らを律しなくてはならない。それをしないからプロダクションになめられるのだ。一部を除いて低賃金で依頼してコストで満足しているのであろうが、実態は足元を見られている。視聴率しか念頭になくなっているから、そうなるしかない。利用しているつもりが、利用される癒着関係になっている。
特定のものを突出して報道することも癒着である。大谷翔平の活躍を報道することは当然だが、度は過ぎることは癒着の変形である。NHKがメジャーリーグの試合を流すことは、よいとしても大谷がいるからといってドジャーズの試合を完全放送することは疑問だ。日本人選手が在籍するからであれば、他の選手の試合も放送すべきだ。そうはしていないし、仮に大谷の活躍が目覚ましいからドジャーズの試合ならば、ダルビッシュや鈴木や今永や吉田などの所属するチームの試合は全試合放送しないのか。不平等甚だしい。放映権買取という美名のもとに癒着がはびこっている。
 半永久的に電波使用権を、国(国民)からいただいているのであれば、責任を持った報道・番組を作らなくてはならない。美男美女スタッフがエラそうに喋っている姿が腹立たしくなる。