石破首相はトランプ大統領に会うべき

 トランプ大統領が追加関税をかけ、3ヶ月の猶予を与えた期限に後わずかとなった。赤沢大臣がこれまで7回の交渉を持ったが、先行きは見えない。9月までの猶予期間を延長することも発言されたが、業を煮やしたトランプは絶縁状化のような書簡を送ったと言う。
 この交渉の最大唯一の問題は、自動車に関する関税だ。25%の関税はメーカーが負担するには大きすぎるし、アメリカ消費者にも負担は大きい。自動車産業はすそ野も広く大きい。日本の輸出の2割を占める。この関税でアメリカの自動車産業が再生する見込みは、疑問が多い。仮に日本車の比率が減るとしても、アメリカ車の比率が早急に増加するとも思えない。中国とのディールに勝ったつもりが、中国製EVに席巻される可能性もある。アメリカ製と思っているイーロン・マスクのテスラは中国の製品状態である。
 首相は、日頃から長期的な戦略を口にするが、目の前の炎も考えなくてはならない。自動車産業の不況は日本経済の不況と等しい。トランプは日本を不審に思い、ナメている。日本はトランプを甘く見ている。ウクライナ、ガザ、イランなどを見てわかるようにトランプは倫理で動いているのではなく、ディールで動いている。日本もディールで動けばいい。石油・LNGを買えと言ってる。中東の不安定を考えても切換え時だ。防衛費増を要求している。中国の横暴を見るにつけ増強は必須だ。国内の平和ボケした防衛感覚を自力で解決できない訳であるから、他力を利用して防衛費増を約束すればいい。NATOはGDP比5%に踏み切った。
 石破首相は参議院選挙が近づいて、内政に注力するかの観がある。選挙は党に任せればよい。総理大臣は国政を優先しなくてはならない。遅まきではあるが、首相自らトランプと会い、中国寄りの姿勢の打破を見せなくては、トランプ関税は打破できない。だだし、安易な妥協は禁物だ。そのためにも国民は覚悟しなくてはならない。