アサリの産地偽装

外国産のアサリを熊本産と偽って販売していたと農水省が発表した。水産物は生育期間の長い地域を産地表示することになっている。今回の事件は、‷畜養〟と称して実際には、僅かの期間しか畜養していないにもかかわらず輸入品を熊本産とした。熊本県知事は農水大臣の発表を受けて、「犯罪的行為」と怒っていた。ついでの勢いで国に何とかして欲しいと言っている。喜び勇んでメディアは国は何をしているのかと後押しする。
熊本県と言えば、多くの農水産物があり流通している。努力もし、商品に自信を持っている。当然、自県のブランドには日頃からチェックが入っているはずだ。ダントツの首位を走るアサリについて、今回の問題があることを掴んでいなかったとは思えない。業者との精神的癒着が続いてきたことに目を瞑ってきたはずだ。県内の海辺を見れば、このようなシェアが有るはずがないことは一目瞭然だ。乗り換えだけの短期畜養どころか、輸入荷下ろし直送の実態も知っていたはずだ。現知事も過去数代の知事も理解して見過ごしていたはずだ。摘発告訴すべきであったはずだ。「犯罪的行為」はあなたがただ。地道に県のプライドをかけて、頑張っている地元業者を黙らせ続けてきた。要は同業者間で自浄作用が働くようにすることが自治体の仕事だ。ただ、国は品質の検査にはもっと取り組んで欲しい。
いつも問題を国・政府に向ける。全体主義国家なら政府が何とかする。この種の問題は地方で解決するのは本筋だ。何もかも国にもたれ掛かるのが当たり前と思う体質になった自治体。それを援護して国民を煽るメディア。いっそ中国のような全体主義国家になれというのか?