指揮官はいつ進退を表明すべきか

プロ野球で阪神タイガースの自力Vが54試合終了の時点で消滅した。シーズンは143試合であることからして、いかにも早い。個々の選手は優秀な選手も多いし、他チームにひけをとるものではない。
矢野監督は今年初め、シーズンキャンプが始まる前に今季限りで退任の表明をした。辞めることは自由であるが、問題はいつ辞めるか、いつ表明するかである。何をもってシーズンが始まる前に表明したのであろうか。フロントとの間に突然の問題が起きたのであろうか?監督自身が心を決めていたことなのであろうか?
人は辞めると分っている人にどれだけついて行くものであろうか?企業における上司、学校における先生、地域における世話人など形態により反応は異なるであろう。また判断する人によって反応は異なるであろう。プロの選手は自営業者であり、最終的には自分の責任と理解してプレーに専念するであろう。そのような意識の高い集団であっても、何かの要因が結果を左右するものである。その一つが指揮官の采配である。「今年限りだから最後に一花咲かせてあげよう」と頑張るのはドラマの世界だ。
一番の問題は監督に選手の将来を考えた起用が出来なくなることだ。「そんなことはない」と言えるなら名監督になっている。阪神タイガースは過去常に問題を抱えてきた球団だ。選手とファンが支えてきたが、必ずしもそれに応じた成績を挙げてこなかった。凡人は事が終わってから、進退を表明すべきだ。フロントはいつ辞めても良いが……。