〝中国の属国〟の道を行くロシア

ロシアのウクライナ侵攻の行く末は不透明だ。ロシアはベラルーシとカザフスタンなどの中央アジア諸国に活路を開こうとしているが、中央アジア各国は懐疑的な反応を持っている。しかもこれらの国は旧ソ連であるだけで、将来的補完のメリットは少ない。アフリカや中南米の多くの国は侵攻非難に賛成することはしなかったが、専制的国家以外は今後ともロシアを支持し続けるとは思えない。
ロシアが頼るのは中国とインドであろう。インドは資源と食料と兵器をロシアに頼る点はあるが、同時に西側との接触も強い。中国も依存関係は兵器以外はインドと似ているが工業製品では圧倒的に優位な立場にある。ロシアには兵器以外工業製品がなく最大の資金源は圧倒的に石油・天然ガスだ。しかし欧米が輸入を制限して以来、中国やインドには買いたたかれている。経済制裁を受けて財政的に困窮することは必定であり、増々買いたたかれる。利を得るのは中国・インドである。結局、ロシアに頼るものは何もないに等しく、利用されるのみである。
これからのロシアは中国に侵食される歴史が待っている。貿易は中国に頼るしかなく、国土の開発は中国資本を導入するしかない。極東は特に中国化を免れない。ロマノフ王朝は極東へ進出し、挙句の果てにはロシア革命を誘発した。プーチン政権は極東を侵食され、中国への忠誠が待っている。