マイナンバーカードに健康保険証を繰り込むのは良いことだ

マイナンバーカードが提示されて十数年になる。この期間を要している原因は、〝個人情報が漏洩する〟とメディアが何も理解しないで拒否したことにある。「丁寧に説明して欲しい」とメディアは言うが、その前に理解するだけのリテラシーを持っているのか疑ってしまう。
河野大臣の健康保険証や運転免許証の繰り入れ発言は物事を突破するに際して必要なことに意味がある。日頃から国民が自然に思っている国民皆保険の恩恵を受けているシステムを組み込めば、マイナンバーを利用せざるを得ない。すると義務化したと批判する。そう、義務なのだ。国体をスムーズに運営することは政府に委ねられるのであるから、そのために必要な義務は有って当然だ。各種給付を受けるためにはマイナンバーカードが必要とすればよい。新型コロナ給付の時、いかに各部署で事務が滞り遅延したかを思い出せばよい。日頃から事務経費の無駄を批判している人ほど、積極的に推進するべきだ。
日本人のITの弱いところがマイナンバーカードシステムの理解に集約される。情報が漏洩するというのであれば、現行の保険証でも免許証でも起きる。堂々とカードに住所・氏名などが記載されているではないか。預金内容が漏洩すると言うなら、まさにシステム上の無知だ。確かに預金口座を登録するが、有難いことに給付金を受け取る口座で良いのであって、全ての所持口座を登録する必要はないのだ(しても良いが……。そうすれば亡くなった時に遺族は助かる)。
マイナンバーカードシステムでは、既存の個々のシステム(健康保険証・運転免許証など)は今まで同様に存在する。その個々システムをマイナンバーカードからキーとして呼び出すだけで、あとは個々のシステムに従う。その点では現状と変わりはない。あとは所有者の利便性と付加価値をどれだけリアルタイムに検索するかである。マイナンバーによる集中処理で瞬時に全てが括り付けられるのではなく、実態は分散処理で行われる。さあ、世界の潮流に乗り遅れないように、弱さを売り物にするのではなく、強さを武器にすべく研鑽しよう。