中国は混迷の道を選んだ

中国は共産党大会を閉幕した。大方の予想通り習近平の3期目に突入し、4期目も目指す方向だ。それは幹部が習近平派で独占されたことで予想できる。4期と言えば20年だ。途上国の独裁政権にはあるが、ロシアのプーチン政権を除いて例がない。そのプーチン政権も崩壊の危機にある。プーチンはソ連回帰の夢を見たが、習近平は過去の王朝の夢を追っている。王朝は血縁を頼った継続であり、他人の集まりの習州政権には当てはまらない。
習近平の今後は、プーチンの運命に左右される。政権が倒れると一気にロシアの国勢は衰え混乱するであろう。民主化の波が押し寄せるか強権派が締め付けるかである。後者の場合は国際的には孤立するであろうし、ますます中国を頼るであろう。それは裏を返せば中国の孤立化と一体だ。
中国が台湾に侵攻すれば、アメリカとの武力対立のみならず泥沼の戦闘となるであろう。レジスタンス活動も活発になる。経済的には半導体を中心にサプライチェーンが停滞し、ますます経済成長が停滞する。抑え込んでいる筈の国民の不満が爆発する。多くの国民は共産党員のようには台湾を望んでいない。当然自分の生活と将来が問題なのだ。要は政権の目指すところと国民の目指すところが、ますます乖離するということだ。ここに世襲政権の弱点がある。10年以上の独裁政権には、時勢を読む目も曇るし汚職も蔓延する。退いた後のわが身の不安でYEAマンばかりが権力を振るい、失政を恐れるばかりで強引な政治をする。そこには真に国を導く気持ちが薄れていく。

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