〝少子化問題〟までも茶化すメディアの悪質さ

岸田首相が〝異次元の少子化対策〟を打ち出し3月頃の政策決定を目指し、会議が動き出した。早速、何時ものようにメディアが何も決まっていない先から興味本位とも否定とも思える報道を始めた。批判するのであれば内容が明らかになってからすればいいし、先導したいのであれば国賊にならない報道をして欲しい。
ワイドショーで〝母親になって後悔している〟との内容の外国の書籍を紹介していた。正にすべての内容が後悔の事例だそうだ。夢見ていたのと違う実態や苦労の連続で、子どもなど儲けるではなかったとの事例紹介と言う。否定論を集めれば山となるし、肯定論を集めても山となる。問題は何故番組はこの時期に否定論の書籍をわざわざ探しだして、託されている電波に乗せたかである。おまけに頭のいかれた自称脳科学者が、日本の古い慣習を実体験していないにも関わらず、どうのこうのと批判していることだ。弁当を作る苦労とか、子どもを介した社会づきあいとか数十年前の内容を未だ新鮮な事例として話すなどは自分の脳を解析して欲しいものだ。この番組の悪意に反論したのが、大家族で生活が苦しくても楽しく送っている家族もあると言ったのが外国人のコメンテータであったのは皮肉である。
少子化で困るのは今の高齢者ではない。現役で頑張っている当の若者である。若者が今の現実や立場でしか考えられないようでは、そのツケは自分が高齢者になった時に回ってくる。独り寂しく去っていく姿を、後悔しながらこの世に別れを告げる人生は送りたくないものだ。そうならない世の中を取り戻すために、先人も若輩で苦労したように、若者も刹那の安楽だけ求めるのではなく、人生のゴールを描いて生きて欲しい。増してやメディアに日本の将来を描く示唆のないものであれば、即刻退場願いたい。