故ジャニー・喜多川のジャニーズ少年に対する性的虐待が露見した。自分の立場を利用しての蛮行・犯罪である。当初はメディアで、ちらほらニュースで報道されるだけで、芸能ニュースの好きな国民の認識は浸透しなかった。理由は全国紙が余り紙面化しなかったこと、テレビのキー局が軽くニュース記事に留めたことだ。ワイドショーの特集番組にすれば、視聴率を稼ぎ潤うネタであったはずである。ウンザリするほど同じことを批判がましく報道するメディアが、何故ジャニーズ問題をスルーし続けるかを理解しておかないと、いつまでもメディアに飼いならされることになる。
おおよそ世間の取引には強弱関係が働く。大企業と下請け企業などは典型的だ。ジャニーズ事務所とメディアの立ち位置を掴む必要がある。要するにジャニタレを起用しないと視聴率が稼げない訳で、そこに圧倒的ジャニーズ上位の関係が出来上がっている訳だ。テレビ局は「ジャニーズ様、どうかタレント様を出演させてくださいませ。」と低頭低身で、お願いしている。一見関係なく見える全国紙もテレビ局と資本関係で繋がっているから、だんまりを決め込む。
以前、東京オリンピック・パラリンピックに関した贈収賄事件があったが、これほどの悪事の大事件を正義の味方メディアが、大々的に特集を組んで報道した記憶がない。従って、この事件の真相は解ったようで判らない。構図はジャニーズ事件と変わらない。メディアと電通(広告企業)などとの関係だ。あれほど元首相を〝忖度〟で批判したメディアが、ここでは広告企業に忖度しメディアとしての責任を放棄した。