少子化問題--〔1〕人間も動物である

 ルソーの言葉に「人間は考える葦である」がある。それは間違いである。「人間は考える動物である」べきだ。昨今の日本人は植物化が激しい。植物は自分だけで子孫を残せないが、動物は自分で子孫を残せる。植物も動物も子孫を残す努力を怠ることは無いが、唯一人間だけが怠っている。
 科学的事実として、生殖行為は減少の一途だし、精子数の減少は激しい。一回の射精での数が少ないから競争が減り、強い精子ができない。つまり軟弱な子供が生まれる。その原因究明は科学者に任せる。食品のインスタント化によって、化学物質を取り込んだ後遺症も間違いなかろう。
若者が性交活動を行う場を失って、訓練不足などで精子力が弱体化しているし、内に閉じこもって不活発な植物化をしている。植物はミツバチ(仲人)がいないと子孫を増やせない。動物は自分で行動し子孫を残す。日本人は狭い範囲に留まって、ミツバチを待っているが、悲しいことにミツバチが激減している。
 一握りの凶悪な行為により、性問題はますます圧迫される。取締りの緩和を求めている訳ではない。ただ無難を求める若者がますます閉じこもる。性犯罪者は動物を維持しているが、一般の多くは植物を知らぬうちに目指している。健全な動物として生きられる社会を総力を結集して築かなくてはならない。