子供の出生率は、欧州型・東アジア型・アフリカ型に分類できる。また出生率は経済状況に大きく左右されると言われるが、果たしてどうなのか。
・アフリカ型(発展途上)
多くの国で出生率が高く、将来は世界の中で一大勢力を持つだろう。途上国では死亡率も高く、本能的に子孫を残すために子沢山になる。同時に本質的に楽天主義だ。それを見越して中国やロシアが積極的に進出している。
・欧州型(成熟)
多くの国が豊かで適度の子供を設けている。経済力が付くと多くの子供を養うことができるが、その割には少子だ。自由主義の発祥の地でもあり、豊かになると自由と自己確立を望み自分の時間を大切にする。豊かになると多くの子供を産むという伝説がここにはない。
・東アジア(急激発展)
中国・日本・韓国(ここでは北朝鮮・モンゴルは論じない)だが、ことごとく少子だ。特徴的なことは充分豊かなことと、国民が享受するインフラは築き上げていることだ。つまり、器は準備しているがそれに入る中身が減少しているということだ。器が大きければ大きい程、支える力が減少して内部崩壊することになる。この地域に共通する思想は儒教だ。現在は忘れ去られているようだが、根底に根付いている。儒教の奥義は解らないが、立派な忠・孝の教えは親族のみ範囲で、他人には利己的な社会性のない教えかもしれない。
貧しいから子供を持てないと言う。見てきた通り、結果的には貧しい方が子沢山だ。戦後の日本は貧しかったが多くの子供を設けたが、豊かになると少子化した。貧しい人が豊かになれば、まず自分の自由と享楽を求め、子供は重荷になる。成熟した豊かな人は、自己の確立を求め、次世代へ継承しようとする。日本は自分の事で精一杯で、社会の将来を考えた豊かさが未だ育っていない。文化が育まれ個人の人格が確立して、初めて生物的本能に基づかない社会を考えた生殖が生まれる。