戦争を大儀なきものしたロシアの罪

 ロシアがウクライナへ侵攻してから、戦争の戦い方がいち変した。軍同士が戦うものから市民を虐殺攻撃するものになった。戦いに正義はないかもしれないが、これでは大規模国家テロだ。国土も焼け野原になって、市民が傷つく。このテロ的戦争をロシアはスタンダードにしてしまった。虚弱な大国であるがロシアは世界に影響力を持つ大国だ。そのロシアが正義を失わせた。
 パレスチナのテロ集団ハマスがイスラエルへ侵入して千余人を殺害し、100人余りの人質を連れ去った。その報復としてイスラエルはロケット弾を市民に向けて打ち込んでいる。それはロシアがウクライナにしている無差別攻撃と同様だ。世界はその残虐性を無残に思うと共に、それに慣れてしまった。戦争とはそういうものだと。
 イスラエルはガザ地区北部へ総攻撃をするとし、市民の南部への避難を宣告した。急に24時間以内に避難せよと言われてもできるわけがない。イスラエルとパレスチナの問題は1世紀以上も前から続いている。その解決策は誰も知らない。どちらが勝っても勝てば正義であり、結果で答えが後付けされる問題だろう。今は市民の安全を願うしかないが、それも無理であろう。
 パレスチナ問題には双方に正義はある。それだけに世界は答えを見いだせない。しかしロシアの行為は正義を論じることができる問題だ。一刻も早くロシアが侵攻から手を退くか、さもなくばロシアを壊滅させるしかない。ロシアのウクライナ侵攻が正当化されれば、世界の秩序は守れない。