ロシア国民には失望した。それでも期待しなくては……

 ロシアの大統領選でプーチンが圧勝した。予想はされていたことではあるが、得票率87%と投票率77%には愕然とする。不正・強制選挙であることは明らかであるが、それでも異常な数字である。国民にこの結果を反映しない声があることは明らかであるが、声が声として発せられない状況に不安を抱く。せめて国民は棄権という反意を示せなかったものか。中国やイランは当選の祝意を表明したが、インドまでそうしたことは世界の自己都合を感じざるを得ない。
 ロシアは多くの共和国から構成されている。100以上の民族がおり、100以上の言語が使われるが、約80%がロシア人だ。やはりロシア人の国なのだ。どこの国もそうであるが、国民は自国が好きだ。ロシア人が自国を愛するために戦争をすることは、残念だが仕方ない面もある。しかし戦いは侵略されたときに行わなうものでなくては、世界の正義は保てない。プーチンは侵略戦争をしているわけで、正義はない。このような戦争に国民は、不正選挙であっても賛意を示すべきではない。
 もちろん、国民の中にも疑問の行動をとる者もいる。カメラの回らないときには本心を吐露する人も多い。ロシア国内は一見これまでと変わらないかに見える。経済制裁から2年も過ぎたが、特に目立った混乱は見られない。しかし北朝鮮やイランから武器を調達せざるを得ない国内工業は、やがて国内経済活動に影を落とすことは間違いない。残念だが世界は、ロシア国民の困窮を待つしかない状況だ。しかし、その困窮はロシア国民自身のために必要な要件だ。正義が勝つ社会を維持しない限り、世界は崩壊する。