開幕前から飽きてきた

 春も近づきスポーツシーズン開幕だ。例にもれずスポーツファンにとっては嬉しいものだが、ファンでない人には関係ない。関係ないはずだが、メディアで必要以上に報道されると、鼻につく。今その典型は、大谷さんに関する報道だろう。活躍したりお目出たがあったことは、それはそれでいい。大谷の力量は当然認めるし、尊敬に値する。それを報道することは問題はない。問題なのは、スポーツとは関係ないことまで根掘り葉掘り報道を繰り返すことだ。大谷自身も内心では、ホットイテくれと思っていると推察する。
 MLB(アメリカ・大リーグ)には、近年多くの選手が加入し活躍してきた。メディアの偏向と鈍感なことは、それらの選手のニュースや活動はほとんどしないで、大谷さんばかり重箱の隅をつつくように報道する。日本人が活躍することを、我がことのように喜ぶ。そうであれば、彼以外のMLBの日本選手の活動状況を、もっとスポーツ精神に基づいて知らせてほしい。特別な活躍以外は、公平に記録の報告をすべきだ。記録を事実として列挙して知らせれば十分だ。
 野球に限ってみると、日米では経営などの経済面の差がある。MLBは30球団がまとまって、方向性を持っている。放映権もMLB単位で決まるが、NPB(日本)は放映権も経営も球団に大きく依存する。日本の放映はキー局や地域のTV局に依存する。それは現段階では致し方ないことだ。それを克服するのはNHKの役割だ。しかし、その放映思想は地方のローカル局と変わらない。
 NHKは今や日本の野球を支援するよりは、アメリカのMLBのお抱え機関だ。日本の選手の試合を流しているつもりであろうが、メジャーのチームの勝敗には大半の視聴者は関心ない。選手の活躍を報道していると思っているのであろうが、特定の選手の試合に偏りすぎて、″公平〟を旨とする責任を果たしていない。日本の早朝の空き時間帯を埋めていると思っているのであろうが、それは自己都合だ。BS・2チャンネルの放映を今年から中止したが、チャンネル権を手放さないのであれば、これを有効に使うべきだ。もちろん、NPBの意向もあり複雑なこともあるが、大半関係のないMLBの営業戦略に利用されるばかりではなく、日本のスポーツや選手の勇士を映してほしい。