政治資金改正、暇な議論

 昨年の政治資金パーティ券不記載問題から半年。政治倫理審査会を開いたりなどで、国会はかなりの時間が空転した。野党は攻勢に専念し、最近はニュースや番組で政治資金の番組を見るのも嫌気がさし、チャンネルを変えたりスイッチを切ることも多くなった。守るほうも、攻めるほうも、報じるほうも考えを変えて欲しい時期が来た。
 政治資金法改正の概略は、企業団体献金をいくらにするかと禁じるかと、資金収入の記載の方法と、議員と事務方との連座制であろう。献金は多額なものは禁じ、外国人献金を禁ずるべきだ。収入の記載は常識の範囲ですべきだ。連座制は議員本来の政策・政治のために事務方が必要なわけで、本業に専念するためにも事務方に任せるべきものだ。いちいち財布を確かめる、暇な議員は必要ないし、そのために不記載が裁かれるべきだ。
 与党の自民党と公明党は献金額の額で一致を見ていない。野党は政党活動費の廃止を言っている。議員の収入は報酬と政党活動費と献金と政党助成金などがある。報酬と政党助成金は基本無条件で得ることができる。政党活動費は活動しないと得られないし、座っていたら献金は得られない。要するに活動する人ほど多くの収入がある。その活動の足を引っ張ているのは、メディアや識者に操られている国民だ。
 日本は政党政治を行っている。諸外国に比べて、政治への参加は自由度がある。いい意味でその自由度を国民が委縮させてはならない。そのためには政党として個人として自由でなくてはならない。その政党政治の自由を規制しているのが政党助成金であり、それは国民の税金だからだ。議員の力量や発想を国民はメディアを通して、活力のないものにしている。政党助成金を廃止すればよい。それで初めて政党政治の活力が生まれる。
 与党の自民党と公明党の意見が分かれていると、野党は問題にする。国を運営する問題ならともかく、政党の方針を決める問題で意見が違って何が悪い。合わなければ、連立を解消すればいい。こんなことに食いつくだけだから野党は、批判の政党で終わってしまうのだ。
 30年前に政党が分裂して、結果的には混迷しか生まなかった。現在は混迷を一刻も早く断ち切るために、政党が新しく生まれ変わる時期が来た。