メディアの実態……[13]受け身ばかりの番組制作

メディアの実態……[13]受け身ばかりの番組制作
 番組の流し方には、自主制作、制作依頼、番組購入、ニュース報道・解説などある。ニュース報道は現実に即して報道されるので、ここではドラマ・バラエティなどの番組についてみたい。
〈芸人に丸投げ〉
 番組の企画や思想がなく、MC個人の能力に依存して任せっきりの番組が多い。芸人をたくさん集めて、芸人の話題を中心に、ただただ話を進める。MC自身はこの世界ではボス的存在であることが大半である。出演芸人は自身のために、ひたすら尽くす。面白くもない話も面白そうに演じる。バラエティやコメディでは録音笑い(ラフトラック)という笑い声を多用して、いかにも面白そうにする。ラフトラック無しであると、味もそっけもない会話であることが判明する。したがって、芸人は努力する方向がアサッテの方を向いてしまっている。そのような番組をテレビが許し、視聴者が受け入れている。それに慣れてしまって、他愛もないユーチューブでも抜けきれない土壌ができてしまった。テレビ自身が自分で作る能力がますます減退し、それでも依存しなくてはならない悪循環。
〈他人の成果に丸乗り〉
 新しい料理を知ることは楽しい。レパートリーに加えられればこの上ない。したがって、テレビが料理やグルメを紹介することには異存ない。しかし現実は、番組を流すことに徹した詐取番組が多い。お店に飛び込んで芸人に食べさせる。「うまい!」「スイーティ」「「最高!」などの単語を連発するだけ。視聴者への味の代弁をしているのであろうが、これでは大便も出ない。文章で味を解説できる芸人でないなら、見ていて空しい。この種の番組は芸人を冗長し、ただ単にお店の宣伝に協力しているだけだ。しかし、制作コストが格安でテレビにはメリットがある。 報道と言う名目で、他人の努力にタダ乗りことを覚えただけで、自己努力は何らされない。

 以上の典型的な例のように、自分の創意工夫より、視聴者にコンテンツを提供しようとする姿勢はなくなった。自分の経営のためにのみ徹し、安易な受け身の番組制作で、日頃政界・財界・教育界など批判している。一度自分を批判してみては如何か。