〝オフレコ〟って、発表することなの?

荒井勝喜首相秘書官が,LGBTを否定する内容や「隣にいると気持ち悪い」などと言って批判を浴びて、岸田首相は更迭した。確かに多様性を考える内閣からすると、それを否定する発言だが、否定することも多様性だ。一番の失敗は、秘書官がメディアの前で喋ったことで、官僚は官僚に徹するべきであった。G7の中でLGBTを認めていないのは日本だけと言って、メディアは反日を言って喜んでいるが、その責任の一部はメディアにもある。世界の趨勢を踏んでいくことは、大切なことではあるが日本には日本の長い歴史に基づいた文化がある。その文化を理解しないで、単に世界の潮流に乗るだけで良いのかといった場面が沢山ある。勿論、個人の自由は尊重されなくてはならないし、世界の中で日本の存在感を示すためにはグローバリズムは大切にしなくてはならない。
人は内々の場面や無礼講の場面などで、仕事としては言ってはいけないことを言って日頃のストレスを解消することもある。その場面の一つが〝オフレコ〟であろう。ちなみに辞書には「記者会見やインタビューで語られた内容の一部を、公表したり記録しないこと」とある。今回の発言はオフレコであったにも拘わらず、メディアは発表したのである。LGBTはその約束を破ってまでも、メディアの批判の対象となる事項なのか?。背景には内閣打倒の明確な意思が働いて〝オンレコ〟にしてしまった。メディアも汚いが、当の荒井氏も岸田首相も、メディアの非や論理を重んじない野党に、非を訴えなかったのか?。勿論、政治の世界ではそんな理屈が通用しない世界に堕落していることは解っているが……。今は亡き安倍晋三は、自分の意見を堂々と首相としても、自民党員としても貫いた。岸田首相も内閣を放棄する覚悟で、正論は正論として述べることはできないのか。少なくとも内閣は倒れても自民党は下野することはないであろう。