EVは本当に、地球に優しいのか?

EUがドイツの要求を受け入れて、35年までのエンジン車の生産を許可した。発電などで発生したCO2と水素の合成燃料を燃料として利用する。CO2の排出はプラマイ0だ。EV一辺倒であったEUもロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機で再考せざるを得なくなった。日本でもトヨタなどが同様の方法を模索している。既存のガソリンスタンドが活用できる利点はあるが、水素の生産に現時点ではコストがかかる。時間との勝負かもしれない。
車のEV化は確かにCO2排出は除去できるが、問題は電力を得るまでの過程だ。再生エネルギーはエネルギーそのものは理想だが、多大な環境問題を伴う。風力にしても太陽光にしても条件によって大きく左右されるし、それに伴う他電力からの供給が必要だ。山を削り緑を削減する設置は美観を損なうだけでなく災害を誘発する。多量の電池が必要であり、それに伴うリチウムなどの鉱物資源が必要だ。これらの採掘に多大なCO2排出が伴うし、中国などの資源国に左右される。太陽光パネルは中国の独占状態にあり、危険だ。
グローバル・サウスと呼ばれるアジア・アフリカなどの発展途上国が電力インフラを整備することは多大な時間と資金が必要だ。増々世界から取り残されるであろう。これはエンジン車であろうがEV車であろうが、どちらにしても同じことだ。
車のEV化の問題は、地球温暖化回避と言う美名を利用したビジネスの問題だ。劣勢の起死回生の方法としてEUと中国が打った手だ。そこには明確なエビデンスはないし、確かな根拠もない。世界は改めて本当の省エネと地球環境を吟味するべきだ。