ニジェールで軍部によるクーデターが起きた。ニジェールはアフリカのサハラ砂漠の南を横断するサヘル地域の国である。既に西隣国のブルキナファソやマリでは軍事政権が誕生している。ギニア湾岸諸国で構成するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体・15国)は、大統領を開放しなければ武力攻撃も辞さないと抗議(軍政3国も加盟している)。ブルキナファソ・マリはニジェールへの侵攻は我々への攻撃とみなすなどと、馬鹿げたことを言っている。これら3国はいずれもフランスの植民地だった。軍に先導された住民がフランス施設を破壊した。今では深くは関与していない旧宗主国フランスを攻撃して何になるのか。
ブルキナファソ・マリの軍部にはロシアが関与している。ニジェールのクーデターにロシアが関与したことは確実だ。ロシアはワグネルに関与させ、これらの国の資源利権を狙っていることは明らかだ。プーチンがクーデターを起こしたワグネルのブリゴジンを処分できないのは、この利権にある。ニジェールの東隣国チャドも旧フランス領であった。ロシアの食指が動くことは充分想像できる。
簡単に行政権が動き軍政に移行するのは、貧しさの表れだ。とかく貧しさは甘言になびいて身売りをする。アフリカはその象徴で、既に中国の甘言(一帯一路)に篭絡され資源利権を奪われ、増々貧しくなっている。ロシアはウクライナの穀物戦略で、自国の穀物輸出で奪おうとしている。それを武器に中国に負けじとアフリカ進出を行っている。その甘言に騙された国も多々ある。
軍政を敷くのは民主主義の市民の成長が出来ていないからだ。昨今、軍政に逆戻りする国も多い。民主主義は経済というバックボーンが出来ていないと壊れやす。強権的な独裁・軍政は統治はし易いが、成長をストップしかえって混乱を生む。そこに利権や影響力をねっらた国が近づく。その代表が中国でありロシアである。西欧諸国もそうするが、民主主義国は覇権主義国の様に利己的過ぎはしない。
アフリカ諸国よ。自分たちの身の丈に合った生活から始め、賢明になり先進国に追いつく道を模索して欲しい。