重大事態--中国、失業率発表停止

 中国が失業率の発表を停止した。6月には21.3%であったが実態はそれどころではないと言われていた。特に問題なのは若者の失業率であるが、統計方法を変更するために発表しないとした。今度はいかなる方法で胡麻化そうかと、方法が見つかるまで発表しないつもりなのか。若者の半数近くが失業状態と言う噂もあるが、当たらずとも外れていない数字だろう。にも拘らず、表面上は落ち着いているのは元来考えすぎない国民性だろうか。
 地方出身者は帰省し、失業率の計算から除外される。従って都市の失業者ははるかに悲惨なことであろう。国民の不満のクッションとなっているのは、一人っ子であることが作用している。つまり親の脛をかじっているからだ。彼らはバブルのお陰で資産は比較的持っている。しばらくのんびり寝そべる気であろう。しかし、いつまでも続けられない。
 問題は未婚の若者だ。余り結婚に気の進まない若者が多くなっている上、さらに避けるようになるであろう。そのうち資産も食い尽くして、あきらめに変質する。〝金の切れ目が縁の切れ目〟を地で行くのが中国と言う国だ。貧困層に起こていた事態が、富裕層へと侵食していく。忠・孝を説く儒教の生まれた国だが、その忠・孝が消滅している国が中国だ。貧困は忠・孝を子供に課せたくないと考えさせる。勢いこの世を自分の代で終わらせようと思うことが進行する。
 今、中国経済は最悪な状態だ。不動産崩壊などは隠しきれずに発表するが、それはほとんどの業種に及んでいる。本当の失業率を発表すれば、内外で避難活動が活発になり、資本は流出する(既に始まっているが……)。台湾併合などと、のんきな支持率保持策を言っているなど論外だ。団体旅行が許可されたが、以前のような爆買いは無くなるし、インバウンドも期待しすぎてはならない。旅行関係者は過大な設備投資はしないことだ。進出企業も片尻浮かして、世情を凝視しなくてはならない。