〝風評〟を流しているのは誰か?

 福島原発の処理水の放出が始まり、初日の検査ではトリチウムは検出されなかった。当然であろう。放出は大洋に針を刺すようなものだ。反対したり汚染されると言う人は科学的思考回路がなく、メンタルで物事を行うことしか出来ないに等しく、それは大変に危険な考えであり行動である。もし、「原発に反対であるのなら、貴方は電気を使うな!」という極論を言っていることと大差はないわけで、言われたならば「はい、わかりました」と言えるのであろうか。
 今更、「放出するなら早くコンセンサスや説明をすべきであった」と言うジャーナリストや評論家やNPOのような法人がいるが、以前から表明している訳だから、逆に自分の勉強不足と無知をさらけ出している。等しく科学的知識のない偏った自分の都合で物事を考える人たちだ。メディアもこのような人たちを登場させてほしくない。
 一番困るのは漁業従事者であるが、相対的に冷静なことには敬意を表せる。あきらめの気持ちがあることもあろうが、決まったことに文句を言っている場合ではなく前を向くしかないことが分かっているのであろう。自分たちは仕事に忙しいし、風評を流して欲しくない。いつまでも反対しているのは前述の諸氏だ。「中国が反対するのは国民が反対しているから」などと、机上の空論をぶちまける。
 漁業者が〝風評被害〟を受けていると諸氏は言い、メディアは中国の反対は報道するが、他の諸国は認めているし関心のないことである事実は軽く報道するだけである。風評被害を煽っているのはほかならずメディアと左派運動家である。彼らがバカな騒ぎ方をしなければ、漁民も被害を受けずに済む。特に東京電力の恩恵を受けている人々は、反対ばかりしないで漁業者に積極的に協力すべきだ。ただ東電は深く所業を受け止めて、今後の責任を全うしなくてはならない。
 今は中国が処理水放出とは関係のない日本産全ての水産物に輸入規制を掛けたことだ。放水の善悪を論じて国政を停滞させるのではなく、事の善悪とは関係なく自己都合で行動する隣人がいる事実を考えるべきだ。それが国民のすべきことであり、メディアの果たすべき義務だ。それでも中国を擁護する人は、中国へ移民すべきだ。