少子化問題--〔8〕社会の変化と適応能力不足

 昔は終身雇用が有ったし、一生を同じ職業で全うできた。グローバル社会の現在は、終身雇用も単一職種での生き方はできない。いつかは転職しなくてはならない。スキルがあってもなくても、一か所には留まれない。研鑽してスキルを付けたり適応力のある人は充分な収入がある。一方、努力しないスキルのない臆病な人はますます取り残される。良いも悪いも伸びるものはより増幅するし、悪いものはより減衰する。その事実から目を背けたり、人のせいにしたり、国のせいにする人はますます転落する。
 いつの世もこの転落前後の人は発生する。社会情勢が良ければ命拾いをする、悪いと更に転落する。そうであれば、身の丈に合った生活をするなり、身近な人の力を借りる知恵が必要だ。人手不足の時代。自分の仕事を見つめなおしてみることだ。今より良いことを見出すことだ。心身ともに支えてくれる、支えたい人を身近に置くことは、よりプラスアルファーの力を得ることができる。恐れること・不安がることは適応力が低く近未来しか見えないからだ。遠い将来の自分に賭けてみることだ。
 激動の世の中は、独りの見識や努力だけでは乗り切れない。良き先生・先輩・友人・家庭を持つことにより、乗り切れることは多い。働き始めると過去の人々とは疎遠になるしそれでいい。これからの人々を新たに作ればいい。その典型が家族だ。人は一人の考えに不安を覚えるようになる。家族は社会の変化の中で、不安を解消し勇気を与えてくれる。家族は自分の適応力を見定めてくれ助言を与えてくれる。
 変化に対応するにはスキルをメンテナンスするための時間が必要だ。夫婦であれば、その時間(日々)をお互いにスイッチ(切替)し、スキルアップのための時間を作ることができる。転職のバッファーが持てるわけで、不安も軽減できる。