リスク管理に敬服する

 羽田空港で日本航空機と海上保安庁機が衝突した。海保機の機長が重症・乗員5人が死亡した。日航機は機体が火だるまになったが、乗員・乗客379人全員が助かった。衝突後、約10分の間に前部と後部の脱出シューターで脱出した。CA(客室乗務員)の機転によるものであった。
 この様な状況下で混乱するケースは、荷物を持ち出そうとすることと、我先を争って通路を塞ぐことだ。そして先導役の指示に従わないことだ。CAは毅然と冷静に先導したことは見事である。乗客もそれに従って、身体一つで冷静に従った。日本国民の底力を頼もしく思う。
 前日には石川県の能登半島で大地震に襲われ、津波も発生した。この時、NHKの山内泉アナウンサーが避難のアナウンスを行った。日頃の口調と打って変わって、説得調から命令調に代へて避難を促した。背筋がゾッとするそのアナウンスは、現地の人たちの避難行動に貢献したに違いない。用意された原稿をただ棒読みするのではなく、本人も後でびっくりするような演技であったろう。日航CA同様、立派なリスク管理だ。
 一方、衝突事故の原因の究明はこれからだ。管制側か海保側に原因が考えられるが、今後のより一層のリスク管理が求められる。