自民党の派閥が解散した

 自民党の、安倍派・二階派・岸田派が解散した。残る麻生派・茂木派・森山派はどうなるのであろうか。解散に至るきっかけは、派閥パーティ収入の政治資金としての記載漏れであった。これが正確に立件されず、派閥の解消という形で終息しようとしている。政治資金規正法の改正なども言われているが、本題の政治家のモラルの向上が望まれる。
 派閥の連立から構成されていた自民党が、これからどのように変わっていくかが期待と不安である。元々、派閥があること自体に問題は無い。派閥=悪、グループ=良の言葉の響きで、善悪を決めている周囲の無知さがにじむ。数百人の国会議員を擁する自民党が幹部と平議員で運営することは不可能だ。
 日本共産党で志位和夫から田村智子へ、23年ぶりに委員長が交代した。23年はいかにも硬直した政党であるかも表している。同時に組織形態は、幹部と平議員の強権的構図だ。この様な形の組織は変革を望まず、現状維持と保身を是とし前進しない。他の野党も似たようなものだ。
 自民党が長く政権を維持してきたのは、党内の勢力バランスが争われ、良いも悪いも談合と拮抗が繰り返された結果だ。派閥が悪いでかたずけられて、組織がバランス維持できなくなることや、強権で幹部が保身に走る組織になることは、いつまでも維持できない。
 組織論に走るのではなく、国の行く末を考える政治家が活躍できる政治を考えるべきだ。そのために派閥的な組織が必要であれば、むしろ組織活性化のためには必要だ。「俺たちがやっていることに、何の問題があるのだ」と胸を張って言える議員・政党の出現を望む。