日銀の植田総裁がマイナス金利解除を発表した。「大規模緩和は役割を果たした」として、17年ぶりに0~0.1%利上げに舵を切った。具体的には
①マイナス金利解除
②イールドカーブコントロール終了
③ETF(上場投資信託)・REIT(上場不動産投資信託)購入終了
①は2016年に導入していた。②は長短金利操作とも呼ばれ、長期金利と短期金利の誘導目標を操作し、イールドカーブを適切な水準に維持することを指す。イールドカーブとは、債券の利回り(金利)と償還期間との相関性を示したグラフで、横軸に償還までの期間、縦軸に利回りを用いた曲線グラフのこと。市場安定のために購入していたが終了した。
経済活動を経験している40~50代の人は低金利の時代を生き、預金することのメリットを感じることなく生きてきた。また、企業経営をする人々は、金を借りることの怖さを実感することなく経営してきた。経済活動を核となって行う壮年層は、金の有難さや怖さを真に味わうことなく生きてきた。これからは真に経営力の有無が問われることになる。
30年に渡るデフレの時代に幕を下ろすことができるか、これから求められる。賃上げが実施され、喜ぶ半面、物価の上昇に対処しなくてはならない。経済は物価の上昇と賃金の上昇の両輪が伴わない限り、発展しない。デフレで安易に慣れてきた体質を、インフレに立ち向かう体質をつけなくてはならない。メディアも物価高で苦しいとばかりの報道ではなく、それに立ち向かい工夫・研鑽する姿勢を報道しなくては時代暮れのユーチューバーで終わってしまうだろう。