岸田首相を凌ぐ政治家はいるのか

 日米首脳会談の後、岸田首相が米議会で演説を行った。通俗的に言えば英語で30分余りの演説は日本の首相には無かったことだ。さらに原稿を読むでなく、自分の頭で話した。日本人の国際性のなさは、英語が話せないことも一因だが、首相はそれを自分で覆した。議員も再三のスタンディング・オベーションで拍手を送っていた。英語を話せることと政治力は関係ないという人もいるが、今日のグローバル社会においては必須と考えるべきだ。英語力のある首相に宮澤喜一がいたが、残念ながら学者的発想・行動しかできなかった。政治家として大成したい人は、政治力とともに、ぜひ英語力を身に着けてほしいものだ。
 演説の要旨は、日米が協調して安保を守る、日本はアメリカに投資し貢献している、ウクライナを支援して自由世界を守るなどが骨子であった。安保などのことは議員たちには周知のことだ。首相の本心は、日本はこれまでのように受け身でアメリカと強調するのではなくて、主体的に役割を果たす決意を示すことだった。また、いつまでもウクライナ支援予算に反対する共和党議員への催促であった。
 日本国内では、作られた作為的報道で人気はない。いまのような世論操作は国のためにならない。世界に羽ばたく政治家を応援する国民としての義務を、果たさなくてはならない。しかし、彼らには残念であろうが、今の与野党政治家の中に岸田首相を凌ぐ国際性を発揮できる人物は見当たらない。困難な国際情勢においては、足を引っ張るのではなく、国を挙げて応援する気概が必要だ。少なくとも入れ替わり立ち代わりの、日替わり内閣の状態は、世界になめられるだけだ。反日一辺倒の自虐的報道ではなく、たまには賞賛の報道をしなくてはメディアの使命は果たせない。