元首相安倍晋三が狙撃されて死亡した。選挙演説中の出来事で、許せないテロである。360度の中心に位置し警備が前方しか向いていなかったことは痛恨の極みである。疑問に思える初期医療処置と共に危機管理の甘さが露呈した。
鈍感になり国内の風向きに気を取られている日本国民にとって、改めて驚かされたことは世界各国の反応である。中国やロシアの弔辞には外交的形式があるとはいえ、安倍氏の生前の国際的役割がクローズアップされた。批判的視点で見る野党・メディアのアベノミクスや森・加計問題を後生大切にして、国際的潮流に後れを取った日本であった。中国の軍事拡大進出やロシアのソ連回帰思想によるウクライナ侵攻などは、早い段階で危惧し憲法改正や国際協調のインド太平洋構想を安倍氏は提唱していた。
安倍氏の願いが先見性のあることを示してはいたが、むしろ日本国民が余りにも能天気で危機管理意識が希薄であったことを自省するためには、氏の訃報を持って熟慮すべきである。
電力を根本的に改革すべき
エネルギーを取り巻く環境は永遠に流動的だ。ロシアがサハリン2の国営化を大統領令で表明した。日本は9%程度輸入している。三井物産・三菱商事が参画しているものであり、開発主体としての既得権は契約されているものであるが、今のロシアは常識や信頼が通用する国ではない。
電力で考えられるのは、⓵節電、②使用エネルギーの構成、③運営方法などがある。〝節電〟は速効性はあるが長期に渡っては現実的でない。〝使用エネルギー〟は太陽光・風力・水力・地熱は温暖化対策には有効であるが環境的時間的に速効性はない。火力には石油・石炭・LNGがあり既存設備的には速効性があるが温暖化対策に欠ける。残るは原子力である。既存設備はあるが停止中のものが大半であるが、比較的短期で再稼働できる。問題はエネルギーは欲しいが、原子力は恐ろしいという身勝手な要求だ。節電をせず、高い電気料金を払いたくないのであれば、国民・住民は原発を再開させるべきだ。
電力会社は、原発に対しては事故やその訴訟を考えて稼働には躊躇している。当然起こる事態であろう。つまり国民は節電・高料金を自分で演出している。結果的に暑さ・寒さ・暗さなどに耐え、しかも高い料金で生活を圧迫されることを自ら望んでいることになる。
近年は民営化することが主流になって、日本の基幹産業もほとんど民営化された。国鉄・電電公社・専売公社などがあるが代替が効かないのは通信の分野位であり、民営化も当然であろう。電力は代替の効かない産業の見本である。世界のエネルギー事情や環境政策に逆らえない時代である今、経済安全保障の観点からもここで逆に民営から国営にシフトしてはどうか。当然、従来の国営企業とは根本的に改革をされた運営が必要だ。
電力は安全か?
梅雨が史上最短・最速で開けた。おまけに猛暑だ。COPの温暖化対策は勿論対応しなくてはならないが、ものには短期的なものと長期的なものがある。ロシアのウクライナ侵攻で石油・天然ガスが値上がりしている。多くの原発も停止している中で、電力供給は大丈夫だろうか。場合によっては融通を効かせて石炭火力も短期的に考える必要もあるだろう。
「電力は安全か?」一部の雑誌で10年前の橋下徹大阪府政下での発電所設置許可での不自然が発せられている。俄か仕立ての企業連合が単独で公募し落札した。奇妙な期間をおいて工事を行い営業したのは中国の国営企業・上海電力であった。つまり日本のダミー企業が落札し、事業を行っているのは中国の大手電力会社だ。既に上海電力は数か所で営業していて、工事中の物も幾つかあるという。
電力は国の根幹を担う産業である。国家経済で攻められてはコストで叶うわけがない。だから認可制になっているはずだ。中国に基幹産業を侵食されて「国防動員法」を適用されたら、混乱は一たまりもない。おまけに国内外を問わず共産党員を3人以上抱える組織(企業)は共産党組織設置を規定している。日本全体が中国はいかなる国かと熟考しなくてはならない。簡単にロシアのように発狂する時代だ。
国際法を守るため
ロシアのウクライナ侵攻から4ヵ月過ぎた。一時混迷したロシアであったが体制の立て直しが伺える。東部の支配が深まったようだ。この時期、国際的にも俗に言う「ウクライナ疲れ」が懸念される。国際的に関心が薄れることへの懸念である。また当事者兵士の厭戦感情が広まっているとの情報もある。それはそれで良いことである。第一線当事者が忌避することで戦闘の終結に至ることはよくあることだ。
今回のウクライナとロシアの戦闘で間違ってはならないことは、ロシアが勝利することである。ウクライナの苦戦、国民の悲惨さは解るが、あえて言わせてもらうと違法侵略者が勝利することは国際世界の敗北である。違法者が鉄槌を受けないと世界は混沌の社会になってしまう。ウクライナ市民が悲惨な目に合っていることを、平和な日本(?)の目で見てさもウクライナが手を引くことが市民の為であるかの意見が散見できる。しかしならず者が力により闊歩する世の中になると、日本は間違いなく侵略される。
日本が侵略されるのは、必ずしも軍隊が侵攻することではない。強力な軍事力を背景に真綿で絞めつけるように社会が混乱に落とし込められる。経済力や軍事力を持って防波堤を築かないと弄ばれてしまう。
国の責任にする発想を転換せよ
福島避難者訴訟で最高裁は原発事故を国の責任と認めなかった。「津波試算超え 浸水防げず」で決着がついた。原発関連の被災者にとってはこの毒なことであるが、何かあると国を訴える土壌は洗浄しなくてはならない。国を訴える裁判は多くの納税者にとっては迷惑なことが多い。
そもそも福島原発事故の責任主体は東京電力である。言い過ぎると東電で起きたことを国が保証することは、北海道や九州などの税金で賄うことに合理性がない。東電の給与が減額されて保障の原資に留保されている話は聞かない。むしろ東電社員の給与は一般企業より高い。
戦後の日本は、「政府は批判の対象」と戦前の国情・歴史や国の本質を真に理解しないまま定義づけされた。野党もメディアもジャーナリズムも批判する左派が正義であると錯覚の時代を偽造し、未だにその手法から抜け出せない。経済発展など国が成長している時代なら兎も角、低成長で国際情勢が混迷の時代に政府(国)を発展させるための発想・言動ができない。特に左派の言動は国際的視野に欠け、国を混乱させるだけで売国的行為の結果をもたらす。
人生の最後に若者に賭けてみませんか
高齢者諸氏は人生を全うしましたか。子供は憎たらしくても孫は可愛いと言います。生意気ですが、人は死の瞬間に自分の人生を肯定できれば幸せな人生を歩んできたことだと言います。
若者の不安・不満の一つに自分の老後はどうなるのかと言うことがあります。具体的には年金は本当に貰えるのであろうかです。文句もいいが、保険というものは信じることで成り立ちます。言い換えると自分たちがせっせと原資を拠出すればいいのでは…。少なくとも親孝行をしているのです。
年金受給者に提案したい。国民年金のみの方までとは言いません。それらの方は概ね生活は苦しいのです。月10万円以上受給されている方、子どもの教育に年数千円を投資しませんか。数百億円にはなると思います。金額が一律か比例か、希望か強制か運営はどうするかなどは、ここでは議論しません。高齢者の方は戦前・戦中・戦後の苦しい時期を、今の若者には分からない苦労をして生きてきました。高度成長期、家庭を犠牲にしてまで頑張ってきました。それを考えると今の若者は、耐性が弱いと思います。しかし、人は時代や環境に左右もされます。
同じ資産として残すなら、死に金ではなく、わが子孫の為のみではなく、自分を育ててくれたこの国の将来(子供たち)にビタミンを残してはどうですか。有能な若者が育たない国に将来も繁栄もない。彼らの笑顔を思い浮かべて死ねたら幸せな人生だったことでしょう。
島根県知事の英断
島根県知事が島根原発の稼働を承認した。その前、札幌地裁は泊原発の稼働を認めなかった。北海道知事の考えを知りたい。中国電力と北海道電力の経営の質の差を感じる。同時に島根と北海道知事の力量と判断力の差を感じる。今はあるものは使って乗り切るしか方法はない時期であることを国民は理解すべきだ。
7年ぶりに電力使用制限がされるという。原発反対を言う評論家諸氏は多いが、この事態に口だけでなくどれだけ節電に協力するのであろうか。メディアの前では立派そうな口をきくが自分だけは人と違うのだとばかりに、節電に無頓着な生活をしている人も多い。
原発反対論者は決まって自然エネルギーに変換すればいいという。あたりまえのことだ。しかしどうすればできるか、どれだけの費用が掛かるのか、いつ可能なのか、どれだけ国民の負担が増えるのかなどを思考提示せず反対と言う。いい加減に自分の主張していることの方が砂上の楼閣を話していること(つまり無責任)に気付いて欲しい。
自滅の道を急ぐ立憲民主党
立憲民主党が細田衆議院議長の不信任決議案を出すという。理由は、細田氏の衆院議員定数の「10増10減」を否定する発言や、「月給100万円未満の議員を多少増やしてもバチは当たらない」との発言について「民主主義の根幹を揺るがす発言だ」と指弾。さらに週刊文春が報じたセクハラ疑惑についても「公の場での説明を強く求めてきたが、全く対応いただいていない」と述べ、不信任の理由に挙げた。
政治家であれば自分の思想や意見を述べることは当たり前であり、述べない方が怠慢だ。増してや一週刊誌の記事を自分で検証することなく、事実はさておき信じて不信任の理由に挙げるなどは政治の世界ではなく、三流メディアのすることだ。
参議院選挙を1月後に控え与党の汚点を突いたつもりであろうが、逆に有権者の反発どころか嘲笑を買ってしまった。おまけに何を血迷ったか根拠の薄い内閣不信任案まで出すという。一度真の下野をし、日本の実情や世界の情勢を国民目線で見直し目覚めないと、間違いなく立憲民主党は自滅する。
原発に対して固定観念を捨てよ
北海道電力の泊原発の再稼働停止の判決が出た。主な理由が津波対策が出来ていないことだ。北電は地震や断層ではなく津波であることを理解すべきだ。予測できないことではなく、膨張壁を対応すればよいことだ。何故簡単なことに対応できなかったのか。これでは事故が起きると思われても仕方ない。東京電力もそうだが常識を疑うようなヘマをする。
今や温暖化問題は地球規模で言い古されている問題だ。脱化石燃料は避けられない。太陽光・風力・バイオマスなど自然環境に活路を求めることは日本の需要を満たすものではない。遠い将来はともかく近い将来は遊休施設になっている原発に頼るしかない。その間に代替エネルギーを開発できると信じている。原発と言うと特に日本人は〝核〟と一言で括り付け、偉そうに原爆を落とされた唯一の国と自慢する。今や地球は原爆に匹敵する〝CO2〟という爆弾に狙われているのだ。
日本が世界に輝き続けるには、各種技術の総点検が必要だ。その一つが核技術だ。安全に処理する技術は兵器の核とは違うし必須の事だ。ロシアや中国のやっていることや、やろうとしていることを考えると、頭の方向を切り替えることが必要だ。
指揮官はいつ進退を表明すべきか
プロ野球で阪神タイガースの自力Vが54試合終了の時点で消滅した。シーズンは143試合であることからして、いかにも早い。個々の選手は優秀な選手も多いし、他チームにひけをとるものではない。
矢野監督は今年初め、シーズンキャンプが始まる前に今季限りで退任の表明をした。辞めることは自由であるが、問題はいつ辞めるか、いつ表明するかである。何をもってシーズンが始まる前に表明したのであろうか。フロントとの間に突然の問題が起きたのであろうか?監督自身が心を決めていたことなのであろうか?
人は辞めると分っている人にどれだけついて行くものであろうか?企業における上司、学校における先生、地域における世話人など形態により反応は異なるであろう。また判断する人によって反応は異なるであろう。プロの選手は自営業者であり、最終的には自分の責任と理解してプレーに専念するであろう。そのような意識の高い集団であっても、何かの要因が結果を左右するものである。その一つが指揮官の采配である。「今年限りだから最後に一花咲かせてあげよう」と頑張るのはドラマの世界だ。
一番の問題は監督に選手の将来を考えた起用が出来なくなることだ。「そんなことはない」と言えるなら名監督になっている。阪神タイガースは過去常に問題を抱えてきた球団だ。選手とファンが支えてきたが、必ずしもそれに応じた成績を挙げてこなかった。凡人は事が終わってから、進退を表明すべきだ。フロントはいつ辞めても良いが……。