日本のバブルが崩壊したのは1991年だ。この年は経済も順調で、実質誰も崩壊したと思った人はいなかった。92・93年ころになってやっと現実を感じるようになった。気付かないのも自然かもしれないのは、これほどの崩壊は世界で初めてだったから裏づけがなかったからだ。
今中国のバブルの崩壊は明らかに裏付けされる。不動産会社恒大の破綻はそれを表面化した最初だ。それから1年の間に工事が中断した高額物件が数百に至った。野ざらし状態の放棄物件もそうだが、新規受注の無いことははそれ以上に多い。農産物を頭金にして住宅ローンを組むなどに至っては購入者も販売者も益々混迷を深めるだけだ。更には銀行が預金を凍結して引き出せないものまであり、預金者のデモが取り締まれなくなっている。
新型コロナ対策も依然としてゼロコロナ政策で経済が停滞することは確実だ。工業製品を自国スタンダード規格を作り、進出企業に足かせをはかせ、いつ接収されるかわからない不安を与える。いつしか自分の傲慢に気が付かなくなている。転落の扉は開けられてしまった。第2の経済大国になりながら、いつまでも大国としての品格を身に着けない。GDPも5%前後になりそうだ。5%は大きく見えるが、下り坂の5%は危険だ。ここに習近平が3選を意識しすぎて焦り、バルブが崩壊すれば中国(習近平)の夢はついえる。
〝中国の属国〟の道を行くロシア
ロシアのウクライナ侵攻の行く末は不透明だ。ロシアはベラルーシとカザフスタンなどの中央アジア諸国に活路を開こうとしているが、中央アジア各国は懐疑的な反応を持っている。しかもこれらの国は旧ソ連であるだけで、将来的補完のメリットは少ない。アフリカや中南米の多くの国は侵攻非難に賛成することはしなかったが、専制的国家以外は今後ともロシアを支持し続けるとは思えない。
ロシアが頼るのは中国とインドであろう。インドは資源と食料と兵器をロシアに頼る点はあるが、同時に西側との接触も強い。中国も依存関係は兵器以外はインドと似ているが工業製品では圧倒的に優位な立場にある。ロシアには兵器以外工業製品がなく最大の資金源は圧倒的に石油・天然ガスだ。しかし欧米が輸入を制限して以来、中国やインドには買いたたかれている。経済制裁を受けて財政的に困窮することは必定であり、増々買いたたかれる。利を得るのは中国・インドである。結局、ロシアに頼るものは何もないに等しく、利用されるのみである。
これからのロシアは中国に侵食される歴史が待っている。貿易は中国に頼るしかなく、国土の開発は中国資本を導入するしかない。極東は特に中国化を免れない。ロマノフ王朝は極東へ進出し、挙句の果てにはロシア革命を誘発した。プーチン政権は極東を侵食され、中国への忠誠が待っている。
安倍晋三の示した道
元首相安倍晋三が狙撃されて死亡した。選挙演説中の出来事で、許せないテロである。360度の中心に位置し警備が前方しか向いていなかったことは痛恨の極みである。疑問に思える初期医療処置と共に危機管理の甘さが露呈した。
鈍感になり国内の風向きに気を取られている日本国民にとって、改めて驚かされたことは世界各国の反応である。中国やロシアの弔辞には外交的形式があるとはいえ、安倍氏の生前の国際的役割がクローズアップされた。批判的視点で見る野党・メディアのアベノミクスや森・加計問題を後生大切にして、国際的潮流に後れを取った日本であった。中国の軍事拡大進出やロシアのソ連回帰思想によるウクライナ侵攻などは、早い段階で危惧し憲法改正や国際協調のインド太平洋構想を安倍氏は提唱していた。
安倍氏の願いが先見性のあることを示してはいたが、むしろ日本国民が余りにも能天気で危機管理意識が希薄であったことを自省するためには、氏の訃報を持って熟慮すべきである。
電力を根本的に改革すべき
エネルギーを取り巻く環境は永遠に流動的だ。ロシアがサハリン2の国営化を大統領令で表明した。日本は9%程度輸入している。三井物産・三菱商事が参画しているものであり、開発主体としての既得権は契約されているものであるが、今のロシアは常識や信頼が通用する国ではない。
電力で考えられるのは、⓵節電、②使用エネルギーの構成、③運営方法などがある。〝節電〟は速効性はあるが長期に渡っては現実的でない。〝使用エネルギー〟は太陽光・風力・水力・地熱は温暖化対策には有効であるが環境的時間的に速効性はない。火力には石油・石炭・LNGがあり既存設備的には速効性があるが温暖化対策に欠ける。残るは原子力である。既存設備はあるが停止中のものが大半であるが、比較的短期で再稼働できる。問題はエネルギーは欲しいが、原子力は恐ろしいという身勝手な要求だ。節電をせず、高い電気料金を払いたくないのであれば、国民・住民は原発を再開させるべきだ。
電力会社は、原発に対しては事故やその訴訟を考えて稼働には躊躇している。当然起こる事態であろう。つまり国民は節電・高料金を自分で演出している。結果的に暑さ・寒さ・暗さなどに耐え、しかも高い料金で生活を圧迫されることを自ら望んでいることになる。
近年は民営化することが主流になって、日本の基幹産業もほとんど民営化された。国鉄・電電公社・専売公社などがあるが代替が効かないのは通信の分野位であり、民営化も当然であろう。電力は代替の効かない産業の見本である。世界のエネルギー事情や環境政策に逆らえない時代である今、経済安全保障の観点からもここで逆に民営から国営にシフトしてはどうか。当然、従来の国営企業とは根本的に改革をされた運営が必要だ。
電力は安全か?
梅雨が史上最短・最速で開けた。おまけに猛暑だ。COPの温暖化対策は勿論対応しなくてはならないが、ものには短期的なものと長期的なものがある。ロシアのウクライナ侵攻で石油・天然ガスが値上がりしている。多くの原発も停止している中で、電力供給は大丈夫だろうか。場合によっては融通を効かせて石炭火力も短期的に考える必要もあるだろう。
「電力は安全か?」一部の雑誌で10年前の橋下徹大阪府政下での発電所設置許可での不自然が発せられている。俄か仕立ての企業連合が単独で公募し落札した。奇妙な期間をおいて工事を行い営業したのは中国の国営企業・上海電力であった。つまり日本のダミー企業が落札し、事業を行っているのは中国の大手電力会社だ。既に上海電力は数か所で営業していて、工事中の物も幾つかあるという。
電力は国の根幹を担う産業である。国家経済で攻められてはコストで叶うわけがない。だから認可制になっているはずだ。中国に基幹産業を侵食されて「国防動員法」を適用されたら、混乱は一たまりもない。おまけに国内外を問わず共産党員を3人以上抱える組織(企業)は共産党組織設置を規定している。日本全体が中国はいかなる国かと熟考しなくてはならない。簡単にロシアのように発狂する時代だ。
国際法を守るため
ロシアのウクライナ侵攻から4ヵ月過ぎた。一時混迷したロシアであったが体制の立て直しが伺える。東部の支配が深まったようだ。この時期、国際的にも俗に言う「ウクライナ疲れ」が懸念される。国際的に関心が薄れることへの懸念である。また当事者兵士の厭戦感情が広まっているとの情報もある。それはそれで良いことである。第一線当事者が忌避することで戦闘の終結に至ることはよくあることだ。
今回のウクライナとロシアの戦闘で間違ってはならないことは、ロシアが勝利することである。ウクライナの苦戦、国民の悲惨さは解るが、あえて言わせてもらうと違法侵略者が勝利することは国際世界の敗北である。違法者が鉄槌を受けないと世界は混沌の社会になってしまう。ウクライナ市民が悲惨な目に合っていることを、平和な日本(?)の目で見てさもウクライナが手を引くことが市民の為であるかの意見が散見できる。しかしならず者が力により闊歩する世の中になると、日本は間違いなく侵略される。
日本が侵略されるのは、必ずしも軍隊が侵攻することではない。強力な軍事力を背景に真綿で絞めつけるように社会が混乱に落とし込められる。経済力や軍事力を持って防波堤を築かないと弄ばれてしまう。
国の責任にする発想を転換せよ
福島避難者訴訟で最高裁は原発事故を国の責任と認めなかった。「津波試算超え 浸水防げず」で決着がついた。原発関連の被災者にとってはこの毒なことであるが、何かあると国を訴える土壌は洗浄しなくてはならない。国を訴える裁判は多くの納税者にとっては迷惑なことが多い。
そもそも福島原発事故の責任主体は東京電力である。言い過ぎると東電で起きたことを国が保証することは、北海道や九州などの税金で賄うことに合理性がない。東電の給与が減額されて保障の原資に留保されている話は聞かない。むしろ東電社員の給与は一般企業より高い。
戦後の日本は、「政府は批判の対象」と戦前の国情・歴史や国の本質を真に理解しないまま定義づけされた。野党もメディアもジャーナリズムも批判する左派が正義であると錯覚の時代を偽造し、未だにその手法から抜け出せない。経済発展など国が成長している時代なら兎も角、低成長で国際情勢が混迷の時代に政府(国)を発展させるための発想・言動ができない。特に左派の言動は国際的視野に欠け、国を混乱させるだけで売国的行為の結果をもたらす。
人生の最後に若者に賭けてみませんか
高齢者諸氏は人生を全うしましたか。子供は憎たらしくても孫は可愛いと言います。生意気ですが、人は死の瞬間に自分の人生を肯定できれば幸せな人生を歩んできたことだと言います。
若者の不安・不満の一つに自分の老後はどうなるのかと言うことがあります。具体的には年金は本当に貰えるのであろうかです。文句もいいが、保険というものは信じることで成り立ちます。言い換えると自分たちがせっせと原資を拠出すればいいのでは…。少なくとも親孝行をしているのです。
年金受給者に提案したい。国民年金のみの方までとは言いません。それらの方は概ね生活は苦しいのです。月10万円以上受給されている方、子どもの教育に年数千円を投資しませんか。数百億円にはなると思います。金額が一律か比例か、希望か強制か運営はどうするかなどは、ここでは議論しません。高齢者の方は戦前・戦中・戦後の苦しい時期を、今の若者には分からない苦労をして生きてきました。高度成長期、家庭を犠牲にしてまで頑張ってきました。それを考えると今の若者は、耐性が弱いと思います。しかし、人は時代や環境に左右もされます。
同じ資産として残すなら、死に金ではなく、わが子孫の為のみではなく、自分を育ててくれたこの国の将来(子供たち)にビタミンを残してはどうですか。有能な若者が育たない国に将来も繁栄もない。彼らの笑顔を思い浮かべて死ねたら幸せな人生だったことでしょう。
島根県知事の英断
島根県知事が島根原発の稼働を承認した。その前、札幌地裁は泊原発の稼働を認めなかった。北海道知事の考えを知りたい。中国電力と北海道電力の経営の質の差を感じる。同時に島根と北海道知事の力量と判断力の差を感じる。今はあるものは使って乗り切るしか方法はない時期であることを国民は理解すべきだ。
7年ぶりに電力使用制限がされるという。原発反対を言う評論家諸氏は多いが、この事態に口だけでなくどれだけ節電に協力するのであろうか。メディアの前では立派そうな口をきくが自分だけは人と違うのだとばかりに、節電に無頓着な生活をしている人も多い。
原発反対論者は決まって自然エネルギーに変換すればいいという。あたりまえのことだ。しかしどうすればできるか、どれだけの費用が掛かるのか、いつ可能なのか、どれだけ国民の負担が増えるのかなどを思考提示せず反対と言う。いい加減に自分の主張していることの方が砂上の楼閣を話していること(つまり無責任)に気付いて欲しい。
自滅の道を急ぐ立憲民主党
立憲民主党が細田衆議院議長の不信任決議案を出すという。理由は、細田氏の衆院議員定数の「10増10減」を否定する発言や、「月給100万円未満の議員を多少増やしてもバチは当たらない」との発言について「民主主義の根幹を揺るがす発言だ」と指弾。さらに週刊文春が報じたセクハラ疑惑についても「公の場での説明を強く求めてきたが、全く対応いただいていない」と述べ、不信任の理由に挙げた。
政治家であれば自分の思想や意見を述べることは当たり前であり、述べない方が怠慢だ。増してや一週刊誌の記事を自分で検証することなく、事実はさておき信じて不信任の理由に挙げるなどは政治の世界ではなく、三流メディアのすることだ。
参議院選挙を1月後に控え与党の汚点を突いたつもりであろうが、逆に有権者の反発どころか嘲笑を買ってしまった。おまけに何を血迷ったか根拠の薄い内閣不信任案まで出すという。一度真の下野をし、日本の実情や世界の情勢を国民目線で見直し目覚めないと、間違いなく立憲民主党は自滅する。