5年間分の防衛費の財源はどこから

GDP比2%を目標とする防衛費の財源で議論がある。国債か増税かの議論だ。基本的には税で賄うことが望まれるし、国債残高は膨れ上がっている。国債は将来に対する案件に利用されることを原則とするから、インフラ投資などがそれである。しかし、昨今の国際情勢からして原則論にこだわるか否かは検討する必要がある。問題は税だけで賄えるかということだ。防衛施設の整備費や飛行機・戦車・艦船・ミサイル装備などは将来への投資とみなせるが、人件費や弾薬などはそうは言えない。
ロシアのウクライナ侵略により、権威主義国の暴君にこれまでの常識が通用しなくなったことが露呈した。3期目を勝ち取った中国の独裁者が、〝ゼロコロナ〟失敗と経済失速をごまかすために海外に目を向けることは明確になった。要するに日本はこれまでのようにのんびりとアメリカにすがってはおれない時代になった(なっていた)のだ。〝自分の国は自分で守る〟当然のことを実態として備えなくてはならない。
もう一つ並行して、今の日本に必要なことがある。経済を浮揚させることだ。そのためには企業が稼ぎ、賃金を増やし、消費を活性化する必要がある。コロナ感染者は増加してはいるが、対処できる状態にある。今こそ景気を回復し、飛躍するタイミングだ。増税は消費の足を引っ張る。綺麗ごとや…論にとらわれないで、景気浮揚策を取るべきだ。
当然、国を守ることは将来への投資だ。

復興特別所得税のゆくえ

防衛費を5年で43兆円の捻出に苦慮している。増税か国債かで論議のあるところだ。本来の国債の活用はインフラ投資のように将来への歳出である。岸田首相が2000億円程度の復興特別所得税の転用をほのめかした。そもそも、それヘの国民の負担は基準所得税額の2.1%となっていて2013~2037年までとなっている。法人税への課税は震災後から課せられていたが数年で終了している。
現在の復興状況は、避難者は47万人からその10%に減少している。住宅は高台移転や公営住宅建設はほぼ完成しているし、生産設備はぼぼ再開可能となっている。原発付近の避難地域も避難指示解除も進んでいる。おそらく首相は再生状況進捗から見て、復興特別所得税の半分程度は転用可能と思ったのであろう。それに対して、震災というメンタルからダイレクトに反対した者もいたであろう。多忙な首相の職責柄、全てについて直ちに細かい説明をすることはできないことも多い。とかく、〝丁寧な説明〟を求めるが前後の状況で判断したいものだ。
被災地の住民に聞けば、当然のごとく「復興特別所得税は我々のものだ」かの意見が出る。述べたように復興再生は順調に進んできたし、財源は国民に特別に課せられたものだ。被災地の多大なご苦労は理解しているつもりだし、今後とも支援していくことに異論はないが、軽々に義務だの当然だの言葉を聞くと納税者も嫌になる。

事あれば国に頼る国民になってしまった

被害者救済法が成立した。共産党とれいわ新選組以外の賛成を得ての成立であった。救済法と相まって、被害者の救済と新たな発生を防いで欲しいし、適切な宗教法人の運営を望む。宗教法人の収支の一部は明らかにされているようだが、無税であるのであれば余計に収支報告は厳密にすべきではないのか。企業や国民は厳密に課税されているわけで、不公平ではないのか。
これまでも被害者は、並々ならぬ苦労と努力を強いられたであろうことは理解できる。ただ、この種の問題は基本的には個人の問題である。本来なら裁判を持って解決すべき問題である。何もしなかったと言っているのではない。その高い壁に阻まれてはじき返された人も沢山いる。そのために弁護士がいる。弁護士の方々も努力し、勝ち取った例もあろう。くどい様だが安倍元首相へのテロ行為がなければ、未だにこれまでがそうであったように世間から隔離されていたであろう。そこに被害者と弁護士の無力を感じる。

この件に限らず、国民は安易に政府に求めることが多くなった。何かあれば政府の責任とし、悪いことばかり掘り下げて政府の責任する野党やメディアに先導役を担わせらえる。国民の清き一票を人質に政権を脅す。これも国民の無知によるものが多い。政権運営を意識的に妨げるものは、国民の税金を無駄遣いしていることに等しい。これはメディアの嫌うポプリズムを助長していることを自らしていることだ。

五輪での贈収賄・談合事件‐‐‐メディアと広告の癒着

東京五輪に伴うスポンサーと委員会の贈収賄事件、テスト大会に伴う広告企業の談合事件。どことなくよくわからない内容がある。今の国民は、興味目線で報道しないと目を向けなくなっている。つまり、ワイドショー仕立てで報道しないと興味・理解が薄い。
新聞では、報道と共に解説もある程度詳しい。一方、テレビではニュース番組で一通り報道するが、ワイドショーや特番を組んでの報道は目にしない。この違いは何であるか。そうですよね。この事件には多くの広告企業が関わっているのですよね。広告企業は新聞との関りは強くはないが、テレビでは圧倒的な関係を持っている。日頃は正義ぶっているテレビメディアが、広告企業に圧倒的忖度をしている。忖度どころか実害という火の粉が降ってくるのかも……。
テレビは政治家を統一教会との関係とか些細な政治資金などで、時間を空費している野党と結託して報道に費やすのであれば、本気でこの〝五輪問題〟に取り組んで、身の潔白を証明して欲しいものだ。

早くも習近平3期目続投の弊害が出た

先週末、中国の新疆ウイグル自治区・ウルムチでのアパート火災が起きた。10人の死亡者を出したが、ゼロコロナ封鎖実施中で施錠などがされていて逃げ遅れたことが大きな原因だった。それを受けて北京や上海などの十数の都市でデモが発生した。1989年の〝天安門事件〟以来の大規模デモとなった。「ゼロコロナ反対」「共産党打倒」「習近平打倒」や白紙での抗議など、これまでにないデモに発展した。
〝ゼロコロナ政策〟は習近平の肝いり政策で、かつては世界に誇った政策であった。しかし、世界を見回しても中国ぐらいしか行っていない。中国製のSNSは検閲されているが、ツイッターなどは一部国民の目に触れているし、海外からの情報は入っている。サッカーW杯を放映したのはいいが、誰もマスクをしていない映像に国民はゼロコロナの疑問を感じたようだ。慌てて映像編集を行ったが、反って不信感を抱かせたであろう。
習近平はもはや自分の口から、ゼロコロナ放棄は言えない。あれだけ経済を混迷させてきた政策であることは解っているはずだ。自国製ワクチンを誇示したいが、性能効果は出ていないし接種率も低い。膨大なPCR検査は、巨大な利権と化し退くに引けない有様だ。3期目を後進に譲っておけばゼロコロナは修正されたであろうが、後の祭りだ。国民も自分の事しか考えない習近平だと、改めて確信したであろう。
願うのは、国外への軍事侵攻で国民の不満を転嫁することのないことだ。

中国の主権侵害を許すな

アメリカで中国の警察拠点が儲けられていることが分かった。FBIは調査中とのこと。世界30ヶ国の54都市にも設置され、東京にもあるという。各国の内密での調査も当然行っているだろうが、自国中国人の動向を調査している。警察を他国に設けることは明らかに主権侵害だ。
最近、中国は自国民に対するパスポートの発行を制限している。つまり、出国を制限している。これには理由がある。中国はバブルが崩壊し経済は衰退に向かっている。また富裕層から資産を取り上げて締め付けている。国外脱出を考える富裕層は数知れないし、既に多くの脱出組がいる。資産が海外に逃れることを恐れている。共産党の幹部層までが資産や子息を海外に移している。最早、ムード的には破綻寸前である。
中国は〝孔子学院〟を世界の大学内に設置して、〝千人計画〟(人材のスカウト)と中国文化の移植を図った。日本の十数の大学にも設置されている。オーストラリアなどは議会まで侵食された。中国はあらゆる手段で他国に侵食する。日本でも自衛隊の傍の土地や水源の土地や観光地などを買いあさっている。その拠点が半合法の孔子学院であり、非合法の警察組織であり、中国共産党の裏組織である。おまけに手助けする親中派の政治家までいる。お人好しな日本はたちまち主権が侵害される。

 

度が過ぎるロシアの人道虐待

ロシアがウクライナを〝侵略〟し始めてから9ヵ月経過した。戦況は混沌を極めるばかりだ。ウクライナが失地を回復する反面、ロシアは一般市民やインフラを臆面もなく攻撃している。死傷者を出すばかりか、冬を迎えた市民に暖のとれない仕打ちをすることは軍事の戦争を超えたテロ・非人道的行為だ。
中国やイランはともかく、旧ソ連の中央アジア諸国はロシアに対して嫌気がさしている。盟友と思っているベラルーシのルカシェンコでさえも〝もう、ええ加減にしたら〟と思い始めた。アフリカ諸国はロシアよりの国が多いことが国連での決議の結果でうかがえる。過去の因縁や自国の国内事情で民主主義国を否定するのであろうが、この状態のロシアにいつまでもついてゆくとは思えない。
中国は都合の悪いことには、中立らしき態度をとっている。ロシアは強力な盟友国と思っているが、中国は自国第一主義に変わりはない。アメリカと国内事情を鑑みて結論を出す。むしろ一帯一路構想のルートにある中央アジアや東欧の情勢を見て、簡単にロシアを見捨てて属国化を図るであろう。実態は経済の衰退とゼロコロナの失敗で、対応に手いっぱいであろう。
残る具体的国はイランである。このほでドローンをロシア国内で製造すると表明した。具体化するのは数か月後であろうが、これはウクライナにとって脅威である。ウクライナ市民の迎えている寒い冬を思えば、一刻も早い支援が必要だ。NATOは射程の長いミサイルを提供してアゾフ海沿いのロシアの兵站基地の攻撃を援助し、イラン製ドローンを手遅れにすべきだ。

裁判所は判決を下すだけの所ではない

旧統一教会に関連して被害者救済新法が議論されている。この件に関しては与野党は対立軸を考えすぎないで、より良いものを早急に成立さえて欲しい。そのような法を司る裁判所が首を傾げるようなことをしていた。オウム真理教や明覚寺裁判の記録を処分していた。先には神戸児童殺人事件の記録も処分されていた。
これらの事件は例外的なものであることには違いないが、裁判所は今後類似の事件が発生すると考えなかったのであろうか。社会的にどれだけ影響を及ぼしたかを考えると、検証する資料としても貴重であることは疑いようがない。今、日本は遅ればせながらデジタル社会を整備構築しようとしている。多少の経費と時間を要するとしても、簡単にデジタル化して保存できる典型的な媒体である。これではいつまでたってもデジタル社会は掛け声だけに終わってしまう。
裁判は過去の出来事へ結論を出すところであろうが、それだけで良いのであろうか。それでは〝他人のフンドシで飯を食っている〟でしかない。将来のために過去の出来事を究明する材料を示すことも大切な仕事ではないか。目の前の仕事しかできない公務員は必要ないし、裁判結果に信頼を持てない。

支離滅裂な呼称を使うテレビ出演者

テレビに出演する司会者・評論家・コメンテーター・大学教授・知識人などの方々の聞きづらく、自分の思想の整理できていないことを証明する一つに、人に対する呼称がある。例えば、プーチン・プーチン氏・プーチンさん・プーチン大統領のどれを使うかである。〝さん〟付けと呼び捨てでは明らかな人物観がある。
番組の中ではどれか一つを選んで使うのが基本であろうが、同一人物に対して複数の呼称を混在させる人も多い。また、「バイデンさんはAと言い、トランプはBと言った」「プーチン大統領はCを行い、ゼレンスキーはDをした」などを平気で言う。聞いている側は聞きづらいし、知識の整理のできない人だと思ってしまう。好意を持っているのか、悪意を持っているのかが知れて嫌な気持ちになることもある。発言することを焦ってしまって、その時任せで呼称を使うなどプロの仕事ではない。
細かいように思えるが、公共のメディアを使う人は責任を持って欲しい。自信がない人は、現職の人は役職で呼ベばよい。その役職も発言レベルで把握していない人が少なからずいることは、出演者を選ぶメディアの責任か……。

円安を生かすのは製造業の責任

円安が進行して久しい。100円余りで昇降していたいたのが140円後半になった。しかも円高に向かうことは当面考えずらい。諸外国は金利を上げているが、日本は景気を考えると金利は上げられない。これは更なる円安を考えざるを得ない。
最近まで円高傾向であったから、海外に投資してきた。人件費や経費も安く自然な流れであった。しかし人件費(特に中国)は海外でも高騰してきたし、逆に日本の低賃金が目立ってきた。一括では言えないが、国内での生産が有利になった製品も多くなった。サプライチェーンを考えても中国での生産を回帰することは重要な時期となってきた。中国経済のバブル崩壊と経済成長の停滞は明らかである。帰れるところから国内または途上国へ移転すべきだ。中国はいつ会社が接収されても不思議ではない政権であるし、法整備もされつつある。
海外に投資した企業は基本的には儲けている。しかしその利益を国内に還流しないで現地投資をしている。そこには税制などの問題もあるが国内投資にも回して欲しい。円安は製造業にとって輸出に有利だ。製造工程にロボットを有効活用して未来型の工場を建設して人手不足をカバーしたい。その生産性向上で賃金のアップを図りたい。製造業にとって今は再び輝く最後のチャンスである。この機を逃すと町中の二流企業になり下がってしまう。30年の屈辱の時期を払拭するために企業のみならず政府・国民も熟考すべきだ。