川勝静岡県知事が辞意を表明した。「御殿場にはコシヒカリしかない」「磐田は浜松より文化が高い」「製造ワーカーは事務職より程度が低い」などの発言を行った。また失言で自分の給与を減額すると言っておきながらしていなかった。そして、何よりの過ちはリニア新幹線を阻止すべく、科学的根拠のないままに大井川の水系に影響が大きと、環境問題偽善者としての発言・行使であった。
「リニア問題に区切りをつけることができた」と辞任の理由を発表した。先週、JR東海はリニアの開通を当初の2027年をあきらめ2034年ごろと発表した。川勝の発言はこの先延ばしが自分の勝利で、引き際のはなむけかのように聞こえる。何という大罪であり、犯罪であろうか。数万人を擁するJR東海に勝利したとでも思っているのであろうか。リニア新幹線には賛否はある。停滞の続いた日本は、すぐに銭金・環境で足踏みすることが、一番のネックとなっている。無駄を将来に生かす発想が乏しくなっている。川勝は国民を代表した発想でなければよいのだが…。
大学の教授や学長を経て、静岡県知事4期目であった。その人生は、左翼の転身と繁栄と驕りによる転落が読み取れる。昔の自分を正当化するために、今を華やかなものにして終わらなくてはならなった。しかし、彼には頭の硬い固定観念しかなかった。「御殿場」という土地しか見えず、「磐田と浜松」という比較しかできず、「ホワイトーはブルーカラーに優れる」という前時代的発想から抜けきれなかった。挙句の果てに「環境は何にも勝る」しか頭に浮かばなくなっていた。環境を克服する技術が必要なことまで思い及ばなった。
大谷翔平と連座制
大谷翔平の通訳・水原一平の賭博問題で、大谷は記者会見をした。もっとも会見ではなく一方通行の自己表明であったが。メディアもファンも彼の主張を信じたいことであろう。水原発言の事実は、最初は大谷が協力的であったが、すぐに自身の個人的行為に変わったことが、この事件のすべてを物語っている。
国会では、相変わらず政治資金規正法違反と裏金問題で野党議員は4ヵ月も時間を空費した。メディアも国民に取り入るために、また格好の駒つぶしのネタに利用してきた。裏金批判・報道に国民が飽きてきたと思うと、選挙制度に問題がある・世襲議員が問題と国会審議を滞らせる必要のない問題まで出し、国会を愚弄する。挙句の果てには議員と秘書・事務方の連座制などで、暇をつぶす。
水原問題も連座制で考えると、大谷は完全にアウトになる。なぜ演者は事務方を抱えているかは、考えなくてもわかることだ。主役が心置きなく、本業の仕事をするために脇役は必要である。多忙である演者は自分を守るために精魂を使い果たすようでは、演技は演じられない。そのような演者には魅力はない。
議員は国を発展させ、国を守るために仕事をしている(はず)。自分の家庭の感覚で、仕事と帳面を管理する感覚で考えてはならない。野党だって、忙しいとは言いながら、十年一日のごとく批判を繰り返す仕事しかしないのであれば、仕事と帳面は管理できるであろう。与党は忙しくてできないと言っているのではない。それができる程度の仕事しかしていないことを、税金泥棒と言っているのだ。
無礼にも程がある
ドジャーズの大谷翔平の通訳を務める水原一平(39)が大谷の金を着服して賭博資金にしていた。その額7億円という。メジャーでは通訳は球団が抱えるという。二人はエンゼルス時代からのコンビであったが、球団は身辺調査はしなかったのであろうか。余りの名コンビぶりにドジャースも引き続き採用したのであろう。おまけに大谷自身も違和感なく採用していたのであろうが、財布を簡単に預けてしまうことは、庶民には考えられない金銭感覚がマヒしていたと思える。
大谷はいち個人であるから、どうこういう気はないし、言える立場ではない。問題は些細なことも、さも重大なこととして報道する感覚にマヒしてしまっているメディアだ。ニュースバリューが完全に狂っている。大谷自身には迷惑なことであろうが、メディアは彼を正義のヒーローに仕立て上げ、ニュースを発掘することなく、安易に報道を繰り返してきた。そして、メディア自身が報道することによって、社会の正義になった錯覚に陥てしまった。
水原の事件が発覚すると、当然取材を行う。かなり以前から賭博依存症だあった事実も発覚した。過去を遡って調べるときの常とう手段として親・親戚を取材する。その行動はそれで仕方のないことであろう。しかし、簡単にメディアに露出してはならない。確かな裏付けをとるべきだし、プライベートを尊重しなくてはならない。あるメディアは何の疑問もなく、親とのやり取りを露出してしまった。やり取りといっても親は、「帰ってくれ」と言うしかない。未成年の子供が犯罪を犯したのであれば、説明もありうる。しかし、水原は39歳の大人だ。とっくの昔に親の手を離れている。このやり方がいかに許しがたい犯罪行為であるかを理解していない。暴露週刊誌の活躍に慣れてしまい、善悪を考えないで売上(視聴率)第一主義に陥ている自分に気づいていない。気づいていても自分を優先する。週刊誌はプライベートな営利機関だが、メディアは公共の電波を託された機関だ。まったく、自分の置かれている立場を全うする気など持ち合わせてない。
開幕前から飽きてきた
春も近づきスポーツシーズン開幕だ。例にもれずスポーツファンにとっては嬉しいものだが、ファンでない人には関係ない。関係ないはずだが、メディアで必要以上に報道されると、鼻につく。今その典型は、大谷さんに関する報道だろう。活躍したりお目出たがあったことは、それはそれでいい。大谷の力量は当然認めるし、尊敬に値する。それを報道することは問題はない。問題なのは、スポーツとは関係ないことまで根掘り葉掘り報道を繰り返すことだ。大谷自身も内心では、ホットイテくれと思っていると推察する。
MLB(アメリカ・大リーグ)には、近年多くの選手が加入し活躍してきた。メディアの偏向と鈍感なことは、それらの選手のニュースや活動はほとんどしないで、大谷さんばかり重箱の隅をつつくように報道する。日本人が活躍することを、我がことのように喜ぶ。そうであれば、彼以外のMLBの日本選手の活動状況を、もっとスポーツ精神に基づいて知らせてほしい。特別な活躍以外は、公平に記録の報告をすべきだ。記録を事実として列挙して知らせれば十分だ。
野球に限ってみると、日米では経営などの経済面の差がある。MLBは30球団がまとまって、方向性を持っている。放映権もMLB単位で決まるが、NPB(日本)は放映権も経営も球団に大きく依存する。日本の放映はキー局や地域のTV局に依存する。それは現段階では致し方ないことだ。それを克服するのはNHKの役割だ。しかし、その放映思想は地方のローカル局と変わらない。
NHKは今や日本の野球を支援するよりは、アメリカのMLBのお抱え機関だ。日本の選手の試合を流しているつもりであろうが、メジャーのチームの勝敗には大半の視聴者は関心ない。選手の活躍を報道していると思っているのであろうが、特定の選手の試合に偏りすぎて、″公平〟を旨とする責任を果たしていない。日本の早朝の空き時間帯を埋めていると思っているのであろうが、それは自己都合だ。BS・2チャンネルの放映を今年から中止したが、チャンネル権を手放さないのであれば、これを有効に使うべきだ。もちろん、NPBの意向もあり複雑なこともあるが、大半関係のないMLBの営業戦略に利用されるばかりではなく、日本のスポーツや選手の勇士を映してほしい。
日銀、マイナス金利政策解除
日銀の植田総裁がマイナス金利解除を発表した。「大規模緩和は役割を果たした」として、17年ぶりに0~0.1%利上げに舵を切った。具体的には
①マイナス金利解除
②イールドカーブコントロール終了
③ETF(上場投資信託)・REIT(上場不動産投資信託)購入終了
①は2016年に導入していた。②は長短金利操作とも呼ばれ、長期金利と短期金利の誘導目標を操作し、イールドカーブを適切な水準に維持することを指す。イールドカーブとは、債券の利回り(金利)と償還期間との相関性を示したグラフで、横軸に償還までの期間、縦軸に利回りを用いた曲線グラフのこと。市場安定のために購入していたが終了した。
経済活動を経験している40~50代の人は低金利の時代を生き、預金することのメリットを感じることなく生きてきた。また、企業経営をする人々は、金を借りることの怖さを実感することなく経営してきた。経済活動を核となって行う壮年層は、金の有難さや怖さを真に味わうことなく生きてきた。これからは真に経営力の有無が問われることになる。
30年に渡るデフレの時代に幕を下ろすことができるか、これから求められる。賃上げが実施され、喜ぶ半面、物価の上昇に対処しなくてはならない。経済は物価の上昇と賃金の上昇の両輪が伴わない限り、発展しない。デフレで安易に慣れてきた体質を、インフレに立ち向かう体質をつけなくてはならない。メディアも物価高で苦しいとばかりの報道ではなく、それに立ち向かい工夫・研鑽する姿勢を報道しなくては時代暮れのユーチューバーで終わってしまうだろう。
ロシア国民には失望した。それでも期待しなくては……
ロシアの大統領選でプーチンが圧勝した。予想はされていたことではあるが、得票率87%と投票率77%には愕然とする。不正・強制選挙であることは明らかであるが、それでも異常な数字である。国民にこの結果を反映しない声があることは明らかであるが、声が声として発せられない状況に不安を抱く。せめて国民は棄権という反意を示せなかったものか。中国やイランは当選の祝意を表明したが、インドまでそうしたことは世界の自己都合を感じざるを得ない。
ロシアは多くの共和国から構成されている。100以上の民族がおり、100以上の言語が使われるが、約80%がロシア人だ。やはりロシア人の国なのだ。どこの国もそうであるが、国民は自国が好きだ。ロシア人が自国を愛するために戦争をすることは、残念だが仕方ない面もある。しかし戦いは侵略されたときに行わなうものでなくては、世界の正義は保てない。プーチンは侵略戦争をしているわけで、正義はない。このような戦争に国民は、不正選挙であっても賛意を示すべきではない。
もちろん、国民の中にも疑問の行動をとる者もいる。カメラの回らないときには本心を吐露する人も多い。ロシア国内は一見これまでと変わらないかに見える。経済制裁から2年も過ぎたが、特に目立った混乱は見られない。しかし北朝鮮やイランから武器を調達せざるを得ない国内工業は、やがて国内経済活動に影を落とすことは間違いない。残念だが世界は、ロシア国民の困窮を待つしかない状況だ。しかし、その困窮はロシア国民自身のために必要な要件だ。正義が勝つ社会を維持しない限り、世界は崩壊する。
個人の自由を訴えるために、国民の税金を使わないで
札幌高裁が」婚姻の自由を同性間でも保障」の判決を下した。憲法をめぐっては初の判断だ。一方、国への賠償請求は棄却した。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と婚姻の自由を定めた憲法24条1項について「同性間の婚姻も異性間の場合と同じ程度に保証していると理解できる」と判断した。憲法を冷静に判断すれば、″両性〟とは男と女のことである。憲法を曲解していることは明らかだろう。
近年は民主主義にとらわれて、自由・平等がうたわれる。その恩恵を特に欧米諸国は受けている。よい世の中になったものだ。一方、経済的に生活を謳歌できないグローバルサウスや権威主義の国では、国体を維持するために不理仁な生活を強いられている。日本国民は国体の成熟に感謝しなくてはならない。
人類が将来に向かって発展するためには、適切な世代交代が維持される必要がある。つまり将来につながる子孫が必要ということだ。自由が過ぎると義務がなおざりになる。生物は自らを存続させるために、雄雌(男女)というシステムを作り上げた。その子孫継続というシステムに反するのであれば、それに見合う貢献を生きているうちにしなくてはならない。子孫を残したものは、生きているうちにしなくても子孫に託したことになる。
同性婚を許さないと言っているのではない。自由を選んだものは心して、社会に貢献しなくてはならない。国民の3大義務は、納税・労働・教育であるが、未来的には子孫にいかに貢献するかである。当然、自らの手で子孫を残せない事情の人もいるが、自らの自由を謳歌する以外に、社会への貢献をより意識することは必要ではないか。
今回の判決では、国の賠償責任はないとなった。自分の自由を求める裁判に、国税を求める精神構造が異常だ。
爆発? 爆破?
スペースワンが民間ロケット「カイロス」初の打ち上げを行ったが、失敗に終わった。ロケットの衛星打ち上げ事業は世界的に拡大している。原因を分析し、今後の成功につなげてほしい。
″爆発は〟原因が不明に響く。また外部からの要因の響きがある。″爆破〟は自己作用の響きがある。細かいようだが、報道を聞く視聴者にとっては感じることが大きく違う。メディアは概ね″爆発〟と報じた。目の前で起きた事実は確かに爆発である。しかし、メディアに正しく報じる責任がある。″爆発は〟原因不明の響きを抱かせ、″爆破〟は当事者の意思を感じさせる。ともかく今回は当事者が爆破したのだ。打ち上げの行く先を理解把握し、これ以上遠方に残骸をばらまくべきでないと思った。政府の衛星を搭載しているなど機密もある。失敗を理解した当事者からすれば、正しい行為であった。
メディアは他人の失敗をネタに話題を作り上げる手法に偏ってきた。成功(善)の理論を報じるより、失敗(悪)の事実を報じることのほうが、はるかに易しい。自分で努力しない者の典型だ。これでは巷のユーチュウーバーと変わらない。
セキュリティクリアランス法案
政府は「セキュリティクリアランス法案」を国会に上程した。機密情報を公務員以外に民間人に開放すると言うものである。G7では類似のものは日本のみ持ち合わせていない。法のルールを持ち合わせない国に、経済安全保障上からも付き合わないことは明白だ。交渉の席に着けるように道を開くことは必須のことだ。
指定を受けるためには以下の要件を満たすことが必要だ。
①家族の指名、国籍、住所など
②犯罪または懲戒歴
③情報取り扱いの違法行為に関する経歴
④薬物などの乱用歴
⑤精神疾患
⑥飲酒の節度
⑦借金などの経済的な状況
国会の審議やメディアの報道などで、すぐ反応することはプライバシーに関することだ。プライバシーばかり問題にしていてはセキュリティは守れない。要請のあった人に機密情報を開示するシステムであるからプライバシーの問題ではない。プライバシーを優先する人は情報を要求しなければよいだけだ。この問題に限らず、不勉強でこの法案を理解していメディア(特にコメンテーター)は口を挟むべきではない。メディアは本来の情報の報道に徹して、与えられた役割を果たす本来の姿を取り戻すべきだ。
議員は議員で、国の安全保障を考えないでプライバシーがどうのとか、秘密はどのようなものを指すかとか、おおよそ数千万円の給与を与えられているとは思えない議員には退場してほしい。秘密だから秘密なのであって、あなたが主人公ではないのだ。
現在の国際環境や情勢を理解しないで、旧態依然とした報道を繰り返し、国民も前時代から抜け出さないで、自分のことのみに専心している。″浦島太郎〟の話は知っているが、自分が太郎になっていることを理解していない。国内だけが作用するのであれば何とかなるが、もはや世界の国々が作用している時代に、切り替えなくてはならない。
崖っぷちの中国--「国家秘密保護法」改正
中国で全人代が開幕した。開幕でまず発表されたのは、恒例の閉幕後の首相による記者会見の廃止であった。李強首相は今年の経済成長率を5%前後とすると言ったが、同時に達成の難しさを臭わせた。首相の本務は経済であるから、全人代閉幕後の記者会見の取りやめは余程経済は苦しいことだろう。同時に首相に喋らせない習近平の彼に対する信頼感の低さが伺える。一番の側近と言われる彼の力量の無さが伺えるし、習近平の懐の狭さが露呈する。
「国家機密保護法」改正が可決・成立し、5月1日から施行される。これまでより共産党の管理が強化され、担当部署の判断で運営される。昨年の「反スパイ法」改正に続き、恣意的に適用される法が連続した。両法とも国内に対してだけでなく、海外にも適用される。外資が投資を検討する際には、まずマーケティング(市場調査)をしなくてはならない。当然、商品だけではなく国情を調べなくてはならない。それをも当局は気分次第で、違法と見なして摘発できる法だ。今現在でも進出数が3/1に減少しているにも関わらず、またしてもである。
今の中国に必要なことは経済の発展であろう。不動産バブルが崩壊し、失業率が増加し、若者がやる気を失い〝ねそべり族〟になり、国が富む前に俗文化を望む若者となった。国が成熟する前に996(9時~9時、週6日労働)を忌避し、自分の時間を大切にしたい若者が増えている。それは悪いことではないし、労働環境の改善は必要だ、しかし、それは真に国力が成熟してからの発想だ。
習近平指導部は、経済の発展を考えていることには違いないが、経済オンチでナメている。一人当たりのGDPが12000ドル(日本は44000)の中国が内需だけで国を保つことは不可能だ。それは当の中国自身が解っているから、国内の反対勢力や国民が爆発することを恐れている。それが唯一押さえ込みや・封鎖にしか発想が思い至らない末期的症状だ。口では外資の投資を懇願しながら、やっていることは鎖国的行為だ。「反スパイ法」・「国家機密保護法」を撤廃しない限り、百歩譲って法の適用を明文化しない限り、誰も中国には向かない。
日本は、この混乱に巻き込まれないよう、政治資金にかこ付けた無駄な政治を一刻も早く辞めて、将来を見つめなくてはならない。