ガザ地区の病院爆撃?

 パレスチナのガザ地区にある病院が爆破されて、多くの死傷者を出した。アラブ諸国はいっせいにイスラエルを非難するよりも、アメリカを非難した。この構図に中東の矛盾と脆弱さが露呈された。そこで問題になることは誰が行ったかである。
①イスラエル
 争っているガザ地区での出来事であるから、敵対するイスラエルの犯行は自然に浮かぶ。しかしバイデン米大統領が訪問した時に、実行することはいかにも不自然である。ネタニヤフ首相を譲歩させないための軍の独断の可能性もある。
②ハマス
 敵対するイスラエル内ではなく、自領の病院を爆撃することは考えにくい。しかし、所詮はテロ組織に過ぎないし、常人の正義は通用しない。バイデン大統領のイスラエル訪問によって停戦が成立することは彼らの本義ではない。
③イスラム聖戦
 パレスチナの第3勢力である彼らは、イスラエルとハマスが戦うことを望んでいる。それを期待し両者の対立に油を注いだ可能性もある。
④ヒズボラ
 レバノンを拠点とするだけに、実行は難しいだろう。
⑤兵器の故障
ポイントは爆撃された病院が教会系の病院だったことだ。いくらハマスが残虐なテロ組織とはいっても自領の病院を爆撃するとは思えない。イスラエルは爆撃はしているが、退避勧告をして爆撃を控えている最中であり考えにくい。偶然の確率は低いがロケットの故障により落下した可能性もある。

 バイデン大統領はパレスチナ・ヨルダン・エジプトとの四者会談を予定していたが、できなかった。世界が愚かだと思うことは、一斉にアメリカ非難の声が上がったことである。ウクライナへ残虐な侵攻をした張本人(プーチン)が、先に侵攻したハマスを差し置いて、反撃の攻撃をしたイスラエルを残虐な行為だと非難する姿に世界の混迷を見てしまう。それをわき目にほくそ笑み漁夫の利を狙う習近平の腹黒さが世界には見えたであろうか。
世界の国民や識者はアメリカの無能をせめ、余り根拠のないムードと慣例で非難を続ける。しかしアメリカが本気で損得勘定を始めると、世界は混沌の海に放り投げられることは理解しておかなくてはならない。待っているのはグローバルサウスの国々が中国・ロシアの餌食とされる姿だ。

パレスチナ問題の概略

◆エルサレムは3大宗教の聖地で城壁に囲まれた旧市街地に共存している。
・ユダヤ教「嘆きの壁」ローマ帝国により破壊されたエルサレム神殿の壁
・キリスト教「聖墳墓教会」イエス=キリストは処刑された場所
・イスラム教「岩のドーム」預言者ムハンマドが天に昇った場所

◆古代にはパレスチナの地にはユダヤ人のイスラエル王国が成立したがユダ王国とに分裂した。やがてイスラエルはアッシリアに征服され、ユダはバビロニアに捕囚されこの地を失った。新バビロニアの時代に帰還しユダヤ教を成立させた。

◆中世は主にアラブ人勢力が強くなり、多民族が侵入しユダヤ人は世界各地へ分散した。

◆近世になり列強の進出でアラブ世界は翻弄された。
・「シオニズム運動」
 19世紀末に始まったユダヤ人のエルサレム帰還運動
・「パレスチナ問題」
 パレスチナ居住のアラブ人とシオニズム帰還のユダヤ人の対立
・「フセイン・マクマフオン協定」(1915年)
 イギリス高等弁務官とメッカ太守フセインの往復書簡。第一次世界大戦後のアラブ国家建設を条件に、イギリスへの戦争協力を約束
・「サイコス・ピコ協定」(1916年)
 イギリス・フランス・ロシア間で結ばれた秘密協定。トルコ帝国(中東)を3国で分割する協定
・「バルフォア宣言」(1917年)
 イギリス外相バルフォアがユダヤ資本の戦争協力を期待し、パレスチナでのユダヤ人国家建設を同意。結果的に先のフセイン・マクマフオン協定やサイコス・ピコ協定に矛盾することになった

◆第二次世界大戦の終了後、イスラエルが建国した。アラブ諸国は反発しエジプトを中心としてイスラエルと戦った。
・「パレスチナ分割案」(1947年)
 国連総会で決議。パレスチナをイギリスの委任統治終了後、ユダヤ人とパレスチナ人の国家に分割、56%の土地にユダヤ人国家建設となった
・「イスラエル建国」(1948年)
 シオニズム運動が結実したが、アラブ人諸国との争いは続く
・「第一次中東戦争」(1948~49年)
 建国したイスラエルと建国を認めないアラブ諸国の戦争。アメリカの支援を得たイスラエルの圧勝。イスラエルは分割案の1.5倍、パレスチナ全域の8割を領土に。多くのパレスチナ難民が発生
・「第二次中東戦争」(スエズ戦争)(1956~57年)
 エジプトのスエズ運河国有化をきっかけにイスラエル・イギリス・フランスがエジプト侵攻。国際世論の非難で撤退
・「第三次中東戦争」(6日戦争)(1967年)
 イスラエルとエジプト・シリア・ヨルダンの戦い、6日間で停戦。イスラエルがシナイ半島・ガザ地区・東エルサレムを含むヨルダン川西岸・ゴラン高原を占領。背景にはアラブ民族主義の高まりやPLO(パレスチナ解放機構)結成などがあった。
・「第四次中東戦争」(1973年)
エジプト・シリアのイスラエルに対する奇襲。軍事的にはイスラエルの勝利であったがアラブ側がOAPECによる石油戦略、第一次石油危機が世界に及ぶ

・「エジプト=イスラエル平和条約」(1979年)
 エジプトが、イスラエルを公式承認。アラブ18か国とPLOはエジプトと断交

◆アラブ諸国とイスラエルは表面上は平穏を得た。しかしイスラエルとPLOの戦いが主になり、いわゆるパレスチナ問題となる
・「PLO(パレスチナ解放機構)」(1964年)
 イスラエルに対抗していたゲリラ組織を統合。
・「パレスチナ暫定自治協定(オスロ合意)」(1993年)
 PLO議長アラファトが国連にPLOを認めさせ、イスラエルとPLOが相互承認した協定。これに基づき94年にパレスチナ暫定自治政府が成立。
・「インティファーダ」
 パレスチナ人のイスラエルに対する抵抗運動
・「ファタハ」
 PLOでイスラエルとの和平を追求する穏健派。ヨルダン川西岸が拠点
・「ハマス」
 PLOでパレスチナ解放をめざすイスラム急進派。ガザ地区が拠点

◆現在のパレスチナ問題はイスラエルとテロ集団(ガザ地区のハマスやレバノンのヒズボラなど)の戦いと化し、イスラエルを欧米が、テロ集団をイラン・ロシアが支援する構図となっている。

戦争を大儀なきものしたロシアの罪

 ロシアがウクライナへ侵攻してから、戦争の戦い方がいち変した。軍同士が戦うものから市民を虐殺攻撃するものになった。戦いに正義はないかもしれないが、これでは大規模国家テロだ。国土も焼け野原になって、市民が傷つく。このテロ的戦争をロシアはスタンダードにしてしまった。虚弱な大国であるがロシアは世界に影響力を持つ大国だ。そのロシアが正義を失わせた。
 パレスチナのテロ集団ハマスがイスラエルへ侵入して千余人を殺害し、100人余りの人質を連れ去った。その報復としてイスラエルはロケット弾を市民に向けて打ち込んでいる。それはロシアがウクライナにしている無差別攻撃と同様だ。世界はその残虐性を無残に思うと共に、それに慣れてしまった。戦争とはそういうものだと。
 イスラエルはガザ地区北部へ総攻撃をするとし、市民の南部への避難を宣告した。急に24時間以内に避難せよと言われてもできるわけがない。イスラエルとパレスチナの問題は1世紀以上も前から続いている。その解決策は誰も知らない。どちらが勝っても勝てば正義であり、結果で答えが後付けされる問題だろう。今は市民の安全を願うしかないが、それも無理であろう。
 パレスチナ問題には双方に正義はある。それだけに世界は答えを見いだせない。しかしロシアの行為は正義を論じることができる問題だ。一刻も早くロシアが侵攻から手を退くか、さもなくばロシアを壊滅させるしかない。ロシアのウクライナ侵攻が正当化されれば、世界の秩序は守れない。

埼玉県人よ怒れ--子供留守番禁止条例

 埼玉県議会が子供保護に関した条例を提出している。10月13日に可決されると成立すると言う。小学3年生以下の子供が対象の内容は、子供を放置してはならないもの。独りでの留守番は不可(高校生が一緒にいても)。子供だけで公園遊び禁止。ゴミ出しでの放置も不可となれば、常に親は子供を背負っていないと何もできない。更に子供一人でのお使いも不可。
 この様な多くの制限は、親の行動を大きく規制する。親は働きに出ること自体が大きく規制される。最大の弊害は子供の自立を阻害することだ。この時期どのような面でも大きく成長する。独りになる寂しさを体験しないと子供はひ弱で卑屈に育ち、自立心が育たなく社会的欠陥を持つ。
 更に重大な発想は〝通報義務〟を課すことだ。まるで中国の人権侵害と同様だ。この様なスパイ活動を助長する法は社会を暗く混乱させる。条例が成立すると困るのは埼玉県だけの問題ではない。増加しつつあるスパイ国家の仲間入りするに等しい。
 自民党県議が主導しているが、余ほどシミュレーション能力がない。自分が親の立場になれば実行不可能極まりないことぐらい分かるはずだ。このままで進むのであれば自民党は強権を発動しても阻止しなくてはならない。条例の成立を許したならば、埼玉県人の人間性そのものが疑われるのみならず、国家としての品格までも疑われる。

メディアは何故、賛成より反対するのか

 メディアを見ていると気づくことがある。物事への反対(批判)ばかりで賛成の場面はほとんどない。賛成があるのは社会性の軽い日常のどうでも良いことについてがほとんどで、政治分野での賛成はほとんどない。メディアには過ちは指摘し正すべき助言をする使命があるが、批判のための批判に終始することがほとんどである。骨を出された段階で、中身を発表する前から否定的な発言をする。
 最近は子供は褒めて育てる風潮だ。気付けば〝叱る〟ことは罪悪扱いになっている。褒めることは良いが、「スゴイ!」「よくやった」「えらい」「かっこいい」などの単語の絶叫で、何がどの様に良かったのかは語られない。叱る時は「アホ!」「ばか」「なにしてる」などの言葉だけでは、相手は納得できない。何故、いけなかったのか理由の説明が必要だ。その時のテーマを理解し改善策を持たないと、当人を導くことは出来ないから難しい。否定することは肯定することより、はるかに難しい。
 逆に対象が政治となると、賛成することは反対するより、はるかに難しい。メディアは政府が打ち出した方針に批判はするが賛成はほとんどしない。実態は批判のための批判団体と化していることに尽きる。その根底は無知と勉強不足である。批判する時は反対の言葉だけで議事が進行し易いが、賛成の場合はその理由を証明しないと説明しにくい。その思考停止状態が、タレント任せ番組を作り、興味本位の番組で視聴率を狙う道具と化した。
 批判する時は精神が高揚する。その麻酔に染まったメディアは麻薬(批判)が無いと自分を維持できなくなった中毒患者同然だ。

少子化問題--〔15〕豊かさを待つだけでは、多子化はこない

 子供の出生率は、欧州型・東アジア型・アフリカ型に分類できる。また出生率は経済状況に大きく左右されると言われるが、果たしてどうなのか。
・アフリカ型(発展途上)
 多くの国で出生率が高く、将来は世界の中で一大勢力を持つだろう。途上国では死亡率も高く、本能的に子孫を残すために子沢山になる。同時に本質的に楽天主義だ。それを見越して中国やロシアが積極的に進出している。
・欧州型(成熟)
 多くの国が豊かで適度の子供を設けている。経済力が付くと多くの子供を養うことができるが、その割には少子だ。自由主義の発祥の地でもあり、豊かになると自由と自己確立を望み自分の時間を大切にする。豊かになると多くの子供を産むという伝説がここにはない。
・東アジア(急激発展)
 中国・日本・韓国(ここでは北朝鮮・モンゴルは論じない)だが、ことごとく少子だ。特徴的なことは充分豊かなことと、国民が享受するインフラは築き上げていることだ。つまり、器は準備しているがそれに入る中身が減少しているということだ。器が大きければ大きい程、支える力が減少して内部崩壊することになる。この地域に共通する思想は儒教だ。現在は忘れ去られているようだが、根底に根付いている。儒教の奥義は解らないが、立派な忠・孝の教えは親族のみ範囲で、他人には利己的な社会性のない教えかもしれない。

 貧しいから子供を持てないと言う。見てきた通り、結果的には貧しい方が子沢山だ。戦後の日本は貧しかったが多くの子供を設けたが、豊かになると少子化した。貧しい人が豊かになれば、まず自分の自由と享楽を求め、子供は重荷になる。成熟した豊かな人は、自己の確立を求め、次世代へ継承しようとする。日本は自分の事で精一杯で、社会の将来を考えた豊かさが未だ育っていない。文化が育まれ個人の人格が確立して、初めて生物的本能に基づかない社会を考えた生殖が生まれる。

不確実性を再確認--ナゴルノカラバフ紛争

 ナゴルノカラバフはアゼルバイジャン領と国際的には確認されていたが、アルメニア人が多数居住しているため独立を目指し紛争が続いていた。アゼルバイジャン(イスラム教)はトルコが支援し、アルメニア(アルメニア正教)はロシアが支援していた。9月末のアゼルバイジャンの攻撃でアルメニアが敗北し、月末までには12万人の内10万人がアルメニアへ避難した。民族間の争いには付き物であるが、故郷を追われる人々の気持ちを思うと痛ましい。
 アルメニアは元ソ連領であったこともあり、ロシアと同盟を結んでいた。過去にも紛争があったがロシアは支援していた。しかし今回は、全く支援しなかった。ウクライナ侵攻に手いっぱいであったことは明白であるが、同盟を結び手なずけていたロシアの無策をアルメニアが怒りを覚えることは当然であろう。早速、アルメニアはICC(国際刑事裁判所)に加盟した。つまり、ICCから逮捕状が出されているプーチンの逮捕に踏み切り、ロシアとの絶縁を示した。その先にはNATO加盟も視野に入るのか。
 日本はアメリカと同盟を結んでいる。現状は強固であるがアメリカの国内情勢は混乱している。米中関係は悪化しているが、リーダー次第で政策も変わる度合いが強くなっているアメリカの昨今の状況だ。同盟は大切にすべきだが、一刻も早く自立できる国力を付けることは、乱世では必須の要件だ。

賃金の上昇を政府に求めるオンチーー企業に求めべき

岸田首相が「経済政策の5本柱」を発表した。
①物価高から国民生活を守る
②持続的賃上げ、所得向上と地方の成長
③成長力につながる国内投資の促進
④人口減少を乗り越え、変化を力にする社会改革
⑤国土強靭化など国民の安心・安全
 早速、メディアやジャーナリストは何を言っているのか解らないという。余ほど知能指数が低いとしか思えない。これから始めることであり、また方針の発表段階であるのであるから、内容の細事が分かる訳がない。鼻から批判を前提にしているからの発言だ。りっぱな方針だから、これからの詳細説明と実行を期待するのが国民の態度であろう。

 国民の生活が苦しいという。物価が上昇したとか、賃金が上がらないなど不満もつのる。すると国民は政府の責任として批判する。それを煽るようにメディアが批判する。政治は最低賃金を決められるが賃金は決められない。政治は同一労働同一賃金を決めたが企業はそれを守らない。政治は最低ラインを決めることはできるし責務だが、それを実施するのは企業だ。
 同一賃金の考えは、非正規労働者が増加したことに起因する。社員としての責任を持つ人と、一過性の要素を持つ非正規の人が仕事内容が同じだから同一ということは不合理な面もあるが、差があり過ぎることは問題である。現状、非正規の人が正社員を求めるも叶わない人が多くいることは事実であるが、反面自由が利き責任が回避できることに依存している人も多い。非正規の人をパート・アルバイトと同一視点で考えることは、労働の性格を混同することになる。いずれにしても非正規の人は次のステップのための一段階との目的意識を持って働いて欲しい。それがないなら文句を言う権利はない。
 頑張っても報われない人や能力的に劣っている人がいることは事実だ。彼らを支援することは政治の責任であろう。そして自分に相応しい仕事を選ぶことが個人の責任だろう。より良いものを欲するならば、より努力するしかない。政治にそれを期待するところから努力の方向が歪んでくる。ただ、政府にできることの一つに公務員やソーシャルワーカー(保育士・介護士など)の給与を上げて、企業を誘発することは必要だ。
 こと賃金になると、この責任は企業にある。それを政治に求める感覚が依頼心の象徴であり、その間違った方法を批判のための批判を化したメディアの悪行がある。労働者は賃上げは連合に丸投げして、連合は何もしない。それも当然で企業個々で業績が違う世の中だから、連合は何もできない。可哀そうだと言われる中小企業も大企業に依存しているから黙って働くしかない。望むのであれば個々の企業で労使が交渉し賃上げを目指すべきだ。人手不足の時代は業績に見合った賃金を提示しないと、企業間競争に負けてしまう。上がるも下がるも業績次第だから、上げるためには経営者・労働者が対処するしかない。それには気付いている筈だから、最初から政治に求めるのではなく、個々の企業に解決を求めることだ。

福島原発処理水の風評被害を煽る偽識者

 原発処理水の放出が地元漁民を脅かす風評被害が懸念されている。いまだに危険であると、風評をまき散らしているのは、メディアに登場する識者(?)と言われる輩だけである。
 コロナ禍の時を思い起こしてほしい。必要以上に世の中を混乱に陥れたのは誰であったか。連日、医療(コロナ)に知識もない識者(学者・ジャーナリスト・コメンテーター・芸人…)が、勉強もせず根拠のない発言を繰り返した。メディアは視聴率が稼げる恩恵に浴して、ますます根拠や展望などの知識もなく、ひたすら報道した。話を面白可笑しくするには政府批判は最高の手法だ。その点は野党も同様で、批判のための批判に始終した。そこには国(国民)を思う配慮も正義も関係なかった。
マイナ制度についても同様だ。デジタル化によって統合管理ができ、事務処理の効率が高まり生産性が上げるわけで、少子高齢化で人手不足の将来には欠かせない制度だ。自治体が活用し国民が利用すれば効果が上がる。これも短視眼的なメディアと識者が結託して、経済の解らないままパンの糧として反対をただただ煽っている。

 中国が誰が見ても支離滅裂の放出反対を固辞し日本産海産物の輸入禁止しているが、国民はそれに怒っている。国と国が争うには理不尽なことも在り得る悲しい現実だ。しかし、立憲民主党や共産党やメディアや識者がやっていることは、風評被害を煽って政府批判を目的にしている。風評が収まっては自分の立ち位置が失われるしかない。
 識者と言われる人に目立つのは勉強不足と、日本愛の無さだ。処理水についてどの様に検討がされたか、放出処理水の科学的根拠などについて小学生レベルの知識しか持たず、番組出演の役目を果たすために批判や嘘を平気で垂れ流す。これでは芸人と差異はない。同じ嘘を言うのであれば国を守るための嘘を言ったらどうか。
 魚介類の数年の短い一生で、今回の処理水で人体に影響を及ぼすほどの放射線が魚介類に蓄積されると思っている人は、もう一度小学生からやり直した方がいい。放出処理水より遥に高濃度の自然放射線でも魚介類は繁栄してきたし、人類も繫栄してきている。

少子化問題--〔14〕子供文化の崩壊と創造性の欠落

 成長は、不測の事態を経験し、それに対処する能力を身に着けることで達成される。分かり切ったことや経験済みの体験だけでは、成長どころか退歩する。引きこもりや不登校などで、外圧のない世界に閉じこもることは、成長にとっては最悪である。
 大人社会の環境で育てると、大人の都合が優先されて、子供は従順に飼い習わされる。自分の事しか考えられなくなった大人は子供から自立したいがために、命令し放置する。ゲームやスマホという便利な道具が出来たことは、子供の為でなく大人のためには絶大な道具となった。小さな子がネット環境を驚く能力で渡り歩くことを、自分の能力不足が、秀でた能力を持っているかの錯覚を与える。ネットを駆使する能力は、間違いなく必要な能力であることは疑わないが、それが受動的で創造力を涵養しないことを放置することに、その場しのぎの大人には無関心だ。
 何処の国にも〝鬼ごっこ〟・〝はないちもんめ〟・〝チャンバラごっこ〟のような素朴な子供の遊びがある。そこには敵対する物への対処法や正反対の仲間を作る方法がある。そして何よりも大切な自分では予期していない事態が発生することがあり、それに対応すべき能力を考えさせる場がある。
 スポーツには団体競技や一対一で競う競技や記録を競う競技がある。いずれにしても自分だけの都合では成り立たなく瞬時の対応をもとめられる。多くの仲間や遊び仲間があれば、競い合い向上を生む。
 ビジネスの世界は変革が激しい。一生の内に何回転職・職種変更を求められるかは分からない。終身雇用で過ごせた大人は、これから子供が置かれている社会環境が激変することを考えなくては、人生を全うしたことにならない。勉学も必要だが変わりゆく社会を渡り歩くために必要な適応力を身に着けさせなくてはならない。これまた子ども同士の遊びを通じて、ケースバイケースに応じて対処する能力を付けなくてはならない。
 小さいころから自分の城に閉じこもり、ひたすら勉学に励み社会に出る。身の回りに遊び相手がいないがために、怒りや矛盾や喜びを味わうことなく成長し社会に出る。そのような環境が国際社会基準を上回る人材になれる確率は低い。創造力は未知との遭遇がない限り創出できない。