少子化問題--〔1〕人間も動物である

 ルソーの言葉に「人間は考える葦である」がある。それは間違いである。「人間は考える動物である」べきだ。昨今の日本人は植物化が激しい。植物は自分だけで子孫を残せないが、動物は自分で子孫を残せる。植物も動物も子孫を残す努力を怠ることは無いが、唯一人間だけが怠っている。
 科学的事実として、生殖行為は減少の一途だし、精子数の減少は激しい。一回の射精での数が少ないから競争が減り、強い精子ができない。つまり軟弱な子供が生まれる。その原因究明は科学者に任せる。食品のインスタント化によって、化学物質を取り込んだ後遺症も間違いなかろう。
若者が性交活動を行う場を失って、訓練不足などで精子力が弱体化しているし、内に閉じこもって不活発な植物化をしている。植物はミツバチ(仲人)がいないと子孫を増やせない。動物は自分で行動し子孫を残す。日本人は狭い範囲に留まって、ミツバチを待っているが、悲しいことにミツバチが激減している。
 一握りの凶悪な行為により、性問題はますます圧迫される。取締りの緩和を求めている訳ではない。ただ無難を求める若者がますます閉じこもる。性犯罪者は動物を維持しているが、一般の多くは植物を知らぬうちに目指している。健全な動物として生きられる社会を総力を結集して築かなくてはならない。

中国人に世界の常識を知らせよう

 中国が団体客の訪日を許可した。インバウンドの恩恵を願うには良いことだが、今はただ金儲けだけの時代ではない。中国人を覚醒させる気概を日本人は持たなくてはならない。
 いつまでも自分の方が多くの汚染水を放出していることは棚に置いて、福島原発の処理水の放出に文句を付けている。核拡散防止条約(NPT)再検討会議も日本を支持しているが、中国は孤立しロシアと結託し質問書を出すしかできない寂しさだ。欧州各国が禁輸の解禁を行ているのに、ヤクザのインネンのように福島周辺の食品の輸入を禁じている。開いた口が閉じられないのは、東京・埼玉・長野で生産されたグミやチョコレートにまで今回輸入を禁じ没収した。最早、狂った何とかだ。せっかく訪れたのであれば、是非前述のチョコレートなど食べてみて欲しいものだ。土産に買って帰って、皆でおいしく食してみてはどうか。
怒っていてばかりでは大人げない。我々国民の仕事は訪れてくれた中国の人に、日本の良さは勿論、自分から率先して侵略する意思など持ち合わせない事や世界のスタンダードな考え方・行動はどのようなものであるかを味わってもらいたい。観光旅行ができる層であるから実感に乏しいであろうが、確実に中国の経済が低下していることぐらいは実感しているであろう。今中国は他国と争うことに血道をあげることではなく、国内を立て直さなくてはならない困難な時期に直面していることを解ってもらえたら、訪日の成果がより揚がるであろう。

 中国からの訪日客は今後増加するであろうが、余り本気で喜びすぎることはどうであろうか。のめりこみ過ぎないで、冷静に対処すべきだ。

土地の私有を求める共産主義者

 成田空港を利用する時、滑走路とターミナルを行き来する飛行機から奇異な風景を見る。ぽっかりと狭い空間が私有地として残っている。飛行機の往来には厄介な空間である。これが三里塚芝山連合空港反対同盟と4人の一坪所有者のものである。開港して半世紀、未だに解決していない土地問題。
 彼らは80歳前後の年齢を刻んでいる。若者としての正義感で反対闘争を行い、いつまでも主義主張を貫いていると自負している。やり方・道を変えれば前向きな社会貢献をすることもできたであろうに、むなしく人生を終えることになる。土地を国有化し市民に貸与することが旨の共産主義者が、土地を私有することに拘っている。
 一度始めたことは善悪に関係なく、やり続けなくてはならなくなることの悪いケースの一例だ。最早ことの善悪は関係なくなり、続けざるを得ない泥沼にはまっている。更に悪いことに、ここまでくると自分を美化する心理が働き人の言う事ばかりか、世の中に対する真理が狂ってしまう。
 ロシアのプーチンも欲望と正義心と恐怖から、ウクライナ侵攻を停止できない泥沼に陥ているが、根は三里塚闘争の様に些細な出来事を自分だけで大儀化しているだけだ。

前進しようとしない国民意識--マイナンバー制度

 岸田首相が保険証の廃止判断を先送りし、資格証明書を発行すると表明した。当初は24年秋に廃止としていたが、国民(?)の反対での対応である。政治家は国民に選挙という人質を取られている訳で、思う事ばかりできない宿命を持っている。人生で政治を貫こうとすると、朝令暮改をせざるを得ないこともある。メディアや国民はそれを利用して、政治を左右するが、昨今は政治ではなく批判や遊び心で偏向的利用が過ぎる。
 日本は経済で停滞し各国からも追いつき・追い越されいる。それは分野によっては先進国のみならず、途上国からも先越されている。その一つがデジタル技術の活用で、まともに生産性を直撃している。毎日、汗水して忙しく働いているがいつまでも生産性は上がらない。いまだにしなくてはならないことと、しなくても良いことが区別できない。チャットGPTなどの生成AIの言葉が流布して、ほのぼのと理解してきたが、AIに仕事を奪われるという恐怖心だけで、なんら対応行動が打てない。
 アメリカ・中国・韓国などは早くから国民番号を持っている。中国は厳格に統制され点数制度もあり悪用もしている。アメリカはいわゆる普通か。韓国は早くから利用し、トラブルも多いが国民はあまりそれを気にしない。日本で問題化した押捺をそれ以前から実施しスマホでの活用を早めている。インドは瞳孔登録などしてかなり進んでいて、そのシステムを途上国へ提供している。要するに、世界はつまらぬ作業をしないで効率的に運営でき、生産性を上げるための重複作業や複雑性を排除しつつあることだ。デジタルはこれまでのノウハウを持たない途上国を、一気に先端デジタル技術利用を可能にするし、アナログ思考から抜けきらない日本を置き去りにする。
 システムの変更にはトラブルが伴うものであり、それを乗り越えて初めて進歩する。やってみもせず机上の空論や偏見や既得権への固執などを理由に反対する。国民は変化することが嫌で怖いのだ。大半のメディアは反日で、進めようとする政策の中身ではなく、批判するために報道する。世界はどうこう言いながら、世界に取り残される報道で国民を騙す。マイナ制度のメリットを報道する番組を見たことがない。
 現行の保険証を残して並行して使えばいいなどと言う意見は、重複して混乱を増やすのみならず、現場を混乱させるだけで新しい社会に移行する必要を全く理解していない典型だ。マイナンバー制度も寛容に受け入れて、早期に完成させないと、現場は意味のない仕事を繰り返し、気が付けば取り残された浦島太郎になる。

子供文化の成熟度で差が付く団体競技

 女子サッカーW杯が開催中だ。日本はGS(グループステージ)を3戦3勝で突破した。決勝トーナメントでも活躍を期待する。中国・韓国は勝つこともなく敗退した。根性を売りにする韓国だが、男女とも成長に乏しいし、男子はむしろ衰退している。中国は当然のように敗退した。
 個人競技は、どこの国にも傑出した選手は生まれる可能性があるから、途上国からも出てくる。勿論、これまでの競技との関りの差と歴史でも差異が出る。サッカーに話を戻すと、強国は欧州・南米・アフリカなどに多く、アジアは全般的に弱い。アフリカは意外に見えるが持ち前の強靭な身体能力を生かした個人が欧州でもまれて自国に持ち帰ったことによる。アジアは経済的に貧困でスポーツへの投資段階でない国がほとんどだ。
 アジアの中で中国・日本・韓国は経済的には発展し、スポーツでの生業が可能になった国だ。オリンピックなどでのメダルの獲得数も結構多い。日本と中韓の違いは団体競技の成熟度だ。中韓の活躍は個人競技に特化している。日本は充分とは言えないまでも団体競技でも世界に後れ過ぎてはいない。
 日中韓共に長い歴史を持ち文化も持つ。国特有な俗にいう文化はさておき、子どもに対する文化の差は大きく反映される。3国はいずれも少子化の真っ最中だ。中国は〝一人っ子政策〟などにより子供文化を築くことなく、一気に高齢化社会に突入した。韓国は利己主義が強く急激な少子化を迎えたし、そこにも子供文化は開花しなかった。団体競技は子供文化が成熟しないと強くなれない。なぜなら、スポーツの多くは若者の競技だから。
 日本は比べれば、先行発展し十分と言えないが子供文化も育った。その結果が反映されている。しかし、現実は他人ごとではない。このまま進めば、目を覆いたくなるようなスポーツを見るしかなくなる可能性が高い。子供文化を支えると期待される若者が、期待に応えていない結果が少子化を生み自身の老後を自分で破壊する。

テーマにふさわっしいコメンテーターの起用を

 札幌で起きた親子3人による頭部切断の殺人事件は、異常性が感じられる事件であった。ホテルで頭部が切断され親子の自宅に持ち帰られていた。さらにそれを動画で撮影されたことは、異常性に輪をかけて、精神構造を疑う事態に発展した。
 ここで言いたいことは事件の事ではない。その報道とそれに対するコメンテーターの力量と合致性である。自称脳科学者と名乗ってコメンテーターとして出演する人がいる。今回の事件が殺人・切断・持ち帰りのみならず、その頭部の動画撮影となれば犯人の異常性は代表的な脳科学者の研究テーマである。その精神構造について、なんら研究成果もうかがえず意見も言えないコメンテーター。日頃から、日和見で周りの意見を利用しながら場を繕う姿が目立つコメンテーターであったが……。
 スポットにせよ、レギュラーにせよコメンテーターとして起用するのはテレビ局であり番組である。そこで話すのはテレビの責任だ。方言・愚言の責任を取るだけの問題ではない。常に起用したコメンテーターの言動をチェックして、視聴者に責任のある正しいコメントのできる人材を起用することが責務だ。

やっと韓国尹政権をフォローする気分に

韓国政府が原発トリチウムの排出量を発表した。韓国は214兆ベクレル、対して日本は175であった。久しぶりに科学的実体に基づく発表がされた。このようなことは左派「共に民主党」ではあり得ない。尹政権のまともさが覗える。
尹政権と日本は、徴用工問題の解決・シャトル外交の復活・GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の安定運用・輸出優遇措置の再開などを決めた。自衛隊機のレーダー照射問題は棚上げされたが、日本にとってはなんらメリットのないマックス100億ドルの通貨スワップ協定まで再開した。
日韓はお互いに友好と葛藤を持つ因縁の隣国だ。中国・北朝鮮・ロシアを考えると、地政学的にも重要な隣国だ。無意味に敵対するのは愚だある。日本にとって厄介な問題は、韓国に左派政権が生まれることである。深くかかわり過ぎる必要はない。左派政権が遠ざかれば、おのずと反日は遠のく。韓国には耳障りが悪いであろうが、色々な状況から判断すれば日本よりは衰退が速く激しいであろう。国の衰退は極左・極右政権を生みやすい。それは日本の望むところではない。ドライに考えて、韓国に中道右派の政権が生き残れるよう支援することは外交の常識である。

女性よ甘えるな

 自民党がフランス研修旅行を行った。その際、松川るい参議院議員がエッフェル塔の前でポーズをとっている写真が炎上した。オマケに子女を大使館に預けていたことも判明した。松川と言えば国会議員の中でも抜群の知名度と露出度を誇る論客でもある。ガードを固めることの難しさを改めて感じる。
 少し冷めた目で見てみる。世の中、研修旅行で観光を楽しむことは多いし、むしろせっかくの機会を利用することは、余裕を持ってみれば効果的なことだ。今回の旅行は自民党のプライベートだ。「国会議員は給料を国税から支給されている」と言うが、公務員も税金から給与をもらっている。後はこじつけて炎上するお決まりのパターンだ。
子育て支援は、国民も期待している。「子供を夫に託すことはできなかったのか」と批判する。確かに家族・親族が対応すればよいことだ。しかし、それが出来ない事情があるから、支援が議論される。
とは言っても、松川議員の行動には脇が甘いことや初心を忘れかけている点がある。女性が政界に進出することは、苦労が伴う。しかし、国民は進出を望んでいる(?)。ならば、国民は女性議員に寛容であれとは言わないが、SNS時代特有の〝楽しみ〟気分で、大志を持った女性を些細なことで排斥してはならない。女性は女性で、自由と平等を訴えるのであれば、責任を持った仕事をしなくてはならない。

ビッグモーターが暴き出す、損保のカルテル

 ビッグモーターによる修理の偽装・不正保険請求・会社前の植木の破損など、普通ではあり得ないような犯罪が発覚した。国土交通省や金融庁が立ち入り検査に入った。
 中古車業界は、乱立乱売で先行きの市場の不安も相まって不安定だ。その中で一代で築き上げたエネルギーは、今の日本に求められることである。しかし、一定規模まで成長すると転換期を迎えるのが常である。確かな戦略によって、それを乗り切るすべを持って欲しい。
 先般、電力企業によるカルテルが発覚した。あれほど寡占化した独占企業がもがく姿は、今後のエネルギー転換の難しさを見るようである。電力業界は発電の部門は自由化されて、活性化の余地は儲けられている(中国企業に侵食されつつあるのは残念であるが)。国を含め国家のインフラを維持する戦略が必要だ。
 今回は損保業界のカルテルである。損保同士のカルテルも問題であるが、もっと悪質なのは企業と損保会社の癒着である。ビッグモーター問題にも損保会社との暗黙の了解で、保険の水増しが行われていた。そのしわ寄せは国民の保険料に跳ね返っている。そこには拡大再生産の現場は無く、ただ単にバブルの取引が行われていたに過ぎない。
 難しくなる経済の中で、先細るパイを争って安易な不当競争が増えいく。自分は留まり周囲を狙って、安易な方法で生き残ろうとする時代錯誤の発想が蔓延る日本になった。なんら戦略がなく、目の前の事しか考え対応するしかない、夢のない企業の多いことか。グローバル化と言われて久しいが、増々ローカル化している。

アフリカ諸国の行動を求める

 ニジェールで軍部によるクーデターが起きた。ニジェールはアフリカのサハラ砂漠の南を横断するサヘル地域の国である。既に西隣国のブルキナファソやマリでは軍事政権が誕生している。ギニア湾岸諸国で構成するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体・15国)は、大統領を開放しなければ武力攻撃も辞さないと抗議(軍政3国も加盟している)。ブルキナファソ・マリはニジェールへの侵攻は我々への攻撃とみなすなどと、馬鹿げたことを言っている。これら3国はいずれもフランスの植民地だった。軍に先導された住民がフランス施設を破壊した。今では深くは関与していない旧宗主国フランスを攻撃して何になるのか。
 ブルキナファソ・マリの軍部にはロシアが関与している。ニジェールのクーデターにロシアが関与したことは確実だ。ロシアはワグネルに関与させ、これらの国の資源利権を狙っていることは明らかだ。プーチンがクーデターを起こしたワグネルのブリゴジンを処分できないのは、この利権にある。ニジェールの東隣国チャドも旧フランス領であった。ロシアの食指が動くことは充分想像できる。
 簡単に行政権が動き軍政に移行するのは、貧しさの表れだ。とかく貧しさは甘言になびいて身売りをする。アフリカはその象徴で、既に中国の甘言(一帯一路)に篭絡され資源利権を奪われ、増々貧しくなっている。ロシアはウクライナの穀物戦略で、自国の穀物輸出で奪おうとしている。それを武器に中国に負けじとアフリカ進出を行っている。その甘言に騙された国も多々ある。
 軍政を敷くのは民主主義の市民の成長が出来ていないからだ。昨今、軍政に逆戻りする国も多い。民主主義は経済というバックボーンが出来ていないと壊れやす。強権的な独裁・軍政は統治はし易いが、成長をストップしかえって混乱を生む。そこに利権や影響力をねっらた国が近づく。その代表が中国でありロシアである。西欧諸国もそうするが、民主主義国は覇権主義国の様に利己的過ぎはしない。
 アフリカ諸国よ。自分たちの身の丈に合った生活から始め、賢明になり先進国に追いつく道を模索して欲しい。