時事用語

時事用語解説  

ヤングケアラー
年齢に見合った手伝いの範囲を超え、本来は大人が担うべき家事や家族の世話を日常的にしている子どもを指す。病気や障害がある家族の介護・介助のほか、幼いきょうだいの世話、日本語が話せない家族の通訳、アルコール問題を抱える家族の対応、家計を支えるためのアルバイトなど負担は多岐にわたる。学業や友人関係に支障が出たり、健康状態に影響したりすることが懸念される。

自民党の若手議員教育
自民党の国会議員は当選回数を重ねながら、政策や国会・党運営の経験を積み、副大臣や閣僚を目指していく。現職が330人近くいる中、派閥は数十人から100人程度の規模。元々議員を囲い込む仕組みでもあり、先輩が後輩に経験則を伝え、有用な人材を見いだす教育機能を果たしてきた。無派閥の場合は、派閥パーティ券販売のような義務は課されないが、人事などのバックアップもない。当選同期や議員連盟など横のつながりで情報を得ている。

自民党派閥の裏金事件
自民党の派閥で、議員側かパ上アイー券の販売ノルマを超えて集めた分を政治資金収支報告書に記載していなかったとされる事件。東京地検特搜部は1月、安倍派から還流を受けた国会議員3人を含む計10人を立件。二階、岸田両派の元会計責任者らも含まれる。自民は新設の政治刷新本部で改革に向けた中間報告をまとめ、政治資金規正法改正などの作業に着手。全所属議員アンケートや不記載議員らへの聞き取り調査も実施した。

政治倫理審査会
ロッキード事件を契機として1985年に衆参両院に設置された。証人喚問と異なり、発言は偽証罪に問われない。衆院の定数は25人で、本人の申し出か、委員の3分の1以上の申し立てと過半数の賛成で開かれる。96年以来、計8人の審査が行われた。出席に強制力はなく、原則非公開。

成年後見制度
認知症や知的・精神障害などで判断能力が十分ではない大を弁護士や司法書士、福祉関係者、親族らが後見人となって支援する制度。特定の人の法的行為を制限する明治以来の禁治産・準禁治産制度を廃止し、2000年に導入された。後見人は本人に代わって預貯金の管理や福祉サービスの利用手続きをしたり、契約を取り消したりできる包括的な代理権があり、日常生活の見守りを担うこともある。本人や家族らが利用を申し立て、家裁が後見入を選定する。

災害関連死
地震による建物の倒壊や津波、洪水が原因で亡くなる「直接死」とは別に、避難生活の疲労や環境変化のストレスなどから体調が悪化して亡くなり、災害が原因と認められるもの。自殺も含まれる。市町村が審査委員会などを設けて審査。災害と死亡の因果関係が認定されれば、災害弔慰金支給法に基づき生計維持者を亡くした遺族に500万円、生計維持者以外を亡くした遺族に250万円が支給される。遺族の申請が必要なため、実際は認定数以上の死者がいるとの指摘がある。

第5世代(5G)移動通信システム
携帯電話などに使われる通信方式の規格で、2020年に国内サービスが始まった。従来の第4世代(4G)に比べ最高通信速度は約100倍で、動画など大容量のデータを短時間でダウンロードできるパ通信の遅れが少ないため、ロボットの遠隔操作や自動運転など、幅広い分野での活用も期待されている。

乾式貯蔵
燃料プールで冷却した原発の使用済み核燃料を金属製の専用容器(キャスク)に密封し、空気の自然対流によって冷却する方法。使い終わったばかりの燃料は発熱量が非常に大きく、プールで水を循環させながら冷やす「湿式」の後、乾式に移行する。湿式と異なり、水や電気を使用せずに保管でき、維持管理が比較的しやすいとされている。東京電力福島第1原発や日本原子力発電東海第2原発(茨城県)で導入実績がある。

セキュリティー・クリアランス
安全保障に関する機密情報へのアクセス権限を有資格者に限定する制度。「適性評価」と呼ばれる。政府が身辺調査などを基に申請者に資格を与えるかどうか判断する。先進7力国(G7)で整備が進み、日本では2014年施行の特定秘密保護法で規定された。ただ経済安全保障分野の情報は対象になっておらず、政府、与党が整備を急いでいる

国際IPVPN
インターネットの回線を使わず、徳儼を暗号化して送受信する仮想専用線システム。VPN(仮想専用線)がネット回線を使うのに対し、日本と海外の拠点を通信会社の回線を借りてつなぐ。ネット回線から遮断されているため、不正アクセスは困難で安全性が高いとされる。VPNと比べて回線を借りる料金が必要で。コストが高い。

物流の2024年問題
トラック運転手の残業上限を年960時間とする規制が4月から始まることで、輸送力の低下が懸念される問題。労働環境の改善につながるとの期待がある一方、配送が遅れたり、送料が高騰したりする恐れがある。国土父通省によると、1運行当たり平均3時間超を荷待ちや荷物の積み降ろしなどが占めていた。運転手の負担軽減と作業効率化のため、政府は2時間以内に短縮するよう業界に求めている。

ツルハホールディングス
1929年に創業した北海道発祥のドラッグストア大手。全国に2637店舗を展開している。傘下にツルハ(札幌市)やくすりの福太郎(千葉県鎌ケ谷市)、杏林堂薬局(浜松市)、ビー・アンド・ディー(愛知県春日井市)、ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本(広島市西区)、シティ薬局(松山市)、ドラッグイレブン(福岡県大野城市)などがある。2023年5月期連結決算は売上高が前期比5.9%増の9700億円、純利益は18.1%増の252億円だった。

有機フツ素化合物(PFAS)
水や油をはじき、熱に強い特性があり、フライパンのコーティングや泡消火剤など幅広く使われてきた。極めて分解されにくく環境中に出ると長期間残留し、野生の生物や人の体内に蓄積する。国内各地の河川などで検出されている。大が生涯にわたり毎日摂取しても健康への悪影響がないとされる許容量(耐容一日摂取量)は、日本ではこれまで海外の動物実験による毒性評価を基に、体重1%当たり20ナノグラム(ナノは10億分の1)とされている。

指定野菜
国が指定した安定供給の為に指定する。国の需給ガイドラインに沿って、農業協同組合(JA)など出荷団体が供給計画を立てる。14品目(キャベツ、キュウリ、サトイモ、ダイコン、tpマト、ナス、ニンジン、ネギ、ハクサイ、ピーマン、レタス、タマネギ、ジャガイモ、ホウレンソウ、ブロッコリー)

特定少年 2022年4月1日施行の改正少年法で、特例規定が適用されるようになった18、19歳を指す。改正民法による成人年齢の引き下げに伴う措置で、少年法の適用対象である一方、刑事裁判となった場合に大人と同じ扱いにして厳罰化を図った。家裁が検察官に原則として送致(逆送)する対象が拡大され、従来の殺人や傷害致死などのほか、強盗や強制性交といった罪が追加された。有期刑となる場合、20歳以上と同様に最長30年の定期刑が言い渡される。起訴された場合、名前や住所、顔写真など本人を推定する報道(推知報道)が可能となった。

政党交付金 自民160億円、立憲68億円、維新34億円、公明29億円、国民民主11億円、れいわ6億円、社民2億円、参政2億円、教育無償化1億円(24年度総計318億円)

区分所有法 分譲マンションや団地など、棟の中に構造上独立した部屋がある建物に関し、各部屋の「区分所有」の権利関係や、修繕・建て替え要件など管理の基本ルールを定める。マンション増加を背景に1963年に施行され、改正が重ねられてきた。大規模災害で被災した建物の再生には、95年の阪神大震災を機に制定された「被災マンション法」が適用される。建て替えに関する法規定は他に、耐震性に問題がある場合の「マンション建て替え円滑化法」などがある。

フーシ派 イエメンのイスラム教シーア派の一派であるサイド派の復興を目指し、教育や文化的活動を行っていた「信仰する若者」という組織を起源とする反米の武装組織。。シーア派の地域大国イランの支援を受け、イエメン北部を支配している。フーシ派は2004年から政府軍と断続的に戦闘を繰り広げ、15年に首都サヌアを制圧。イエメンの暫定政権の要請を受け隣国サウジアラビアが空爆を始め、内戦に陥った。イエメンは中東の最貧国で、暫定政権を支援するサウジと、フーシ派を支えるイランの代理戦争を展開してきた。

ナンバー1(1番目) 管制官が離陸を待つ航空機のパイロットに順番を伝える表現。正式な管制用語ではない。国土交通省は航空会社側からの求めに応じて情報提供していると説明。伝達は義務ではないが一般的な対応としている。着陸待ちの機体にも同様の表現で順番を伝えている。滑走路の使用を巡り、離陸と着陸のナンバー1のどちらが優先されるのかは決まりがなく、管制官が状況に応じて判断する。

航空管制官 航空機が安全に飛行できるよう、パイロットと無線で連絡を取り合いながら、離着陸の許可など空の交通整理を担う。航空法施行規則などを根拠とし、航空機側への指示や連絡といった国土交通相が持つ権限を職務とする。「飛行場管制業務」は各空港にある管制塔から離着陸の許可や空港内の走行経路を指示。「ターミナルーレーダー管制業務」はレーダーで航空機を捉え、離着陸機の間隔を安全に保ったり、順番を調整したりする。

安否不明者と行方不明者
内閣府の指針では、災害時の安否不明者を「行方不明者となる疑いのある者」と説明。行方不明者については「災害が原因で所在不明となり、かつ、死亡の疑いのある者」としている。安否不明者は一般的に災害に巻き込まれた可能性があり、連絡が取れない人を指すが、後に無事が確認される場合も多い。

認知症
さまざまな脳の病気で神経細胞の働きが悪くなって認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態。発症者の7割近くを占めるアルツハイマー型では異常なタンパク質が脳に蓄積し、物忘れや判断力の衰えといった症状が現れる。ほかに脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型などがある。厚生労働省によると、推計で25年には65歳以上の約5人に1人、40年には約4人に1人にまで増える可能性がある。65歳未満で発症する若年性患者もいて、就労継続などが課題となっている。

政治資金パーティー
政治家や政治団体が活動資金を得るために開くイベント。政治資金規正法は収入から経費を差し引いた残額を政治活動に充てることを認めている。1回で20万円を超す支払いを同一の個人や法人などから受けた場合は、政治資金収支報告書に支払った側の名前や住所が記載される。1回で1千万円以上の収入がある場合は「特定パーティー」と呼ばれ、開催日や収入額などの記載義務がある。自民党派閥の場合、1回で1億円以上を集めるケースもある。

大川原化工機事件
警視庁公安部が2020年3月~同年5月、噴霧乾燥装置を中国と韓国に不正輸出したとする外為法違反容疑で、機械製造会社「大川原化工機」の大川原正明社長ら3人を逮捕した。社長らは同法違反罪などで起訴された後、東京地検が初公判直前の21年7月、犯罪に当たるかどうか疑義が生じたとして起訴を取り消した。社長らに対しては東京地裁が21年12月、「無罪の裁判を受けるべきだと認められる十分な理由がある」として、1年近くに及んだ身柄拘束への刑事補償の支払いを決定した。

アルテミス計画
1969~72年に12人の飛行士を月面着陸させたアポロ計画に続く有人月探査計画。米国主導で日本や欧州などが参加。月を周回する宇宙基地「ゲートウエー」を建設し、月面に物資を運んで滞在拠点などを展開、人類の月での持続的な活動を目指す。女性と非白人の飛行士を初めて送り込む。月を足掛かりに、2040年には火星の有人探査を実現させる狙いもある。アルテミスはギリシヤ神話に登場する月の女神で、太陽の神アポロンとは双子。

能動的サイバー防御
サイバー攻撃の被害を防ぐため、先手を打って相手側のサーバーに侵入し無害化を図る対応。「アクティブ・サイバー・ディフェンス」とも呼ばれる。昨年策定の国家安全保障戦略に、サイバー対応力を欧米と同等以上に高めるとして、導入に向けた体制整備を明記。検討項目として①民間企業がサイバー攻撃を受けた際の情報共有②悪用が疑われるサーバーを検知するための情報活用③相手側サーバーヘの侵入や無害化を可能にする政府への権限付与―を挙げた。

ダイハツの認証不正
ダイハツ工業が車に不正な加工を施し安全性の試験を実施するなどして、大量生産に必要な「型式指定」認証を国内外の関係機関に申請していた問題。ダイハツは内部通報で把握し、4月に公表。原因究明のために第三者委員会を設置した。第三者委は今月20日、トヨタ自動車やマツダ、SUBARU(スバル)のブランド名で生産している車種を含め、64車種で不正があったとする報告書を公表した。

オーバードーズ(OD)
市販薬の過剰摂取。薬局やドラッグストアで販売している風邪薬やせき止めなどを大量に服用することです。一時的な高揚感や多幸感が得られることがあり、意識障害や錯乱を引き起こし命に関わる危険もある。依存の問題が指摘されている。

防衛装備移転三原則
安倍政権下の2014年に閣議決定された防衛装備品の輸出や供与に関するルール。以前の禁輸政策を撤廃し①移転を禁止する場合の明確化②認める場合の限定と厳格審査③目的外使用や第三国移転の事前同意義務-を掲げた。運用指針に、移転を認める具体的な要件や審査の手続きを定めた。

USスチール
1901年に設立された米国を代表する鉄鋼メーカー。東部ペンシルベニア州ピッツバーグに本社を置く。かつては米国で圧倒的なシェアを誇り、超高層ビルや橋脚などインフラ構築を支え、20世紀前半の米国の鉄鋼業界をけん引し。年間の粗鋼生産能力は2千万トン規模で、米国各地のほか欧州にも生産拠点を持つ。2022年12月期の売上高は210億6500万ドル(約3兆円)、純利益は25億2400万ドル。

アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)
英語表記の「Asia Zero Emisslon Community」の頭文字を取った。日本、ミャンマーを除く東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国、オーストラリアの計11ヵ国で構成する脱炭素の連携枠組み。岸田文雄首相が2022年1月の施政方針演説で「水素やアンモニアなど日本の技術を生かしてアジアの脱炭素化に貢献する」として提唱した。

介護保険
40歳以上が保険料を支払い、原則65歳以上の要介護認定を受けた人が、食事や入浴の介助、リハビリなどのサービスを受け1~3割を自己負担する。市町村が運営主体。財源は保険料と自己負担のほか、国と地方の公費で賄う。40~64歳の保険料は毎年度改定され、加入する公的医療保険を通じて徴収される。65歳以上の保険料は3年に1度見直され、原則年金から天引きされる。

政府のAIガイドライン
人工知能(AI)の開発や利用をする企業や団体に対し示す指針。対話型AI「チャットGPT」などの生成AIの性能が向上し、社会に急速に普及していることを考慮し、総務省と経済産業省が事業主体に合わせて策定していた既存のAI指針を再編し、新しい指針を作ることにした。政府の有識者会議「AI戦略会議」で議論している。

防衛費
自衛隊の人件費や装備品の購入費など防衛に関する国の経費。在日米軍の再編関連経費も含む。高額装備品の購入拡大により年々膨らんできた。さらに政府は昨年12月、2023年度から5年間で総額約43兆円を投じて防衛力を抜本的に強化する方針を決定。23年度は22年度当初予算比で1.26倍の6兆8219億円と大幅に増額された。27年度には防衛関連の研究開発と公共インフラ整備、サイバー、国際協力の4経費と合わせ、国内総生産(GDP)比2%とする方針。

物流の2024年問題
ドラック運転手らの残業規制を強化する労働基準法が24年4月から適用され、国全体の輸送能力が低下すると懸念される問題。インターネット通販市場が拡大し運ぶ荷物が増える一方で、低賃金や高齢化により担い手不足は深刻化。規制は労働環境の改善につながるものの、1人の運転手が運べる荷物が減り、配送遅れや送料高騰の可能性がある。政府は各種対策を検討しており、再配達を半減させるため、玄関前に荷物を置く「置き配」を選んだ人に通販などで使えるポイントを付与する実証事業を行う方針を示している。

東南アジア諸国連合(ASEAN)
東南アジア諸国でつくる地域協力機構。1967年にタイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポールの5カ国で創設。その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが加入し現在は10力国。東ティモールは将来的な加盟を控える。日本との交流は73年に合成ゴムに関する閣僚級会合で開始。77年には日本とASEANの首脳会議が初開催された。特別首脳会議は2003年に始まり、10年ごとに開かれている。

防衛費
自衛隊の人件費や装備品の購入費など防衛に関する国の経費。在日米軍の再編関連経費も含む。高額装備品の購入拡大により年々膨らんできた。さらに政府は2022年12月、2023年度から5年間で総額約43兆円を投じて防衛力を抜本的に強化する方針を決定。23年度は22年度当初予算比で1.26倍の6兆829億円と大幅に増額された。27年度には防衛関連の研究開発と公共インフラ整備、サイバー、国際協力の4経費と合わせ、国内総生産(GDP)比2%とする方針だ。

政府のAIガイドライン
人工知能(AI)の開発や利用をする企業や団体に対し示す指針。対話型AI「チャットGPT」などの生成AIの性能が向上し、社会に急速に普及していることを考慮し、総務省と経済産業省が事業主体に合わせて策定していた既存のAI指針を再編し、新しい指針を作ることにした。政府の有識者会議「AI戦略会議」で議論している。

EU加盟
欧州連合(EU)加盟の可能性があると認められた候補国はEUとの交渉を経て、正式に加盟を認められる。民主主義や法の支配が保証されているか、市場経済が成熟しているかなどの基準を満たす必要がある。ハードルは高く、加盟までは通常長い年月がかかる。最新の加盟国クロアチアは2004年に候補国となり、13年に加盟が実現した。ウクライナとモルドバのほかに、トルコ、セルビア、モンテネグロなど5カ国が加盟候補国と認定されている。

診療報酬改定
患者が公的医療保険を使って医療サービスを受けた際に、病院や薬局に支払われる公定価格「診療報酬」を見直すこと。原則2年に1回行う。政府による年末の予算編成で決定する。医師や薬剤師らの技術料や人件費に当たる 「本体」部分と、薬などの価苞「薬価」から成る。手術や検査など個別に単価が設定されている。

次期戦闘機
 日本、英国、イタリアが2022年12月、共同開発に合意した新たな戦闘機のこと。開発計画は「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」と呼ばれ、2035年度までの完了と配備開始を目指す。共同開発は3カ国の技術を結集し、コストやリスクを減らすのが狙い。新たな戦い方を実現するため、無人機と連携したネットワーク戦闘や高性能なセンサー搭載、ステルス性を重視している。

政治資金パーティー
 政治家や政治団体が活動資金を得るために開くイベント。政治資金規正法は、収入から経費を差し引いた残額を政治活動に充てることを認めている。安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡っては、松野博一官房長官や高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長ら所属議員数10人が販売ノルマ超過分のキックバック(還流)を受けていた疑いが浮上。派閥側、議員側双方の政治資金収支報告書に記載がなく、東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで捜査を進めている。

農地所有適格法人
農業を営む農業法人のうち農地を所有できる法人。2022年1月1日時点の農地所有適格法人数は2万750。現行制度では、農家や農協など農業関係者以外の出資(議決権)割合は「50%未満」という上限が定められ、農業関係者が経営権を握る形態となっている。上限は16年施行の改正農地法で従来の「25%以下」から引き上げられた。他に主たる事業が農業であることや、復貝構成に関する要件などがある。

パワー半導体
電流の直流と交流の変換や、電圧の調整などに使う半導体。モーターの回転を高精度に制御したり、太陽電池で発電した電気を送ったりする際に欠かせない。電気自動車(EV)や電車、家電製品に幅広く使われる。主な材料はシリコンだったが、電子機器の小型化や高効率化につながるとして、炭化ケイ素や窒化ガリウムの活用が広かっている。2022年、1:インフィニオンテクノロジーズ(独・21.4)、2:オンセミ(米・10.1)、3:STマイクロエレクトロニクス(スイス・8.5)、4:三菱電機(5.2)、5:富士電機(4.7)

政治資金規正法
政治活動の公正性を確保する目的で1948年に施行された法律。個人や法人による献金の上限を設けているほか、外国法人や他人名義による献金も原則禁止とするなど、政治団体への寄付についてのルールを細かく規定する。20万円を超えるパーティー券を購入した個人や団体、金額を政治資金収支報告書に記載するよう定める。虚偽記入や不記載には、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金が科せられる。

政治資金パーティー
政治家や政治団体が活動資金を得るために開くイベント。政治資金規正法は集めた金額から経費を差し引いた残額を政治活動に充てることを認めている。1回のパーティーで20万円を超す支払いを受けた場合は、政治資金収支報告書に支払った側の名前や住所が記載される。―度で1千万円以上の収入があるものは「特定パーティー」と呼ばれ、開催日や収入額などの記載義務がある。

仮釈放
懲役や禁錮の受刑者に改悛(かいしゅん)の情がある場合に、刑期の満了前に釈放する制度。更生と円滑な社会復帰を図るのが目的で、法務省の機関である地方更生保護委員会が、刑務所での生活状況や仮釈放後の受け入れ環境などを審理し、仮釈放の可否を決める。有期刑の場合は刑期の3分の1、無期刑は10年を経過していることが条件。仮釈放後は刑期満了日まで保護観察に付され、面接などの順守事項を破れば再収監されることもある。

MMX
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める、無人探査機を使って火星の衛星フォボスから岩石試料を回収するミッション。英語の「Martian(火星の) Moons(衛星) exploration(探査)」の略称。火星衛星の起源や太陽系における水や有機物の由来に迫るとともに、火星圈へ到達した後に地球へ帰還する技術の確立も目指す。サンプルリターンと呼ばれるこの分野では、日本は探査機「はやぷさ2」で小惑星からの試料持ち帰りに成功し、世界をリードしている。

北朝鮮の「衛星」打ち上げ
北朝鮮は「人工衛星」打ち上げと称する発射を過去7回行った。1998年、運搬ロケット 「白頭山1号」で衛星「光明星1号」を、2009年には「銀河2号」で「光明星2号」を打ち上げたが、軌道投入は確認されなかった。12年4月には「銀河3号」で「光明星3号」を打ち上げたものの空中爆発。同年12月の「光明星3号2号機」、16年の「光明星4号」打ち上げでは物体を軌道に投入した。2023年5月と8月に新型運搬ロケット「千里馬1型」で軍事偵察衛星「万里鏡1号」を打ち上げたが、いずれも失敗した。

核兵器禁止条約
核兵器の開発や製造、使用などを違法化した初の国際条約で2021年1月発効。前文で被爆者の苦しみや核兵器廃絶への努力に触れる。オーストラリアやメキシコなど核兵器非保有国が核軍縮の停滞などを踏まえて制定を主導。これまで93力国・地域が署名、69力国・地域が批准した。

日本のウクライナ支援
武器輸出に制約がある日本は、復旧・復興面でのウクライナ支援に力を入れている。地雷除去や東日本大震災の経験を生かしたがれき処理のほか、電力インフラが壊滅的な被害を受けた昨冬にはポータブル電源を供与。6月に起きた南部カホフカ水力発電所の巨大ダム決壊の被災地域には緊急用発電機を提供した。日本は2024年2月、両国政府や民間企業の関係者を集めた「日ウクライナ経済復興推進会議」を日本で開催し、支援策を打ち出す。

国の基金
国が複数年にわたって事業を行うために積み立てる資金。独立行政法人や公益法人が基金の運営主体となって補助金などを拠出する。政府は各年度の必要額をあらかじめ見込むのが難しいといった特段の事情のある事業について、基金で対応すると説明している。貿易協定や経済安・全保障、気候変動といった中長期的な政策で活用されるケースが多い。所管する府省庁ごとに基金の収支や残高、事業の状況を毎年公表している。

政治資金規正法
政治活動の公正性を確保する目的で1948年に施行。国からの補助金の交付決定を受けた企業について1年間の寄付を禁じたり、個人による寄付の上限を設けたりするなど、政治団体への寄付についてのルールを細かく規定する。20万円を超えるパーティー券を購入した個人や団体、金額を政治資金収支報告書に記載するよう定める。虚偽記入や不記載には、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金が科せられる。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)
日本や米国、中国など太平洋を囲む21の国・地域が参加する経済協力の枠組み。持続可能な成長に向け、貿易・投資の自由化や円滑化、地域経済統合の推進などを議論する。 1989年に閣僚会議が始まり、93年に首脳会議が開始。加盟国・地域の国内総生産(GDP)の合計は世界全体の約6割、貿易量は約5割を占める。取り組みは自主的で、拘束力はない。

IPEF
米国が主導する新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」。日米韓やオーストラリア、東南アジア諸国などインド太平洋堽域の計14力国が参加し、経済的なつながりを深める枠組み。略称は英語の頭文字をとって「IPEF(アイペフ)」と呼ばれる。バイデン米大統領が2021年10月に提唱し、22年5月に発足した。環太平洋連携協定(TPP)を離脱した米国が、巨大経済圏構想「一帯一路」などで影響力を増す中国への対抗軸を示す狙いがある。

法定外普通税
自治体が条例に基づき独自に新設できる税金「法定外税」のうち、使い道を定めずに徴収する税。原発立地自治体が事業者に課す核燃料税や、静岡県熱海市の別荘等所有税、大阪府泉佐野市の空港連絡橋利用税などがある。 2021年度の税収は約500億円で、新設するには総務相の同意が必要となる。法定外税のうち、使い道をあらかじめ特定する場合は「法定外目的税よと呼ばれ、産業廃棄物税や宿泊税などの事例がある。

AYA世代のがん
思春期・若年世代に当たる15~39歳でかかるがんを指す。大人では頻度の低いがんや血液がんが多い小児がんと、大人でかかるがんの両方の種類があり、年代にようて傾向が異なる。進学や就職と重なることから、通学や就労支援が求められるほか、後遺症などを長期的に見守る体制の整備や、治療終了後に子どもが持てる可能性を残す治療の提供が課題。

世界貿易機関(WTO)
国家間の貿易規則を取り上げる唯一の国際機関。関税貿易一般協定(ガット)に代わって1995年に発足し、164カ国・地域が加盟している。本部はスイス・ジユネーブ。通商ルール策定では、2001年から始まった新多角的貿易交渉(ドーバーラウンド)が事実上頓挫。紛争処理もまひするなど、機能不全が目立つ。

訪日客
海外から日本を訪れる外国人。2003年に小泉純一郎首相(当時)が「年間約500万人を10年に倍増させる」と表明し、観光立国の取り組みが本格化した。格安航空会社(LCC)の台頭などを追い風に、16年に初めて2千万人台に乗せ、19年は最多となる3188万人を記録。だが新型コロナウイルスの影響で20年は412万人、21年は25万人まで減った。22年は水際緩和により383万人まで回復した。政府は25年に3188万人を更新する新目標を掲げている。

日英伊の次期戦闘機開発
日本、英国、イタリアは2022年12月、新戦闘機の共同開発で首脳間合意した。「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」と呼ばれる。3カ国の技術を結集し、コストやリスクを分担する狙い。米国も取り組みを支持している。日本は航空自衛隊のF2戦闘機約90機、英国とイタリアは戦闘機ユーロファイターの後継と位置付ける。新たな戦い方を実現するため、無人機と連携したネットワーク戦闘や、高性能なセンサー搭載、ステルス性を重視している。

IOWN
NTTが開発している次世代の高速通信技術。英語の「Innovative Optical and Wilreless Network(革新的な光および無線通信)」の頭文字を取り「アイオン」と読む。光信号のままデータ処理することで伝送の遅延を減らせるのが特徴。ゲジタル化社会でのデータ需要の増大を見据え、2030年代の世界的な普及を想定。欧米を含む国内外の有力企業とも協力している

UDタクシー
高齢者や子ども、障害者も利用しやすく設計したタクシーで、UDはUniversal Designの頭文字。予約が必要な福祉タクシーと異なり、流しなど気軽な利用を想定する。国土交通省によると、2022年3月時点で全国のタクシーの16.9%に当たる3万台近くが導入された。国は25年度末までに各都道府県で総車両数の25%にする目標を掲げている。

安全保障関連3文書
政府が2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略と国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書。対象期聞はいずれも10年。反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を明記し、2023年度から55年間に必要な防衛費を43兆円程度と記載した。南西地域などの空港や港湾の整備・拡充や、自衛隊による民間施設の利用範囲の拡大も盛り込まれた。

出力制御
電気は需給バランスが崩れると周波数が乱れて大規模停電を招く恐れがある。このため晴天が続き太陽光の発電量が増えて需要を上回る場合などに、送配電事業者の大手電力が指示し、発電事業者が発電量を抑制する。火力発電の稼働を一定程度に抑制したり、他地域へ送電したりしても余剰電力を解消できない場合に再生可能エネルギーの太陽光、風力の出力を制御する。気象条件が良く、太陽光の導入が進んだ九州で2018年に初めて実施された。出力調整が難しい原発や水力、地熱は抑制の順番が最後になる。

MBO
経営陣による自社買収で「マネジメントーバイアウト」の略。会社の経営陣が自社の株式を他の株主から買い取ること。株主に還元できる利益を上げられないなど、株式公開のメリットが薄れた上場会社が自ら株式を非公開とするための手段などで用いる。経営の自由度が高くなり、敵対的買収のリスクを避ける効果を期待できる半面、株主による経営監視が甘くなる弊害も指摘される。

フィッシング
金融機関などに成り済まして電子メールやショートメッセージを送り付け、正規のものに酷似したウェブサイトに接続させてIDやパスワードを詐取する行為。英語で「Phishing」とつづり、魚釣りを意味する「Fishing.」と、洗練されたという意味の「Sophisticated」をかけた造語とされる。手口が巧妙化しており、盗んだ情報を基にインターネットバンキング利用者の預金が別口座に不正送金される事件も急増している。

衆院解散
衆院議員の任期4年が満了する前に、議員の地位を失わせること。憲法7条は「内閣の助言と承認」を受けた天皇の国事行為と定める。実際は首相が判断するため「首相の専権事項」「伝家の宝刀」などと呼ばれる。ただ、首相が政権に有利なタイミングで恣意(しい)的に解散できるとして問題視する意見がある。これとは別に憲法69条は、衆院で不信任決議案が可決された内閣は解散か総辞職を選ばなければならないと規定する。解散の日から40日以内に衆院選が行われる。

加速器
電子や陽子などの粒子を光速近くまで加速させる装置で、宇宙誕生時の高エネルギー状態を再現する。欧州合同原子核研究所の円形加速器(LHC、全周27km)は2012年に万物に重さを与えるヒッグス粒子の存在を確かめた。各地で計画される次世代の加速器はこの粒子をたくさん作り出し、性質を解明する「ヒッグスファクトリー」の役割が期待されている。

IPEF
米国主導の新たな経済圏構想「lndo-Pacific Economic Framework(インド太平洋経済枠組み)」の略称で、アイペフと呼ばれる。2022年5月に発足。バイデン米大統領は対中国を念頭に「21世紀の競争を共に勝ち抜く」と強調した。日米韓やオーストラリア、東南アジア諸国などインド太平洋地域の計14力国が参加する。

供託
金銭などを直接支払うのではなく、いったん国の機関に預け、受け取る権利のある人に渡す制度。法令で供託が義務付けられている場合などに限って活用できる。代表的なのは家賃の金額に争いがあって家主が賃料を受け取らないケースで、賃借人は賃料を供託することで家賃を支払ったのと同じ効果を得られる。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、元信者らへの補償が必要になった場合の原資として最大100億円を国に供託したいとの意向を示したが、現行法での対応は難しく特例的な対応が必要になる。

ガザ地区
イスラエルとエジプトに挟まれた地中海沿いの細長い地域で、面積約365平方m。人口約216万人。イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領し、2005年9月に完全撤退した後も外部境界の管理を継続。イスラム組織ハマスが07年6月に武力制圧し実効支配している。イスラエルは08年12月~09年1月、12年11月、・14年7~8月に大規模な攻撃、を実施。21年5月の戦闘ではパレスチナ人約250人が死亡、イスラエル側でも約10人が犠牲となった。

生理休暇
労働基準法で「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合は、その者を生理日に就業させることはできない」と明文化され、企業側に義務付けている。取得日数は、生理期間や苦痛が個人によって異なるとして、就業規則で制限できない。

英国のAI戦略
英政府は人工知能(AI)の技術革新を国家戦略の要の一つに据える。AI技術大国の米国や中国をにらみ、国内外から投資を呼び込みデジタル産業を育成し、経済成長につなげる狙いがある。2021年に「AI超大国」を目指した10ヵ年計画を公表。22年には長期的な視点からの投資や開発支援などの行動計画を打ち出した。積極的な規制の議論が進む欧州連合(EU)とは一線を画し、技術革新に重点を置き厳格な法規制を避ける方針を表明している。

辺野古の軟弱地盤問題
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古沿岸の海底で、埋め立て承認後に軟弱地盤が確認されたとして、防衛省は2020年、県に設計変更を申請した。県は承認せず、国との間で法廷闘争になった。国は知事に代わって承認する「代執行」に向け福岡高裁那覇支部に提訴し、既に結審している。仮に代執行が認められ、国が軟弱地盤改良工事に着手しても、普天間返還は30年代半ば以降となる見通し。

ライドシェア
自家用車を使って有償で客を運ぶサービス。海外ではスマートフォンアプリを通じてドライバーと乗客を結び付けるのが一般的で、米国や中国、東南アジアなどで広がる。日本では「白タク行為」として道路運送法で原則禁止。バスやタクシーなどの公共交通が不便なエリアに限り例外的に認められている「自家用有償旅客運送」制度では、一般ドライバーを運転手とする場合、所定の講習を受ける必要がある。

がんとゲノム
がんは、遺伝子変異が蓄積して発症する。がん組織や血液から原因となる遺伝子変異を調べ、患者ごとに最適な薬を選ぶがんゲノム医療が近年進んでいる。がんに関連する100以上の遺伝子を一度に調べる「パネル検査」が実用化され、原因遺伝子をターゲットとする分子標的薬を使えば高い効果が期待できる。ただがんとの関連が分かっている

水銀に関する水俣条約
水銀と水銀化合物による環境汚染や健康被害の防止を目指す国際条約。鉱山での採掘から輸出入、使用、廃棄まで包括的に規制する。熊本県水俣市でチッソの工場が毒性の強いメチル水銀を含む排水を流し、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれなどの症状が相次いだ日本も水銀規制に積極的に取り組んだ。熊本市で2013年10月に開かれた国際会議で採択され、17年8月16日に発効した。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)
故文鮮明(ムン・ソンミョン)が1954年、韓国で創設した宗教団体。日本では64年に宗教法人が設立され、2015年に「世界基督教統一神霊協会」(統一教会)から名称変更した。世界中から男女が集まる合同結婚式などで知られる。国内では、生活が破綻する高額献金や、信仰を強制される2世などの問題が指摘されている。

プラチナバンド
建物内や地下でも電波が届きやすく、携帯電話の通信エリアの拡充に適した700~900MHzyなの周波数帯の呼称。一度に伝送できる情報量も多く、利用価値が高いという意味で、英語の「platinum(プラチナ)」と、周波数帯を指す「band」を組み合わせたとされる。通信大手の一角のソフトバンクも、かつてNTTドコモとKDDIに対抗するため配分を強く要望。2012年に割り当てを受け、事業拡大につなげた経緯がある。

難民
一般には、戦争や災害などで故郷を離れざるを得なくなった人を指す。難民条約は、人種や宗教、政治的意見などを理由に、母国で迫害される恐れのある人を難民(条約難民)と定義、日本を含む条約加盟国に保護を義務付けている。紛争避難民らは、条約難民に該当しないこともあるため、補完的保護の対象にしている国が多い。

円滑化協定(RAA)
共同訓練や災害支援のため、相手国に一時的に滞在する他国軍隊員の法的地位を定めた2国間協定。司法権や徴税権が及ぶ範囲を明確化し、罪を犯した際の手続きなどを規定する。部隊の相互往来をスムーズにするのが目的。日本は2022年1月にオーストラリアと署名し、23年8月に発効。同月、両国でRAAを適用した初の共同訓練を実施した。英国とも23年1月に署名し、10月15日に発効した。米国とは日米地位協定で類似の取り決めをしている。

カーボンークレジット市場
東京証券取引所が2023年」10月11日開設した。森林整備や再生可能エネルギーの活用などによる二酸化炭素(CO2)排出量削減分を、国が認証するJ-クレジット(排出枠)として売買する。例えば、目標を超えてCO2を削減した企業が売却し、目標が未達の企業が購入できる。当初は188社・団体(9月19日現在)が参加した。2026年度の本格稼働を目指す。

提供精子を用いた不妊治療
無精子症など男性不妊のため子どもができない夫婦を対象に、第三者の提供精子で人工授精や体外受精を試みる治療。国内では慶応大病院で1949年、提供精子による人工授精(AID)で初めて赤ちゃんが誕生、これまでに1万人以上が生まれたとされる。日本産科婦人科学会によると、2021年のAID実施件数は約2千件、登録施設数は22年7月時点で12だったが、23年7月時点で16に増えた。提供精子による体外受精は、日本生殖補助医療標準化機関(JISART)加盟の一部施設などで実施例がある。

ランサムウェア
パソコンやサーバーに侵入して機密文書や顧客情報のデータを暗号化して使えない状態にし、復元と引き換えに金銭を要求するコンピューターウイルス。英語で身代金を意味する「ランサム」と「ソフトウエア」から名付けられた。被害の深刻化と手口の悪質化で世界的な問題に。暗号資産(仮想通貨)で支払いを求めるケースが多く、応じなければデータを公開すると脅す「二重恐喝」の手口も目立つ。

公選法の特定寄付
公選法は、国政選挙では国と、地方選挙では地方自治体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者は、選挙に関する寄付をしてはいけないと定めている。違反には3年以下の禁錮または50万円以下の罰金に処するとしている。寄付を受けたり、勧誘や要求をしたりした側にも同じ罰則規定がある。

ウクライナ復興支援
ロシアの侵攻で国土が荒廃したウクライナの復旧・復興を後押しする国際社会の動き。復興には世界銀行の試算で4110億ドル(約61兆円)が必要とされ、各国による支援が求められている。日本は来年初め、両国政府や民間企業の関係者を集めた「日ウクライナ経済復興推進会議」を日本で開催し、支援策を打ち出す方針。国際的にも、今年6月に英国で約60力国が参加した「ウクライナ復興会議」が開かれるなど活動が広かっている。

宗教法人の解散命令
宗教法人法は、所轄庁の文部科学相や都道府県知事などの請求に基づき、裁判所が宗教法人に解散を命じることができると規定している。「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」や「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」をした場合の他、1年以上活動していない法人に適用される。解散命令を受けると宗教法人格を失い、お布施やお守り販売の収益が非課税になるといった税制上の優遇が受けられなくなるが、解散後も任意の宗教団体として活動は続けられる。

低体温症
寒さなどで熱が失われ、体の深部の温度が35度以下になる状態。激しい震えや判断力の低下などの症状が出て、放置すれば死に至る危険がある。体温の調節機能が衰えた高齢者に起きやすく、登山中の事故や水難で発症することが多いとされる。2009年7月に起きた北海道・大雪山系のトムラウシ山遭難事故では8人が低体温症で死亡した。

米アフガン撤退
2021年8月末に完了したアフガニスタン駐留米軍の撤退。米軍は中枢同時テロ翌月の01年10月、事件の首謀者をかくまっているとしてアフガンを攻撃し、駐留を開始したが、国土安定化に失敗して兵を引いた。共に駐留していた同盟国との調整も不十分で、撤収は大混乱。間隙を突いたイスラム原理主義組織タリバンが20年ぶりに復権した。

24年米大統領選
米国の正副大統領を決める選挙。①民主、共和両党の大統領候補を決める予備選②両党の候補が争う本選の2段階。予備選は2024年の年明けから始まり、11月5日の本選に至る。民主党はバイデン大統領が再選を目指す。共和党はトランプ前大統領が他候補を大きくリード。前回20年大統領選に続き、両者の対決となる可能性が指摘される。

都道府県指定文化財
文化財保護条例などに基づき、都道府県が指定する。建造物や美術工芸品といった有形文化財だけでなく、芸能や工芸技術といった無形文化財も対象になる。祭礼や生活習慣など民俗文化財も含む。指定されると、保存や活用に必要な費用の一部を県などが所有者に補助。所有者が変わる場合などは、各都道府県に届け出たり、許可を得たりする必要がある。防犯・防火対策のほか、担い手不足などさまざまな課題があり、各地で対策が進んでいる。

ガザ地区
イスラエルとエジプトに挟まれた地中海沿いの細長い地域で、面積約365平方km。人口約216万人。イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領し、2005年9月に完全撤退した後も外部境界の管理を継続。イスラム組織ハマスが07年6月に武力制圧し実効支配している。イスラエルは08年12月~09年1月、12年11月、14年7~8月に大規模な攻撃を実施。21年5月の戦闘ではパレスチナ人約250人が死亡、イスラエル側でも約10人が犠牲となった。

地方自治法に基づく代執行
国が知事に任せている国政選挙や国道の管理などに関する「法定受託事務」を、閣僚が代わりに行う手続き。地方自治法は、事務の管理や執行について知事に法令違反や怠慢があり、著しく公益を害することが明らかな場合、勧告、指示、提訴などを経て代執行を行うことができると定めている。倒壊の恐れがある空き家を、所有者に代わって自治体が強制撤去するといった例は行政代執行法に基づく対応で、地方自治法とは根拠が異なる。

四谷大塚の講師による生徒へのわいせつ事件
警視庁は2023年8月、大手中学受験塾「四谷大塚」の元講師の20代の男が教え子の小学生女児の下着をスマートフォンで盗撮したなどとして東京都迷惑防止条例違反などの疑いで逮捕した。9月には別の女児も盗撮したとして男を性的姿態撮影処罰法違反容疑で再逮捕し、元同僚の20代男も同容疑で逮捕した。また、教え子の児童数人の名前や住所を交流サイト(SNS)に投稿したして、警視庁は男と法人としての四谷大塚を個人情報保護法違反の疑いで書類送検した。

個人事業主
企業などの組織に属さず、発注者から個人で仕事を請け負う働き手。法令上の明確な定義はなく、インターネット通販や食事宅配サービスの配達員、IT技術者など広い分野にわたる。発注者に対し立場が弱い場合があり、報酬の未払い、遅延といったトラブルが多い。国は2023年5月、個人事業主の保護に向けた新法を公布。発注者に、納期など取引条件を書面やメールで示すよう義務付け、成果物を受け取ってから60日以内に報酬を支払う必要があると明記した。

米連邦議会
上院(定数100、任期6年)と下院(定数435、任期2年)で構成する米国の立法府。会期は2年。上院議長は副大統領(現在は民主党のハリス)が兼務し、下院議長は大統領死亡時などの権限継承順位が副大統領に次ぐ要職。下院では2022年11月の中間選挙で共和党が4年ぶりに多数派を奪還し、23年1月にマッカーシー氏を議長に選出した。民主党との盖がわずかで、選出の際は共和党からの造反もあって15回目の投票で決着した。

マイナンバーカード
国内に住む全ての人に割り当てた12桁のマイナンバーや名前、顔写真などを記載したICチップ内蔵のカード。2016年1月から交付が始まった。身分証明やオンラインで行政手続きをする際の本人確認に使う。カード取得者向けの「マイナポイント」は、クレジットカードなど決済サービスを選ぶと、事業者から買い物などに使えるポイントが付与される。原資は国が負担している。

再構築協議会
ローカル線の利用者が減り続ける一方で、存廃を巡る協議が、廃線を警戒する沿線自治体の反対で難しい現状を踏まえ、国が制度化した。国が鉄道事業者と自治体の間に入り、鉄道存続、廃線などの前提を置かずに話し合うとしている。協議会の創設を盛り込んだ関連法が2023年10月1日に施行された。

日銀短観
日銀が全国の企業を対象に3、6、9、12月に実施するアンケート「企業短期経済観測調査の略称。景気の現状や先行き、設備投資計画など質問項目は多岐にわたる。調査から発表までの期間が短く、回答率も100%に近いため、最新の経済状況が分かる指標として注目されている。日銀は金融政策を決める際の判断材料として重視している。

米政府機関閉鎖
米連邦政府の支出を手当てする予算が成立せずに。一部の政府機関の業務が止まること。前回2018年12月~19年1月の閉鎖は、トランプ政権が進めていたメキシコ国境の壁建設を巡って与野党が対立したことが原因となった。オバマ政権下の13年10月の閉鎖では、大統領のアジア歴訪が中止となるなど外交にも影響が出た。

再構築協議会
JRなどのローカル線の存廃を巡る話し合いが、廃線を警戒する沿線自治体の反対で協議入りすら難しい現状を踏まえ、国が制度化する。再構築協議会では国が鉄道事業者と自治体の間に入り、存続ありき、廃止ありきなどの前提を置かずに話し合いを進めるとしている。協議会の創設を盛り込んだ関連法が2023年4月に成立。10月1日に施行される。

水俣病
熊本県水俣市のチッソ水俣工場が毒性の強いメチル水銀を含む排水を不知火海(八代海)に流し、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれや視野狭窄(きようさく)といった症状が相次いだ。1956年に公式に確認され、68年に国が公害と認定した。母親の胎内で影響を受けた胎児性患者もいる。根本的な治療法は見つかっていない。新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくと並ぶ四大公害病の一
つ。

レカネマフ
エーザイなどが開発したアルツハイマー病治療薬。記憶障害などの症状が出る10~20年以上前から脳に蓄積し、神経細胞を傷つけるきっかけになると考えられているタンパク質「アミロイドベーダ」に結合、これを目印に免疫細胞が除去する。従来の薬は残った神経の働きを助けるもので、一時的に改善した後、悪化する。これに対し、レカネマブは悪化の速度を緩める働きを示した。既に失った神経は再生できないため、効果が見込めるのは早期の患者に限られる。

政治資金収支報告書
政治団体の1月1日から12月31日までの収支や保有資産を記した報告書。政治資金規正法が作成と公表を義務付け、3年間閲覧できる。政党と政治資金団体、複数の都道府県で活動する政治団体は総務相に、一つの都道府県で活動する団体は都道府県選挙管理委員会に提出する。事務所費などの支出や年間5万円を超える寄付(献金)、政治資金パーティーで20万円超を支払った相手の名前、金額などを記載しなければならない。提出しなかったり、必要な項目の不記載や虚偽記入があったりした場合、罰則がある。

ローカル5G
企業などが特定の建物や敷地で構築できる高速大容量の第5世代(5G)移動通信システム。携帯電話事業者が5Gサービスを提供していないエリアでも展開できる。一般の5Gに比べて通信の安全性や安定性も高い。2023年4月末時点で、全国の138事業者が無線局の開設免許を取得している。

日中韓首脳会談
日本、中国、韓国の首脳による対話枠組み。2国間に懸案があっても、国際情勢や経済協力など幅広い分野について3力国で協議を重ね、地域の平和と安定を図る目的がある。1998年、当時の小渕恵三首相が提唱し、国際会議の場を利用する形で99年に始まった。2008年からは3力国の持ち回りとなった。2国間関係の悪化や新型コロナウイルス禍などが影響して見送られるケースも少なくない。

共同保険
複数の損害保険会社が一つの契約を分担して引き受ける保険。大きなリスクを分散することが目的で、資産規模が大きく、事業リスクが高い大企業向けの契約で一般的。契約者は各損保から提示された引き受け条件を基に各損保のシェアを決め、シェアに応じて各損保に保険料を支払う。事故があった場合は各損保がシェアに応じて保険金を支払う。

公的医療保険
病気やけがに伴う医療費の原則1~3割を、患者が自己負担分として窓口で支払い、残りを保険料や税令で公的に賄う仕組み。日本は国民皆保険が確立されている。職業や働き方、年齢によって加入先は異なる。大企業の従業員らが入る健康保険組合、中小企業向けの全国健康保険協会(協会けんぽ)のほか、自営業や無職の人が入る国民健康保険がある。75歳以上は、後期高齢者医療制度に入る。

歯止め規定
中学校の保健体育で「妊娠の経過は取り扱わない」とする学習指導要領の記述。学習指導要領は全ての子どもが対象とされるが、文部科学省は保護者などの理解を得た上で「教えることはできる」としている。実際には学校で性交について教えることは避けられる傾向が強く、性教育の支障になっているという指摘がある。

事業者向けファクタリング
中小企業などが取引先から代金を受け取る権利(売掛債権)を業者に売却し、代わりに手数料を引いた現金を早期に受け取る資金調達手段の一つで、取引先が売却を承諾する3者間ファクタリングと、取引先に売却を知らせない2者間ファクタリングがある。2者間の場合、足元を見られて高額な手数料を要求されたり、強引な取り立てを受けたりするトラブルが相次いでいる。「給与ファクタリング」として個人が給与を受け取る権利を業者が買い取る手法については、最高裁が2023年2月、貸金業法や出資法が適用される「貸し付け」に当たると判断した。

技能実習と特定技能
外国人技能実習制度は、発展途上国への技術移転、人材育成を目的とする外国人研修制度を補う形で1993年に始まった。2022年末時点の実習生は約32万55千人。建設や食品製造関係が多い。特定技能制度は19年、労働力不足に対応し、即戦力の外国人を受け入れるために創設。12分野を対象に最長5年働ける1号と、熟練技能を要し、家族の帯同が認められ事実上永住も可能な2号がある。政府は23年6月、2号の対象を2分野から11分野に拡大した。23年6月末時点で1号は約17万3千人、2号は12人。

物言う株主
積極的に意見を表明し、上場企業の経営に関与しようとする株主。まとまった数の株式を保有して発言権を確保し、経営陣と交渉する。「アクティビスト」とも言われる。増配や自社株買いによる利益還元を求めるほか、業績不振の企業には経営陣の交代や資産売却も要求する。会社が企業価値の向上に取り組むきっかけになるなど、会社や他の株主にプラスの側面もある。

ナゴルノカラバフ
ソ連時代にアゼルバイジャン領内でアルメニア系住民が多数を占める自治州だったナゴルノカラバフは、ソ連が崩壊した1991年に「ナゴルノカラバフ共和国」樹立を宣言しアゼルバイジャン側と交戦。94年の停戦後も衝突が繰り返された。2020年の大規模衝突ではトルコの支援を受けたアゼルバイジャンがアルメニア側実効支配地の多くを支配下に置いた。ナゴルノカラバフでは現在もアルメニアの義勇兵が活動しているとされるが、アルメニアは関与を否定している。

弾薬庫
自衛隊が弾薬を保管する施設。「火薬庫」とも呼ばれる。安全のため地面に穴を掘って保管スペースを設ける地中式や、地表に土を盛って造成する地上覆土式などがある。政府は昨年茯定した国家安全保障戦略など安保関連3文書に、他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力 (敵基地攻撃能力)の保有と、長射程ミサイルの取得推進を明記。戦闘継続能力を強化するため弾薬の備蓄を増やす方針も掲げた。保管先として2032年度までに弾薬庫約130棟を整備する。

プレスコード
連合国軍総司令部(GHQ)による言論統制で、1945年9月19日に発令された。基準は「連合国に関し虚偽または破壊的批判をしてはならない」など10項目。新聞やラジオ報道のほか、雑誌や映画、電話、郵便、紙芝居なども対象になった。違反の有無についてGHQ傘下の民間検閲局(CCD)が検閲し、49年10月31日まで続いた。

国会議員秘書
国会法は各国会議員に公設秘書として第1、第2、政策担当の府3人の雇用を認めている。国家公務員特別職と位置づけ、給与は国から支払われる。国会議員秘書給与法は原則兼職を禁じているが、議員の許可があれば可能とし、報酬額などを記載した文書を衆院もしくは参院議長に提出することを義務づけている。一方、私設秘書は議員個人が採用して給与を支払う。雇用制限はない。それぞれの秘書は行事への代理出席や国会質問の準備、事務所業務などを担う。

基準地価
国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点で調べる基準値1平方m当たりの価格。不動産鑑定士が周辺の取引事例などから価格を算定する。国土交通省が1月1日時点で調べる公示地価と併せ。一般の土地取引の指標となる。2023年の調査対象は2万1381地点。うち東京電力福島第1原発事故の影響が続く12地点は調査を休止した。

金融庁の立ち入り検査
金融庁が法律に基づき、金融機関などの本社や支店に立ち入って業務の実態を調べること。検査官が常駐し、書類を確認したり、役職員を聴取したりする。企業統治の問題や法令違反があれば、業務改善命令や業務停止命令を出し、経営陣の処分など抜本的な体制見直しを求める。資料の隠蔽や虚偽説明は「検査忌避」に当たり、悪質な場合は刑事告発する。

TNFD
国連環境計画や世界自然保護基金(WWF)などの発案で2021年6月に発足した国際組織。正式名称は「自然関連財務情報開示タスクフォース」で、英語の頭文字を取った略称で呼ばれる。企業が自社の活動で自然環境や生物多様性にどのような影響が生じているかを把握、開示することを支援。世界の資金の流れを、自然に良い影響を与えるものに転換させることを目指す。

デジタル庁
中央省庁の一つで、国の情報システムに関する基本方針策定や自治体のシステム標準化などを担う。担当大臣は河野太郎デジタル相が務める。新型コロナウイルスに対応する国民向け給付金配布が紙ベースの手続きで滞り、デジタル化の遅れが改めて顕在化。危機感を募らせた菅義偉前首相が2020年9月に創設を表明し、1年足らずで発足させた。

IPEF
米国が主導する新たな経済圏構想「lndo-Pacific Economic Framework(インド太平洋経済枠組み)」の略称で、アイペフと呼ばれる。ハイテン米大統領の提唱により2022年5月に発足。日米韓やオーストラリア、東南アジア諸国などインド太平洋地域の計14か国が参加する。関税引き下げは議題にせず、経済的なつながりを深める方策を協議。23年5月に供給網の強化策で合意した。

一意専心
「他に心を向けず、一つの物事に集中すること」を意味する四字熟語。中国の古典「管子」に由来する。仕事や学業で目標達成を目指す際に使う例が多い。大相撲の若ノ花(後の横綱3代目若乃花)は、1993年の大関昇進伝達式で「一意専心の気持ちを忘れず」との口上を述べた。岸田文雄首相は昨年の安倍晋三元首相の国葬で読んだ弔辞で、安倍内閣の外相を務めた白身の経験を「(外交に)一意専心取り組むことができたことを一生の誇りとする」と振り返った。

障害者への経済的虐待
障害者虐待防止法が定める虐待の5類型のうちの一つで、障害者から不当に財産上の利益を得ること。障害年金の使い込みや給与の未払い、本人の同意なしに勝手に預貯金を使用するなどが該当する。経済的虐待のほかの類型は①暴力や体罰といった身体的虐待②暴言や脅しなどの心理的虐待③性的虐待④食事を減らし衰弱させるなどのネグレクト。

アルツハイマー病
神経細胞の働きが弱くなり、記憶力や思考力が衰えていく脳の病気。認知症高齢患者は2025年に約700万人と推計され、認知症の6~7割がアルツハイマー病とされる。「アミロイドベーダ」や「タウ」と呼ばれるタンパク質が蓄積し、神経細胞が減っていくのが原因と考えられている。最初は物忘れなどの症状が出て、徐々に日常生活に支障が出るようになる。問診や脳画像、脳脊髄液の検査などで診断する。負担が少ない血液での検査法も開発されている。

政府の少子化対策
岸田文雄首相が「次元の異なる対策」の策定を表明し、児童手当の拡充などを盛り込んだ「こども未来戦略方針」を6月に閣議決定した。2024~26年度の3年間を集中取組期間として最大で年3兆円台半ばを追加投入し、30年代初頭までに5兆円弱のこども家庭庁予算を倍増する計画。社会保険料に上乗せして徴収する「支援金」と、医療や介護といった社会保障分野の歳出削減で財源を捻出する。不足分は「こども特例公債」を発行する。具体的な金額などいずれも詳細は未定で、23年末の予算編成過程に先送りした。

イラン核合意
イランの核兵器保有を防ぐため、米英仏独中ロとイランが2015年に結んだ合意。イランが核開発を制限する代わりに、欧米が制裁を解除する内容。トランプ前米政権は18年、合意を離脱し制裁を再発動。イランは対抗して核開発を拡大し、合意は機能不全となった。バイデン米政権は合意再建を目指しイランとの間接協議を21年に開始したが、停滞が続いている。

防災のデジタル化
頻発する自然災害に対応するためデジタル技術を活用して防災、減災を目指す取り組み。少子化による災害対応可能な自治体職員の不足にも有効だとされる。地震時に避難場所の情報が確認できるアプリの提供や、ドローンに搭載したカメラによる被災状況の把握などが想定される。街の地形や建物をデジタル空間で再現し、被害規模を予測する取り組みもある。

セキュリティー・クリアランス
安全保障に関する国の機密情報へのアクセス権限を限定する制度。政府が申請者の経歴などを審査し、適格性を評価する。有資格者以外は機密情報を扱えないようにして、軍事転用が可能な技術などの国外流出を防止する。防衛や外交など4分野を対象に2014年に施行した特定秘密保護法の「産業技術版」と位置付けられる。

バラスト水
貨物船が空荷で出港する際などに船体のバランスを保つため船底にあるタンクに積み込む海水。積んでいないと船の重心が上がり、事故などの危険がある。海水は貨物を積載する港で船外に排出される。バラストは底荷や脚荷と訳される。

IPO
新規株式公開の略称。「Initial Public Offering」の頭文字を取った。上場していない企業の株式を公開し、証券取引所で投資家が売買できるようにすること。企業は株式を売ることで事業拡大や財務基盤強化に向けた資金を調達できるほか、知名度向上も期待できる。I POでは新株を発行して資金を調達したり、既存株主が保有株を売り出したりする場合がある。

処理水巡る中国の対応
中国は衷只電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出に反対の立場だ。「日本は海洋環境の安全と人類の健康を無視している」と非難。国際会議などでは放出反対を主張し各国に同調するよう働きかけている。国際原子力機関(IAEA)が原発近くの海水のサンプリングと分析で放射性物質が日本の制限値未満だったと説明したことに対し、中国政府は認めない姿勢を固持。日本政府は中国に科学的根拠に基づいた議論を求めている。

G20
日米欧の先進7力国(G7)に中国やロシア、インドなど新興国と欧州連合(EU)を加えた20力国・地域からなる国際会議の枠組み。アジア通貨危機後の1999年に財務柤・中央銀行総裁会議が始まり、2008年のリーマン・ショツクを契機に首脳会議が開かれるようになった。世界経済の成長や金融市場の安定、気候変動など地球規模の課題を議論。初の首脳会議は08年11月に米ワシントンで開かれ、19年には日本初の首脳会議が大阪で開かれた。

ビッグモーター問題
中古車販売大手ビッグモーター(東京)が事故車両の修理時に車を故意に傷つけ、損害保険各社に請求する自動車保険の保険金額を水増ししていた問題。店舗周辺に除草剤をまいて街路樹を枯らすなど、コンプライアンス(法令順守)違反が疑われる行為も相次ぎ発覚した。金融庁はビッグモーターと特に親密だった損害保険ジャパンを重点的に調べており、国土交通省も整備料金の不当請求などの観点から調査している。

I OWN (アイオン)
NTTの新たな通信技術。電気信号と光を変換処理するため伝送に時間がかかり、消費電力も大きい現在の通信技術と異なり、光信号のままデータ処理することで伝送の遅延を減らせるのが特徴。英語の「Innovative Optical Wireless Network」の頭文字を取った。社会のデータ需要の増大を見据えた普及が期待されている。

チャイルド・デス・レビュー(CDR)
子どもの死因をさまざまな角度から検証し、再発防止策に取り組む制度。防ぎ得た死を減らすことが目的で「予防のための子どもの死亡検証」と訳される。1970年代の米国の取り組みが発祥とされる。医療機関や警察、行政など各機関が連携し、死亡した子どもの既往歴や家族背景、経緯を分析する。日本では厚生労働省が2020年度からモデル事業を実施。 22年度からの全国導入を目指したが、かなわず、こども家庭庁に引き継がれた。

秋本真利議員を巡る事件
脱原発を掲げ洋上風力発電を推進してきた秋本具利衆院議員に対し、事業参入を目指す日本風力開発の前社長が不透明な資金を提供したとされる。東京地検特捜部は2023年8月4日、収賄容疑で、東京・永田町の議員会館事務所や秋本氏の千葉市の自宅、千葉県佐倉市の地元事務所を家宅捜索。秋本氏は外務政務官を辞任し、翌5日に自民党を離党した。国会で同社の事業参入を後押しするかのような質問をしており、特捜部は資金提供との関連を調べている。

GIGAスクール構想
GIGAは「Global and Innovation Gateway for All(全ての児童生徒のための世界につながる革新的な扉)」の略。全国の小中学校で児童生徒に1人1台のパソコンやタブレット端末を配備し、高速通信環境を整備する計画で、文部科学省が2019年に打ち出した。学校でのデジタル機器活用の遅れに対する危機感が背景にある。新型コロナウイルス感染症流行で遠隔授業の必要性が増し、配備が加速した。

ラピダス
高性能の次世代半導体を国内で生産するために設立された新会社。社名は「Rapidus」と表記し、ラテン語で「素早い」を意味する。元東京エレクトロン社長の東哲郎らが主導した。「脱自前主義」を掲げ、開発で米IBMなど海外企業との連携を重視。設計や製造を自社で一体的に手がけ、顧客に迅速に製品を供給する戦略を掲げる。トヨタ自動車やNTTなど国内を代表する8社が出資。経済産業省も既に計3300億円の助成を決め、全面支援する。

ガソリン補助金
ガソリンスタンドなどでの消費者へのガソリン販売価格を抑制するため、政府が石油元売り各社に支給する補助金。原油高や円安を背景に価格が高騰したことを受け、灯油や軽油などと合わせ燃料油価格激変緩和対策事業として2022年1月に始めた。原油高の一服を受け、23年1月から補助を段階的に縮小させているが、主要産油国の減産などの影響でガソリン価格が再び上昇している。

教員不足
教育委員会は児童生徒数や定年退職者数の推移を予想して教員の採用や配置を行うが、出産や病気で休む教員らが増えた場合などに穴埋めできず、計画通り配置できない状態。採用試験に不合格となって再チャレンジを目指す「教員の卵」たちに、欠員を埋める非常勤講師などになってもらっていたが、教職人気の低迷で民間に流れるなどして各地で人材不足に陥っている。文部科学省の調査によると、2021年度当初、全国の公立小中高校と特別支援学校の5.8%で計約2500人が不足した。

NHKのネット配信
インターネットの浸透やスマートフォン、タブレット端末の普及を背景に、NHKは放送番組の同時配信サービス「NHKプラス」などに力を入れている。ただ、NHKのネット事業は「本来業務」であるテレビやラジオ放送を補完する「任意業務」と位置付けられている。年間の予算上限は200億円で、ネット配信する内容は総務相が認可するNHKの実施基準に基づくなど制限されている。

インボイス(適格請求書)制度
消費税10%と8%の複数税率に対応した請求書類。消費税の納税の仕組みがセットで変わる。消費税は事業者が「商品を顧客に売ったときに受け取った税額」から「商品を仕入れるときに支払った税額」を差し引いた額を納付する。この差し引きを「仕入れ税額控除」と呼ぶ。10月以降、インボイスが仕入れ税額控除のために必要となる。商品を発注した事業者は、受注した事業者からインボイスを発行してもらわないと仕入れ税額控除ができなくなる。売上高1千万円以下の「免税事業者」がインボイスを発行するためには、消費税を納税する「課税事業者」に転換する必要があり、新たに年間数十万円の負担が生じる場合もある。従来の請求書類を発行し続けることもできるが、税負担をかぶる形になる発注側から取引を打ち切られたり値引きを迫られたりする恐れがある。

与信費用
金融機関が融資先の業績悪化や破綻に備えて計上する費用。貸し倒れに備える引当金は、融資額や貸出先の業況を踏まえ算出する。不良債権が回収不能になった際の損失も含まれる。業況が改善したり、融資額が減少したりすれば与信買用は減る。マイナスになれば戻り益となる。

緊急地震速報
震源から伝わる地震波には、秒速約7kmの初期微動(P波)と、秒速約4kmの主要動(S波)がある。強い揺れで被害をもたらすのはS波。気象庁は、早く伝わるP波を観測して震源や地震の規模を推定し、S波到達前にスマートフォンの防災関連アプリやテレビなどを通じて危険が迫っていることを速報する。

Qakbot(クアックボット)
遅くとも2007年には登場したサイバー犯罪に使われるコンピューターウイルスの一種。「Qbot」や「PinksliPbot」と呼ばれることもある。「Qak」は固有名詞で「bot」は特定の計算を繰り返すプログラムのこと。「Robot(ロボット)」が語源で、サイバーセキュリティー業界ではウイルスを指す。感染するとポットネットと呼ばれるサイバー犯罪のネットワークに組み込まれて遠隔操作される。情報を盗まれたり、さまざまなサイバー攻撃に悪用されたりする。

奨学金
大学などに進学したくても経済的に苦しく費用を払えない若者しに対し、国や自治体、民擱団体などが必要な資金を給付または貸与し、進学を支援する。利用者が多い日本学生支援機構の奨学金は本人が資金を借り、卒業後に返済する貸与型が中心。政府は機構を通じ、低所得層向けに返済不要の給付型奨学金制度を設けているが、対象を拡大して若者の進学機会を確保すべきだとの指摘が多。い。2022年度に機構が給付または貸与した総額は約1兆円。

危険ドラヅグ
覚醒剤や大麻と同様に、幻覚や興奮作用がある化学物質を添加した薬物の総称。脱法ドラッグと呼ばれていたが「脱法」の表記が安易な使用を招くとして、厚生労働省と警察庁が呼称を変更したO厚労省は物質ごとに人体への作用を確認し、医薬品医療機器法に基づき指定薬物として規制。 2013年から構造が似た物質をまとめて指定する「包括指定」も導入したが、構造の一部を変更したドラッグが出回る状況が続いた。14年4月以降、輸入や販売だけでなく、所持や使用も禁止された。

インボイス(適格請求書)
2019年10月に消費税が10%と8%の複数税率となったことに対応した請求書類で、正確な納税額を計算するため導入が決まった。サービス・業務の提供や商品の納入を受注した売り手の事業者が、税率ごとに区分した消費税額などを明記して、発注元の事業者に対して発行する。請求書や納品書や領収書、レシートなど書類の名称は問わないが、発行する事業者は税務署に登録する必要がある。

教員の勤務時間
公立学校の教員の勤務時間は休憩時間を除き1日7時間45分で、残業は学校行事や非常災害など「超勤4項目」に限ってしか命じることができない。実際には事務作業や部活動指導などで多くの教員が長時間労働になっているが、仕事内容の特殊性から勤務の内外を切り分けるのが難しいとして残業代が支払われず、代わりに月給の4%相当を「教職調整額」として支給している。この制度が残業時間が減らない1因になっているとされる。

DBS
英国の政府系機関「Dlsclosure and Barring Service」(前歴開示・前歴者就業制限機構)の略称。犯罪歴をデータベースで管理し、無犯罪証明書を発行する。雇用主は、職種にかかわらず雇用の際に犯罪歴を照会することが可能。子どもに携わる職業は照会を義務化している。日本では、ベビーシッターらによる子どもへの性犯罪が相次いだことから、子育て支援団体などが「日本版DBS」の創設を要求。子どもに接する職業と性犯罪に焦点を当てた制度の検討が進む。

アーム
英国に本社を置く半導体企業で1990年設立。半導体の開発や設計に特化し、製造はせずに技術をライセンス供与する。世界のIT大手の黒子として知られ、米アップルの中央演算処理装置(CPU)の自社設計実現も支えた。自動車の自動運転や人工知能(AI)などの技術開発にも取り組む。米国や中国、台湾、インドなどにも拠点を持つ。

再構築協議会
国を行司役に、ローカル線の鉄道事業者と沿線自治体が存廃について議論。鉄道として残すか、バスなど他の輸送モードに転換するかを決定し「再構築方針」を作る。協議期間は原則3年以内。いずれの結論になっても、再構築方針に基づく事業の費用を国が支援する。協議会の創設を盛り込んだ関連法が2023年4月に成立し、10月1日に施行される。

不登校対策
義務教育の小中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は約24万5千人となり過去最多を更新したことを受け、文部科学省は今春に不登校対策をまとめた。学習端末を活用して児童生徒の心身の変調を把握するのが柱で、授業時間を減らすことができる不登校特例校を大幅に増やす方針も表明した。小中学生の不登校の増加は、通信制高校に通う生徒の増加につながっている側面があるとされる。

密集市街地
老朽化や耐火性が弱い木造建物が多数集まった市街地。太平洋戦争の空襲を受けず哲剛の街並みが残った地区や、高度経済成長期の急激な人口集中の受け皿として整備された郊外の地区が多い。1995年の阪神大震災で倒れた建物が道路をふさぐ被害や火災が相次いだのを教訓に、対策を進める法律が整備された。このうち特に住宅の密度が高く火災時に逃げにくい「地震時等に著しく危険な密集市街地」について、国は当初2020年度までの解消を目指していたが達成できず、目標時期を30年度までに再設定した。

X(旧ツイッター)
交流サイト(SNS)の一つで、利用者はパソコンやスマートフォンから文章や写真、動画を投稿する。他のユーザーはそれに返信したり転載したりできる。企業や公的機関、政治家の公式発表の場としても利用される。米電気自動車大手テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクが2022年10月に買収。社名などをツイッターからXに変更した。

中間貯蔵施設
原発で使い終わった核燃料を再び使用できるように再処理するまでの間、一時保管する施設。青森県六ヶ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場の稼働が遅れる中、原発内の使用済み燃料プールの貯蔵容量にも限界があり、電力各社は対応を迫られている。東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵が運営する施設が青森県むつ市にある。

ゼロゼロ融資
新型コロナウイルス禍で売り上げが減った中小企業などに実質無利子・無担保で融資する制度。2020年3月に始まった。利子は国が都道府県を通じて3年間負担し、返済が滞ると信用保証協会が肩代わりする。民間金融機関は21年3月末、政府系金融機関は22年9月末に受け付けを終了し、合計で245万件、約43兆円の融資が行われた。

最低賃金
パートやアルバイトなど非正規雇用を含む全ての労働者に対し、企業が最低限支払わなければならない時給。下回った企業には罰金が科される。厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が引き上げの目安額を示し、8月ごろ地方審議会が各都道府県の実際の額を決める。毎年度、10月ごろ改定する。海外主要国と比べて低水準にあることや、地域間の格差が課題。

電子カルテ
患者の診療記録や病歴、禁忌薬、アレルギー情報、各種検査値などを電子データ化したカルテ。業務効率化のため各医療現場で普及が進んできた。厚生労働省の調査によると、2020年時点で病院の57.2%、診療所の49.9%で導入済み。医療機関によって電子カルテの形式が異なるため、厚労省は統一的な形式を設けて全国で情報を共有する仕組みづくりを進めている。

核のごみ
原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出して再利用できない廃液を、溶かしたガラスで固めた高レベル放射性廃棄物。放射能レベルが十分に下がるまで長期間の隔離が必要となる。政府は地下300mより深い岩盤に埋める地層処分を想定している。最終処分場の選定には文献調査、概要調査、精密調査の3段階で計20年程度かけて地盤や火山活動の有無などを調べる。

オーバードーズ
市販薬や処方薬を過剰に摂取すること。「overdose」の頭文字を取り、ODとも言われる。「dose(ドーズ)」は、薬を服用する際の1回あたりの用量を指す。急性中毒症状による健康被害の恐れがあるほか、死亡するケースもある。近年、ドラッグストアやインターネットで市販薬を買って用量を大幅に超えて摂取し、覚醒や、精神的苦痛から逃れる手段にする若者が増加しており、社会問題となっている。

素粒子物理の標準理論
世界が何からでき、どんな法則に支配されているのかを根本から説明する理論。17種類の素粒子が登場、うち12種類は物質を形作り、4種類は力を伝える。残り1種類は質量の起源であるヒッグス粒子で、最後まで理論上の存在だったが2012年に実験で確認された。標準理論によって、素粒子の挙動や相互作用を極めて正確に描ける半面、質量がないとされていた素粒子ニュートリノに実は質量があるなど、説明できない実験・観測結果も出つつある。

防災士
NPO法人の日本防災士機構が認証する民間資格。2003年度に始まった。自治体や大学が「研修機関」になり、研修を終えた後の試験に合格して所定の講習を受ければ、資格が得られる。同機構によると、資格取得者は2023年7月末現在で全国約26万人。

PPI
「研究への患者・市民参画」。医学の研究や臨床試験に計画段階から患者や市民が参加する取り組み。参加者をただ集めるのではなく、研究者が患者や市民と対話しながら一緒に研究を進めていくのが特徴。研究者側は、患者の不安や疑問を解消しつつ新しい視点を得られ、患者側は、研究や臨床試験への理解が深まり、自分たちの意見を反映させられる利点がある。特に欧米で広がっており、日本でも日本医療研究開発機構が2019年に、PPIを解説する「ガイドブック」を公表している。

産後ケア
出産後の母子が助産師などの専門家から心身の支援を受けられる事業。具体的には、施設に宿泊して体を休めたり、支援拠点や自宅で授乳やおむつ替え、沐浴(もくよく)の仕方を教わったりできる。核家族化が進み、近くに親族らがいないため周囲から助けを得られにくいことが背景。2021年4月施行の改正母子保健法は、産後1年までの母子を対象とした産後ケア事業の実施を市区町村の努力義務と規定した。

アノニマス
政治的な主張を動機としてサイバー攻撃を行う国際的ハッカー集団。インターネットの匿名性や自由、人権や環境、動物保護などを旗印にする。「ハッカー」と活動家を意味する「アクティビスト」を組み合わせた造語「ハクティビスト」の代表的な存在とされる。2015年ごろに活動は停滞したが、22年のウクライナ侵攻を口実にロシア政府のウェブサイトを攻撃してから、勢いを盛り返している。

米国の対中規制
米中関係の緊張が高まる中、米政権は自国技術の中国による軍事転用に対して警戒を強めている。2022年10月には中国向けの先端半導体に関する広範な輸出管理規則を発表。半導体製造装置や関連部品の輸出のほか、中国の施設で先端半導体の開発や生産の支援を行う米国人の行動を米政府への許可申請の対象とした。モノの規制に加え、資金面での制限をかける投資規制を検討してきた。

中国の出入国規制
中国は新型コロナウイルス流行初期の2020年1月、海外への団体観光旅行を停止した。同年3月ごろから国際線の便数制限と入国者の隔離措置が本格化し、日本人が観光旅行で訪中する際に滞在15日以内であればビザ(査証)を免除してきた措置も停止した。22年12月にコロナ対策の抜本緩和を発表、中国への入国者の強制隔離を撤廃し、中国人の海外旅行を再開させる方針を示した。23年2月以降、多数の国への団体旅行が解禁されたが、日本は含まれていなかった。

ハッカー
高度なプログラミング能力などを持ち、政府や企業のシステムやネットワークにセキュリティーを破って不正に侵入する犯罪者を指すことが多い。システムなどに不正に侵入することを英語で「hack(ハック)」、侵入する人を「hacker(ハッカー)」と言う。機密情報を盗んだり、データの復元と引き換えに金銭を要求するコンピューターウイルスを仕込んだりするケースがある。一方、軍や情報機関から仕事を請け負い、敵国にサイバー攻撃したり反撃したりする人もいる。

万博の海外パビリオン
2025年大阪・関西万博に参加する国・地域が、それぞれの文化や技術を紹介するための展示施設。150超の国・地域が出展を予定し、自前で建設する「タイプA」、日本国際博覧会協会が建てたものを単独で借りる 「タイプB」、複数で使う「タイプC」の3種類がある。タイプAは趣向を凝らしたデザインで万博の花形となる一方、国内建設業界の人手不足や資材高騰、高コストとなりがちな難工事への懸念から、工事契約や建設に向けた手続きが進んでいない。

トリチウム
水素に性質が似た放射性物質。半減期は12・3年で、自然界にも存在する。水に混ざると分離できず、東京電力福島第1原発で汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)でも除去しきれない。放射鑠のエネルギーは弱く、体内に入った際の影響は放射性セシウムの約700分の1とされる。トリチウムを含む水は他の原発では希釈し海に流しており、福島第1でも事故前は海洋放出していた。

スリランカ人女性死亡問題
2021年3月、名古屋出入国在留管理局の施設で、スリランカ人のウィシユマ・サンダマリさんが死亡した。嘔吐などの症状を訴えたが。一時的に収容を解く仮放免は認められなかった。出入国在留管理庁は同8月、調査報告書を公表し、職員の危機意識や医療体制に問題があったと認めた。遺族らは殺人容疑などで当時の局長らを告訴、告発した他、必要な医療が提供されなかったとして、国に損害賠償を求め、名古屋地裁に提訴した。国会でも議論となり、21年提出の入管簽民法改正案は与野党が対立し、廃案に。大筋で旧案を維持した改正法が23年6月9日に成立した。

オーラルヒストリー
重要な出来事に関わった当事者にインタビューし、口述記録を歴史的な証言として残す研究手法。議事録や書簡からは分からない当事者の記憶を引き出し、より深みのある研究を目指す。政治の意思決定過程の検証では、政治家や官僚の証言が有効とされる。『岸信介証言録』や故後藤田正晴元官房長官の回顧録「情と理」などが知られる

8050問題
ひきこもりが長期化し、周囲から孤立したまま、親が80代、本人が50代といった状態に陥る問題。親の年金が頼りで生活に困窮し、介護や病気、障害といった複合的な課題を抱えているケースもある。「親亡き後」の子どもの生活をどうするかも課題。

認知症
さまざまな脳の病気で神経細胞の働きが弱くなって認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態。複数のタイプがあり、発症者の6~7割を占める最多のアルツハイマー型では「アミロイドベーダ」や「タウ」と呼ばれるタンパク質の蓄積がみられ、物忘れや失語といった症状が起きる。他に血管性、レビー小体型、前頭側頭型などがある。軽度認知障害から認知症に進むケースもある。高齢化に伴い患者数が増えており、厚生労働省は2025年には、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると予想している。

共同保険
一つの保険契約を複数の損害保険会社で引き受けるもので、1社では引き受けきれない大きなリスクを分散することなどを目的としている。資産規模が大きく事業リスクの高い大企業向けの契約で一般的。各損保から提示された引き受け条件を基に契約者がシェアを決め、シェアに応じて各損保に支払う保険料や事故時の保険金が決まる。損保の中で幹事社を定め、契約手続きなどは幹事社との間で行われる。

核拡散防止条約(NPT)
1970年に発効し、191ヵ国が加盟する。米ロ英仏中に核兵器の保有を認める代わりに、核軍縮の誠実な交渉義務を課す。他国には核兵器取得を禁じ、原子刀の「平和利用」を認める。事実上の核保有国のイスラエル、インド、パキスタンは未加盟。北朝鮮は2003年に脱退を表明した。原則5年ごとに再検討会議を開催。その3年前から毎年、準備委員会を開く。15年の再検討会議は最終文書を採択できず、22年の再検討会議でもロシアが合意に反対し、決裂した。

連邦公開市場委員会(FOMC)
米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決める会合。会合は通常2日間で、正副議長と理事、地区の連邦準備銀行総裁らによる投票で金利の上げ下げといった政策を決める。経済や金融市場の動向の分析なども行う。会合後には議長が記者会見を行うことが慣例。

最低賃金
パートやアルバイトなど非正規雇用を含む全ての労働者に対し、企業が最低限支払わなければならない時給。下回った企業には罰金が科される。厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が引き上げの目安額を示し、8月ごろ地方審議会が各都道府県の実際の額を決める。毎年度、10月ごろ改定する。海外主要国と比べて低水準にあることや、地域間の格差が課題。2022年度の最高額は東京都の1072円、最低額は沖縄など10県の853円だった。

カンボジア
仏教を国教とする人口約1676万7千人の立憲君主国。元首のシハモニ国王に統治権はなく、与党から選出された首相が内閣を組閣する。議会は上院と下院で、下院が法案成立の最終権限を持つ。1975年からのポル・ポト政権が共産主義を掲げ、200万人近くが虐殺などで死亡したと推定される。79年のポル・ポト政権崩壊後は内戦で混乱し、日本など国際社会の支援を受けて93年に現在のフン・セン政治体制に移行した。

政府の特殊詐欺対策
政府は振り込め詐欺や還付金詐欺などを防ぐため、犯罪対策閣僚会議で対策をまとめてきた。2023年3月には交流サイト(SNS)上で実行犯を募る「闇バイト」などの緊急対策プランを策定した。民間企業と連携して対策を具体化する動きが進んでおり、6月には特殊詐欺グループが身元を隠すために使っているとされる「050」で始まる電話番号の契約時に、事業者に利用者本人の確認を義務付けることを決めた。

マイナ保険証
健康保険証の機能が付いたマイナンバーカード。力―ド取得後、保険証として利用登録すると使える。7月9日時点でカード取得者の約7割に当たる6493万人が登録済み。医療機関はカード読み取り機を新たに設置する必要がある。政府は過去の診察や薬の処方歴に基づき、良い医療につながると説明している。一方、医療現場では読み取り機が故障したり、患者の情報がシステムに反映されず「無保険扱い」となったりするトラブルが相旧次いでいる。

日・中・韓原発のトリチウム排出量
(単位・兆ベクレル)日本:福島(事故前)2.2、処理水22、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈。韓国:月城71、古里49(いずれも韓国南東部)。中国:紅沿河原90(黄海)、泰山143(中部)、寧徳124(中部)、陽江112(南部)

処理水巡る中国の主張
中国は東京電力福島第1原発処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出に反対。「日本は海洋環境の安全と人類の健康を無視している」などと非難している。国際会議の場で中国高官が放出反対の主張を展開し、中国メディアは放出に反対する論調の報道を繰り返している。放出計画が「国際的な安全基準に合致する」とした国際原子力機関(IAEA)に対して中国外務省は「全ての専門家の意見は反映されていない」として「遺憾」を表明した。日本政府は中国側に科学的根拠に基づいた議論を求めている。

政策秘書
国会議員の政策立案や立法活動を補佐する特別職の国家公務員。政治改革の一環として1993年の国会法改正で創設された。議員1人につき2人だった公設秘書を3人に増やす形で導入。給与は中央官庁の課長補佐級以上とされ、全額税金で賄われる。衆参両院で試験に合格した714人と、審査で認定された4019人が資格を保有。議員に選ばれなければ勤務できない。衆参の議員定数は計713人で狭き門とされる。

外為法
外国為替および外国貿易法の略称。経済の安定や安全確保を目的に海外との為替取引や輸出入を管理する法律で、経済安全保障の観点から活用事例が近年目立つようになった。軍事転用の恐れがある製品や技術の海外流出防止や、他国への経済制裁などを規定。外国の企業や投資家による国内企業への出資で安全保障上の懸念がある場合、株式売却を命じる仕組みも定めている。

レッドリスト
絶滅する恐れがある野生生物の種のリスト。国際自然保護連合(IUCN)が作る世界規模のリストのほか、国内では環境省や自治体、非政府組織(NGO)が作成するものがある。環境省のリストは、絶滅の危険度を「絶滅危惧IA類」「絶滅危惧IB類「準絶滅危惧」などに分類し、約5年ごとに見直している。最新版は2020年に公表。

日中韓首脳会談
日本、中国、韓国の首脳による対話の枠組み。2国間に懸案があったとしても経済分野など対話を重ねることで、融和を図るとの狙いがある。1999年に当時の小渕恵三首相が提唱。当初は国際会議の機会を利用したが、2008年から3ヵ国の持ち回りになった。ただ、新型コロナウイルス禍や2国間関係の悪化を背景に、19年12月の中国・成都開催以降、開かれていない。日中は首相、韓国は大統領が出席する。

そごう・西武
セブン&アイーホールディングス傘下で、百貨店の「そごう」「西武百貨店」と持ち株会社「ミレニアムリテイリング」の3社が合併して誕生した。2009年9月には全国で28店舗を展開していたが、不採算店を整理し、現在は首都圏と秋田県、福井県、広島県に計10店舗がある。23年2月期の売上高に当たる営業収益は1854億円、純損失は130億円。

スーパーアプリ
検索やチャット、ニュース、インターネット通販、予約、金融など生活に役立つ複数のサービスが集約された多機能アプリ。利用者はサービスごとにアプリをダウンロードしたり、個人情報を登録したりする手間が省ける。中国のIT大手騰訊控股(テンセント)の「微信(ウィーチャット)」が代表的。利用者の囲い込みが見込めるため、日本でもLINE(ライン)を中心に手がけるアプリ事業者が増えている。

医療保険の資格確認書
2024年秋予定の健康保険証廃止に合わせ、マイナンバーカードや「マイナ保険証」のない人向けに、自治体や健康保険組合などが新たに無料で発行、交付する。保険証代わりとなり、最長で1年間有効。制限なく繰り返し更新できる。発行済みの健康保険証にも、廃止後に継続使用できる猶予期間が設けられる。厚生労働省は、加入保険の種類にかかわらず25年秋まで有効とする方針。

特殊詐欺
対面せずに電話で相手を信じ込ませ、銀行口座に振り込ませるなどして金を詐取する犯罪の総称。2002年ごろ登場した「おれおれ」の手口が最初とされる。03年に全国で急増し社会問題化した。「架空請求」などを加えて4つに分類した振り込め詐欺のほか、「金融商品取引名目」やキャッシュカードを窃取する「カード詐欺盗」など。20年から10類型に。犯罪グループは、電話でだます「かけ子」、現金を受け取る「受け子」、口座から引き出す 「出し子」など役割を分担。国内での取り締まり強化を背景に、フィリピンやカンボジアなど海外に拠点を移すケースも相次いでいる。

インボイス(適格請求書)
2019年10月に消費税が10%と8%の複数税率となったことに対応した請求書類で、正確な納税額を計算するため導入が決まった。サービス・業務の提供や商品の納入を受注した売り手の事業者が、税率ごとに区分した消費税額などを明記して、発注元の事業者に対して発行する・請求書や納品書や領収書、レシートなど書類の名称は問わないが、発行する事業者は税務署に登録する必要がある。

物流の2024年問題
トラック運転手の時間外労働の上限を年960時間とする規制が24年4月に始まり、物流の停滞が懸念される問題。1人の運転手が運べる荷物が少なくなるため、何も対策しないと配送が遅れたり、送料が高くなったりする可能性がある。政府は効率的に輸送できるダブル連結トラックの導入のほか、鉄道や船舶への代替を推進している。

福島第1原発の処理水
東京電力福島第1原発1~3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やす注水の他、地下水や雨水から発生した汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した水。放射性物質のトリチウムは取り除けず、敷地内のタンクで保管しているが、東電は2024年2~6月ごろ満杯になると試算。卜リチウム濃度が国の基準の40分の1未満になるよう海水で薄め、海底トンネルを通して原発の沖約kmでの放出を計画している。トリチウムを含む水は各国の基準に従い海に放出されている。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域を中心とする経済連携協定(EPA)。貿易自由化に向け、農産品や工業製品の関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業などのルールを定める。当初12力国で署名したが、米国がトランプ政権発足後に離脱。11ヵ国でまとめ直した。新規加盟した英国に続き、中国、台湾、ウクライナ、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイが加盟申請している。

学校給食摂取基準
小中学校の児童生徒に必要な給食1食分の栄養価の目安を年齢別に示したもの。エネルギーやタンパク質、ビタミン類など12項目について、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」や、児童生徒への食事状況調査を基に算出する。カルシウムなど家庭で不足しがちな栄養素は、食材の組み合わせを考慮しつつ高めに設定されている。地域の実情などにより弾力的に運用できる。

福島第1原発の処理水
東京電力福島第1原発では、1~3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やす注水や、流れ込む地下水・雨水で汚染水が発生し続けている。多核種除去設備(ALPS)で浄化処理しても放射性物質トリチウムは除去できず、敷地内タンクに保存している。6月時点の保存量は約133万トンで容量の約97%。計画では、トリチウムの濃度が国の基準の40分の1未満になるよう海水で薄め、海底トンネルを通して原発の沖約1kmで放出する。

力晶積成電子製造(PSMC)
台湾北西部の新竹に本社を置く半導体受託製造企業。SBIホールディングスによると同業で世界6位。半導体の設計はせず、他社の設計に基づく受注生産だけを担う。コンピユー夕―の頭脳となるロジック半導体、データの記憶に使うメモリー半導体の両方を手がけ、車載向けの半導体も安価に大量生産する。2022年12月期連結決算は売上高760億台湾ドル(約3500億円)、純利益216億台湾ドル(約1000億円)。

Viog(ブイログ)
「Video(ビデオ)」と、インターネット上の日記「Blog(ブログ)」を組み合わせた言葉。主にネットに投稿する目的で、身の回りの出来事や趣味を撮影した動画を指す。交流サイト(SNS)や動画投稿サイトの普及で、若い世代を中心に利用が広かっている。こだわった編集やライブ配信が人気を集め、一つの動画の総視聴回数が数百万回に及ぶこともある。

個人情報保護委員会
内閣府の外局に設置された行政機関。公正取引委員会などと同じく独立した委員会で、個人情報保護法やマイナンバー法に基づき業務を執行している。行政機関や企業への立ち入り検査や勧告・命令の権限を持つ。委員長を含む有識者9人で構成し、専門委員もいる。各省庁から集められた職員らによる事務局が実動部隊となる。

クラスター弾禁止条約
(オスロ条約)非人道的と指摘されるクラスター(集束)弾に関する国際条約。加盟国による使用、開発、輸出入を全面禁止するとともに、非加盟国に対して不使用を働きかけるよう努力義務を定める。ノルウェーなどの有志国が議論を主導し、2010年に発効。日本を含む110ヵ国超が加盟する。米中ロ3力国とウクライナは加わっていない。日本が08年12月にオスロで署名した際、当時の麻生太郎首相は「歴史的にすごいことだ」と評価している。

クラスター弾
1発の親爆弾が空中から多数の子爆弾をまき散らし、広範囲の標的を攻撃する兵器。第2次大戦やベトナム戦争、イラク戦争などで使われたほか、ロシアが侵攻したウクライナの戦場でも使われているとされる。投下時に民間人が巻き添えになる危険が大きく、子供が不発弾で遊んでいる際に爆発した例も。2008年5月、有志国主導の国際会議で使用、開発、製造、貯蔵などを全面的に禁止するオスロ条約が採択された。

新領域
陸・海・空といった従来の戦闘空間を超え、新たに防衛が必要とされている領域。通信に必要な人工衛星が存在する宇宙空間、インターネットがっくり出すサイバー空間、通信などに使う電磁波といった分野がある。各国の防衛は、高度な情報通信網やコンピューターシステムに依存しているため、その防御が急務だ。米国やロシア、中国など各国は新領域での軍事技術開発で激しい競争を展開。自衛隊も米軍と連携し、対応力向上を進めている。

災害関連死
土砂崩れや津波など災害が直接の原因で亡くなるのと違い、災害後の避難生活や復旧作業による疲労やストレスで体調を崩したり、環境の変化で持病が悪化したりして死亡するケース。遺族の申請で、市町村などが災害との因果関係を調査する。認定されると、直接死と同じように最大500万円の災害弔慰金が支払われる。

国の税収
政府が国民や企業などから受け取る税金による収入。買い物やサービスの利用時に発生する消費税、会社員の給与や株式の配当に課される所得税、企業が納める法人税が「基幹3税」と呼ばれる。各年度の当初予算には経済情勢に基づく見積額を計上し、年度途中の補正予算で見直すことが多い。財務省が毎年7月に前年度の最終的な税収を公表する。

最低賃金
パートやアルバイトなどの非正規労働者を含む全ての労働者に適用される時給の下限額。下回った企業には罰金が科される。厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が、引き上げの目安額を示し、各都道府県の審議会が実際の額を定める。毎年度、労働者の地域ごとの生計費、賃金、企業の支払い能力を考慮して改定する。諸外国と比べて低水準にあることや、地域間の格差が課題とされている。2022年度の最高額は東京都の1072円、最低額は青森など10県の853円だった。

福島第1原発の処理水
東京電力福島第1原発では2011年の事故後、溶け。落ちた核燃料を冷やすための注水などで放射性物質を含む汚染水が発生。放射性物質を除去する装置で浄化処理しているが、処理後も除去できない放射性物質のトリチウムが含まれており、敷地内のタンクに保管している。東電の試算では24年2~6月ごろにタンクが満杯になる。政府は21年、処理水を海水で薄めて海に放出すると決定。政府と東電は23年夏ごの海洋放出開始を目指している。

モノなしマルチ商法
健康食品や化粧品といった実体のある商品ではなく、暗号資産(仮想通貨)や海外事業への投資などの「もうけ話」を「人に紹介すると報酬が得られる」とうたい、契約者を増やしていく商法。特定商取引法が定める取引類型の一つである「連鎖販売取引」に該当すると判断された場合、事実と異なることを告げる不当な勧誘が禁止されるほか、事業の統括者の名称などを記した書面の交付が義務付けられる。違反した場合、懲役や罰金といった刑事罰の対象になる。

地方債
自治体の借入金。債券を発行し、国や金融機関など外部から資金を調達する。2023年度の地方財政計画では、全自治体の歳入総額は92兆円で、うち地方債は6兆8千億円。原則として、公共施設の建設事業や災害復旧事業など、投資的経費に充てる。返済は複数年度にわたるため、財政のやりくりがしやすくなる。財政状況が基準を超えて悪化すると、発行が制限される。

マイナ保険証
健康保険証の機能を備えたマイナンバーカード。カード取得後、保険証として利用登録すると使える。2023年6月11日時点でカード取得者の7割に当たる6376万人が登録している。医師は薬の処方歴や特定健診の結果が見られ、政府は適切な医療につながると説明している。一方、全国保険医団体連合会によると、保険証を読み取るカードリーダーが故障したり、患者の情報がシステムに反映されず「無保険扱い」となったりするトラブルが起きている。

携帯電話の安値販売
携帯電話大手の販売代理店がスマートフォンなどの携帯端末を過度に値引きして売ること。携帯の普及に伴う顧客の獲得競争激化が背景にある。端末を赤字で売って割高な通信料で補う構図とされ、通信料の下げ止まりを招いていろとの指摘がある。公正取引委員会は極端な安値販売が継続すると、中古端末を扱う事業者らの営業活動を阻害するため、不当塰冗に当たる恐れがあると拙作]している。

ワグネル
ロシアの民間軍事会社。プーチン大統領に近い新興財閥の一人、エブゲニー・プリゴジンが創設し、ロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合した2014年にウクライナ東部で活動を始めた。22年からのウクライナ侵攻にも部隊を派遣し、雇い兵や受刑者らを戦闘員として多数投入して東部ドネツク州の激戦地バフムトを制圧した。内戦にロシアが軍事介入した中東シリアのほか、マリや中央アフリカなど政情不安のアフリカ諸国で戦闘に加わり、民間人らを無差別に殺害した疑いも持たれている。

戦術核
大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機を使い遠く離れた相手国を標的にする戦略核に対し、局地戦での使用を想定した核爆弾や短距離核ミサイルなどを戦術核と呼ぶ。ソ連時代の第2次大戦にナチス・ドイツの電撃的侵略を受けたロシアは欧州側の国境近くに戦術核を数多く配備した。米国主導の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)側もこれに対抗する形で欧州周辺5力国に米国の戦術核を保有しているとされる。

BRICs
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5力国の枠組み。米金融大手ゴールドマン・サックスが2001年、経済成長が期待される4力国の英語の頭文字を基に「BR I C s」と表現したのが始まりで、11年に南アが加わった。 5ヵ国の総人口は世界全体の約4割を占める。15年には新興国のインフラ整備を支援する目的で、上海に「新開発銀行」を設立した。

新型コロナウイルスワクチン
新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を防ぐために開発された。日本では米ファイザー製とモデルナ製のほか、武田薬品工業が日本での製造販売を担う米ノババックス製などが実用化されている。2021年2月から医療従事者への接種が始まり、高齢者や基礎疾患のある人、健康な入らへと対象が広がった。国民の約8割が1、2回目の接種を終え、3回目以降の接種率は7割弱となっている。無料の接種は本年度も続けられるが、2024年度は未定。

人工知能(AI)
人間の脳のように物事を学習したり、膨大なデータから推論して判断したりできる技術やプログラム。脳神経回路を参考にした「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる手法により、デー夕の解析精度が飛躍的に向上した。車の自動運転技術や病気の早期発見などにも応用される。近年は利用者の指示に基づいて文章や画像、音声を作成できる「生成AI」が登場。利便性の一方で個人情報の不適切な収集や教育現場での悪影響、誤情報の拡散といったリスクも指摘される。

マイナンバー
国内に住む全ての人に割り当てられた12桁の番号。行政事務の効率化を目指し、2016年に利用が始まった。確定申告や年金、雇用保険といった行政手続きで使用する。番号や顔写真、名前などが記載されたマイナンバーカードの取得は任意。政府は24年秋に健康保険証を靡止してカードに一本化し、24年度末までには運転免許証の機能も持たせる予定。

生成AI
利用者の指示に基づいて文章や画像、音声などを生成できる人工知能(AI)。米新興企業オープンAIが開発した対話型の「チャットGPT」が知られる。ウェブ上にある大量のデータで学習し、自然な表現で質問に答えたり、指示に忠実な画像を作ったりする。便利な一方、個人情報の不適切な収集や誤情報の拡散といった危険性も指摘される。

有機フッ素化合物
水や油をはじく、熱や薬品に強いといった特徴かあり、身の回りの製品に広く使われてきた。数千種類あるとされ、総称してPFASと呼ばれる。PFOAやPFOSなどが代表的な物質。化学的に安定している一方、分解しにくいため環境中に長期間残留し、水や食べ物などを通じて生物に取り込まれる。健康影響の恐れが指摘され、国内外で規制が進む。

公金受取囗座のひも付け
災害時の公的給付金などを迅速に配るため、受け取り用の預貯金口座とマイナンバーを一緒に任意で登録する仕組み。事前登録すれば、自治体による給付時の口座確認作業が省ける。22年国会で成立した改正関連法により、行政機関が把握済みの住民口座を受取口座として登録する制度も導入される。不同意の意思表示がなければ、登録に同意したとみなす。意思確認の手続きは、高齢者を対象に年金受取口座から始める。

レーダー照射問題
2018年12月20日、石川県の能登半島沖で韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のPI哨戒機に火器管制レーダーを照射したとされる問題。警戒監視用のレーダーとは異なり、対象との距離や速度を精密に計算。照射すると射撃が可能になる。哨戒機はレーダー照射を感知し、攻撃回避行動を取った。防衛省は不測の事態を招きかねない極めて危険な行為だと抗議したが、韓国国防省は照射を否定。逆に哨戒機が低空飛行で接近してきたとして非難した。

空き家の現状
総務省の統計よると、全国の空き家の総数は2018年時点で849万戸に上り、20年前の1.5倍となった。このうち長期不在など活用のめどが立たない物件は349万戸。対策をしないと30年には470万戸になると見込まれ、政府は、利活用や撤去を促すことで30年は400万戸までに抑えることを目指している。京都市は売却などを促すため、独自の法定外税「空き家税」を所有者に課すことを全国の自治体で初めて決定。早ければ26年にも導入する。

訪日客
海外から日本を訪れる外国人。2003年に小泉純一郎首相(当時)が「年間約500万人を10年に倍増させる」と表明し、観光立国の取り組みが本格化した。格安航空会社(LCC)の台頭や世界的な旅行ブームも追い風に、16年に2千万人台に乗せ、19年は3188万人を記録。だが、新型コロナウイルスの影響で20年は412万人、21年は25万人と低迷。22年は水際対策が大幅緩和された10月以降の伸びで383万人まで回復した。

中国の新型コロナ対策
中国は新型コロナウイルスと共生を図るウィズコロナを拒否し、感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策を推進。ロックダウン(都市封鎖)や集中隔離などの強制措置に市民の不満が高まり、2022年11月に抗議活動が各地に広かった。22年12月ごろに感染爆発が起き、ゼロコロナ政策は事実上崩壊。23年1月に正式終了し、規制は緩和された。2月時点で総人口14億人のうち11億~12億人が感染し、流行は沈静化した。4月に感染の再拡大が始まり、6月末にピークに達すると予測されている。

カンボジア国連平和維持活動(PKO)
ポルーポト派ら内戦当事者4派と日本など関係国18力国が1991年に和平に合意。選挙実施と民主国家樹立を目指し国連カンボジア暫定統治・機構(UNTAC)が発足、40力国以上の計約2万2千4人が携わった。選挙は93年5月に実施、暫定国民政府が7月に発足した。日本は92年成立のPKO協力法に基づき自衛隊部隊と警察官が初参加。自衛隊は道路補修などを担う施設部隊や停戦監視要員ら約1200人を派遣。文民警察官は全国の警察から75人が集められた。カンボジア国内の29ヵ所に分散配置され、現地警察の指導などを担った。

発電のアンモニア利用
日本政府は将来、再生可能エネルギーで作った水素と大気中にある窒素から生産したアンモニアを普及させることを目指している。クリーンなエネルギー源となり、火力発電の燃料として混ぜると二酸化炭素(CO2)の削減に貢献すると主張する。だが、当面はCO2排出が多い製造手法が主流であるほか、光化学スモッグの原因となる窒素酸化物の排出が増えるなど多くの懸念が示されている。

オワハラ
企業が新卒採用で内定を出した学生に、他の企業への就職活動をやめるよう迫る行為。「就活終われ」と、英語で嫌がらせを意味する「harassment (ハラスメント)」を組み合わせた略語。学生優位の売り手市場が続き、企業が優秀な人材の囲い込みに焦っていることが背景にある。

盛り土規制法
住宅などに被害を及ぼす危険性がある盛り土を規制する法律。宅地造成等規制法を改称し、さまざまな用途の土地に適用するよう2022年5月に抜本改正。都道府県や政令指定都市、中核市が規制区域の指定や造成の許可を担う。罰則も強化し、個人には3年以下の懲役または1千万円以下の罰金、法人には最高3億円の罰金を科す。土地所有者らが安全な状態に維持する責務も明記した。

抱き合わせ融資
貸付業者が、商品を不当に高額な価格で買わせることを条件に現金を融資する手口。商品の本来価格と販売価格との差額に、融資の返済分の利息を加えたものが実質的な利息となる。契約書面などの表向きの利息額は出資法が定める法定金利内に抑えられることが多く、違法な金利の発覚を免れる狙いがあるとみられる。利息額は年利20%を超えれば出資法違反となる。

タクシー運賃
国が地区ごとに定めた上限と下限の範囲内で、事業者が自由に決められる。範囲を超えて値上げや値下げをする場合、改定を運輸局に求める必要がある。申し出た事業者の車両数の合計が地区全一体の7割以上になると、運輸局は改定が妥当かどうかを検討する。

次世代半導体
旧世代に比べて回路線幅が細く小型で、量産には高度な技術が必要な半導体。半導体の主要メーカーがある米国や台湾、韓国で研究開発が進み、欧州諸国も製造拠点の誘致を進めている。計算処理が劇的に速くなる量子コンピューターなどへの活用が見込まれる。日本でも2022年、トヨタ自動車などの主要企業が出資して国産化を目指す新会社「ラピダス」が設立され、2027年の量産開始を目指している。

経常収支
財務省が毎月公表する国際収支の代表的な指標。日本と海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す。日本に入ってくるお金が海外に出ていくお金より多いと黒字、少ないと赤字になる。モノの輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」、旅行者によるお金の出入りなどを示す「サービス収支」、海外保有資産からの利子や配当収入などを表す「第1次所得収支」、寄付や贈与の「第2次所得収支」で構成される。

デフォルト(債務不履行)
国家や企業など公社債の発行体の財政状況が悪化し、約束された期限に契約通りに債権者への元本の返済や利子の支払いが行われないこと。英語のつづりは「Defaurt」。利払いの一時的な遅延から、元本が完全に返済不能となることまで幅広く指す。格付け会社が認定するほか、国家が自ら宣言する場合もある。デフォルトになると、金融市場での資金調達が難しくなる。国では過去にアルゼンチンやギリシヤなどで起きた。

アラブ連盟
アラブ諸国の独立と主権を擁護するという目的で1945年に設立された地域機構。エジプト、サウジアラビアやクウェートなど21ヵ国のほか、パレスチナ解放機構(PLO)が加盟し、本部はエジプトのカイロ。2023年5月にシリアの復帰を認めた。

8050問題
ひきこもりが長引いて、親が80代、本人が50代といった状態に陥り、生活に困窮する問題。周囲に相談できないまま孤立し、親の介護サービス利用をきっかけに、初めて明らかになることもある。ひきこもりや介護、貧困などの複合的な課題を抱える家庭に対し、一括して相談対応できるよう、市区町村を財政面で支援する改正社会福祉法が2021年4月から施行された。

WHOの緊急事態宣言
正式名称は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」。感染症などが各国に保健上の危険をもたらす事態や国際的な対策の調整が必要と判断される場合に、世界保健機関(WHO)が出す最高度の警告。専門家で構成する緊急委員会の勧告を踏まえ、WHO事務局長が宣言する。発出後は緊急委が3ヵ月ごとに開かれ、宣言の継続・終了の是非を検証。2005年の制度創設から7例あり、14年のポリオ(小児まひ)、22年のサル痘(エムポックス)に対しては継続中。

IPEF
米国が主導する新経済圏構想「Indo-Pacific Economic Framework(インド太平洋経済枠組み)」の頭文字をとつた略称。アイペフと呼ぶ。バイデン大統領が提唱し、2022年5月に発足した。地域で影響力を拡大している中国に対抗する狙いがある。日本や米国、韓国、インド、オーストラリア、インドネシアなど14ヵ国が参加。「貿易」や「供給網」などの四つを主要なテーマとする。関税引き下げは想定せず、一部分野のみの参加も認める。

新型コロナウイルス感染症の5類移行
致死率の低下などを受けて政府は1月、新型コロナの感染症法上の位置付けを23年5月8日に「新型インフルエンザ等感染症」から「5類」へ引き下げることを決めた。感染者は発症翌日から5日間の自宅療養が推奨されるものの、法律に基づく入院勧告や外出自粛要請はなくなる。感染者の全数把握はせず、流行の動向は指定された「定点医療機関」からの報告で把握する。医療費は高額な治療薬代などを除いて自己負担が発生する。

教員の勤務時間
公立学校の教員の勤務時間は休憩時間を除き1日7時間45分で、残業は学校行事や非常災害など「超勤4項目」に限ってしか命じることができない。仕事内容の特殊性から勤務の内外を切り分けるのが難しいとして、残業代は支払われず、代わりに月給の4%相当を「教職調整額」として支給している。2019年12月に改正教職員給与特別措置法(給特法)が成立し、教員の残業時間上限を「月45時間、年360時間」とする文部科学省の指針が法的に位置付けられた。

技能実習と特定技能
外国人技能実習制度は、発展途上国への技術移転、人材育成を目的とする外国人研修制度を補う形で1993年に始まった。2022年末時点の実習生は約32万5千人。建設や食品製造関係が多い。特定技能制度は19年、労働力不足に対応し、即戦力の外国人を受け入れるために創設。最長5年働ける1号と、熟練労働者として永住も可能な2号がある。23年2月末時点で1号は約14万61千人で、2号は10人。技能実習からの移行が約7割を占める。

ランダムサブドメイン攻撃
大量のデータを送り付け、システム障害を起こすDDOS(ディードス)攻撃の一種。企業や自治体などのウェブサイトのインターネット上の住所「ドメイン」を管理するサーバーを狙い、複雑なデータを短時間に大量送信する。具体的にはサブドメインと呼ばれる、サイトが独自に設定するドメインを問い合わせる。問い合わせるサブドメインは架空のものだが、サーバーはサイト内に存在しないかどうかを探す作業を強いられるため、システムに大きな負荷がかかる。

生成AI
利用者の指示に基づいて文章や画像、音声などを生成できる人工知能(AI)。対話型の「チャットGPT」が代表例。大量のデータで学習した内容を踏まえ、自然な表現で質問に答えたり、指示に忠実な画像を作ったりする。便利な一方、個人情報の不適切な収集や教育現場での悪影響、フェイクニュースなどをAIが学習して誤情報が拡散される危険性も指摘されている。

プラチナバンド
700~900MHz帯の周波数帯を指す。電波が遠くまで届き、少ない基地局で広い範囲をカバーできるため、携帯業界では価値の高い貴金属のプラチナに例えられている。現在はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社が使っている。2020年に本格参入した後発の楽天モバイルは持っていない。総務省は条件が整えば2023年秋ごろに携帯事業者に配分する方針だが、配分先はまだ決まっていない。楽天が獲得に乗り出すかどうかが今後の焦点。22年10月施行の改正電波法で、携帯事業者からの申し出があれば、既存の事業者に配分された電波を再分配することができるようになった。楽天は早期の再配分を訴えていますが、3社は後ろ向き。

補欠選挙
公選法の規定により、死去や辞職に伴う衆参両院議員の欠員を補う選挙ひ衆院の小選挙区では1人、参院の選挙区では改選数の4分の1超の欠員が出た場合、行われる。4月と10月の第4日曜日にまとめて実施。4月の補選は前年9月16日から2023年は3月15日まで、10月の補選は3月16日から9月15日までに生じた欠員が対象となる。選挙無効を求める訴訟が続いている間は実施できない規定があり、時期がずれ込むこともある。当選者の任期は、前任者の残り期間となる。

企業の障害者雇用
障害者雇用促進法は、従業員が43.5人以上(短時間労働者を0.5人と見なす)の企業に一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。割合は法定雇用率と呼ばれ、3023年現在は2.3%。雇用率が低い企業は行政指導を受けるほか、従業員100人超の場合は1人の不足につき原則、月5万円の納付金を課される。

チャットGPT
インターネット上の膨大なデータを学習し、利用者が入力した質問や指示に人工知能(AI)が文章などで答える自動応答ソフト。米新興企業のオープンAIが開発した。自然な対話ができることに注目が集まり、業務の効率化に役立つと期待されている。一方、個人情報などの流出や、使う人の思考力低下を懸念する声もある。

企業版ふるさこと納税
地方創生を目的に、企業が応援したい自治体の地域活性化事業に寄付した場合、税負担を軽くする制度。企業は寄付の3割を損金に算入、最大6割について法人住民税や法人税、法人事業税の税額控除が受けられる。合わせて寄付額の最大9割の税が軽減される。1回当たり10万円から寄付できる。税収が豊かな東京都など一部を除く、全国の自治体が対象。寄付を受けるには、自治体が「地域再生計画」を作り、政府から計画の認定を受ける必要がある。

核のごみ最終処分
原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理で発生するのが高レベル放射性廃棄物。「核のごみ」とも呼ばれる。極めて強い放射線を長期間発するため、国は地下300mより深い岩盤に埋める地層処分で数万年以上、人間の生活環境から隔離する方針。最終処分場の選定は、文献調査、概要調査、精密調査と3段階あり、計20年ほどかけて地盤や火山活動の有無などを調べ、建設の可否を判断する。

RSF
スーダンの準軍事組織「即応支援部隊」の英語表記「Rapid Support Forces」の略称。2000年代、西部ダルフール紛争で住民を虐殺した民兵組織ジャンジャウィードの出身者らで構成。バシル独裁政権下で台頭した。10万人の兵力を抱えるといわれる。バシル政権を崩壊させた19年のクーデターを軍と共に主導した。

自衛隊法84条の4
外国で災害や騒乱が発生し、邦人が安全な場所に退避する必要があった場合に自衛隊の航空機や艦艇を使って、輸送することを規定している。2021年のアフガニスタンからの退避活動では、政府の判断遅れから邦人1人とアフガン大14人の輸送にとどまった。22年には、閣議決定を不要とするなどの法改正を実施した。

電気の規制料金
電力の小売りが2016年に全面自由化される前から、大手電力が提供している電気料金のプラン。今でも多くの一般家庭が契約している。各社の判断で改定できる自由料金と違い、抜本的に値上げするには経済産業相の認可が必要となる。経産省の有識者会合で、大手電力が値上げの根拠として示す人件費や燃料費などの算定の妥当性や、経営効率化の取り組みを審査する。審査の結果、申請時より上げ幅が圧縮されるケースが多い。

物流の2024年問題
トラック運転手の残業上限を年960時間に規制する労働基準法が24年4月に物流業者に適用されることで、人手不足が懸念される問題。遠隔地に荷物が運べなくなったり、輸送費が高騰したりする可能性もある。インターネット通販の拡大で荷物は増えているが、物流の担い手は不足。労働環境改善や効率的な輸送が求められている。

物価高と春闘
春闘は、企業の経営側と労働組合が毎年春、賃金や労働条件を話し合う団体交渉を指す。労組は組合員の生活を守ることを重視しており、家計に影響する物価動向は要求を掲げる際の重要な目安となる。ウクライナ危機などを背景に、昨年は物価咼が急速に進行。労組の全国組織である連合は2023年春闘で5%程度の賃上げを求める方針を決め、前年の4%程度から目標を引き上げた。

米国の司法制度
連邦と州の2本立てになっており、州ごとに制度も異なる。トランプ前大統領が起訴された東部ニューヨーク州では、検察が示す証拠などを基に大陪審が起訴の是非を判断。起訴された被告人が罪状認否で無罪を主張した。場合、裁判となる。検察側、弁護側の双方が争点を整理する公判前手続きの後、裁判所が定める期日に出廷する必要がある。軽い犯罪以外は、一般市民から選ばれる陪審が有罪かどうかの判断を下す。有罪の場合、量刑は裁判官が判断する。

ブダペスト覚書
1991年末のソ連崩壊後、世界3位の核保有国となったウクライナが国内に残った核兵器を放棄する代わりに同国の独立と主権、領土を尊重し、安全保障を約束することをロシアや米英が確認した文書。94年12月、ハンガリーの首都ブダペストで署名。ウクライナはこれにより非核保有国として核拡散防止条約(NPT)に加盟した。覚書には、ウクライナ側の求めた法的拘束力は伴わなかった。違反行為などが生じた際の協議枠組みも担保されているが、機能していない。

米台関係
米国は第2次世界大戦を共に戦った蒋介石が率いる国民党政権との同盟関係から、中国共産党との内戦に敗れた国民党が逃れた台湾との関係を維持。1972年にニクソン大統領が訪中して毛沢東主席らと会談し、関係正常化へ向けて一致した。米国は79年、正式に中国と外交関係を樹立丿台湾と断交しながらも、台湾への武器提供などを義務付けた台湾関係法を成立させた。近年の米中対立激化に伴い、米政権’は台湾支持を鮮明化。経済面でも関係を深めている。

税外収入
国の一般会計の支出を賄う歳入のうち、所得税や法人税などの「税収」や、国債発行による借金を指す「公債金」以外の収入のこと。予算資料上は「その他収入」と表され、国有財産の売却収入、日銀の納付金、印紙収入などが含まれる。2023年度予算では、防衛費増額の財源を確保するため特別会計や独立行政法人で余っていたお金もかき集め、9兆3182億円の税外収入を計上した。

水素
元素の中で最も軽く、水を電気分解して製造できる。石炭や天然ガスなどの化石燃料からもつくれる。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さずに大きなエネルギーを生み出すことができ、燃料電池車などで実用化されている。一方、既存燃料に比べて生産や輸送コストが高いなどの課題がある。脱炭素時代の次世代エネルギーとして期待され、欧米などが普及に向けた計画を相次ぎ打ち出している。

北方領土問題
ロシアが択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島を占拠し、日本が返還を求めている問題。1945年8~9月、当時のソ連軍による侵攻が発端。日ソ両政府は56年、平和条約締結後に色丹と歯舞を引き渡すと明記した共同宣言に調印した。2018年11月、当時の安倍晋三首相はプーチン大統領との会談で、共同宣言を基礎にした交渉加速で一致したが、協議は停滞。ロシアは22年2月のウクライナ侵攻後、日本の制裁に反発し、平和条約交渉の中断を発表した。岸田政権は「不法占拠」だと非難し、返還を求めている。

チャットGPT
入力した質問に、人工知能(AI)が文章で回答する自動応答ソフト。人間のようなスムーズな対話に注目が集まり仕事の生産性向上やインターネットの使い方を変える可能性があると期待されている。一方、不正確な回答や、使う人の思考力低下といったリスクも指摘されている。

タリバン
内戦状態だったアフガニスタンで1994年、イスラム原理主義の神学生らが結成した武装集団。96年に政権樹立したが、2001年の米中枢同時テロで国際テロ組織アルカイダ指導者ビンラディン容疑者の引き渡しを拒み、米英軍の攻撃で政権崩壊。その後、勢力を盛り返し、駐留米軍の撤退完了を前にした21年8月15日、政権掌握。国際社会は、独自のイスラム法解釈による女性の教育や就労、服装制限を批判。暫定政権を承認していない。

こども家庭庁
子ども・子育て政策の司令塔の機能を持つ首相直属組織。2021.年に当時の菅義偉首相が行政の縦割りを打破する象徴として打ち出したのがきっかけ。組織名は「こども庁」が検討されたが、自民党内などから出た「子どもの育ちは家庭が基盤」との意見が反映され「こども家庭庁」に決まった。同庁が発足する4月1日には、子どもの権利保障などを掲げる議員立法の「こども基本法」も施行される。

合成燃料
水素と二酸化炭素(CO2)が原料で「e-fuel(イーフュエル)」と呼ばれる。走行時にCO2を排出するが、作る段階で大気中のCO2を回収するため、排出量は差し引きで実質ゼロになり、脱炭素につながる次世代エネルギーと目されている。ガソリンスタンドなど既存の燃料インフラを活用できることが利点とされ、日本でも政府が普及を推進している。

環太平洋連携協定(TPP)
アジア太平洋地域の国々による経済連携協定(EPA)。貿易自由化に向け、農産品や工業製品の関税削減・撤廃のほか、電子商取引(EC)や国有企業など広範囲でルールを定めた。当初12カ国で署名したが、米国がトランプ政権発足後に離脱し11ヵ国でまとめ直した。日本、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、チリ、マレーシアの10ヵ国で発効済み。ブルネイは発効のための国内手続きが終わっていない。

米政権のEV優遇策
バイテン米政権が推進し、22年8月のインフレ抑制法に盛り込まれた電気自動車(EV)購入などへの税控除。2030年までに新車販売の5割をEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などにする目標を掲げた。北米での最終組み立てや、バッテリーなどに使う重要鉱物の調達地域について要件を定めている。

AI兵器
人間の介在なしに人工知能(AI)の機能で自動的に標的を識別し破壊、殺傷する軍事兵器。「自律型致死兵器システム (LAWS)」と呼ばれるが明確な定義はない。米国や中国、ロシアなど各国がAIで制御する戦闘機や戦車の開発を競っている。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の締約国会議で規制論議が継続中。2019年の締約国会議では、国際人道法を順守して運用する指針を盛り込んだ専門家会議の報告書を採択したが、法的拘束力はない。

障害賚雇用
障害者雇用促進法は従業員の一定割合以上、障害者を雇うことを義務付ける「法定雇用率」を定めている。一定規模以上の民間企業は現在2.3%で、国や自治体は2.6%。障害者の社会参加促進や、均等な機会の確保などが目的。2022年6月現在、企業で働く障害者は約61万人で過去最多だったが、平均雇用率は2.25%だった。半分以上の企業は法定率に届いていなかった。100人超の企業は法定率を下回ると、不足1人につき原則、月5万円の納付金を徴収される。

ロシアによる子ども連れ去り
ロシアは侵攻後、ウクライナの占領地から子どもをロシア国内に連れ去り養子縁組に出しているとされる。ウクライナ側は①親を殺害したり占領地の検問で親と分離したりして連行②占領地の規則や治療を名目に親元から強制分離③孤児院から連行などの手口と主張、ロシア側は「保護」だと反論する。ウクライナ当局はロシア側に連れ去られた1万6000人を超える子どもの身元を特定。ロシアの公開情報の分析では、連れ去りは74万人以上に達するとしている。国際刑事裁判所(ICC)は2023年3月17日、子ども連れ去りに関与した疑いでプーチン大統領とリボワベロワ・子どもの権利担当大統領全権代表に逮捕状を出した。

宇宙科学研究所
相模原市に本部があり、気球や観測用ロケット、衛星、地球周辺空間の観測など多分野の研究を手がけ、小惑星から試料を持ち帰った探査機「はやぷさ」や「はやぶさ2」のプロジェクトを主導した。1981年に東大宇宙航空研究所が改組し、旧文部省所管の機関として創設。2003年に航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団と統合して宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発足し、当初は宇宙科学研究本部となり、10年に旧来の現名称に戻った。

合成燃料
水素と二酸化炭素(CO2)が原料で「elfuel(イーフュエル)」と呼ばれる。脱炭素につながる次世代エネルギーと目されている。ガソリンと同様、自動車や航空機の燃料などとして使える。発電所などで排出されたCO2を回収、水素と組み合わせて製造し「人工的な原油」とも言われる。ガソリンスタンドなど既存の燃料インフラを活用できることが利点とされ、日本でも政府が普及を推進している。

働き方と子育て
総務省の2022年の労働力調査によると、15~64歳の女性の就業率は72.4%で、男性(84.2%)との差は年々縮小している。一方で「男は仕事、女は家庭」という性別役割意識は根強く、同省の別の調査によると、6歳未満の子どもがいる世帯で、夫が家事や育児に費やす時間は妻の4分の1程度にとどまる。男性の育児参加が進まない背景には、長時間労働を当たり前とする労働慣行もある。男女共に子育てをしながらフルタイムで働ける環境整備が求められており、働き方見直しは政府の少子化対策の主要項目となっている。

台湾との国交
近年断交した国はガンビア(13年)、サントメ・プリンシペ(16)、パナマ(17)、ドミニカ共和国(18)、ブルキナファソ(18)、エルサルバドル(18)、ソロモン諸島(19)、キリバス(19)、ニカラグア(21)、ホンジュラス(23)。外交関係のある国はバチカン、ツバル、マーシャル諸島、パラオ、ナウル、グアテマラ、パラグアイ、ハイチ、ベリーズ、セントビンセント・グレナディーン、セントクリストファー・ネビス、セントルシア、エスワティニ(旧スワジランド)の13ヵ国。

プルサーマル
原発の使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを加工した混合酸化物(MOX)燃料を、通常の原発で利用すること。大量保有するプルトニウムを一消費するため、実用化のめどが立たない高速増殖炉に。代わるつなぎの策として、政府が1997年に推進を閣議了解した。MOX燃料の検査データ捏造発覚などで開始が遅れ、2009年に九州電力玄海3号機で初導入。東京電力福島第1原発事故の後、新規制基準下で実施したのは玄海3号機、四国電力伊方3号機、関西電力高浜3、4号機の4基。事故前には福島第1原発3号機でも実施した。

日韓シャトル外交
日韓首脳が友好関係発展に向け、2国間での首脳会談を主目的として定期的に相互訪問する取り決め。2004年7月に当時の小泉純一郎首相と盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が開始で合意した。05年10月の小泉氏による靖国神社参拝で中断。福田康夫首相が08年2月、李明博大統領とのソウルでの会談で再開に合意。11年12月に野田佳彦首相と李氏が京都市で会談したのを最後に途絶えている。島根県・竹島(韓国名・独島=ドクト)や歴史問題による関係悪化が背景。日本はインドとも首脳の相互訪問で合意している。

ベースアップ
企業が従業員の基本給の水準を一律に引き上げる賃上げの手法。土台や基盤を意味する英語の「base(ベース)」と上昇の「up(アップ)」を組み合わせた和製英語で、「ベア」と略される。金額は業績や物価の上昇などを参考に決める。年齢や勤続年数に応じて賃金を上げる定期昇給や、業績を反映して柔軟に増減させる年間一時金(ボーナス)とは区別される。ベアは将来にわたって人件費の増加要因となるため、経営側は実施を慎重に判断する傾向がある。

無人偵察機
パイロットを撃墜などの危険にさらすことなく、地上や海上を遠隔操作などで偵察できる無人の航空機。ミサイルや爆弾を搭載し、攻撃能力を持つタイプもある。各国が開発や国外からの調達に取り組んでいる。米軍の無人偵察機MQ9は全長約11m、主翼幅約20mで最大高度は約1万5000m。悪天候でも観測できるセンサーなどを搭載。日本は鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地に一時配備されている。ロシア軍のスホイ27は全長約21.94m、主翼幅約14.7m。

年収の壁
被扶養者のパート従業員らが働く時間を抑える。企業が賃金を上げても、年収106万円以上になると扶養から外れ社会保険料の負担が生じる人が多く、働きたくても就業調整する実態がある。働く現場の人手不足感を背景に、就労を促す対応を迫られた形だ。一時給を上げると働く時間を短くするという矛盾が生じている。年106万円以上の収入を得ると、社会保険料の納付が必要でかえって手取りが減ってしまう。

GSOMIA
国や機関が軍事上の機密情報を提供し合う際、第三国への漏えいを防ぐために結ぶ協定。「ジーソミア」と呼ばれ「General Security of Military Information Agreement」の略称。日韓両国は2016年11月に締結。日本は米国や英国、オーストラリアなどとも同種の協定を結んでいる。

国会議員への懲罰
衆参両院は院内の秩序を乱した議員に懲罰を科すことができる。懲罰事犯があった場合、議長は懲罰委員会に付託する。議員による懲罰動議提出も可能。国会法は議員の身分を失う除名、登院停止、議場での陳謝、戒告の4種類を規定する。除名の場合は本会議で出席議員の3分の2以上の賛成が必要。参院は1950年、本会議で予算案への反対討論を行いながら賛成した小川友三氏を除名。衆院は51年、本会議での陳謝を拒否した川上貫一氏を除名した。

輸入小麦
パンや麺類などの原料となる小麦は、国内需要の約9割を輸入に頼っている。生活必需品であることから、国が海外から一元的に買い付けて、製粉会社へ売り渡している。輸入する小麦は、米国とカナダ、オーストラリア産がほとんどを占める。国は、国際相場の変動などを踏まえて、売り渡し価格を毎年4月と10月に見直している。

日韓共同宣言
日本と韓国が1998年10月に発表した宣言。当時の小渕恵三首相と金大中(キム・デジュン)大統領が署名した。小渕氏は「韓国国民に、日本の植民地支配により多大の損害と苦痛を与えた歴史的事実を謙虚に受け止める」と表明。「痛切な反省と心からのおわび」を初めて明記した。金氏は評価し、未来志向の関係発展に向け互いに努力することを表明した。「日韓パートナーシップ宣言」とも呼ばれ、両国関係の基盤と位置付けられている。

TikTok
ティックトックと呼ばれる動画投稿アプリ。音楽に合わせて踊ったり口パクしたりする短時間の動画を公開できる。2012年創業の中国IT企業「北京字節跳動科技(バイトダンス)」が、中国国内向けの動画投稿アプリの海外版として、17年にリリース。若い世代を中心に人気を集め、21年には世界の月間利用者数戮が10億人を超えた。

カルタヘナ法
2000年に生物多様性条約特別締約国会議で採択された議定書に基づく、遺伝子組み換え生物の使用を規制する国内法。04年に施行された。名称は、同会議が1999年に開かれたコロンビアの都市カルタヘナにちなむ。遺伝子組み換え生物を実験室などの閉鎖空間で扱う場合は国が定める方法を用い、野外で飼育や栽培をする場合は生態系への影響を評価した上で、国の承認を受けることが必要としている。

GDP比2%
岸田政権が目指す防衛費と関連予算を合わせた増額目標。防衛費は従来、国内総生産(GDP)比1%前後で推移してきたが、岸田文雄首相は2022年11月、2027年度に補完する予を合わせた水準を2%にすると表明。22年度のGDP見込みだと約11兆円で、このうち8兆9千億円程度を防衛費とした。北大西洋条約機構(NATO)加盟国も引き上げ目標として2%を掲げる。自民党はこれを参考に、22年の参院選などで2%以上を念頭に増額すると公約していた。

全人代
日本の国会に相当する中国の全国人民代表大会の略称。議員に当たる代表は約3千人で全国の省・自治区・直轄市や香港などから選出される。代表の任期は1期5年で、今年は第14期の1回目の会議。北京で年1回、3月に開くのが通例。国防費を含む予算案を承認し、法律の制定や改正を担う。初日に首相が政府活動報告を行い、その年の政策を説明する。

6G
2030年代の導入を見込む第6世代移動通信システムの略。現在普及が進む第5世代(5G)に比べ10倍以上の高速大容量通信が可能とされ、通信が難しかった空や海中、宇宙空間などのエリアでの活用が期待されている。日本は5Gの技術面や商用サービスで海外勢に後れを取った経緯があり、6Gでの巻き返しに向け政府も企業や大学を支援している。

送配電部門の所有権分離
新規参入の電力会社が送配電網を大手電力会社と公平な条件で使えるようにするため、発電設備を持つ大手電力から送配電部門を切り離す「発送電分離」の方法の一つ。所有権分離では資本関係を認めないため、独立性が高くなる。経済産業省によると、英国や北欧で採用されている。日本では資本関係を残したまま別会社化する「法的分離」が採用されており、親会社である大手電力の影響力が残る。

黒い雨
米国による広島への原爆投下直後に降った放射性物質や火災によるすすを含む雨。国は1976年、爆心地から広島市北西部にかけての長さ約19km、幅約11kmの楕円形の範囲内を援護対象区域に指定。区域内で雨を浴びた住民には無料で健康診断をし、がんや白内障など11疾病のいずれかを発症した人に被爆者健康手帳を交付し、医療費を原則無料にするなどの援護策を講じてきた。区域外は援護対象から外されてきたが、2021年7月の広島高裁判決の確定を受け、国は新たな基準を定めた。

津波防災地域づくり法
東日本大震災を教訓として2011年12月に施行された。堤防整備などのハード事業と、避難訓練の実施などのソフト対策を強化し、減災につなげるのが目的。都道府県知事は、最大クラスの津波が悪条件下で発生するとの前提で浸水想定を策定する。23年2月時点で、浸水の恐れがある40都道府県のうち東京都を除く39道府県が公表を終えている。

放送法
テレビやラジオの放送事業の健全な発達を図りつつ、公共の福祉に適合するよう規制する法律。太平洋戦争中にラジオが政府宣伝に使われた反省を踏まえ、1950年に制定された。放送の不偏不党、自律を保障することで表現の自由を確保すると掲げる。第4条では番組の編集に当たり「政治的公平」「報道は事実をまげない」「意見が対立している問題には、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」などと規定。番組の適正化のため、審議機関の設置も定めている。

元徴用工問題
日本の植民地時代に労働を強いられたとして韓国人元徴用工らが日本企業を訴えた問題。韓国最高裁は2018年10~11月、日本企業に賠償を命じる確定判決を出した。日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決済みだと反発。尹錫悦大統領と岸田文雄首相は2022年11月の会談で、早期解決方針で一致した。韓国政府は23年1月、賠償支払いを韓国の財団に肩代わりさせる案を公表。外交当局間の話し合いが加速し、韓国は解決案の正式発表に合わせて日本が「誠意ある呼応」を示すよう求めてきた。

外務省機密漏えい事件
沖縄返還協定が調印された1971年6月、毎日新聞記者だった西山太吉が、沖縄の米軍用地の原状回復補償費400万ドルを日本側が肩代わりするとの密約に絡む外務省機密公電のコピーを入手。密約の存在を示唆する報道をした。西山はコピーを渡した外務省の女性事務官と共に72年4月に逮捕、起訴された。1審では無罪となったが、2審で執行猶予付きの有罪判決を受け、最高裁で確定。大学教授や日本の報道機関が2000~02年、密約を示す米公文書を入手して報道した。その後、返還交渉を担当した吉野文六元外務省アメリカ局長(故人)が密約の存在を証言した。

個人情報保護法
名前や住所など個人を特定する情報の取り扱いを定め、2003年に成立、05年に全面施行された。不正な利益を得るため個人情報を提供・盗用した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。個人データの第三者提供に関しては原則、本人同意が必要と規定。一方、必要な届け出をし、本人の要求で提供をやめる「オプトアウト」と呼ばれる制度を使えば本人同意が不要となる。22年に全面施行された改正法は本人同意の有無を問わず、05年以降に入手した個人情報の提供を禁じた。

日本のパンダ
ジャイアントパンダは絶滅の恐れがあり、ワシントン条約で商取引が禁止されている。最初に日本に来たパンダは1972年、東京・上野動物園のカンカンとランラン。日中国交正常化を記念し、中国から寄贈された。現在国内にいるパンダは全て繁殖研究目的による貸与で、日本で生まれた子も含め所有権は中国にある。上野のシャンシャンのほか、2023/2/22には和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」の3頭も返還。国内のパンダは上野4、神戸の王子動物園1、アドベンチャーワールド4の計9頭となる。

新戦略兵器削減条約(新START)
戦略核兵器の配備数を初めて制限した第1次戦略兵器削減条約(STARTⅠ)の後継条約として米国とロシアが2010年4月に調印。11年2月発効。配備戦略核弾頭数を1550、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの運搬手段総数を800と米ロ核軍縮史上、最低水準まで制限した。米ロは18年2月に目標達成を発表。バイデン米大統領は21年1月にロシアのプーチン大統領と電話会談し5年間の延長で合意。26年2月まで有効。

障害者差別解消法

障害のある人もない人も分け隔てなく暮らせる共生社会の実現を目指し、2016年4月に施行された。行政機関や民間事業者に障害を理由にした不当差別を禁止。障害者が助けを求めた場合、過重負担にならない範囲で、意思を伝え合うためにタブレット端末を使ったり、車いすを補助したりする「合理的配慮」が国や地方自治体に義務付けられた。

自衛隊の武器使用
自衛隊法などで決められた行動ごとに、厳密に規定されている。外国から武力攻撃を受けて防衛出動が命じられれば、日本の防衛に必要な武力が行使できる。一方、領空侵犯した航空機への措置や、警察がゲリラや特殊部隊の攻撃に対処できない際などに命じられる治安出動、自衛隊施設警護などの場合は警察権の行使に準じ、武器の使用が制限される。国民の生命に危害が加えられる危険があるケースなど、正当防衛や緊急避難の場合に限られてきた。

衆院法制局
衆院議員の立法活動を補佐する目的で衆院に設置されている組織。憲法で国の唯一の立法機関とされる国会が、行政府に対抗して十分な立法機能を発揮できるようにするため創設された。現在は約85人態勢。与野党の議員が法案や政府提出法案の修正案を作る際、憲法や他の法律と整合性が取れているかどうかなどを助言する。参院には参院法制局がある。政府には、憲法解釈や政策を巡る法律問題で意見を述べ、内閣を一法制面で補佐する内閣法制一局が置かれている。

パンケーキ崩壊
建物の重量を支える柱や壁が損傷し、上階が下階にほぼ垂直に落下。床が積み重なった形になることから名前がついた。内部に残る空間が少なく、すぐにつぶれるため、人的被害が大きくなりやすい。2023.2.6のトルコ・シリア地震で多発。阪神・淡路地震でも発生した。

中国の核戦力
中国は旧ソ迪の技術を得て1964年、初の核実験に成功。核兵器を保有後は一貫して「核の先制不使用」を公約しているが、弾頭数は公表していない。米国まで到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の陸上発射型を中心に潜水艦発射弾道ミザイル(SLBM)や爆撃機などから核戦力を構成する。人民解放軍のロケット軍が核弾道ミサイル部隊を担当。米国は米口間で核兵器の配備数を制限する新戦略兵器削減条約(新START)の枠組みに中国も参加するよう求めているが「核兵器の数は米ロと全く異なる(少ない)水準にある」として応じていない。

地方議員の産休・育休
労働基準法や育児・介護休業法で定める産休や育休は労働者でない議員には適用されず、各議会が規則で定めている。出産を経験した地方議員らの要望を受けて、都道府県議会、市議会、町村議会の各議長会は2021年に議会運営のひな型となる「標準会議規則」を改正。産休期間を労基法と同等の『産前6週、産後8週』と明記し「育児」「家族の介護」も欠席理由に追加した。

NATO拡大
ソ連の脅威に対抗し1949年に計12力国で発足した欧米の軍事組織「北大西洋条約機構(NATO)」はソ連崩壊後、東欧諸国が加入し30力国に拡大した。プーチン大統領は冷戦終結時にNATO不拡大の合意があったと主張し、隣国ウクライナの加盟に強く反対。2021年12月には不拡大を条約で確約するよう要求し、拒否された。22年5月にはロシアと接するフィンランドなど北欧2国が加盟申請した。

デュアルSIM
1台のスマートフォンに契約者情報を記録した「SIMカード」2枚を差し込むなどし、2社分の櫓作電話回線の利用を可能にするサービス。1社の音声通話やデータ通信が使えない場合でも、もう1社の回線を利用できるため、通信障害時の有効な対策となる。近年は携帯電話各社によるデュアルSIMに対応したスマホ販売も増えている。

性犯罪規定の見直し
2017年の刑法改正で強姦罪の名称を強制性交罪に変更し、法定刑の下限が懲役3年から5年に引き上げられた。起訴に被害者の告訴が必要な「親告罪」の規定も撤廃された。19年に性犯罪の無罪判決が相次ぎ、被害者団体は法改正を訴えた。施行3年後に見直すとした17年改正法の付則に基づく法務省検討会では「不同意」では処罰範囲が不明確だとの意見もあり、処罰要件の結論はまとまらなかった。21年9月、法相が要件見直しの是非などを法制審議会に諮問した。

ミャンマーへの5項目の合意
東南アジア諸国連合(ASEAN)が2021年4月、クーデター後のミャンマー情勢を巡り臨時首脳会議でまとめた合意。項目は①ミャンマーで暴力を即時停止し、全当事者が最大限自制②全当事者が対話を開始③ASEAN特使が対話を仲介④ASEANが人道支援実施⑤特使がミャンマーで全当事者と面会。会議には国軍のミンアウンフライン総司令官も出席したが、ほとんど実現していない。

半導体輸出規制 ①先端半導体技術の軍事転用阻止のため輸出規制強化を実施②経済産業省が外為法の省令改正案を近く公表③関連企業などから意見募集し、2023年春にも規制策を導入④米政権の対中輸出規制強化に協力⑤中国で活動する日本企業への悪影響を避けるため、中国を名指ししない

道路の老朽化対策
道路を管理する国や高速道路会社、自治体は、橋やトンネルを5年に1度点検する義務がある。点検結果は「緊急対応が必要」「早期対応が必要」「予防保全段階」「健全」の4段階に区分。補修や補強、撤去などを行う。高速道路会社の道路で「緊急」「早期」と判定されたのは2021年度末時点で、トンネル491ヵ所、橋2878ヵ所。

小選挙区比例代表並立制
各選挙区の最多得票者が当選する小選挙区と、各政党の得票数に応じて議席配分する比例代表を組み合わせた衆院の選挙制度。定数が複数の中選挙区制が政治腐敗を招いたとの批判を受け、政策本位の選挙を目指して、1996年の衆院選から導入された。現行は定数465で、小選挙区289、比例代表176の配分となっている。

先端半導体
旧世代の半導体に比べて回路線幅が微細で、データ処理が速く消費電力を抑えられる。人工知能(AI)やスーパーコンピューター、データセンターなど幅広い領域で活用される。ミサイルの誘導など軍事技術にも使われ、安全保障上の重要性が増している。コンピューターの「頭脳」となるロジック半導体では、受託製造の台湾積体電路製造(TSMC)が世界市場をリードしている。

エーフラムス
米軍の主力戦車。冷戦期にソ連との戦車戦に備えて開発され、1980年に陸軍が105mm砲搭載の初期型M1を採用した。改良が重ねられ、120mm砲を搭載したM1 A1型、デジタル化を進めたM1A2型がある。力に優れ、敵戦車の装甲を貫通できる劣化ウラン弾を発射可能。初めて実戦投入された91年の湾岸戦争で圧倒的な性能を示し「世界最強の戦車」と呼ばれるようになった。オーストラリア、エジプト、イラクなども保有する。

破壊基礎的財政収支
社会保障や公共事業などの政策に必要な経費を、借金に頼らず税収などの基本的な収入でどれだけ賄えているかを示す指標。「プライマリーバランス」とも呼ばれ、財政が健全かとうかを示す。政策経費が収入を上回ると赤字、下回ると黒字となる。政府はかつて2020年度の黒字化を目指したが実現が困難となり、達成時期を25年度へ先送りした。

ナトリウムイオン電池
ナトリウムを材料に使った蓄電池。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、スマートフォンのバッテリーに多く使われるリチウムイオン電池より素早く充電できる。ナトリウムは海水から取れるため、地域によって資源量が偏るリチウムよりも調達しやすい。ただ、蓄電量はリチウムイオン電池の方が大きい。

人工妊娠中絶
母体保護法では、身体的、経済的理由で妊娠の継続が母体の健康を著しく害する恐れがある場合や、暴行脅迫を受けて妊娠した際に行うことができるとされ、妊娠22週未満に実施される。国内では金属製の器具でかき出す 「掻爬(そうは)法」と、管で吸い取る「吸引法」の手術がある。世界保健機関(WHO)は子宮を傷つける恐れのある掻爬法は時代遅れだと指摘し、吸引法か薬剤による中絶を推奨している。厚生労働省によると、2021年度の中絶件数は12万6174件だった。

雇用調整助成金
企業が・従業員を解雇せず、一時的に休業させるなどの手段で雇用を維持する場合、国が手当を部分的に補填する制度。2008年のリーマン・ショック時は製造業が中心だった。新型コロナウイルス禍では宿泊・飲食サービス業や運輸業、小売業と幅広い業種で活用された。不正受給も相次ぎ、20年舂から22年末までで総額約187億8千万円に上った。

地域医療構想
人口構造と医療需要の変化を踏まえ、各都道府県が策定する地域医療の将来像。効率的な提供体制を築くため、全国を300超の「構想区域」に分け、病床数などを推計する。①集中治療が必要な重症患者向けの「高度急性期」②一般的な手術をする「急性期」③リハビリ向けの「回復期」④長期入院の「慢性期」-の機能別に区分し、人口減少や高齢化に応じた再編、病床数自低の削減を進める。具体的な対応は各地域の病院などで構成の「調整会議」で協議する。

自治体の非正規職員
一般事務職員や保育士、教員が多い。かつては「特別職非常勤職員」 「一般職非常勤職員」「臨時的任用職員」のいずれかで雇用されることが多かった。しかし非常勤職員には期末手当が支給できない上、事務職員なのに特別職で雇用され、守秘義務が課されないという問題もあった。このため2020年度に一般職の「会計年度任用職員」が新設され、大半の職員が移行した。

ナラシ対策
コメなどの生産農家の収入補填策である収入減少影響緩和交付金のこと。コメ、麦、大豆、テンサイ、でんぶん原料用ばれいしょが対象。過去5年の収入のうち、最高と最低の2年を除いた3年分の平均収入を基準とし、減収分の9割を穴埋めする。財源は農家が25%、国が75%の割合で負担する。2015年には約11万2千の経営体が加入していたが、幅広い農作物をカバーする収入保険への移行が進んでいることもあり、22年は約5万9800にまで減少した。

物流の2024年問題
トラック運転手の残業の上限を年960時間に規制する労働基準法が24年4月に物流業者に適用され、深刻な人手不足が懸念される問題。施行から5年間の猶予があったものの、業界で長時間労働が是正されていないことが要因。背景にはインターネット通販の浸透による荷物の増加に加え、低賃金や高齢化による担い手不足がある。

少子化の現状
第2次ベビーブームの1973年に約209万人に達した出生数は、その後減少傾向が続く。2021年には新型コロナウイルス禍の妊娠控えなどが影響して約81万人となり、22年は初めて80万人を割る見通し。国の推計は80万人割れを30年としていた。背景には経済的に不安定で結婚や出産を諦めざるを得ない状況や、仕事と子育ての両立の難しさなどがある。政府は保育所整備などを盛り込んだ1994年の「エンゼルプラン」策定以降、さまざまな対策を講じ、近年は幼児教育・保育の無償化や、不妊治療への公的医療保険の適用拡大を進めた。

企業物価指数
企業間で取引される商品の値動きを示した指数で、日銀が毎月公表している。国内で生産された国内向けの商品を調べた「国内企業物価指数」や輸入品の「輸入物価指数」、輸出品の「輸出物価指数」からなる。消費者が購入するモノやサービスの価格を調べた消費者物価指数に並ぶ重要指標で、景気動向や金融政策を判断する材料になる。

国際物流
輸出入時の物の流れのこと。国土交通省が2022年10~11月に荷主や物流事業者に行った調査では、91%が「国際物流に課題がある」と回答。原因は複数回答で、新型コロナウイルス感染の拡大が最も多く、米西海岸の混雑。ロシアのウクライナ侵攻が続いた。輸送の過程では通関手続きや、倉庫への保管、港で貨物を積み込むといった荷役作業もあり、手続きをスムーズにできるかどうかも重要となる。

大規模金融緩和策
日銀の黒田東彦総裁が就任直後の2013年4月に始めた金融政策で、物価上昇率を2%で安定させることが目標。安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の目玉として期待され、当初は国債を大量に買って世の中のお金の量を増やすことが柱だった。16年にマイナス金利政策を導入し、主な政策目標を「お金の量」から「金利」に切り替えた。

円滑化協定(RAA)
共同訓練や災害支援のため一時的に相手国に滞在する他国軍隊員の法的地位や、罪を犯した際の手続きなどを定めた2国間協定。事前に受け入れ国の司法権や徴税権が及ぶ範囲を明確化しておくことで、2国間の部隊の活動や防衛協力がスムーズになる。米国とはRAAではなく日米地位協定で類似の取り決めをしている。日本は2022年1月、・オーストラリアとのRAAに署名。英国とは同5月にRAA交渉の大枠合意に達していた。

分限処分
本人の意に反して公務員を降任や免職、休職などの不利益な処分にすること。能率確保が目的で、職務上の義務違反に対する制裁的な意味を持つ懲戒処分とは異なる。地方公務員法は「勤務実績が良くな」「心身の故障のため職務の遂行に支障がある」「適格性を欠く」といった場合に分限処分できると規定。

陸上空母離着陸訓練(FCLP)
空母での離着艦技術を維持・向上するため、艦載機が地上の滑走路を甲板に見立てて行う訓練。米軍は硫黄島(東京都)で暫定的に実施している。在日米軍再編の一環で、艦載機は厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)に移駐。米側は負担軽減を理由に、岩国から約1400km離れた硫黄島ではなく、約400kmに位置する馬毛島での訓練実現を日本側に求めていた。

日韓請求権協定
日韓両国の国交正常化を定めた1965年の日韓基本条約と同時に締結された付随協約。第1条で日本の韓国に対する経済協力として、3億ドルの無償供与と2億ドルの長期低利貸付を定めた。第2条で日韓両国とその国民の聞の財産、権利、利益、請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」ことを確認した。韓国政府は日本からの経済協力金で製鉄所や高速道路などを建設し、高度成長の基盤をつくつた。

外国債券の含み損
米国債に代表される外国の債券の価格が購入時を下回り、売却すれば損失が出る状態のこと。売却すると利益が出る状態は「含み益」と呼ぶ。債券価格は株価と同様に取引によって変動する。国内の金利は日銀の大規模な金融緩和策で低く抑えられてきた。地方銀行は本業の地元企業への貸し出しでは十分な利益が見込めず、金利が高い外債の運用に注力してきた。

無園児
保育所や幼稚園などに通っていない小学校入学前の0~5歳児。支援がない(無援)、周囲とのつながりが乏しい(無縁)との意味も含め、子育て支援団体などがこうした表現を用いている。政府は「未就園児」と呼ぶ。厚生労働省は2019年度に全国で約182万人いると推計しているが、認可外保育施設などを利用する子どもを含むため、全く施設に通つていない人数は不明。保護者が家庭での養育を選ぶケースのほか、低所得や多子、外国籍の家庭が多いとの研究もある。

民泊
一般住宅を旅行者に有料で提供する宿泊形態。2018年6月施行の住宅宿泊事業法で、都道府県などへの届け出を条件に営業可能となった。当時急増していた訪日客の受け入れ、東京五輪・パラリンピック時の宿不足解消などの狙いがあったが、新型コロナウイルス禍で訪日客が急減。民泊の管理物件も減った。ほかに旅館業法に基づく簡易宿所、政府の国家戦略特区制度で認められた民泊といった形態もある。

CIS(独立国家共同体)
ソビエト連邦の崩壊時に、ソビエト連邦構成共和国独立した15か国のうちバルト三国を除く12か国(発足当初は10か国)によって結成された国家連合体。本部はベラルーシの首都ミンスクに置かれている。ジョージアは脱退、ウクライナは脱退状態でアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンの9ヶ国で構成。

防衛装備移転三原則
2014年4月に当時の安倍内閣が閣議決定した防衛装備品の輸出ルール。国際共同開発や輸出拡大に向け、従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃した。国際協力や日本の安全保障に資する場合、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。条約や国連安全保障理事会決議に違反する場合や、安保理か措置を取っている紛争当事国には輸出を禁じた。慎重な判断が必要な案件は国家安全保障会議で審議する。国際紛争を助長するとの懸念もある。

通常国会
憲法に基づき、毎年1回召集される。国会法の規定上、召集時期は1月中。会期は150日間で、1回だけ延長できる。予算案や予算関連法案を審議するのが主な目的。冒頭、首相が国政全般にわたる基本姿勢を示す「施政方針演説」を実施。外相、財務柤、経済再生担当相も担当分野について説明する。合わせて「政府4演説」と呼ばれる。その後、代表質問や予算委員会で政府と与野党が論戰を交わす。国会はこのほか臨時国会と、衆院解散による総選挙後の特別国会がある。

10年物国債
国債は国が金融機関などの投資家からお金を借りるために発行する債券で、10年物は満期までの期間が10年のものを指す。10年物は市場での売買が活発なため、その利回りは長期金利の指標となる。財務省が買い手を募る入札を毎月実施しており、国債の額面価格に対する利子の割合を「表面利率」と呼ぶ。日銀も金融緩和の手段として大量の10年物国債を買い入れている。

毎月勤労統計調査
厚生労働省が、賃金や労働時間、雇用動向の変化を把握するため、毎月公表するデータ。都道府県を通じ、1人当たりの基本給や残業代、出勤日数、労働時間を調べる。常時5人以上を雇用する約3万3千事業所が対象。物価の影響を加味した実質賃金も算出する。景気動向の指標としても活用される。

アルツハイマー病
脳内にアミロイドベーダやタウという有害タンパク質が蓄積し、神経細胞の機能低下や死滅、脳の萎縮が起き、日常生活に支障が出るほど記憶力や判断力が衰えていく病気。腥生労働省研究班などの推計では、日本の認知症患者は2025年に675万人、14年時点の日本の医療費、介護費を含めた社会的費用は14.5兆円。認知症には複数のタイプがありアルツハイマー病は患者の6~7割を占める。リスクを高める要因は加齢のほか、頭部のけがや心血管病など。日本では症状を一時的に改善する4種類の薬が承認されている。

サステナフルファッション
英語の「sustainable(持続可能な)」とファッションを組み合わせた造語。流行を取り入れた低価格の商品を次々と供給する「ファストファッシヨン」が台頭する中、大量廃棄による環境負荷への懸念が国際的に広がり、ファッション産業に持続可能な志向が求められるようになった。気に入った服を長く着たり、修理、リメークしたりすることも有効な取り組みとされる。

CIS(独立国家共同体)
ソビエト連邦の崩壊時に、ソビエト連邦構成共和国が独立した15か国のうちバルト三国を除く12か国(発足当初は10か国)によって結成された国家連合体。本部はベラルーシの首都ミンスクに置かれている。ジョージアは脱退、ウクライナは脱退状態でアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンの9ヶ国で構成。

UFED
セレブライト社が開発した、携帯電話やタブレットなどの情報端末からデータを抽出する機器。所有者が設定したパスワードがなくても電話帳や写真、メッセージなどを取り出せるほか、既に消去された情報も復元できる。使用には原則毎年更新されるライセンスが必要で、同社は顧客が問題を起こした場合、そのライセンスを遠隔操作で停止することで使用を中止できると主張している。

森林環境譲与税
所有者が分からない森林の増加や、林業の担い手不足に悩む自治体の支援が目的。2024年度から森林環境税を創設することを前提に、別の財源を使って19年度から先行して配分している。21年度の配分額は都道府県分が60億円、市区町村分は340億円。24年度以降は市区町村分を540億円に増やす。毎年度、総額の50%を私有の人工林面積、30%を人口、20%を林業就業者数に応じて各自治体へ配っている。

東京一極集中の是正
安倍政権が2014年から掲げた「地方創生」の最大テーマで、東京圏の転入者と転出者を均衡させること。当初計画は20年の実現を明記していたが、転入者が転出者を上回る「転入超過」が続き達成できず、24年度に先延ばしした経緯がある。岸田政権がまとめた地域活性化策「デジタル田園都市国家構想総合戦略」では27年度を新たな目標としている。21年度は約8万4千人の転入超過たった。

住宅ローン
消費者が一戸建てやマンションを購入するために銀行や信用金庫といった金融機関から受ける融資。一般的に自動車ローンや教育ローンよりも金利が低く、長い期間をかけて返済する。一定期間の金利を前もって決める「固定金利型」や、主に半年ごとに見直す「変動金利型」がある。固定型には、金利が全期間変わらない「フラット35」もある。

CHIPS法
米国では23年以降、国家戦略としてこの補助金を活用して半導体回路の加工線幅2ナノの先を見据えた「ビヨンド2ナノ」の開発にまい進する。米国はCHIPS法で、支援を受ける企業に対し、今後10年間、28ナノ以降の半導体製造にかかわる中国向け投資の禁止を発表していた。さらに、2022年10月7日に新たに半導体関連の輸出禁止項目を発表した。それによると、18ナノ以下のDRAM、128層以上のNAND、3ナノ以下の回路や基盤を設計するEDAツールは輸出できなくなる。

沖縄振興予算
太平洋戦争末期の沖縄戦で受けた甚大な被害や、その後の27年にわたる米国統治によるインフラ整備の遅れ、集中する在日米軍基地の重い負担など特殊事情を考慮し、沖縄振興のために編成される予算。沖縄が日本に復帰した1972年度に始まった。内閣府が一括計上した後、道路建設から子どもの貧困対策まで幅広い施策に割り当てる。2012年度にはよりきめ細かい住民ニーズに対応するため、県が使途を決められる「沖縄振興一括交付金」も創設された。

ステマ(ステルスマーケティング)
インターネットや交流サイト(SNS)上で、広告であることを明示せず普通の口コミであるかのように装って商品などを宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」。ステマはSNS上で影響力を持つ「インフルエンサー」上や著名人などが、実際は企業や店舗などから依頼があったにもかかわらず、個人の感想であるかのように装い商品などを宣伝する手法。

核酸医薬
生物の遺伝情報を担うDNAやRNAなどの「核酸」を使った医薬品。病気の原因となるさまざまな遺伝子や、異常なタンパク質に働きかける。日米欧では、筋肉の萎縮や呼吸困難などの症状が出る難病「脊髄性筋萎縮症」の治療薬「スピンラザ」など16製品が承認されている。核酸医薬は合成方法が確立されており、患者ごとの遺伝子の特徴に合わせ、個別に薬を設計することもできる。

中国のコロナ政策
中国は新型コロナウイルスの徹底的な抑え込みを目指す「ゼロコロナ」政策を掲げてきたが、2022年12月に入って移動制限や感染者の隔離などに関する規制を大幅緩和し、同政策は事実上崩壊した。12/14日には新規感染者数の発表で無症状者数の公表を取りやめていた。医療体制が逼迫し始めたため、政府は無症状や軽症の感染者には自宅療養を求めている。一方で高齢者のワクチン接種率の向上を目指している。

ハンセン病問題
「らい菌」による感染症。感染力が弱く、非常にうつりにくい。治療法がない時代には、体の一部の変形といった後遺症が出ることがあった。戦前から戦後にかけて、官民で強制隔離を推進する「無らい県運動」が展開された。国は1996年のらい予防法廃止まで隔離政策を維持。その後、元患者や、家族が起こした国家賠償請求訴訟では原告側か勝訴した。いずれも国は控訴を断念して謝罪し、偏見差別の・解消や再発防止に向けた歩みを進めている。

特定秘密保護法
安全保障に関する情報のうち、特に秘匿しておく必要がある情報を保護する法律。特定秘密を取り扱う公務貝や民間業者は、身辺の状況を調べる「適性評価」を受ける必要がある。国家安全保障会議(NSC)の設置と並び、日本の安保体制の強化を目的に制定された。実際には米国との緊密な連携を構築するのが法整備の狙いとされる。制定過程では、情報の指定が政府により恣意的になされたり、秘密の範囲が無制限に広げられたりして、国民の「刧る権利」の侵害につながるとの批判が噴出し、市民による大規模な反対運動につながった。

消費者物価指数
消費者向けの商品やサービスの価格動向を調べた指数で、総務省が全国と恵只都区部を対象に毎月公表している。食料品や電気代など身近な品目の値動きを定期的に調査しており、天候に大きく左右される生鮮食品を除いた指数が重視される。日銀は持続的な経済成長に向け、2021年比2%の安定的な物価上昇を目標に大規模金融緩和策を続けている。

GX(グリーントランスフォーメーション)
ロシアのウクライナ侵攻などで、日本は石油危機以来のエネルギー危機に直面した。①・脱炭素推進へ再生可能エネルギー、原子力を最大限活用、②原発の次世代革新炉の開発・建設に取り組む、③「原則40年、最長60年」とした運転期間から、原発再稼働のための審査対応で停止した期間を除外し、60年超の運転を可能に、④「企業の脱炭素投資を後押しするため、今後10年間で20兆円規模の新たな国債「GX経済移行債」を発行

デジタル臨時行政調査会
デジタル技術を活用しやすい社会の実現に向け、時代に合わなくなった規制や行政制度を見直すために2021年11月に設置された。閣僚と有識者で構成し、会長は首相。デジタル庁が事務局として実務を担う。現在は法令、通知、通達など約4万件の総点検を進めている。自治体に対しても条例で定めた規制の見直しを促している。

保育士の配置基準
国が定めている保育士の人員配蔗に関するルール。保育士1人に対し、0歳児は3人、1歳と2歳児は6人、3歳児は20人、4歳と5歳児は30人まで保育できるとされている。国の補助金は原則、配置基準に応じて支給され、基準より多くの職員を雇えばその分の人件費は園側か負担することになる。

日本学術会議
日本の科学者を代表する組織。「国の特別の機関」と位置付けられ、中立的な立場で政府から独立して政策提言などを行う。予算は年間約10億円。会員210人の任期は6年で、3年ごとに半数が改選され、2023年は改選の年に当たる。20年の任命拒否問題発覚後に発足した自民党プロジェクトチームは「政府の内部組織にもかかわらず、政府から独立した存在であろうとするから矛盾が生じる」と主張し、国からの切り離しを求めた。

日米地位協定
日米安全保障条約に基づき、日本に駐留する米軍と軍人・軍属、家族の法的な地位と基地の管理・運用を定めた協定。 1960年に発効した。日本国内の施設・区域の使用について米軍に大きな権限を認め、日本の主権は事実上及ばない。 95年に米兵による沖縄少女暴行事件が起きたのをきっかけに日米両政府は協定の運用を見直し、補足の協定を結ぶ対応をしてきた。しかし協定は一度も改定されたことがなく、日本国内で「不平等だ」と改定を求める声は根強い。

デジタル遺伝情報(DSI)
生物の遺伝子の塩基配列などをデジタル化して記録した情報を指す。インターネット上のデータベースなども含まれる。生物多様性条約の下には、形のある生物資源の利用で得られた利益の公平配分を定めた名古屋議定書がある。このため、DSIからの利益配分も条約の場で議論すべきだとの声が発展途上国から上がり、締約国会議の主要議題の一つとなった。先進国には当初「DSIは条約の対象外だ」との意見も根強かった。

統一教会と地方政治
自民党の安倍晋三元首相を銃撃したとして逮捕された容疑者の供述を機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係が取り沙汰された。教団側か各地で制定を推進する家庭教育支援条例などを巡り、政策立案に影響があったことも判明。自民は教団側との「関係遮断」を要求する通知を都道府県連に発出した。共同通信が実施したアンケートでは、都道府県議334人が教団側と何らかの接点があったと回答、うち8割超が自民議員だった。

小惑星りゅうぐう
地球や火星の近くを進む大きさ約900mの小惑星。そろばんの玉のように中央が膨らんだ形で、岩に覆われている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやばさ2は表面や地下の岩石のかけらを採取し、2020年12月に地球へ届けた。国内外の研究チームが分析中で、水や生命に欠かせないアミノ酸、有機物が確認されている。

N I SA
株式や投資信託の売却や配当で得た利益を非課税にする「少額投資非課税制度」。英語の「Nippon Individual Savings Account」の頭文字を取り「ニーサ」と読む。英国の制度「ISA」の日本版として2014年に始まった。現行制度は、一般型のN I S Aが国内外の上場株式も購入可能で、5年間にわたり年120万円まで非課税で投資できる。投資信託が対象の「つみたてNISA」は。年40万円まで20年間投資できる。

安保関連3文書
「国家安全保障戦略」と「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」からなる。安保戦略は外交・安保戦略の指針。2013年の初策定から「積極的平和主義」を基本理念とすると明記している。今回の改定で、10年間を想定して防衛力整備の指針や部隊運用などを定めた防衛大綱を、防衛目標達成に向けた手段を包括的に示す国家防衛戦略に改称。主要装備品や経費を記した中期防衛刀整備計画(中期防)の名称を防衛力整備計画に変え、5年だった対象期間を10年とした。

デジタル田園都市国家構想
岸田文雄首相が打ち出した地域活性化策。宏池会(現岸田派)を率いた大平正芳元首相が「田園都市国家構想」を提唱し、地域の自主性を生かした国つくりを目指したのに倣った。自動運転や遠隔医療などを普及させ「全国どこでも便利で快適に暮らせる社会」を構築するのが目標。自治体には、地元の取り組みを明示した「地方版総合戦略」の策定を求める。

Qアノン
「ディープステート(闇の政府)」などが世界を操っているという陰謀論やその信奉者。2017年に謎の人物「Q」がネット掲示板への投稿を始め、トランプ前米大統領の支持者らが賛同して知られるようになった。このQに、匿名を意味する英語「Anonymous(アノニマス)」の略語「Anon」を付け「キューアノン」と呼ばれる。米連邦捜査局(FBI)が国内テロの脅威と見なしているとされる。

出産育児一時金
出産した際、公的医療保険を財源として全国一律の金額が支給される制度。現在は1児につき原則42万円。1994年に30万円で始まり、全国の公的病院の平均額を勘案して引き上げられてきた。2006年10月に35万円に引き上げられ、09年1月に38万円、10月に42万円となった。09年以降は、出産事故の際に補償金が出る「産科医療補償制度」の掛け金(現在1万2千円)も支給額に含まれる。

被害者救済法案
正式名称は「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律案」。宗教法人に限らず、法人や団体から寄付の勧誘を受ける者の保護を目的とする。借り入れによる資金調達の要求などを禁止し、違反した場合は行政措置・罰則がある。救済面では民法の「債権者代位権」の特例として、子や配偶者が本人に代わって取り消しや寄付金返還を求めることを可能とする。

インボイス
メーカーや卸など事業者間の取引で、売り手が品名ごとの税率や税額などを記載して買い手に発行する税務書類。事業者を識別できる番号も明示され、納税額の厳格な把握に役立つとされる。消費税の軽減税率採用を踏まえてインボイス制度の2023年10月の導入が決まった。登録は任意。制度開始と同時に登録を受けたい事業者は、2023年3月末までに税務署などに申請する必要がある。政府、与党は、小規模事業者が消費税を納めることを選択した場合、2023年10月から3年間、納税額を客から受け取った消費税の2割に軽減する方針を固めている。

NHK会長
NHK執行部の総責任者。最高意思決定機覽である経営委員会の委員12入のうち、9人以上の賛戎で任命される。任期は3年。かつては新聞社やNHK内部からの選出が多かった。2008年に就任したアサヒビール出身の福・地茂雄元会長以降、2022年選出された元日本銀行理事の稲葉延雄で6人続けて経 済界出身となる。

資金管理団体
政治家や公職の候補者が政治資金を取り扱う目的で、一つだけ指定できる政治団体。本人が代表者となる。特定の個人からの寄付は年間150万円以内に制限されるが、代表者自身からの寄付は制限が一部緩和される。企業・団体献金の受け取りは禁止。国会議員の資金管理団体は、人件費を除く1件1万円を超える経費について政治資金収支報告書に記載し、領収書の写しを併せて提出することが義務付けられている。不動産の新規取得は禁じられている。

中国の宇宙開発
中国では軍が中心となり1960年代から宇宙開発を本格化した。2003年に世界で3番目の有人宇宙船打ち上げ国になった。12年に発足した習近平指導部も「宇宙強国」確立を掲げ開発を強化。18年には米国の衛星利用測位システム(GPS)に対抗した独自のGPSシステム「北斗」の運用を、全世界を対象に開始。19年に世界で初めて月の裏側に無人探査機を着陸させた。21年5月、米国に続き火星一地表探査にも成功した。

中国の核戦力
1964年に最初の核実験に成功。その後、水爆も開発。米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)や米領グアムを射程に収める中距離弾道ミサイルに核搭載可能とされる。平時は核弾頭と運搬手段を切り離しているとみられ、相手より先に核兵器を使わない「先制不使用」を宣言している。米国は、同国とロシアの間で戦略核兵器の配備数を制限する新戦略兵器削減条約(新START)の枠組みへの参加を求めているが、中国は応じていない。

原発の運転期間
2011年3月の東京電力福島第1原発事故以前は、国内原発の運転期間に法令上の制限はなく、12年の原子炉等規制法改正で、運転期間を40年とし、原子力規制委員会が認めれば1回に限り最長20年延長できるルールが導入された。経済産業省は原発利用推進の観点から、60年超の運転を可能にする法整備を検討。年数規定を原子炉等規制法から削除し、電気事業法などで定め直す。規制委も推進側とは別に、運転開始後30年から、最大10年ごとに施設の劣化状況や安全性を繰り返し確認する新制度案をまとめた。

新しい資本主義
岸田文雄首相が提唱する経済政策の考え方。従来の資本主義の下で所得格差が広がったなどとして、2021年の自民党総裁選で「成長と分配」を重視する立場を打ち出した。脱炭素やデジタル化の推進によって社会課題を官民連携で解決し、次の成長につなげる好循環を目指す。

安保関連3文書
国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画(中期防)の3文書。上位文書の国家安保戦略は2013年、米国に倣い初めて策定され、自衛隊の海外展開を図る「積極的平和主義」を基本理念に明記した。改定に向けた自民党提言は、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有や防衛費の大幅増などを求めた。防衛力強化に関する政府の有識者会議の報告書も、反撃能力の保有は不可欠だと訴えた。防衛大綱は10年間を想定して防衛力の整備目標や部隊運用などを規定。中期防は5年間の防衛費の見積もりや装備品の数量を記す。

ゾコーバ
塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬。22年11月22日に国が緊急承認した。感染症流行などの緊急時に医薬品を迅速に使うために5月に新設された緊急承認制度の初めての適用例となった。高血圧や高脂血症の薬など併用できない薬が36種類ある。日本感染症学会のガイドラインでは、自然に治ることが多い重症化リスクのない軽症者に対しては「症状を考慮した上で投与を判断すべきだ」としている。

全国旅行支援
新型コロナウイルス禍で客足が落ち込んだ観光業界を支援する政府の事業。都道府県内や隣県などが対象だった旅行割引「県民割」を全国に広げる形で実施している。予算は「GOTOトラベル」の一部である約5600億円と県民割の約3300億円の残額を活用。年明け以降にはトラベル事業の別の残額、約2700億円を充てる方向だ。

電気料金の値上げ
電気料金のうち、大手電力が一般家庭向けに広く供給する規制料金の抜本的な値上げには、経済産業相の認可が必要。電力会社の申請を踏まえ、経産省の有識者会合などで値上げ幅を審査する。燃料価格の変動を自動的に毎月の料金に反映させる燃料費調整制度は、家庭の急激な負担増加を和らげるため、転嫁できる上限が定められている。2016年の電力小売り全面自由化後、大手電力や新規参入した事業者が用意した自由料金の値上げには、認可は不要となっている。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)
日銀などの中央銀行が国の正式な通貨として電子データで発行する通貨で、英語表記は「Central Bank Digital Currency」。スマートフォンやICカードを使って決済や送金をすることが想定されている。多くの主要国が実現の可否を探り、カンボジアなどでは既に本格運用が始まっている。

再生医療の審査
再生医療には、人工多能性幹細胞(IPS細胞)から作った細胞を目の病気の患者に投与する研究や、がん患者に免疫細胞を投与する自由診療などさまざまな例がある。再生医療安全性確保法は、再生医療を計画する医療機関に対し、国が認定した委員会による事前の審査を受けるよう求めている。医療機関から依頼を受けた委員会は、計画している再生医療の効果がリスクを上回ると考えられるかどうかを評価する。了承を得た医療機関は厚生労働相への届け出と、実施件数などの定期的な報告が義務付けられている。

マクロ経済スライド
長期的に年金財政を維持し、将来世代の支給水準を一定確保するための仕組み。現役世代の減少と平均余命の延びに応じ、毎年4月の改定時に物価や賃金の上昇幅よりも年金額を抑制する。少子高齢化で保険料を支払う現役の人口が減る一方、高齢者への支給は膨らむことから、2004年の制度改革で導入された。デフレ時には実施しない決まりで、これまで3回しか適用されていない。18年度から、抑制できなかった分を翌年度以降に繰り越せるようになった。

宗教法人の解散命令
宗教法人法は、所轄庁の文部科学相や都道府県知事、利害関係大などの請求により、裁判所が宗教法人に解散を命じることができると規定。「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」や「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」をした場合だけでなく、1年以上活動していないといった不活動法人に適用される。命令を受けると法人格を失い、お布施やお守り販売の収益が非課税になるなどの税制上の優遇が受けられなくなるが、解散後も任意の宗教団体として活動を続けることはできる

離婚と親権
離婚は、協議や裁判手続きを経て婚姻を解消する。2021年の婚姻数は約50万組で、離婚は約18万組。日本では協議離婚の割合が約9割と海外より高い。婚姻中は、未成年の子どもに対し、身の回りの世話や教育といった身上監護や、財産管理をする権利と義務(親権)を父母が共同で持つ。民法は離婚後に父母の一方を親権者とする単独親権を採用し、双方が親権者になることはできない。離婚の際は子どもの監護者や養育費、子どもとの面会交流などを協議で定めるよう求めるが、実際に取り決めている割合は低い。

海上保安庁法25条
海上保安庁が軍隊ではないことを明確に規定した条文。海保が「軍隊として組織、訓練され、または軍隊としての機能を営むことを禁じている。海保は、連合軍占頷下の1948年、米国主導の下で自衛隊に先立って発足した。当時、ソ連や中国が「日本の再軍備につながる」として創設に反対。憲法9条に「戦力丕休持」が明記されており、本来不要な規定だったが、批判をかわす狙いから米国が非軍事的性格を保証する精神規定として盛り込んだ経緯がある。

経済安全保障推進法
政府が掲げる経済安保政策の中核として5月に成立した法律で、米国と覇権を争う中国への対抗を念頭に置いている。重要物資のサプライチェーン(供給網)強化のほか、重要技術の開発、基幹インフラの事前審査、特許非公開化を盛り込んだ。8月に法の一部を施行し、供給網強化と技術開発を先行して進めている。半導体・蓄電池・抗菌薬・天然ガス・肥料・工作機械・産業用ロボット・航空機部品・船舶関連機器・クラウド・永久磁石が対象

外形標準課税
都道府県が課す法人事業税の一部で、2004年度に導入された。一般的に法人関係税は、もうけを意味する所得に応じて課税し、景気による変動が大きい。外形標準課税は所得と切り離されており、都道府県にとっては景気が悪くなっても安定的に税収を確保できるメリットがある。政府は事業税に占める割合を段階的に拡大。その分、所得への課税の比重が低下しており、業績が好調なら税負担が軽くなる。

中国での邦人拘束事案
中国は2014年以降「反スパイ法」や「国家安全法」を制定し、外国人を厳しく監視。15年以降、スパイ行為に関わった疑いなどで、少なくとも16人の日本人が拘束された。うち9人が懲役3~15年の実刑判決を受け、4人が服役を終え帰国している。中国当局は「国家機密」を盾に、詳細な容疑や罪状を明らかにしておらず裁判も公開されていない。

フィッシング
個人や企業になりすまして電子メールを送りつけ、本物に似せたホームページに接続させて個人情報を詐取する行為。手口が巧妙化しており、だまされていることにすぐに気付かないケースが増えている。英語で「Phishing」とつづり、魚釣りを意味する「Fishing」と、洗練されたという意味の「Sophisticated」から取った造語とされる。

大きな数・小さな数の呼称
これまでの最大のヨタ(10の24剰)・最少のヨクト(10のマイナス24剰)に加えて新たにロナ(10の27剰)・ロント(10のマイナス27剰)、クエタ(10の30剰)・クエクト(10のマイナス30剰)が決まった

次世代半導体
旧世代の半導体に比べて回路線幅が細く小型で、量産には高度な技術が必要となる。半導体の主要メーカーがある米国や台湾、韓国で研究開発が進み、欧州諸国も製造拠点の誘致を進めている。計算処理が劇的に速くなる量子コンピューターなどへの活用が見込まれるほか、戦闘機やミサイルなどの性能も左右する。

暗号資産(仮想通貨)
インターネット上で取引される財産的な価値を持つ電子データ。2009年に発行が始まったビットコインなどが代表格。日本円や米ドルのように中央銀行が管理する法定通貨と異なり、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用し、複数のコンピューターが相互に取引を承認・記録することで信頼性を担保している。海外送金の手数料が安いのが利点とされるものの、悪用されるケースもあり、各国が規制を強化している。

アメリカ議会
上院
・任期:6年で、州の人口に関係なく、各州から2名上院議員を選出します
権限
・大統領によって指名された人物の承認(各省長官、最高裁判所裁判官、高位の軍司令官など)
・外国政府との条約の批准
下院
任期:2年で、人口の大きさによって各州に何名下院議員を選出できるか決まっています
権限
・大統領・副大統領その他の裁判官を含む連邦公務員を訴追できる *上院は、その後の裁判を担当

・大統領選挙において選挙人を過半数獲得した候補がいない場合は大統領を選出する

後期高齢者医療制度 75歳以上の人を対象とする公的医療保険で2008年4月に始まった。約1890万人が加入している。市区町村でつくる都道府県ごとの広域婆昂運営する。高齢化の進行で医療費が膨らみ、保険料の年間上限額は、当初の50万円から段階的に引き上げられ、現在は66万円。一方、医療機関の窓口負担はこれまで原則1割で、現役並みの所得がある人は3割だった。
厚労省は一定の年収を超える人については年間の保険料の上限を66万円から80万円に引き上げる方針を示している。専門部会で、保険料の上限を引き上げを▼2024年度に73万円、▼2025年度に80万円と段階的に行う案を示した。また、保険料を上げる対象も▼2024年度は年収211万円を超える人、▼2025年度は年収153万円を超える人と段階的に広げることにしていて、2年間で全体のおよそ4割の保険料が増える見通し。

ゲームアプリ
スマートフォンやタブレット端末向けにパズルや冒険、スポーツといったゲームを搭載したソフトウエア。アプリは応用や適用を意味する英語「application略で、端末を動かす基本ソフト(OS)に追加で取り込んで使う。まず無料で提供し、後からゲームを有利に進めるため課金を誘う例が多い。英調査会社オムディアによると2021年の日本での売上高は216億ドル(約3兆2千億円)だった。

産業革新投資機構
産業競争力の強化と民間投資の拡大を目的とする官民ファンド。企業救済色の強い投資が重なって批判を受けた前身の産業革新機構を改組し、長期の成長投資を中心とした資金供給を行う組織として2018年に発足した。企業価値の高いベンチャー企業の剔出や、地方の将来性がある技術の活用などを重点投資分野としている。

パリ協定
地球温暖化の深刻な被害を避けるための国際枠組み。今世紀末の気温上昇を産業革命前と比べ2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。達成に向け、全ての参加国が温室効果ガスの自主的な削減目標を掲げて国内対策に取り組む。世界全体の進捗状況を5年ごとに点検し、各国の削減目標の引き上げを促す仕組みがある。温暖化の悪影響を回避したり軽減したりする「適応策」の強化や、先進国から発展途上国への資金支援などについても定めている。

森林環境譲与税
間伐や林業の担い手育成、木材利用を促すため、国が都道府県と市区町村に配っている資金。 2019年度に総額200億円で始まり、段階的に拡大。 24年度以降は600億円となる。総額の50%を私有の人工林面積、30%を人口、20%を林業就業者数に応じて配る。財源は当面、自治体に資金を貸し付ける「地方公共団体金融機構」の資金を活用。24年度からは森林環境税として個人住民税に1人当たり年間千円を上乗せして徴収し、譲与税の財源とする。

年金水準の見通し
厚生労働省は5年に1回、人口や経済の将来見通しを踏まえた「財政検証」を行い、公的年金の受給額の水準を長期的に推計している。ボーナスを含む現役世代の平均手取り収入に対する割合「所得代替率」で表す。同省よると、2019年度は、平均賃金で厚生年金に40年間加入した会社員の夫と、その間に専業主婦だった妻のモデル世帯の場合、所得代替率は61.7%。現行制度のままだと、少子高齢化の影響で、46年度には51.0%へと水準が約2割下がる。うち箍嘆年金部分は約3割減と落ち込みが大きい。

脱炭素電源
発電や供給時に二酸化炭素(CO2)を排出しない発電所。太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーを活用した発電が一般的だ。加えて、政府は原発も最大限活用する方針を示している。燃焼時にCO2を出さない水素やアンモニアも次世代のエネルギーとして注目されるほか、火力発電などで出たCO2を回収して地中に埋める技術も開発が進む。

賃金のデジタル払い
企業が従業員に賃金を支払う際、銀行口座を介さずスマートフォンの決済アプリなどに入金する制度。スマホ決済サービスを手がける資金移動業者のうち、一定要件を満たし厚生労働相が指定した事業者のアプリを使う。政府は2018年12月の国家戦略特区諮問会議で解禁に向けた規制改革を決定。厚労省はデジタル払いを可能とする省令改正に向け、労働政策審議会の分科会で労働組合などと協議してきた。

東芝の経営問題
2021年4月に英投資ファンドによる買収提案が判明し経営が混乱。11月に3社への分割案を公表し、その後2分割案に修正したが「物言う株主」の海外ファンドの抵抗などもあり、22年3月の臨時株主総会で否決された。4月に非上場化を含む再建案を募り、1次入札で応募があった10件から4陣営に絞り込んだ。陣営間の組み替えを経て、2陣営が再建案に当たる意向表明書を9月末までに提出した。しかし、優先交渉権を得た国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中核とする企業連合が期限までに銀行からの融資の確約を得られない見通しとなった。

規制料金
50kw未満の電気を使う家庭や小規模な店、事務所などが地域の電力会社から供給を受ける際の料金。法律が定める基準で算出し、値上げには国の認可を受ける必要がある。2016年の電力小売りの全面自由化以降、50kw未満でも電力会社が自由に設定する料金を選べるようになったが、経過措置として規制料金も残っている。

トマホーク
米国で開発された巡航ミサイルで、水上艦や潜水艦から発射する。翼で姿勢を保ちながらジェットエンジンで推進。放物線を描いて落下する弾道ミサイルと異なり、低空を飛ぶため、レーダーで捕捉されにくい。射程が長く、精度が高いことから開戦初期に重要施設への精密攻撃に使われることが多い。米軍は1991年の湾岸戦争で初めて実戦に投入。近年では化学兵器使用の報復としてシリアへの攻撃に使用された。最大射程は約2500kmとされる。

後期高齢者医療制度
2008年4月に始まった、75歳以上を対象とする公的医療保険。市区町村でつくる都道府県ごとの広域連合が運営する。窓口負担はこれまで原則1割で、現役並みの所得がある人は3割だった。ことし10月から1割負担だった人のうち一定所得がある場合、2割負担に上がった。窓口負担を除く医療費は22年度予算ベースで約17兆円。国や都道府県などの公費で約5割、現役世代からの支援金で約4割、高齢者の保険料で約1割を賄う。

質問権
宗教法人法に基づき、所轄庁の文部科学相や都道府県知事が宗教団体を調査するため、役員や関係者に質問する権限。解散命令請求につながる法令違反の疑いなどがある場合に行使でき、「信教の自由を妨げることがないよう特に留意しなければならない」と規定されている。これまで活用された例はない。質問項目などを事前に宗教法人審議会へ諮問し、意見を聞く手続きが必要。教団側の回答巨費には罰則を設けている。

二つの確立
習近平・中国共産党総書記の党内での核心としての地位と、習氏の思想の指導的な地位の、両方の確立を意味するスローガン。2021年11月の党第19期中央委員会第6回総会(6中総会)で採択された「歴史決議」に、習氏の業績とともにその趣旨が盛り込まれた。18年ごろから党中央の集中統一指導と習氏の党内での核心としての地位を守るとした「二つの擁護」が宣伝されたが、さらに習氏個人への権力集中を求めている。

防衛力の抜本強化
安全保障環境の変化を理由に岸田文雄首相が掲げる政策。21年10月の就任当初から推進し、国家安全保障戦略と、10年程度の防衛力整備目標を定める「防衛計画の大綱」、5年間の整備計画を示す「中期防衛力整備計画 (中期防)」の3文書を年内に改定する。自民党は国内総生産(GDP)比1%程度の防衛費を、2%以上を念頭に増額するよう提言。相手領域内でミサイル発射を阻止する敵基地攻撃能力を「反撃能力」と改称して保有するよう求めている。

国際刑事裁判所(ICC)
人道に対する罪や集団殺害、戦争犯罪に関わった個人を訴追、処罰するための常設の国際刑事法廷。20033年、オランダーハーグに設置された。123ヵ国・地域が加盟する一方、米国や中国、ロシア、ウクライナなどは加盟していない。日本は07年に加盟し、分担金の最大拠出国となっている。リビアのカダフィ大佐(11年に死亡)に逮捕状を出すなど捜査の実績があるが、アフリカの指導者ばかりが裁かれるとの批判もある。

新しい資本主義
岸田文雄首相が提唱する「成長と分配」を重視した経済政策。成長の果実を分配することで、次の成長につなげる好循環を目指す。格差拡大や地球温暖化などの社会的課題の解決を官民連携で図るほか、科学技術振興や経済安全保障の強化も柱に据える

北大西洋条約機構(NATO)
東西冷戦時のソ連の脅威に対抗するため、米国、カナダ、西欧諸国の12力国が1949年に結成した軍事同盟。冷戦終了後、東欧諸国の加盟が相次ぎ、2020年の北マケドニア加盟で30力国体制となった。集団防衛を定めたNATO条約第5条は加盟国が軍事攻撃を受けた場合、全加盟国への攻撃と見なし、武力行使を含む必要な行動を直ちに取ると規定する。今年5月にフィンランドとスウェーデンが加盟申請、NATO首脳会議が6月、加盟を認めることで合意した

国の妊娠、出産支援
政府は子どもを産み育てやすい社会の実現に向け、不妊治療への公的医療保険適用を拡大したり、授乳指導や育児相談を行う「産後ケア」事業を進めたりしている。しかし、少子化に歯止めがかからず、2021年の出生数は統計開始以来最少の約81万人にまで落ち込んだ。背景には新型コロナウイルス禍での出産に不安を抱いた人たちの「妊娠控え」もあるとみられる

積極的サイバー防御
サイバー空間を常時監視し、被害の発生前や拡大前に攻撃側に対抗手段を講じること。攻撃を受けてから発信源を特定して反撃する従来手法と比べ迅速な対処ができる。専門家によると、米国や英国、イスラエルが採用している。2013年の国家安全保障戦略では、サイバー空間に関し「監査・調査・感知・分析、国際調整の機能の向上を含む各種施策を推進」と記している

外形標準課税
都道府県が資本金1億円超の大企業に課す。法人事業税の一部で、資本金や給与額などを基準とする。2004年度に導入された。一般的に法人関係税は所得に応じて課税しており、景気による変動が大きい。外形課税は所得と無関係のため、自治体の安定財源と位置付けられている。政府は事業税に占める外形標準課税の割合を段階的に拡大。その分、所得に対する課税の比重が低下しており、業績が好調であれば税負担が軽くなる

ローミング
携帯電話の利用者が、契約している通信事業者以外の事業者のネットワークを非常時などに使い、音声通話やデータ通信といったサービスを利用する仕組み。英語で『roaming』と表記する。総務省によると、ロシアの侵攻を受けたウクライナで、通信サービスを維持するために運用が始まったほか、米国や韓国、英国などでも導入されている。海外に渡航した際に、現地の通信事業者のネットワークを利用する仕組みは「国際ローミング」と呼ばれる

電波の割り当て
国民共有の財産である電波を公平かつ有効に利用するため、総務省が電波法に基づき事業者への割り当てを管理している。伝送できる情報量や距離は周波数によって異なる。低い周波数帯から高いものに向けて利用が進んでいる。電波は携帯電話のほか、テレビやラジオの放送、警察無線、衛星通信など幅広い用途で使われている

レコメンドウィジェット
インターネット広告の一種。ブログやニュースのまとめサイトのページ下部などに、関連記事と混在させて表示される。クリックするとサービスや商品を扱うサイトに誘導される。「お薦めする」を意味する英語 「RECOMMEND」と、パソコンやスマートフォンの操作に使うショートカットキーなどを意味する「WIDGET」を組み合わせた。2017年ごろから急増し、20年の市場規模は約350億円とされる

レートチェック(水準照会)
中央銀行が民間銀行などに対し、為替取引の水準を問い合わせること。為替介入の地ならしとして、中銀が望ましくないと判断する相場水準で実施するといわれる。市場で介入への警戒感が高まるため、当局者が行き過ぎた相場の動きをけん制する「口先介入」と同じ意味合いがある。実際には介入が行われないこともある

SCO(上海協力機構)
中国、ロシア、インド、パキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの8ヵ国

消費者物価指数
消費者が購入する商品やサービスの価格動向を示す指数で、総務省が毎月公表している。食料品や電気代など身近な品目を対象とし、天候による価格変動が大きい生鮮食品を除いた指数が重視される。需要と供給のバランスを反映した「経済の体温計」と呼ばれ、日銀は前年比2%の安定的な上昇を目標に大規模な金融緩和策を続けている。

社会保障の費用総額
医療や介護、年金、子育て施策だけでなく、障害福祉サービスや生活保護、雇用保険の給付などに充てる費用の合計。財源は、税金や国の借金から成る公費と、国民や企業が支払う保険料で賄う。財源構成は公費が約41%、保険料が約59%。患者の窓口負担や介護を受けた人の利用者負担は含まない。現役世代の医療費で見る、窓口で支払う3割部分は除き、加入する公的医療保険から医療機関に給付する7割部分が該当する。

インド太平洋経済枠組み(IPEF:アイペフ)
Indo-Pacific Economic Framework。インド太平洋地域の国々で、経済のつながりを深めるための枠組み。「デジタルを含む貿易」「クリーンエネルギー、脱炭素化、インフラ」「供給網の強靭化」「税・反汚職」が柱。バイデン米大統領が昨年10月の東アジアサミットで提唱し、5月23日に正式に発足。13ヵ国(アメリカ、日本、インド、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア)。フィジーが加盟し14ヵ国。環太平洋連携協定(TPP)に加盟申請するなど、同地域で影響力拡大を目指す中国に対抗する狙いがあるとみられている。

経済安保法
・人工知能(AI)や宇宙といった先端技術の開発で官民協力を深める。産官学による協議会を設置し、参加者に守秘義務を課す。5000億円規模に増額する経済安保基金を活用
・半導体や医薬品を「特定重要物資」に指定し、事業者が安定確保できるようサプライヂェーン(供給網)の強化を資金援助
・情報通信や金融など14業種の基幹インフラ企業が導入する設備を国が事前審査。サイバーセキュリティーの体制を確認し、必要に応じて設備の変更を勧告、命令する
・核や武器の開発に結び付く技術は特許情報を非公開にする制度を導入。情報を漏らした場合に最大懲役2年を科す

核弾頭数と米中ロの軍拡の動き(2021年1月)
アメリカ:5550、小型核弾頭の開発推進
ロシア:6255、極超音速兵器開発・新型核兵器の配置
中国:350、極超音速兵器開発・2030年までに核弾頭1000発保有意向
イギリス:225
フランス:290
イスラエル:90
パキスタン:165
インド:156
北朝鮮:40~50

ハイブリッド戦争
高度に統合された設計の下で用いられる公然・非公然の軍事・非軍事・民間の手段を使った戦争

G20
G7(日本、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、イタリア、ドイツ)、EU(欧州連合)、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、オーストラリア、インドネシア、韓国、メキシコ、アルゼンチン、サウジアラビア、トルコ

防衛装備移転三原則
2014年4月に安倍内閣が閣議決定した防衛装備品の輸出ルール。国際共同開発や輸出の拡大に向け、 従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃した。国際協力の推進や日本の安全保障に資する場合、相手国の適正な管理などを条件に輸出を認めた。条約や国連安保理・決議に違反する場合や、安保理が措置を取っている紛争当事国には輸出を禁じた。慎重な判断が必要な案件は国家安全保障会議(NSC)で審議する。

国際銀行間通信協会(SWIFT)
各国の金融機関同士の取引に必要な通信ネットワークを運営する組織。1973年に設立され、ベルギーに本部を置く。200を超える国・地域の金融機関1万1千社以上が参加しており、国境をまたいだ代金支払いや送金の取り扱いは1日平均約4200万件に上る。不当な行為をした国などに資金面から打撃を加える経済制裁の一環として、北朝鮮やイランの銀行がネットワークから遮断された例がある。

トリガー条項
あらかじめ決められた一定の条件を満たした際に発動する規定。トリガーの英語のつづりは「trigger」で 『引き金』を意味する。ガソリンのトリガー条項は、高騰時の価格を引き下げるため2010年に導入された。総務省が公表する小売物価統計の全国平均価格を基に、レギュラーガソリン価格が1リットル当たり160円を3ヵ月連続で超えた場合、約25円の課税を停止する。価格が130円を3ヵ月連続で下回れば元の税率に戻る。東日本大震災の復興財源を確保するため、11年から凍結されている。

デジタル課税
全世界での売上高が200億ユーロ(約2兆6千億円)超で、売上高に占める利益率が10%超の100社程度が課税対象。一部の日本企業も含まれる可能性がある。利益率が10%を超える部分の25%を各国での売上高に応じて配分する。各国に共通する15%の最低法人税率の導入と並ぶ国際課税改革の柱で、巨大IT企業に適切な課税ができていないとの問題意識から、2012年に経済協力開発機構(OECD、本部パリ)を中心に議論が始まった。

ランサムウェア
パソコンやサーバーに侵入し、機密文書や顧客情報のデータを暗号化して使えない状態にした上、復元と引き換えに金銭を要求するコンピューターウイルス。英語で身代金の意味の。「ランサム」と「ソフトウエア」を組み合わせた造語。つづりは「RANSOMWARE」。支払いは暗号資産(仮想通貨)を指定することが多い。応じなければデータを匿名性の高い、闇サイトで公開すると脅す手口も目立つ。

RCEP(地域的な包括的経済連携協定)
日本、中国、韓国、ASEAN(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)、オーストラリア、ニュージーランドの15ヶ国。GDP・人口で世界の3割の経済規模。22/1/1に発行予定。関税削減や統一ルールにより自由貿易を推進する枠組み。日本にとっては中韓との初めてのEPA(経済連携協定)。中国は、進出企業への技術移転の要求を禁止する規定を初めて受け入れた。データ通信などに関する電子商取引(EC)や、商標を含む知的財産保護に関しても一定の国際ルールが適用される。一方、TTPでの国有企業の補助や、環境・労働に関する規定は盛り込まれなかった。

TTP(環太平洋経済連携協定)
日本、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、カナダ、チリ、メキシコ、ペルーの11ヶ国。イギリス、中国、台湾が加盟を申請している。関税の撤廃、貿易手続きの円滑化、政府による発注の公平化、知的財産権の保護、金融サービスや電気通信のルールづくりなど、21の分野でテーマ。

絶対安定多数
国会の17ある委員会へ過半数の委員と委員長を送ることができる議員数。自民党が261議員を持ち可能になった。

クアッド(QUAD)
日本、アメリカ、オーストラリア、インドによる協力の枠組み。「四つで」「4者の」の意。2004年のスマトラ沖地震で救援・復興活動を担った4ヶ国協力が基礎。21年9月米ワシントンで初の首脳会合を開催。軍事面、経済面で影響力を増す中国をにらみ「自由で開かれたインド太平洋」構想推進に向けて連携強化を目指す。中国は強い警戒感を示している。

APEC(アジア太平洋経済協力会議)
TPP(日本・オーストラリア・ニュージーランド・ブルネイ・マレーシア・シンガポール・ベトナム・カナダ・チリ・メキシコ・ペルー)とアメリカ・中国・台湾・韓国・香港・インドネシア・パプアニューギニア・フィリピン・ロシア・タイの21ヵ国

国防動員法の要旨(2010/7/1)
・中国政府が「有事発生」と認定した際に、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令される
・国防義務の対象者は、18歳から60歳の男性と18歳から55歳までの女性・国務院、中央軍事委員会が動員工作を指導する

・個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される
・有事の際は、交通、金融、マスコミ、医療機関は必要に応じて政府や軍が管理する。外資系企業もその対象となる

(中国政府が有事だと判断すれば、中国国内のあらゆる組織、ヒト・モノ・カネが戦時統制下におかれ合法的に徴用される。中国に進出している外国企業も全てその対象となる。中国国内の日本企業や日本国内の企業が雇用した中国人従業員が、社内情報を中国人民解放軍に流出させても国防義務とみなされ日本企業はこれを阻止できない。)

SDGs
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs(エスディージーズ))とは、持続可能な開発のために国連が定める国際目標である。2015年9月の国連総会で採択された。

1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
2.飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3.あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4.すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
6.すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7.すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8.包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
9.強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び改革の推進を図る
10.各国内及び各国間の不平等を是正する
11.包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12.持続可能な生産消費形態を確保する
13.気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14.持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15.陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16.持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルで効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17.持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

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